JPH0455637B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の目的］ 本願発明は、水性媒体中に安定して分散してい
る粒状の研磨剤を含む研磨清浄液組成物に関す
る。 研磨清浄液は多年にわたり知られている。かか
る研磨清浄液は、研磨剤を含まない清浄液ではな
かなか落ちないような、頑固な汚垢、油汚れ、焦
げつき、しみ等の除去のための手軽な手段として
通常の家庭で表面の硬い物品の手入れに広く使わ
れている。 最近20年間に、研磨清浄液の組成に関する一連
の刊行物が出た。この多くは、水性媒体の安定性
が分散性を問題としている。分散媒については、
例えば英国特許第1167597号、第1181607号、第
1262280号、第1303810号、第1308190号及び第
1418671号に述べられている。欧州特許第50887号
及び第80221号等には、高剪断応力での分散媒体
の安定性について開示されている。 最近、研磨清浄液はますます洗練されてきてお
り、直接の清浄効率以外の使い勝手も消費者に比
較される重要な要素となつてきている。業界では
このために清浄効率、非擦傷性、泡立ち、ザラザ
ラしないクリーミーな感触、濯ぎ易さといつた性
質を兼ね備えた研磨清浄液を目指している。だ
が、これらの中には同時に実現できないものがあ
る。清浄効率と非擦傷性やザラザラしない感触と
はあいいれないし、泡立ちと濯ぎ易さも両立しな
い。 清浄剤の性能において研磨剤の粒径が極めて重
要なことは古くから知られているが、研磨剤の粒
度分布が多くの所望の性質を実用上差支えない程
度に同時に満たす点で研磨清浄液の組成において
重要な役割を果たすことは、最近まで知られてい
なかつた。 英国特許第1581433号には、清浄剤の製造に際
して研磨剤粉末の最も微粒の部分を減らせば濯ぎ
性能はかなり改善されることが示されている。10
ミクロン以下の粒径のものは20重量％未満で、
125ミクロン以上の粒子は実質上ないような粒度
分布がよいとされている。 米国特許第4181633号では、清浄用にすぐれ摩
耗の少ない研磨清浄剤としてメタ珪素カルシウム
を単独ないし炭酸カルシウムと併用する研磨清浄
液組成物が開示されている。研磨剤の平均粒径は
5.5〜16ミクロンの範囲で40ミクロン超の粗粒は
実質上ないようにすべきだとされている。 米国特許第4302347号では、１〜40ミクロンの
粒径の１〜20重量％の粒状非水溶性研磨剤から成
る多目的研磨清浄液が教えられている。この組成
物はクリーミーで、油脂その他の汚垢を効率良く
落とし擦傷を作らないとされている。 英国特許第2125428号では、平均粒径が４〜
17.5ミクロンで75ミクロン超の粗粒を実質上含ま
ない研磨剤粉末を含む研磨液クレンザー組成物が
説明されている。ソフトで滑らかな感触にすぐ
れ、かつ十分な清浄性能があるとされている。 １〜150ミクロンの粒径を有し10〜50ミクロン
の平均粒径の研磨剤粉末を含む従来の家庭用研磨
清浄液に比べ、最近粒径をかなり微細な方にずら
せかつ分布を鋭くして、清浄性能を低下させるこ
となく感触と濯ぎ性能を向上させることが提案さ
れている。 微細な研磨剤特に超微粒の方解石を高率で用い
た研磨清浄液組成物の問題点は、微粉が貯蔵中に
凝集して遥かに大きくなり、製品の感触を損ねた
りプラスチツクなどの柔らかな表面を擦傷したり
するようになることである。 ［発明の構成］ 上記の従来技術の問題点に鑑み研究の結果、特
に無燐の組成において電解質を適当に選択するこ
とにより粒子の成長傾向が抑止されることが判明
した。本発明はこの知見に基づくものであるが、
以上のような構成をとる。１〜５ミクロンの粒度
範囲の方解石研磨剤粒子40〜70重量％と、クエン
（枸櫞）酸、炭酸、硫酸、塩酸、コハク（琥珀）
酸、アジピン酸、及びグルタル酸のアルカリ金属
又はアンモニウム塩から成る群から選ばれた１種
又は２種以上の電解質20重量％以下とを含み、こ
れらを液体媒体中に安定に分散して成る、燐酸塩
を含有しない研磨清浄液組成物。 本発明において使用に適する研磨性物質は、天
然又は合成の方解石研磨剤である。それらの例
は、石灰岩、白堊、大理石などの英国特許第
1345119号で方解石の例とされた種類の方解石で
ある。 方解石研磨剤は本発明組成物に対し40〜70重量
％、好ましくは45〜55重量％の割合で含まれる。 本発明においては、研磨剤を高度に分別して１
〜５ミクロンの範囲の粒径とする。この場合の範
囲とは、５ミクロンを超えるものは10重量％未満
であつて、１ミクロン未満のものは30重量％未満
であるとの意味に解すべきである。この上限にお
ける分別は好ましくは５ミクロン超の粒子が５、
理想をいえば３重量％未満となる分布がよい。下
限についてはそれ程鋭い分布とすることもない
が、１ミクロン未満の微粒を20重量％とするとよ
い結果が得られる。 本発明における粒度の平均は１〜５ミクロンの
範囲であり、さらに最適の範囲は２〜４ミクロン
である。 方解石研磨剤は液体媒体中に安定して分散され
る。上記液体媒体は普通水性で、アニオン活性剤
を好ましくはノニオン又は両性活性剤と共存する
形で含有する。好ましいアニオン活性剤の例は、
炭素数12〜18の分岐又は直鎖アルキルアリールス
ルホン酸、炭素数10〜18のアルキルポリ（ｎ＝１
〜10）エチレングリコールスルホン酸、炭素数10
〜24の脂肪酸石鹸等のアルキル金属又はアルカノ
ールアミン塩である。一般にアニオン活性剤の量
は最終組成に対して重量で0.5〜15％、好ましく
は１〜５％である。 多くの場合、ノニオン又は両性活性剤を水性媒
体に0.3〜７％、好ましくは0.5〜５重量％加える
のがよい。ノニオン活性剤の好適例としては、炭
素数８〜18の直鎖一級又は二級アルコール、炭素
数８〜18の脂肪酸アミド若しくは脂肪酸アルキロ
ールアミド（モノ及びジアミドの両方）、炭素数
９〜18のアルキルフエノール等とエチレンオキサ
イド及び又はプロピレンオキサイドとの水溶性縮
合物である。アルコキシル化した炭素数８〜18の
モノ又はジ脂肪酸アルキロールアミドは、１本よ
りも多いアルキレンオキサイド基を持たなくては
ならず、例えば２〜５モルの酸化エチレンのよう
なアルキレンオキサイドと縮合される。脂肪酸残
基の炭素数が10〜16のモノ又はジアルキロールア
ミドもノニオン活性剤として好適であり、例えば
梛子油脂肪酸のモノ又はジアルキロールアミドが
ある。 両性活性剤としては、１本の長鎖アルキル基
（炭素数８〜18）と２本の短縮（炭素数１〜４）
を持つトリアルキルアミンオキサイドが適当で、
ベタイン又はスルホベタインがあげられる。 液体媒体はビンガム塑性を有することが特に望
ましく、これにより方解石研磨剤のための安定し
た分散媒体となることができる。上記した活性剤
については、更に他の活性剤との併用も含めて、
英国特許第1167597号、第1181607号、第1262280
号、第1303810号、第1308190号及び第1418671号
に記載されている。 分散媒体へ添加すべき他の必須の成分としては
１種又は２種以上の電解質があるが、これらは燐
酸塩タイプのものであつてはならない。電解質と
しては、クエン酸、炭酸、硫酸、塩酸、コハク
酸、アジピン酸及びグルタル酸のアルカリ金属又
はアンモニウム塩から成る群から選ばれる。電解
質の好適例はクエン酸及び炭酸のアルカリ金属塩
でクエン酸ソーダ、炭酸ソーダ、重曹等がある。
添加量は分散系にもよるが、一般に0.5〜25重量
％、好ましくは１〜７重量％である。 本発明の組成物には、必要に応じ塩素発生型の
漂白剤を含有させることができ、その好適例は次
亜塩素酸ソーダ及びイソシアヌレートである。 研磨清浄液の他の添加物としては、着色剤、香
料、蛍光剤、親水剤、汚垢分散剤、酵素、乳白
剤、殺菌剤、調湿剤等がある。 本発明を更に説明するために以下に実施例を挙
げるが、特に断らぬ限り比率はすべて全組成に対
する重量によるものとする。

【表】 水、微量添加物 残り

【表】

【表】

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １〜５ミクロンの粒度範囲の方解石研磨剤粒
   子40〜70重量％と、クエン酸、炭酸、硫酸、塩
   酸、コハク酸、アジピン酸、及びグルタル酸のア
   ルカリ金属又はアンモニウム塩から成る群から選
   ばれた１種又は２種以上の電解質20重量％以下と
   を含み、これらを水性媒体中に分散して成る、燐
   酸塩を含有しない研磨清浄液組成物。 ２ 研磨剤の含有量が45〜55重量％である特許請
   求の範囲第１項記載の研磨清浄液組成物。 ３ 研磨剤の平均粒度が２〜４ミクロンの範囲に
   ある特許請求の範囲第１項記載の研磨清浄液組成
   物。 ４ 水性媒体が、0.5〜15重量％のアニオン活性
   剤、0.3〜７重量％のノニオン活性剤、及び0.5〜
   25重量％の電解質を含有する特許請求の範囲第１
   項記載の研磨清浄液組成物。 ５ 電解質がクエン酸と炭酸のアルカリ金属塩か
   ら成る群から選ばれた特許請求の範囲第１項記載
   の研磨清浄液組成物。 ６ 塩素を放出するタイプの漂白剤を更に含有す
   る特許請求の範囲第１項記載の研磨清浄液組成
   物。