JPH0457435B2 - - Google Patents
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- JPH0457435B2 JPH0457435B2 JP2725788A JP2725788A JPH0457435B2 JP H0457435 B2 JPH0457435 B2 JP H0457435B2 JP 2725788 A JP2725788 A JP 2725788A JP 2725788 A JP2725788 A JP 2725788A JP H0457435 B2 JPH0457435 B2 JP H0457435B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、レールの自動溶接方法に関するもの
である。 〔従来の技術〕 レールの現地溶接法としてエンクローズアーク
溶接法およびテルミツト溶接法がレールの軸方向
に加圧を行わなくて溶接できるところから広く用
いられている。しかしながらエンクローズアーク
溶接法は自動溶接法ではないために溶接所要時間
が長いこと、溶接工の技倆に依存することから溶
接部の品質安定性に欠けることなどの問題点があ
つた。一方、テルミツト溶接法は継手の性能が劣
り、統計的にみると使用中に破損し易い事実があ
ることと、操作に熟練度が必要であるといつた問
題点があつた。そのために、エンクローズ又はテ
ルミツト溶接法にかわる自動溶融溶接法が種々検
討されてきた。特公昭44−24249号公報に示され
た技術もエンクローズアーク溶接法にかわる方法
として提案されたものである。この技術はレール
底部をサブマージアーク溶接法により溶接し、レ
ール腹部、頭部などはエレクトロスラグ溶接法に
より溶接する方法である。 〔発明が解決しようとする課題〕 ところで上述の従来技術では自動溶融溶接法と
いうことでレール軸方向への加圧は要せず、また
エンクローズアーク溶接法よりも能率の向上は望
めるもののまだいくつかの問題点を残している。 即ち該溶接方法ではサブマージアーク溶接時に
各層の溶接終了時にスラグを除去しながら溶接を
行い、またレール底部溶接終了後は一旦溶接を中
断し、再スタートして腹部と頭部のエレクトロス
ラグ溶接を行うものである。従つて各溶接の開始
時と停止時には溶け込み不足や高温ワレなどの欠
陥が発生しやすく、能率も低下するといえる。さ
らに、レール底部の溶接と腹部および頭部の溶接
ではフラツクスを使い分け、溶接機の特性も切り
換えて使用する必要があるなど、操作の煩雑さに
起因する能率低下、溶接機のコストアツプおよび
溶接材料の管理の煩雑さをも招くことが予想され
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされた
ものであつて、その要旨は 潜弧溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用し
て行うレールの自動溶接方法において、レール底
部の溶接は初層を潜弧溶接法にて裏なみ溶接し、
2層目以降の底部溶接およびレール腹部から頭部
の溶接はエレクトロスラグ溶接法により行うと共
に、上記、一連の溶接に際してはレール底部上面
に載置した枠体および該枠体の上面に載置した当
金を用いてスラグおよび溶融金属の流出を防止
し、さらに上記一連の溶接には定電圧特性を有す
る直流電源、直径1.2〜2.0mmの細径溶接ワイヤお
よび溶融型フラツクスを使用して行うことを特徴
とするレールの自動溶接方法にある。 〔作用〕 以下、図面に従い本発明を詳細に説明する。 第1図は本発明方法の実施態様を示す斜視図で
あり、第2図は被溶接部材であるレールの端面方
向より見た実施態様の側面図である。 図において、1および2は被溶接部材であるレ
ールで、端面が適当な開先間隔をあけて突合わせ
状態で設置されている。3はレール底部の裏面に
当てた裏当材であり、銅板4と共に裏なみビード
形成用として用いられる。5および6はレール底
部上面に載置した枠体で、レールの前後に1対で
用い、レール底部開先を取り囲む形で載置してあ
つてレール底部溶接の際のスラグおよび溶融金属
の流出防止用として用いる。7および8はレール
腹部および頭部溶接用当金で、前記枠体5,6の
上面に載置し、溶接の進行に伴ないモータあるい
は油圧駆動機構等の任意の駆動手段(図示せず)
によつて矢印9,10の方向に摺動可能に設置し
てある。11は溶接ワイヤで、12は該ワイヤ1
1を開先内にガイドすると共に溶接電源から電力
をワイヤ11に供給するトーチである。トーチ1
2は矢印13方向に水平揺動する揺動軸を有する
オシレータ14および矢印15方向に昇降する台
車16に、ホルダ17、連結板18を介して保持
してある。19は台車16のガイドレールであ
る。上記構成によりワイヤ11の先端が第2図の
20のような軌跡を描きながら溶接を行つていく
が、当金7および8は、溶接が腹部にかかる時
点、即ち軌跡20のA点以降においては7aおよ
び8aに位置させる。 以上、本発明方法の実施態様における構成を説
明した。 次に、第3図〜第5図に従い、溶接手順を追つ
て本発明方法を更に詳しく説明する。 まず、第3図に示す模式図により、レール底部
の初層裏なみ溶接の状態を説明する。図において
21は溶融型フラツクス、22は形成された初層
ビード、23はビード22を覆うスラグである。
溶接は溶接トーチが12aの位置から図の右方向
に移動して行われる。フラツクス21は開先をカ
バーするように枠体5および6内に散布し、溶接
中にアークを大気から保護すると共に一部は溶接
してスラグ化し溶融池近傍をカバーする。溶接の
進行に従い、裏当材3も一部が溶融し、ビード2
2の裏面を薄いスラグで覆いビード形状をなめら
かにする。初層溶接における潜弧溶接では、2層
目以降のエレクトロスラグ溶接において浅いスラ
グ浴でも安定して溶接が行えるよう溶融型フラツ
クスを用いる方が都合が良く、また裏当材3は被
溶接物の開先が型で比較的ルート間隔が広い場
合(12mm〜20mm)でも裏なみが過大とならない観
点からガラステープを積層したもので銅板4でバ
ツクアツプしたものが最も良好な溶接結果が得ら
れた。 次に、第4図に示す模式図によりレール底部2
層目以降の溶接状態について説明する。溶接はエ
レクトロスラグ溶接法にて行われる。第4図に示
す模式図ではレール底部の溶接が5層目まで進行
し、ほぼ完了に近い状態である。 図において24は形成された2層目以降のビー
ド、25はスラグ浴、7bおよび8bは腹部およ
び頭部溶接用当金を示す。 第3図に従つて説明した初層溶接の後、溶接を
中断することなくトーチ12の移動方向を反転さ
せ2層目の溶接を行うのであるが、ここでトーチ
12の移動速度が初層溶接と同程度の大きい速度
であると、凝固したスラグ23が再溶融しないた
めアーク接続を阻害し不安定な溶接となる。そこ
でトーチの移動速度を初層溶接時の30〜70%に落
して溶接を行うと凝固スラグ23は再溶融し、初
層溶接時に散布したフラツクス21の未溶融分も
溶融してスラグとなりエレクトロスラグ溶接用ス
ラグ浴が形成される。このようにしてレール底部
の溶接は2層目以降、潜弧溶接からエレクトロス
ラグ溶接に移行し、トーチ12の反復移動を繰り
返して進行される。トーチ12の水平移動ストロ
ークは反復毎に小さくしていきながら溶接すれば
余盛が大きくならないので溶接後の仕上げ工程が
楽になる。当金7,8はトーチ12の水平移動ス
トロークの減少に従い、レール腹部に徐々に近づ
けていき、レール底部の溶接がほぼ完了に近づい
た第4図の状態では7b,8bの如くレール腹部
近傍まで移動させており、底部溶接に続く腹部溶
接に速やかに移行できるように待機しておく。 続いて、腹部および頭部の溶接について、第5
図の模式図に従い説明する。図において12bは
腹部溶接中のトーチ、26は腹部溶接中のスラグ
浴を示し、12cおよび12dは頭部溶接時のト
ーチであり、27はスラグ浴である。頭部溶接は
図に示す如く、トーチが12cと12dの間で水
平揺動を繰り返して行われる。当金7,8はレー
ルに密着するよう押し当ててあり、スラグ26,
27および溶融金属の流出を防止し、ビード形状
を整える作用をする。 第4図に従つて説明したレール底部のエレクト
ロスラグ溶接後、トーチ12の水平移動をレール
幅中央部にて停止させ、トーチ12を上方にのみ
移動させて腹部のエレクトロスラグ溶接を行う。
レール腹部の溶接が終了し、頭部にかかると、ト
ーチの水平揺動を再開し、徐々に水平揺動のスト
ロークを増加させていき、レール頭部幅一杯のス
トローク、即ちトーチ位置12c,12dの間で
水平揺動を行いながら溶接する。レール底部から
頭部までのエレクトロスラグ溶接ではフラツクス
を補給してスラグ浴深さの減少を補いながら溶接
を行う。 以上述べた本発明方法において、本発明者等は
溶接作業面、溶接部性能面から、溶接電源、溶接
ワイヤ径、フラツクスのタイプ等を検討した結
果、同一フラツクスを用いて潜弧溶接法からエレ
クトロスラグ溶接法にスラグの除去を行なわず連
続して移行させるには、レール底部溶接時の如く
浅いスラグ浴深さにおいてもワイヤが容易に溶融
しやくするため、細径ワイヤを用いれば具合が良
く、また溶接電源は定電圧特性を有する直流電源
を用い、ワイヤを定速送給して溶接すれば、細径
ワイヤによる潜弧溶接およびエレクトロスラグ溶
接を良好に行えることがわかつた。さらにフラツ
クスは溶融型フラツクスが潜弧溶接、エレクトロ
スラグ溶接いずれの場合にも適し良好な作業性が
得られた。又フラツクスとしては重量%で、
CaF215〜45%,TiO215〜35%でかつCaF2+
TiO2で50%以上を含む、CaF2,TiO2を主成分と
する溶融型フラツクスが適していることがわかつ
た。CaFc2が15%未満では潜弧溶接からエレスラ
溶接への移行が順調に進まず、45%を越える場合
には、弗化物ガスの発生により悪臭を生じ作業環
境を悪化させる。又TiO2はエレスラ溶接時のス
ラグの電気伝導度をCaF2と組み合わせて適度に
保つためのものであるが、15%未満ではその効果
がなく、又35%を越える場合には、フラツクスの
溶融点を上げ、潜弧溶接からエレスラ溶接への移
行が順調に進まない。又、CaF2とTiO2は主成分
としてフラツクスに含まれるものであるが、その
合計として50%未満では潜弧溶接からエレスラ溶
接への移行が順調に進まず、作業性が悪い。ワイ
ヤ径は1.2mm未満では初層裏なみ溶接時のアーク
力が小さく、アークの拡がりも少ないため良好な
裏なみが形成されにくく、2.0mmを越えるワイヤ
径では浅いスラグ浴の中でワイヤが溶けにくいた
め、本発明方法では1.2〜2.0mmの範囲が適してい
た。 〔実施例〕 上述した、構成および手順に従い鉄道用レール
132 1bレールを突合わせ溶接した例を述べる。
本発明の構成による実施例を実施例1〜4に、比
較例を比較例1.2に示す。 実施例1〜4においては順調に欠陥のない高能
率溶接を行えた。比較例1においては、溶接ワイ
ヤ径が本発明よりはずれており、エレクトロスラ
グ溶接時において順調なエレクトロスラグ溶接状
態が維持できず、3層目以降の溶接をできなかつ
た。又、比較例2においては、フラツクス成分が
本発明よりはずれており、潜弧溶接からエレクト
ロスラグ溶接への移行が順調に進まず、3層目以
降の溶接をできなかつた。 実施例 1 溶接ワイヤ:φ1.6ソリツドワイヤ フラツクス:溶融型フラツクス CaF235%,TiO230%,CaO20%, SiO215% 裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ4枚重ね 溶接電源:直流定電圧特性電源、定格500A
である。 〔従来の技術〕 レールの現地溶接法としてエンクローズアーク
溶接法およびテルミツト溶接法がレールの軸方向
に加圧を行わなくて溶接できるところから広く用
いられている。しかしながらエンクローズアーク
溶接法は自動溶接法ではないために溶接所要時間
が長いこと、溶接工の技倆に依存することから溶
接部の品質安定性に欠けることなどの問題点があ
つた。一方、テルミツト溶接法は継手の性能が劣
り、統計的にみると使用中に破損し易い事実があ
ることと、操作に熟練度が必要であるといつた問
題点があつた。そのために、エンクローズ又はテ
ルミツト溶接法にかわる自動溶融溶接法が種々検
討されてきた。特公昭44−24249号公報に示され
た技術もエンクローズアーク溶接法にかわる方法
として提案されたものである。この技術はレール
底部をサブマージアーク溶接法により溶接し、レ
ール腹部、頭部などはエレクトロスラグ溶接法に
より溶接する方法である。 〔発明が解決しようとする課題〕 ところで上述の従来技術では自動溶融溶接法と
いうことでレール軸方向への加圧は要せず、また
エンクローズアーク溶接法よりも能率の向上は望
めるもののまだいくつかの問題点を残している。 即ち該溶接方法ではサブマージアーク溶接時に
各層の溶接終了時にスラグを除去しながら溶接を
行い、またレール底部溶接終了後は一旦溶接を中
断し、再スタートして腹部と頭部のエレクトロス
ラグ溶接を行うものである。従つて各溶接の開始
時と停止時には溶け込み不足や高温ワレなどの欠
陥が発生しやすく、能率も低下するといえる。さ
らに、レール底部の溶接と腹部および頭部の溶接
ではフラツクスを使い分け、溶接機の特性も切り
換えて使用する必要があるなど、操作の煩雑さに
起因する能率低下、溶接機のコストアツプおよび
溶接材料の管理の煩雑さをも招くことが予想され
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされた
ものであつて、その要旨は 潜弧溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用し
て行うレールの自動溶接方法において、レール底
部の溶接は初層を潜弧溶接法にて裏なみ溶接し、
2層目以降の底部溶接およびレール腹部から頭部
の溶接はエレクトロスラグ溶接法により行うと共
に、上記、一連の溶接に際してはレール底部上面
に載置した枠体および該枠体の上面に載置した当
金を用いてスラグおよび溶融金属の流出を防止
し、さらに上記一連の溶接には定電圧特性を有す
る直流電源、直径1.2〜2.0mmの細径溶接ワイヤお
よび溶融型フラツクスを使用して行うことを特徴
とするレールの自動溶接方法にある。 〔作用〕 以下、図面に従い本発明を詳細に説明する。 第1図は本発明方法の実施態様を示す斜視図で
あり、第2図は被溶接部材であるレールの端面方
向より見た実施態様の側面図である。 図において、1および2は被溶接部材であるレ
ールで、端面が適当な開先間隔をあけて突合わせ
状態で設置されている。3はレール底部の裏面に
当てた裏当材であり、銅板4と共に裏なみビード
形成用として用いられる。5および6はレール底
部上面に載置した枠体で、レールの前後に1対で
用い、レール底部開先を取り囲む形で載置してあ
つてレール底部溶接の際のスラグおよび溶融金属
の流出防止用として用いる。7および8はレール
腹部および頭部溶接用当金で、前記枠体5,6の
上面に載置し、溶接の進行に伴ないモータあるい
は油圧駆動機構等の任意の駆動手段(図示せず)
によつて矢印9,10の方向に摺動可能に設置し
てある。11は溶接ワイヤで、12は該ワイヤ1
1を開先内にガイドすると共に溶接電源から電力
をワイヤ11に供給するトーチである。トーチ1
2は矢印13方向に水平揺動する揺動軸を有する
オシレータ14および矢印15方向に昇降する台
車16に、ホルダ17、連結板18を介して保持
してある。19は台車16のガイドレールであ
る。上記構成によりワイヤ11の先端が第2図の
20のような軌跡を描きながら溶接を行つていく
が、当金7および8は、溶接が腹部にかかる時
点、即ち軌跡20のA点以降においては7aおよ
び8aに位置させる。 以上、本発明方法の実施態様における構成を説
明した。 次に、第3図〜第5図に従い、溶接手順を追つ
て本発明方法を更に詳しく説明する。 まず、第3図に示す模式図により、レール底部
の初層裏なみ溶接の状態を説明する。図において
21は溶融型フラツクス、22は形成された初層
ビード、23はビード22を覆うスラグである。
溶接は溶接トーチが12aの位置から図の右方向
に移動して行われる。フラツクス21は開先をカ
バーするように枠体5および6内に散布し、溶接
中にアークを大気から保護すると共に一部は溶接
してスラグ化し溶融池近傍をカバーする。溶接の
進行に従い、裏当材3も一部が溶融し、ビード2
2の裏面を薄いスラグで覆いビード形状をなめら
かにする。初層溶接における潜弧溶接では、2層
目以降のエレクトロスラグ溶接において浅いスラ
グ浴でも安定して溶接が行えるよう溶融型フラツ
クスを用いる方が都合が良く、また裏当材3は被
溶接物の開先が型で比較的ルート間隔が広い場
合(12mm〜20mm)でも裏なみが過大とならない観
点からガラステープを積層したもので銅板4でバ
ツクアツプしたものが最も良好な溶接結果が得ら
れた。 次に、第4図に示す模式図によりレール底部2
層目以降の溶接状態について説明する。溶接はエ
レクトロスラグ溶接法にて行われる。第4図に示
す模式図ではレール底部の溶接が5層目まで進行
し、ほぼ完了に近い状態である。 図において24は形成された2層目以降のビー
ド、25はスラグ浴、7bおよび8bは腹部およ
び頭部溶接用当金を示す。 第3図に従つて説明した初層溶接の後、溶接を
中断することなくトーチ12の移動方向を反転さ
せ2層目の溶接を行うのであるが、ここでトーチ
12の移動速度が初層溶接と同程度の大きい速度
であると、凝固したスラグ23が再溶融しないた
めアーク接続を阻害し不安定な溶接となる。そこ
でトーチの移動速度を初層溶接時の30〜70%に落
して溶接を行うと凝固スラグ23は再溶融し、初
層溶接時に散布したフラツクス21の未溶融分も
溶融してスラグとなりエレクトロスラグ溶接用ス
ラグ浴が形成される。このようにしてレール底部
の溶接は2層目以降、潜弧溶接からエレクトロス
ラグ溶接に移行し、トーチ12の反復移動を繰り
返して進行される。トーチ12の水平移動ストロ
ークは反復毎に小さくしていきながら溶接すれば
余盛が大きくならないので溶接後の仕上げ工程が
楽になる。当金7,8はトーチ12の水平移動ス
トロークの減少に従い、レール腹部に徐々に近づ
けていき、レール底部の溶接がほぼ完了に近づい
た第4図の状態では7b,8bの如くレール腹部
近傍まで移動させており、底部溶接に続く腹部溶
接に速やかに移行できるように待機しておく。 続いて、腹部および頭部の溶接について、第5
図の模式図に従い説明する。図において12bは
腹部溶接中のトーチ、26は腹部溶接中のスラグ
浴を示し、12cおよび12dは頭部溶接時のト
ーチであり、27はスラグ浴である。頭部溶接は
図に示す如く、トーチが12cと12dの間で水
平揺動を繰り返して行われる。当金7,8はレー
ルに密着するよう押し当ててあり、スラグ26,
27および溶融金属の流出を防止し、ビード形状
を整える作用をする。 第4図に従つて説明したレール底部のエレクト
ロスラグ溶接後、トーチ12の水平移動をレール
幅中央部にて停止させ、トーチ12を上方にのみ
移動させて腹部のエレクトロスラグ溶接を行う。
レール腹部の溶接が終了し、頭部にかかると、ト
ーチの水平揺動を再開し、徐々に水平揺動のスト
ロークを増加させていき、レール頭部幅一杯のス
トローク、即ちトーチ位置12c,12dの間で
水平揺動を行いながら溶接する。レール底部から
頭部までのエレクトロスラグ溶接ではフラツクス
を補給してスラグ浴深さの減少を補いながら溶接
を行う。 以上述べた本発明方法において、本発明者等は
溶接作業面、溶接部性能面から、溶接電源、溶接
ワイヤ径、フラツクスのタイプ等を検討した結
果、同一フラツクスを用いて潜弧溶接法からエレ
クトロスラグ溶接法にスラグの除去を行なわず連
続して移行させるには、レール底部溶接時の如く
浅いスラグ浴深さにおいてもワイヤが容易に溶融
しやくするため、細径ワイヤを用いれば具合が良
く、また溶接電源は定電圧特性を有する直流電源
を用い、ワイヤを定速送給して溶接すれば、細径
ワイヤによる潜弧溶接およびエレクトロスラグ溶
接を良好に行えることがわかつた。さらにフラツ
クスは溶融型フラツクスが潜弧溶接、エレクトロ
スラグ溶接いずれの場合にも適し良好な作業性が
得られた。又フラツクスとしては重量%で、
CaF215〜45%,TiO215〜35%でかつCaF2+
TiO2で50%以上を含む、CaF2,TiO2を主成分と
する溶融型フラツクスが適していることがわかつ
た。CaFc2が15%未満では潜弧溶接からエレスラ
溶接への移行が順調に進まず、45%を越える場合
には、弗化物ガスの発生により悪臭を生じ作業環
境を悪化させる。又TiO2はエレスラ溶接時のス
ラグの電気伝導度をCaF2と組み合わせて適度に
保つためのものであるが、15%未満ではその効果
がなく、又35%を越える場合には、フラツクスの
溶融点を上げ、潜弧溶接からエレスラ溶接への移
行が順調に進まない。又、CaF2とTiO2は主成分
としてフラツクスに含まれるものであるが、その
合計として50%未満では潜弧溶接からエレスラ溶
接への移行が順調に進まず、作業性が悪い。ワイ
ヤ径は1.2mm未満では初層裏なみ溶接時のアーク
力が小さく、アークの拡がりも少ないため良好な
裏なみが形成されにくく、2.0mmを越えるワイヤ
径では浅いスラグ浴の中でワイヤが溶けにくいた
め、本発明方法では1.2〜2.0mmの範囲が適してい
た。 〔実施例〕 上述した、構成および手順に従い鉄道用レール
132 1bレールを突合わせ溶接した例を述べる。
本発明の構成による実施例を実施例1〜4に、比
較例を比較例1.2に示す。 実施例1〜4においては順調に欠陥のない高能
率溶接を行えた。比較例1においては、溶接ワイ
ヤ径が本発明よりはずれており、エレクトロスラ
グ溶接時において順調なエレクトロスラグ溶接状
態が維持できず、3層目以降の溶接をできなかつ
た。又、比較例2においては、フラツクス成分が
本発明よりはずれており、潜弧溶接からエレクト
ロスラグ溶接への移行が順調に進まず、3層目以
降の溶接をできなかつた。 実施例 1 溶接ワイヤ:φ1.6ソリツドワイヤ フラツクス:溶融型フラツクス CaF235%,TiO230%,CaO20%, SiO215% 裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ4枚重ね 溶接電源:直流定電圧特性電源、定格500A
【表】
実施例 2
溶接ワイヤ:φ1.6ソリツドワイヤ
フラツクス:溶融型フラツクス
CaF231%,TiO228%,CaO17%,
SiO222%,MgO2%
裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ1枚+固形材
溶接電源:直流定電圧特性電源、定格500A
【表】
実施例 3
溶接ワイヤ:φ1.2ソリツドワイヤ
フラツクス:溶融型フラツクス
CaF240%,TiO220%,CaO15%,
SiO219%,Al2O36%
裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ4枚重ね
溶接電源:直流定電圧特性電源、定格500A
【表】
実施例 4
溶接ワイヤ:φ2.0ソリツドワイヤ
フラツクス:溶融型フラツクス
CaF225%,TiO225%,CaO18%,
SiO220%,MgO5%,ZrO27%
裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ1枚+固形材
溶接電源:直流定電圧特性電源、定格600A
【表】
比較例 1
溶接ワイヤ:φ3.2ソリツドワイヤ
フラツクス:溶融型フラツクス
CaF225%,TiO227%,CaO16%,
SiO228%,MgO4%
裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ4枚重ね
溶接電源:直流定電圧特性電源、定格600A
【表】
比較例 2
溶接ワイヤ:φ1.6ソリツドワイヤ
フラツクス:ボンドフラツクス
CaF214%,TiO220%,CaO5%,
SiO225%,Al2O336%
裏当材:ガラステープ1.0mm厚さ4枚重ね
溶接電源:直流定電圧特性電源、定格500A
以上、述べた如く本発明によれば、レールの現
地溶接において、複雑な電源切換え操作を行うこ
となく、また、溶接材料も複数種類を用いずに、
レール底部から頭部までの溶接を潜弧溶接と、エ
レクトロスラグ溶接法を併用して高能率に行うこ
とができる。
地溶接において、複雑な電源切換え操作を行うこ
となく、また、溶接材料も複数種類を用いずに、
レール底部から頭部までの溶接を潜弧溶接と、エ
レクトロスラグ溶接法を併用して高能率に行うこ
とができる。
第1図は本発明実施態様を示す斜視図、第2図
は同側面図、第3図は本発明によりレール底部初
層を溶接中の断面図、第4図はレール底部2層目
以降を溶接中の断面図、第5図はレール腹部およ
び頭部を溶接中の断面図を示す。 1,2……レール、3……裏当材、4……銅
板、5,6……枠板、7,8……当金、9,10
……当金摺動方向、11……溶接ワイヤ、12…
…トーチ、13……トーチ揺動方向、14……オ
シレータ、15……台車昇降方向、16……台
車、17……ホルダ、18……連結板、19……
ガイドレール、20……ワイヤ軌跡、21……フ
ラツクス、22……初層ビード、23……スラ
グ、24……2層目以降ビード、25,26,2
7……スラグ浴。
は同側面図、第3図は本発明によりレール底部初
層を溶接中の断面図、第4図はレール底部2層目
以降を溶接中の断面図、第5図はレール腹部およ
び頭部を溶接中の断面図を示す。 1,2……レール、3……裏当材、4……銅
板、5,6……枠板、7,8……当金、9,10
……当金摺動方向、11……溶接ワイヤ、12…
…トーチ、13……トーチ揺動方向、14……オ
シレータ、15……台車昇降方向、16……台
車、17……ホルダ、18……連結板、19……
ガイドレール、20……ワイヤ軌跡、21……フ
ラツクス、22……初層ビード、23……スラ
グ、24……2層目以降ビード、25,26,2
7……スラグ浴。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 潜弧溶接法とエレクトロスラグ溶接法とを併
用して行うレールの自動溶接方法において、レー
ル底部の溶接は初層を潜弧溶接法にて裏なみ溶接
し、そのまゝ溶接を中断することなく2層目以降
の底部溶接およびレール腹部から頭部の溶接をエ
レクトロスラグ溶接法により行うと共に、上記、
一連の溶接に際してはレール底部上面に載置した
枠体および該枠体の上面に載置した当金を用いて
スラグおよび溶融金属の流出を防止し、さらに上
記一連の溶接には定電圧特性を有する直流電源、
直径1.2〜2.0mmの細径溶接ワイヤおよび溶融型フ
ラツクスを使用して行うことを特徴とするレール
の自動溶接方法。 2 フラツクスとして重量%でCaF215〜45%,
TiO215〜35%でかつ、CaF2+TiO2で50%以上を
含む、CaF2,TiO2を主成分とする溶融型フラツ
クスを使用することを特徴とする請求項1記載の
レールの自動溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-27257A JPH012779A (ja) | 1987-02-24 | 1988-02-08 | レールの自動溶接方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4077987 | 1987-02-24 | ||
JP62-40779 | 1987-02-24 | ||
JP63-27257A JPH012779A (ja) | 1987-02-24 | 1988-02-08 | レールの自動溶接方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS642779A JPS642779A (en) | 1989-01-06 |
JPH012779A JPH012779A (ja) | 1989-01-06 |
JPH0457435B2 true JPH0457435B2 (ja) | 1992-09-11 |
Family
ID=
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS642779A (en) | 1989-01-06 |
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