JPH0454879Y2

JPH0454879Y2 -

Info

Publication number: JPH0454879Y2
Application number: JP1989083239U
Authority: JP
Priority date: 1989-07-14
Filing date: 1989-07-14
Publication date: 1992-12-22
Also published as: JPH0322598U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は下水処理場の曝気槽等において水中に
空気を散気するために用いられる散気装置の改良
に関するものである。

（従来の技術）曝気槽用の散気装置としては従来から種々の構
造のものが知られており、例えば実公昭45−
20448号公報には扁平な函体の上面に多数の散気
板をパツキンを介して取付けた散気装置が示され
ている。また最近では散気板に圧縮空気を供給す
るための上記の函体に相当する部分の小型化が進
み、特に全面曝気を行う槽においては断面角形の
パイプの上面に散気板ホルダーを一定ピツチで取
付け、この散気板ホルダー上にパツキンを介して
散気板を直接設置する形式のものも広く用いられ
るに至つている。

ところがこのような散気装置に用いられている
パツキンは散気板の周縁部を支持する額縁状のも
のであるため、散気板ホルダー側から加えられる
空気圧によつて押し広げられ散気板から外れてし
まう事故を生ずることがあつた。またこのような
散気装置においてはたとえば、実公昭59−33519
号公報や特開昭56−13087号公報に示されるよう
に、散気を停止した際に汚水が散気板を通して圧
縮空気供給配管の内部にまで浸入し、散気板の目
詰まりを早めるうえに、散気の再開時には配管中
の汚水の押し出しにかなりの時間とエネルギとを
浪費するという問題もあつた。

（考案が解決しようとする課題）本考案は上記したような従来の問題点を解決し
て、パツキンが散気板から外れるおそれがないう
えに、散気停止中における散気装置内及び圧縮空
気供給配管中への汚水の浸入を確実に防止するこ
とができる散気装置を目的として完成されたもの
である。

（課題を解決するための手段）本考案は散気板ホルダーの上面にパツキンを介
して散気板を取付けた散気装置であつて、このパ
ツキンは散気板の周縁部を支持する額縁部とこの
額縁部の下面に額縁部と一体に形成された肉薄の
底板部とからなり、この底板部の散気板ホルダー
のオリフイスと重複する位置には底板部の一部を
残して周囲を切欠くことにより形成された舌片状
の逆止弁７を設けたことを特徴とするものであ
る。

（実施例）次に本考案を図示の実施例によつて更に詳細に
説明すると、第１図及び第２図において、１は圧
縮空気供給路と散気装置の取付ベースとの２つの
役割を持つ角形のパイプ、２はその上面に取付け
られた散気板ホルダー、３はこの散気板ホルダー
２の上面にパツキン４を介してボルト５により取
付けられた多孔質の散気板である。前述したよう
に、従来の散気装置においてはパツキン４は散気
板３の周縁部のみを支持する額縁状のものである
が、本考案においてはパツキン４は額縁部４ａの
ほかに額縁部４ａの下面に一体に形成された例え
ば１〜３mm程度の肉薄の底板部４ｂを備えてい
る。なおパツキン４の材質としては例えばクロロ
プレンゴムが用いられるが、その他の耐食性の良
いゴムを用いてもよい。また６は散気板ホルダー
２に形成されたオリフイスである。

本考案においては、このパツキン４の底板部４
ｂのうちのオリフイス６と重複する部分に逆止弁
７が設けられている。逆止弁７は図示のように底
板部４ｂをその一部を残して周囲を切欠くことに
よつて形成された舌片状のものであり、曝気時に
は0.5〜1.0Kg／cm²の送風圧力によつて舌片部が持
ち上がり、曝気停止時には舌片部がオリフイス６
の上面に密着してこれを封止することができるも
のとする。逆止弁７の形状は図示のように円形と
するほか、四角形その他の任意の形状とすること
ができる。また逆止弁７の径はオリフイス６の径
の３倍程度または、オリフイス端部から８〜15mm
程度大きくするとすればよいが、空気流量及び圧
力によつて適宜変更することが好ましい。

なお、底板部４ｂは額縁部４ａへの外方への拡
りを防止するとともにオリフイス６を逆止弁７に
より封止できるものであればよく、第３図に示さ
れるような十文字状としたり、一文字状とするこ
ともできる。

（作用）このように構成されたものは、曝気槽内に設置
したうえパイプ１を通じて圧縮空気を供給すれ
ば、圧縮空気は散気板ホルダー２のオリフイス５
からパツキン４の肉薄の底板部４ｂの下面に入
り、この底板部４ｂに形成された逆止弁６を押上
げつつパツキン４の上面に入り、更に散気板３を
通じて多数の微細な気泡として水中に散気され
る。このときパツキン４の額縁部４ａを外方へ押
し広げようとする力が働くことは従来品と同様で
あるが、本考案においては額縁部４ａは肉薄の底
板部４ｂによつて一体に接続されているため外方
への変位を生じにくい。このため本考案において
は高い空気圧をかけてもパツキン４が散気板３の
周縁部から外れるおそれがない。

また散気を停止した際には水圧によつて汚水が
散気板３の内部に浸入しようとするが、パツキン
４と散気板３との間の空間７内の圧力がパイプ１
内の圧力よりも高まるとパツキン４の底板部４ｂ
に形成された逆止弁７はオリフイス６の上面に密
着し、この空間８内の空気がオリフイス５を通つ
てパイプ１側へ逃げることを防止する。このため
本考案の散気装置を用いた場合には散気停止中も
空間８内の気圧を高く保つことができ、汚水が散
気板３を通じて散気装置の内部に浸入することが
確実に防止される。従つて汚水の逆流による散気
板３の目詰まりが防止でき、また散気再開時に逆
流した汚水を配管中から押出すために余分な時間
とエネルギーとを費やす必要がない。

（考案の効果）本考案は以上の説明から明らかなように、空気
圧によりパツキンが散気板から外れることを防止
することができるうえ、逆止弁の作用により散気
停止中における汚水の浸入を防止することができ
るものである。また本考案においては逆止弁がパ
ツキンの底板部に直接形成されているため、構造
が簡単でしかも作動が確実な利点もある。よつて
本考案は従来の問題点を一掃した散気装置とし
て、実用的価値は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠平面
図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図はパツキ
ンの変形例を示す平面図である。２……散気板ホルダー、３……散気板、４……
パツキン、４ａ……額縁部、４ｂ……底板部、６
……オリフイス、７……逆止弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

散気板ホルダー２の上面にパツキン４を介して
散気板３を取付けた散気装置であつて、このパツ
キン４は散気板３の周縁部を支持する額縁部４ａ
とこの額縁部４ａの下面に額縁部４ａと一体に形
成された肉薄の底板部４ｂとからなり、この底板
部４ｂの散気板ホルダー２のオリフイス６と重複
する位置には底板部４ｂの一部を残して周囲を切
欠くことにより形成された舌片状の逆止弁７を設
けたことを特徴とする散気装置。