JPH0454238Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、製紙用設備で高濃度原料その他製紙
原料調整ラインなどの製紙原料から不純物を効果
的に除去し、離解除塵するためのプレツシヤース
クリーンに関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、古紙処理など製紙用設備においては原
料となる繊維懸濁液中の異物その他のごみ排除の
ためにスクリーンが用いられ、このスクリーンで
は処理能力をあげるために密閉ケーシング内のス
クリーンバスケツトに内側から外側に向つて原料
を圧入する内圧式又はその反対の原料流れをする
外圧式のプレツシヤースクリーンとして用いら
れ、そして除塵効果を高めるために、該スクリー
ンバスケツトの内側又は外側にブレードを回転自
在に配備してスクリーン目詰り防止機能を付与し
てスクリーニング効果をあげることが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この種のスクリーンでは、スクリーンバスケツ
トに形成したスリツトで有用繊維を通過させて不
純物などの異物を除去するための原料を圧入流過
させ、原料供給入口側から排出出口側へには漸次
濃縮度が高まる濃度差が大きくスクリーンバスケ
ツトの出口側では殆どスクリーン機能をはたさな
くなる傾向があり、しかもブレードでスクリーン
をクリーニングしても目詰りしやすくスクリーン
本来の機能が低下して処理効率があげられないな
ど問題があつた。

本考案は、これら従来の問題点を排除しようと
するもので、有用繊維と異物とを著しく効率よく
分離し、かつ、スクリーンのクリーニング処理も
簡便でスクリーンの分離機能をも大幅に向上させ
能率的な精選処理が容易にできるスクリーンを構
成簡単で安価な形態で提供することを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、製紙用の繊維懸濁液から有用繊維と
異物とを分離するための通液用スリツトのあるス
クリーンで囲成されたスクリーンバスケツト１
と、該スクリーンバスケツト１の内周面に摺動す
るブレード２のあるロータ３を回転可能にケーシ
ング４中に設けた製紙用スクリーンにおいて、前
記ロータ３を両端開口５，６の流通路７を形成し
た中空ロータとし、該流通路７に一方の開口５よ
り他方の開口６へ液を移送循環させる液移送用の
羽根８を配備したことを特徴とする製紙用スクリ
ーンである。

〔実施例〕

本考案の実施例では製紙用の繊維懸濁液から有
用繊維と異物とを分離するための通液用スリツト
のあるスクリーンで囲成されたスクリーンバスケ
ツト１と、該スクリーンバスケツト１の内周面に
摺動するブレード２のあるロータ３を回転可能に
ケーシング４中に設け、このロータ３は両端開口
５，６の流通路７を形成した中空ロータを用い、
該流通路７に一方の開口５より他方の開口６へ液
を移送循環させる液移送用の羽根８例えばスクリ
ユー羽根を配備し、スクリーンバスケツト１とロ
ータ３との間に回流する原料をロータ３の一端か
ら他端に循環させる製紙用スクリーンとしてあ
る。

この実施例では、前記ケーシング４としてはケ
ーシング内に繊維懸濁液を接線方向に給液する原
料供給口９と接線方向に連続的に排出する異物排
出口１０及びスクリーニング後の紙料の有用繊維
導出口１１とを備えた密閉竪型円筒体を用い、同
心円上に前記スクリーンバスケツト１とロータ３
とを内装させたプレツシヤースクリーンとしてあ
る。また、前記ロータ３は、一体或いは芯軸に嵌
合キー止めした分割用の回転軸１３に前記羽根８
を介して固着されたものであつて、原料回流用と
して液移送方向に傾斜したブレード２をアジテー
タとしてロータ３の外周に複数突設してある。

なお、前記スクリーンバスケツト１はケーシン
グ４に固定装備してあるが、必要に応じ回転自在
の可動スクリーンとすることもでき、またブレー
ド２並びに羽根８も連続した翼片又は板片に限ら
ず突出片を断続的に配列したり、平板、曲板など
の組合せで構成することができる。

図中１４は軸受部、１５は回転駆動部に連絡す
る伝動用部材で、例えばプーリーその他の機械要
素が用いられ、モータ直結の場合には省略しう
る。１６は台座、１７はエア抜き口、１８は移送
管、１９は流量調節弁、２０は洗滌水給液管であ
る。なお、実施例では竪型スクリーンとしてある
が、横型スクリーンに構成したタイプとすること
も選んでできるし、必要に応じ洗滌水を循環系路
中に補給する形態とすることもできる。

この場合、洗滌水給液管２０はケーシング４で
ロータ３の開口５の近傍に連結開口するか、或い
は回転軸１３に流路を形成してロータ３の中空部
に開口連通して給水できるようにすることもで
き、いずれにしても循環系路中に補給して有用繊
維の回収率と除塵効率とを有効に行うことができ
るようにするのがよい。

〔作用〕

しかして、繊維懸濁液の原料を原料供給口９か
らケーシング４に対して接線方向に供給し、スク
リーンバスケツト上方から下方へスクリーンバス
ケツト１の内側に導入され、スクリーンバスケツ
ト１の内側で回転するロータ３のブレード２で原
料の流速増加と共に、有用繊維をスクリーンに通
過させスクリーンバスケツト１の洗滌作用を連続
的に行うと共に、リジエクトをロータ３の羽根８
で濃縮側の出口側から入口側に循環させて流し異
物を分離除去した原料は有用繊維導出口１１より
連続的に導出し、さらに異物を含むリジエクトは
下方から異物排出口１０より移送管１８を経て次
工程に送られるが、この移送管１８に介在される
流量調節弁、１９の開閉度合でケーシング４内で
の全部の液を循環流として流しバツチ方式で繰り
返し行うこともできるし、液の一部を循環させな
がら排出する連続方式で運転して効果的な解離除
塵処理が行うことができる。

〔考案の効果〕

本考案は、ロータを両端開口の流通路を形成し
た中空ロータとし、該流通路に一方の開口より他
方の開口へ液を移送循環させる液移送用の羽根を
配備したことにより、ケーシング内でのリジエク
トを循環させて入口側原料と出口側原料の濃度差
をなくしてスクリーニング能力を著しく向上さ
せ、能率良いスクリーン作業が可能で異物濃縮度
もアツプできると共に、洗滌時にケーシングに供
給させる原料の入口側の洗滌効果もよくなりテー
ルへの繊維分混入が少なくなつて有用繊維の回収
率も高められ、効果的なスクリーニングを行え、
除塵効果は従来のスクリーンよりも大きくロータ
に発生するオーバーロードもなくスクリーンプレ
ートの破損などのトラブルも少なく安定した運転
処理が可能で、ロータの回転を活用し、駆動力も
小さいものですみランニングコストも少なく構成
も簡単で、しかも処理原料に合つたスクリーニン
グができるので取扱い容易で操業性を大幅に向上
できるなどの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は第１図線における横断面図、第
３図はロータの側面図である。 １……スクリーンバスケツト、２……ブレー
ド、３……ロータ、４……ケーシング、５，６…
…開口、７……流通路、８……羽根、９……原料
供給口、１０……異物排出口、１１……有用繊維
導出口、１３……回転軸、２０……洗滌水給液
管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 製紙用の繊維懸濁液から有用繊維と異物とを
   分離するための通液用スリツトのあるスクリー
   ンで囲成されたスクリーンバスケツト１と、該
   スクリーンバスケツト１の内周面に摺動するブ
   レード２のあるロータ３を回転可能にケーシン
   グ４中に設けた製紙用スクリーンにおいて、前
   記ロータ３を両端開口５，６の流通路７を形成
   した中空ロータとし、該流通路７に一方の開口
   ５より他方の開口６へ液を移送循環させる液移
   送用の羽根８を配備したことを特徴とする製紙
   用スクリーン。 (2) 前記ケーシング４が前記ロータ３で形成され
   る循環路中に洗滌水を補給しうる洗滌水給液管
   ２０を備えたものである実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のスクリーン。 (3) 前記ケーシング４が、ケーシング内に繊維懸
   濁液を接線方向に給液する原料供給口９と、異
   物排出口１０及び有用繊維導出口１１とを備え
   た密閉竪型円筒体であつて、同心円上に前記ス
   クリーンバスケツト１とロータ３とを有してい
   るものである実用新案登録請求の範囲第１項又
   は第２項記載のスクリーン。 (4) 前記ロータ３が、回転軸１３に前記羽根８を
   介して固着されたものであつて、原料回流用と
   して外周に液移送方向に傾斜したブレード２を
   複数突設したものである実用新案登録請求の範
   囲第１〜３項のいずれか一つの項記載のスクリ
   ーン。