JPH045427B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 産業上の利用分野 本発明はシガレツトフイルター製造法に関する
もので、一面において新規の通気手段を有するシ
ガレツトフイルター製造法に関するもので、他面
においては流入空気をフイルター吸口端に向け、
同時に希釈された煙をフイルターを通してフイル
ター吸口端に送るための方向付け溝を有するシガ
レツトフイルター製造法に関するものである。

従来技術 周縁空気をフイルターに導入して煙流を希釈す
るための通気手段を備えたフイルターをシガレツ
トに取り付けることは当業者にとつて周知であ
る。煙流を希釈することによつて喫煙者の口中に
運ばれるガス成分の量と同時に煙の粒子量が減少
するからである。通気用空気をシガレツトに導入
するために数多くの手段が提案され、利用されて
きた。例えば、シガレツト煙草のラツパーをシガ
レツトの全長にわたつて空気を導入するために多
孔質材料でつくり、煙流を希釈してもよく、また
シガレツトラツパーをシガレツトの長さ方向に沿
つて決められた位置に小孔を設けて周縁空気が入
るための入口としてもよい。さらにまた、フイル
ターラツパーを透孔することによつて煙流を希釈
することも知られている。また周縁空気の煙流中
への導入を容易にするためにシガレツトのフイル
ターに溝を設けることについても数多くの提案が
なされている。

例えば、米国特許第3596663号はフイルター部
分を包む波型の多孔質プラグラツプを備えた煙草
フイルターに関するもので、透孔を有するラツパ
紙で包まれているため周縁空気は直接フイルター
部分に入るかまたは溝部分を流下して喫煙者の口
中に達する。

また米国特許第4256122号は非多孔質のプラグ
ラツプにより捲かれたフイルターロツドの外表面
に沿つて長さ方向に伸びる溝を有するシガレツト
フイルターに関するもので、ロツドとラツプがチ
ツプ紙に包囲されていて使用時に溝内は空気だけ
が、またフイルター内は煙だけが流過するもので
ある。さらにまた、米国特許第4406294号は通気
用の溝を外面に備えるとともに、フイルター内部
にも通気用空気を導入する手段を有するフイルタ
ーを示している。フイルターシガレツトのフイル
ターに周縁空気を導入するためにフイルター部分
の周囲に溝を有するシガレツトフイルターに関す
るその他の特許には、米国特許第3577995号、同
第3752347号、同第3490461号、同第3788330号、
同第3773053号、同第3752165号、同第3638661号、
同第3608561号、同第3910288号などが知られてい
る。

発明が解決しようとする問題点 本発明は主として煙草の煙を過すると同時に
通気によつてタール分を減少させるためのシガレ
ツトフイルターの直線的配置を提供するためのも
のであり、さらにチツプ紙の通気透孔からフイル
ターの一端、好ましくはフイルター吸口端にまで
伸びるフイルタープラグの溝を利用するシガレツ
ト用通気過方式を提供するためのものである。

発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明は特に一般に円筒形の多孔質フイルター
ロツド；該ロツドに沿つてその一端から他端まで
長さ方向に伸び、ロツドの両端部を残して周囲を
包囲する不透過性ラツパー；溝を形成する没入部
のラツパー部分に設けられた１個以上の透孔；溝
以外のラツパー部分に設けられた複数の透孔；該
ロツドを包囲して長さ方向に伸びる空気不透過性
チツプ材；及び少くも１個の透孔が少くも１個の
溝と連通し、他の透孔がそれぞれ溝以外のラツパ
ー部分のそれぞれ別の透孔と連通するチツプ材に
設けられた複数個の透孔からなり、該ラツパーは
該ラツパーに没入する１個以上の溝を有し、該溝
は該ロツドの一端に開口しそこからロツドの長さ
方向にロツドの長さよりも短かい長さを有するも
のであるシガレツトフイルター及び多孔質材料か
らつくられた一般に円筒形のフイルターロツドを
それを包囲する空気不透過性ラツパーと共に成型
し；フイルターロツドの一端に開口しそこからロ
ツドの長さ方向に沿つて伸びロツドの長さよりも
短かい長さを有する溝を該ラツパー及びフイルタ
ーに形成し；フイルターをチツプ材で捲き；チツ
プ材の透孔と溝以外のラツパー部分の透孔とを同
時に形成し；溝内の透孔と溝の上方部分に位置す
るチツプ材の透孔とを同時に形成する工程からな
ることを特徴とするシガレツトフイルターの製造
法を提供するものである。

実施例 図面において、第１図は本発明のフイルターを
取り付けたシガレツトでチツプ材を一部捲いてい
ない状態を示す斜視図、第２図は第１図のフイル
ターの一部切断側面図、第３図は本発明のフイル
ターをつくるためのフイルターロツド材料の斜視
図、第４図は本発明のフイルターをつくるための
切断部分の斜視図である。

第１図及び第２図は本発明の特徴を有するシガ
レツトフイルターが１０で示される。このシガレ
ツトフイルター１０は一般に円筒形のフイルター
ロツド１２とそれを取り囲む空気不透過性ラツパ
ー１４からなるものとして示されている。空気不
透過性ラツパー１４はフイルターロツドの一端１
６から反対端１８までフイルターロツドに沿つて
長さ方向に伸びており、フイルターロツドの両端
部１６，１８が相互に連通する関係となつてい
る。

フイルターロツド１２は繊維状あるいは多孔質
のセルロースアセテートやその他適当な煙草用
過材料等からなる多孔質材料で作られる。

シガレツトフイルター１０はさらにラツパー１
４に形成されフイルターロツド１２に没入する複
数個の溝２０を有する。溝２０はそれぞれその一
端２２をフイルターロツド１２の吸口端１６に開
口し、そこからフイルターロツドの長さ方向に向
かつてフイルターロツドの長さより短かい距離だ
け伸びている。第１図及び第２図では４個の溝２
０がフイルターロツド１２の周縁に沿つて均等間
隔で配置されているものを示している。

フイルター１０の製造に際しては、ラツパー１
４はフイルターロツドと一体に成型されてもよ
く、別の部品としてつくられてもよい。ラツパー
を備えたフイルターロツドは型またはその他の処
理手段の中におかれ、ラツパー１４を決められた
位置で押圧することによりフイルターロツド中に
没入して溝２０を形成する。この方法の一例は煙
草製造分野で一般に加熱成型技術として知られて
いるものである。

溝２０の壁部を構成するラツパー１４の没入部
分は溝２０の外側のラツパー１４の部分と同様に
空気不透過性である。このため、本発明のラツパ
ー１４は繊維状あるいは多孔質のセルロースアセ
テート等の多孔質の空気透過性材料でつくつてか
らラツパー１４を不透過性にしてもよい。この処
理法は例えば、ラツパー材料を加熱することによ
つて多孔質材料でつくられたものを熱シールする
ことであり、また別の方法はエチルセルロース等
の水不溶性材料やカルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩やメチルセルロース等の水溶性材料等
のシール用薬品でラツパー１４を被覆することで
ある。好ましくはラツパー１４は不透過性多孔質
セルロースアセテート等の空気不透過性材料でつ
くられる。

ラツパー１４は、溝２０以外の部分にはラツパ
ー１４を透過する複数個の透孔２２が、また溝２
０の没入部分にはそれぞれラツパー１４を透過す
る１個以上の透孔２３が設けられる。図面から知
られるように、透孔２２及び２３はラツパー１４
及びフイルターロツド１２周縁に沿つて同一円周
上に位置し、さらに透孔２３はそれぞれの溝２０
のほぼ閉塞端、すなわちフイルターロツド吸口端
１６に開口する溝端部と反対側の溝端に位置す
る。

ラツパーを備えたフイルターロツドをチツプ材
２６で包むことによつてラツパー被覆されている
フイルターロツドは煙草カラム２４に取り付けら
れフイルターシガレツトが形成される。不透過性
チツプ材２６は特定位置で空気透過性にされ、そ
こを通つて周縁空気が溝２０内に流入し、同時に
溝２０以外の空気不透過性ラツパー部分では透孔
２２を通つてフイルターロツド１２内に流入す
る。さらに、溝２０の流入空気の一部も透孔２３
を通つてフイルターロツド１２内に流入する。こ
うして周縁空気はフイルターロツド１２の周縁に
沿つてフイルターロツド１２内に流入し、それに
よつてフイルターロツドを流過する煙を均一に希
釈する。このために、チツプ材２６の空気透孔３
０及び３２は同一円周線上に形成されている。図
面で知られるように、透孔３０は溝２０以外のラ
ツパー部分１４に設けられる透孔２２と連通し、
透孔３２は溝２０のほぼ閉塞端で溝２０に重なつ
た位置にある。透孔３０はチツプ材２６を透過し
てつくられるが、溝２０以外のラツパー部分の透
孔２２と一線上に重なりフイルターロツド１２内
への空気流入を可能にする。透孔３２はチツプ材
２６を透過してつくられるが、溝２０のほぼ閉塞
端で溝２０中のラツパー透孔２３とそれぞれ一線
上に並ぶようにつくられ、溝２０とロツド１２内
への空気流入を可能にする。

第３図からわかるように、フイルター１０を製
造する最初の工程は繊維状あるいは多孔質のセル
ロースアセテート等の多孔質材料からなる細長い
円筒形のフイルタートウ３４をつくることであ
る。トウ３４の長さはフイルターロツド１２の長
さの倍数である。好ましくはラツパー１４がフイ
ルタートウ３４の周囲に沿つてフイルタートウ３
４の形成と同時に捲きつけられる。これはいくつ
かの方法で行なわれるが、例えばトウ３４をつく
るべき多孔質材ウエブを、ラツパー１４をつくる
べき非多孔質材料と重ねてフイルター製造装置の
ガーニチヤーフアネルを通過させることによつて
行われる。ラツプされたトウ３４がつくられた後
で、第３図でＡで示すように横方向に切断され
て、例えばフイルターロツド１２の二倍の長さの
切断部分３４Ａとなる。次に第４図からわかるよ
うに、このトウ切断部分３４Ａにフイルターロツ
ド１２の溝２０の長さの二倍の長さに相当する細
長い没入溝２０Ａが設けられる。好ましくは、こ
の二倍長の溝はトウ切断部分３４Ａの長さ方向の
中心に対して対称の位置に設けられる。この二倍
長の溝を設けるのは、トウ切断部分３４Ａの周縁
に加熱刃を押圧してラツパー材をトウ材料の中に
没入させる等の種々の方法や装置によつて行なわ
れる。次いでそれぞれのトウ切断部分３４Ａは長
さ方向の中心線Ｂで横方向に切断されて二本のフ
イルターロツド１２となる。

フイルターロツド１２はそれぞれ煙草カラム２
４の一端に接して端部１８が煙草カラム２４と直
線となるように配置されてから、フイルターシガ
レツトを製造するための公知の方法に従つて不透
過性チツプ材２６を、フイルターロツド１２及び
フイルターロツド端部１８に接する煙草カラム２
４の一部に捲きつけられる。

こうしてフイルターシガレツトがつくられた後
で、透孔３０及び３２がチツプ材２６に、透孔２
２及び２３がラツパー１４に同時に一回の操作で
つくられる。これはレーザー光等の高エネルギー
光線でフイルター１０の予め決められた位置に向
けてチツプ材２６の透孔３０と溝２０以外のラツ
パー部分１４の透孔２２とを、またチツプ材２６
の透孔３２とラツパー１４の溝部分２０の透孔２
３とを同時に迅速に焼成することによつて行なわ
れる。

シガレツト２８の喫煙時に、喫煙者がフイルタ
ー１０の吸口端１６で吸引すると、周縁空気がチ
ツプ材２６の透孔３２を通つて溝２０内に、また
チツプ材２６の透孔３０及びラツパー１４の透孔
２２を通つて溝２０間のフイルターロツド１２の
区域に直接吸入される。溝２０に入る流入空気の
一部は溝の不透過性壁のためにフイルターロツド
を流過する煙流と混合されることなくフイルター
ロツドの吸口端の溝出口２２に直接流出し、溝２
０内の空気の別の部分はラツパー１４の透孔２３
を通つてフイルターロツド１２に流入する。ラツ
パー１４の透孔２２及び２３を通つてフイルター
ロツドに流入した空気はフイルターロツド１２内
の環状煙流と混合してこれを均一に希釈する。フ
イルター吸口端１６で溝２０から出る空気流は、
フイルター吸口端１６でフイルターロツドから出
る希釈煙流を撹乱させて、既に希釈されてきた煙
を喫煙者の口中において一層希釈させる。

この説明を読むことによつて当業者にとつて各
種の変型が本発明の精神及び範囲を逸脱すること
なく可能であることから、以上の本発明の説明は
単に理解を容易にするためのものであり、これに
よつて本発明に不必要な限定がなされるべきでは
ないことは当然理解されるべきである。

発明の効果 本発明では従来法と異なつてフイルターをチツ
プ材で捲いた後でラツパーの透孔を行うことによ
り、チツプ材の透孔とラツパーの透孔とを実質的
に同時に行なうことを可能としたものであり、製
造工程の著しい簡略化に成功したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によつたフイルターを取り付け
たシガレツトでチツプ材を一部捲いていない状態
を示す斜視図、第２図は第１図によつたフイルタ
ーの一部切断側面図、第３図に本発明によつたフ
イルターをつくるためのフイルターロツド材料の
斜視図、第４図は本発明によつたフイルターをつ
くるための切断部分の斜視図である。 １０……シガレツトフイルター、１２……フイ
ルターロツド、１４……不透過性ラツパー、２０
……空気溝、２２，２３，３０，３２……空気透
孔、２４……煙草カラム、２６……チツプ材、３
４……フイルタートウ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多孔質材料からつくられた一般に円筒形のフ
   イルターロツドをそれを包囲する空気不透過性ラ
   ツパーと共に成型し； フイルターロツドの一端に開口しそこからロツ
   ドの長さ方向に沿つて伸びロツドの長さよりも短
   かい長さを有する溝を該ラツパー及びフイルター
   に形成し； フイルターをチツプ材で捲き； チツプ材の透孔と溝以外のラツパー部分の透孔
   とを同時に形成し； 溝内の透孔と溝の上方部分に位置するチツプ材
   の透孔とを同時に形成する 工程からなることを特徴とするシガレツトフイ
   ルターの製造法。 ２ チツプ材の透孔と溝以外のラツパー部分の透
   孔を形成する工程が、フイルター周縁に沿つて同
   一円周線上に隔てて行なわれる特許請求の範囲第
   １項記載のシガレツトフイルターの製造法。 ３ チツプ材の透孔と溝以外のラツパー部分の透
   孔を形成する工程と、溝の上方部分に位置するチ
   ツプ材の透孔を形成する工程が、チツプ材の全部
   の透孔を同一円周線上に形成し、ラツパーの全部
   の透孔を同一円周線上で形成することからなる特
   許請求の範囲第２項記載のシガレツトフイルター
   の製造法。 ４ チツプ材の透孔と溝以外のラツパー部分の透
   孔が実質的に一体に行なわれる特許請求の範囲第
   ３項記載のシガレツトフイルターの製造法。 ５ 溝の透孔と溝の上方部分に位置するチツプ材
   の透孔を形成する工程が実質的に一体で行なわれ
   る特許請求の範囲第４項記載のシガレツトフイル
   ターの製造法。 ６ チツプ材の透孔とラツパーの透孔を形成する
   工程がレーザーで透孔を形成するものである特許
   請求の範囲第５項記載のシガレツトフイルターの
   製造法。