JPH0455198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、巻取ドラムに内装したモーターの出
力軸にピニオンギアを軸支し、該ピニオンギアに
噛合する内歯歯車を、巻取ドラム端部に装着した
ホイールの内壁に周設してなる電動軽量シヤツタ
ーに係り、特に停電またはモーターの故障時に手
動によつて容易にシヤツターの開閉を行うことが
できる電動軽量シヤツターにおける手動切替装置
に関するものである。

［従来の技術］ 従来、電動シヤツターの駆動方法としては、シ
ヤツターカーテンを巻回する巻取ドラムを開口部
の上部に設置したシヤツターケース内に回転軸を
介して枢支し、かつ該回転軸をシヤツターケース
の側方に設置したモーターの出力軸に連動連結す
るモーター外付け形巻取ドラムによる構成と、出
力軸にピニオンギアを軸支したモーターを巻取ド
ラムに内装し、かつ上記ピニオンギアに噛合する
内歯歯車を、巻取ドラム端部に装着したホイール
の内壁に周設して巻取ドラムを回転駆動するいわ
ゆるモーター内蔵形巻取ドラムによる構成とが広
く採用されている。

そして、上記モーター外付け形巻取ドラムによ
る構成は、駆動負荷が大きい場合、すなわち比較
的重量のある大型のシヤツターカーテンを駆動す
る場合に採用され、また、モーター内蔵形巻取ド
ラムによる構成は、駆動負荷の軽い軽量シヤツタ
ーに採用されることが多い。

ここで、モーター外付け形巻取ドラムによる構
成では、巻取ドラムの回転軸とモーターの出力軸
との間に電磁式あるいは機械式の手動切替用クラ
ツチを介装することにより、手動で開閉できるよ
うに構成することが比較的簡単に可能であるが、
モーター内蔵形巻取ドラムによる構成のもので
は、巻取ドラム内の限られたスペースにモーター
の制動用クラツチとは別に手動切替用のクラツチ
を設置することは困難であるばかりでなく、巻取
ドラムに内装したモーター周辺の機構が複雑化し
てしまい、特にモーター外付け形巻取ドラムに比
してモーターの点検、修理に高度な技術と分解作
業を要するため、巻取ドラムの回転駆動における
信頼性を考慮してクラツチによる手動切替を行わ
ない簡易確実な駆動機構を採用しているのが実状
であつた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、この種モーター内蔵形巻取ドラ
ムで構成した電動軽量シヤツターにおいても、停
電あるいはモーターの故障等の不慮の障害を避け
ることができず、特にシヤツターカーテンが巻取
ドラムに巻回された状態で、停電により巻取ドラ
ムを駆動できなくなつた場合には、シヤツターカ
ーテンにより開口部を開閉することが全く不可能
となるばかりでなく、モーターの故障により巻取
ドラムを駆動できなくなつた場合にも、ガイドレ
ールを取り外した後、シヤツターカーテンを分解
する、という甚だ面倒で大掛かりな分解作業を必
要とし、巻取ドラム内のモーターを迅速に修理す
ることができず、従来における簡易確実な構成の
長所を損なうことなく、手動操作で巻取ドラムを
回転駆動させることができる手動切替装置の出現
が嘱望されていた。

本考案は、上記の如き実状に鑑み従来の欠点を
解消すべく創案されたものであつて、その目的と
するところは、簡易確実な構成でありながら、電
動軽量シヤツターの開閉操作を容易に手動操作に
切替ることができ、停電あるいはモーターの故障
等の緊急時にもシヤツターカーテンを降下させる
ことができる電動軽量シヤツターにおける手動切
替装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 課題を解決するため、本考案が採用した技術的
手段は、巻取ドラムに内装したモーターの出力軸
にピニオンギアを軸芯方向摺動自在に嵌合し、該
ピニオンギアに噛合する内歯歯車を、巻取ドラム
端部に装着したホイールの内壁に周設してなる電
動軽量シヤツターであつて、上記ピニオンギアの
ボス部側端部に凹溝を周設して該凹溝にフランジ
を遊嵌し、かつ該ピニオンギアを内歯歯車側に付
勢する付勢弾機を、上記出力軸に同軸状に弾着す
ると共に、上記フランジの周縁部にワイヤーを連
結し、上記ワイヤーの引張操作に連繋してピニオ
ンギアと内歯歯車との噛合を解除すべく構成した
ことを特徴とするものである。

［考案の作用］ しがたつて、本考案によれば、モーターの通電
の有無によらず、巻取ドラムを回転させてシヤツ
ターカーテンを降下させることができると共に、
巻取ドラムに内装したモーター等の点検、修理を
速やかに行うことができる。

［実施例］ 本考案の構成を、図面に示した一実施例につい
て詳細に説明する。

第１図において、１は図示しないシヤツターケ
ース内に軸架された固定軸であつて、該固定軸１
に図示しないブラケツトを介してモーター２と制
御盤３を備えた回転移動式のリミツトスイツチ機
構４が対向して装着されている。また上記モータ
ー２の出力軸２ａの一端部には、ブレーキライニ
ング８を周設したブレーキシユー５が固着されて
おり、ソレノイド６ａを併設した制動クラツチ機
構６のブレーキデスク６ｂを、制動スプリング７
の弾発力によつてブレーキライニング８に圧接
し、出力軸２ａの回転を制止するように構成され
ている。

また、上記モーター２の出力軸２ａの他端部に
は、減速機構９を介してピニオンギア１０が軸芯
方向摺動自在にスプライン嵌合されており、該ピ
ニオンギア１０のボス部側端部１０ａには、フラ
ンジ１１を遊嵌すべく凹溝１０ｂが周設されてい
ると共に、上記フランジ１１とモーター２の出力
軸２ａを覆う外筒体１２の段部１２ａとの間に付
勢弾機１３が同軸状に介装され、ピニオンギア１
０を後述するホイール１４の内歯歯車１４ａ側に
付勢するようになつている。

上記ピニオンギア１０のフランジ１１には、第
２図に示す如く、２本のワイヤー１５，１５がモ
ーター２の出力軸２ａと平行して配設した筒状部
１６内を貫通して連結されており、その余長部は
支持部材１７内で集束された状態で外部に導出さ
れ、図示しない手動切替レバーに接続されてい
る。

一方、前記ホイール１４は、固定軸１と同軸状
に軸架された支持軸１ａに、ボルト１ｂにより止
着した外れ止めリング１ｃを介して回転自在に枢
設されていると共に、上記ホイール１４の内周壁
には内歯歯車１４ａが刻設され、該内歯歯車１４
ａに噛合するピニオンギア１０の回転駆動でホイ
ール１４を駆動し、仮想線で示す巻取ドラム１４
ｂに巻回したシヤツターカーテン（図示せず）を
巻上げ、巻戻しするように構成されている。

なお、４ａはリミツトスイツチ機構４のスイツ
チ本体、４ｂはスイツチ本体４ａを軸方向進退自
在に装着する支軸、１８は支軸４ｂ先端部に軸支
したピニオン状の遊星ギアであつて、該遊星ギア
１８はホイール１４の内歯歯車１４ａに噛合され
ており、ホイール１４の回転に連繋して支軸４ａ
を回転させることにより、スイツチ本体４ａを支
軸４ｂの軸方向に進退移動させて、ホイール４の
所定回転数での停止信号を制御盤３に送出するよ
うになつている。

叙上の如き構成において、図示しない起動スイ
ツチをONし、モーター２を通電すると、制動ク
ラツチ機構６のソレノイド６ａが励磁され、ブレ
ーキライニング８に圧接していたブレーキデイス
ク６ｂが、制動スプリング７の弾発力に抗して後
退し、ブレーキシユー５による出力軸２ａの制動
状態が解除されると共に、モーター２が回転駆動
を開始し、この回転に伴つてピニオンギア１０と
噛合するホイール１４が回転駆動されて、巻取ド
ラム１４ｂに巻回した図示しないシヤツターカー
テンが巻取り、巻戻し駆動されることになる。

また、ホイール１４の所定回転数でリミツトス
イツチ４機構が作動すると、モーター２への通電
が遮断され、制動クラツチ機構６のソレノイド６
ａが非励磁状態となり、制動スプリング７の弾発
力でブレーキデイスク６ｂがブレーキライニング
８に圧接される。したがつて、出力軸２ａの回転
がブレーキシユー５を介して制動されるため、巻
取ドラム１４ｂによるシヤツターカーテンの巻取
り、巻戻し作動が停止されることになる。

このようなホイール１４の回転に伴うシヤツタ
ーカーテンの巻取り、巻戻し作動で、停電あるい
はモーター２の故障等の障害が発生した場合に、
図示しない手動切替レバーを引張操作すると、ピ
ニオンギア１０のフランジ１１に接続された２本
のワイヤー１５，１５が、支持部材１７を介して
モーター２の出力軸２ａと平行方向に引張され、
フランジ１１を遊嵌したピニオンギア１０は、付
勢弾機１３の付勢に抗して内歯歯車１４ａと噛合
から離脱する方向に出力軸２ａ上を摺動し、ホイ
ール１４は自由回転可能な状態に切り替わること
になる。

したがつて、制動クラツチ機構６が作動したま
まであつても、シヤツターは手動で開閉できる状
態となり、停電時のシヤツターの開閉も平常時と
同様に手動で行うことができるばかりでなく、モ
ーター２等の故障が原因でシヤツターが開閉しな
い場合にも、巻取ドラムに巻回されたシヤツター
カーテンを手動で全部巻戻せば、巻取ドラム１４
ｂ内のモーター２あるいはその周辺機構の点検、
修理を速やかに行うことができる。

また、通電遮断の原因が解消した場合に、図示
しない手動切替レバーの引張操作を解除し、ワイ
ヤー１５，１５を弛めると、付勢弾機１３の付勢
力によりピニオンギア１０は、ホイール１４の内
歯歯車１４ａと噛合する方向に出力軸２ａ上を摺
動するので、ホイール１４に対する手動操作から
電動駆動への切替もワンタツチで行うことができ
る。

［考案の効果］ これを要するに、本考案は、巻取ドラムに内装
したモーターの出力軸にピニオンギアを軸芯方向
摺動自在に嵌合し、該ピニオンギアに噛合する内
歯歯車を、巻取ドラム端部に装着したホイールの
内壁に周設してなる電動軽量シヤツターであつ
て、上記ピニオンギアのボス部側端部に凹溝を周
設して該凹溝にフランジを遊嵌し、かつ該ピニオ
ンギアを内歯歯車側に付勢する付勢弾機を、上記
出力軸に同軸状に弾着すると共に、上記フランジ
の周縁部にワイヤーを連結し、上記ワイヤーの引
張操作に連繋してピニオンギアと内歯歯車との噛
合を解除すべく構成したから、極めて簡単な構成
でありながら、停電あるいはモーターの故障等の
緊急時にも電動軽量シヤツターの開閉操作を容易
に手動操作に切替ることができ、したがつて、従
来のように電動軽量シヤツターが開閉出来なかつ
たような不都合が解消されると共に、モーターが
故障したような場合であつても、大掛かりなシヤ
ツターの分解作業を要することなく、巻取ドラム
に内装したモーター等の点検、修理を速やかに行
うことができる、という極めて有用な実用的効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る電動軽量シヤツターにお
ける手動切替装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は要部の縦断面図、第２図は同上要部
の平面図である。 図中、２……モーター、２ａ……出力軸、１０
……ピニオンギア、１０ａ……ボス部側端部、１
０ｂ……凹溝、１１……フランジ、１３……付勢
弾機、１４……ホイール、１４ａ……内歯歯車、
１４ｂ……巻取ドラム、１５，１５……ワイヤ
ー、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻取ドラムに内装したモーターの出力軸にピニ
   オンギアを軸芯方向摺動自在に嵌合し、該ピニオ
   ンギアに噛合する内歯歯車を、巻取ドラム端部に
   装着したホイールの内壁に周設してなる電動軽量
   シヤツターであつて、上記ピニオンギアのボス部
   側端部に凹溝を周設して該凹溝にフランジを遊嵌
   し、かつ該ピニオンギアを内歯歯車側に付勢する
   付勢弾機を、上記出力軸に同軸状に弾着すると共
   に、上記フランジの周縁部にワイヤーを連結し、
   上記ワイヤーの引張操作に連繋してピニオンギア
   と内歯歯車との噛合を解除すべく構成したことを
   特徴とする電動軽量シヤツターにおける手動切替
   装置。