JPH0453156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、CATV用施設に使用され、落雷そ
の他の異常電圧から該施設を保護するCATV用
保安器に関する。

〔従来技術とその欠点〕

従来、落雷等の異常電圧から宅内を保護する保
安器において、電気的には使用されるアレスター
のリード線の長さが挿入損失を悪化させたり、シ
ヤーシとカバーの密着性が悪いために、シヤーシ
とカバーのわずかな間隙がスリツトアンテナとな
り、信号が漏れて不要放射レベルが規定値より高
くなるという現象を生じている。

また、構造的に、シヤーシとカバーは通常錆を
考慮してアルミニウムやステンレスが使用されて
いたが、電気回路を構成する際のハンダ付がアル
ミニウムやステンレスは特殊なものを使用する必
要があり、一般的ではなかつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
ので、ハンダ付性を容易にし、不要放射レベルの
低いCATV用保安器を提供することを目的とす
る。

〔考案の要点〕

すなわち、本考案に係わるCATV用保安器は、
電気的にはアレスターをサブシヤーシに設けられ
た切起し部に直接保持することでリード線をなく
し挿入損失の改善を図り、シヤーシとカバーを鋲
によつて導通固定して信号の漏れを少なくし、構
造的にはサブシヤーシにハンダ付性のよい金属を
使用して電気回路を構成したものである。

〔考案の実施例〕

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明す
る。

第１図はその構成を示すものである。同図にお
いて、１は入力接栓、２は出力接栓、３は壁面取
付用ビス孔、４はアース端子、５はステンレス製
のシヤーシ、６は筒形のアレスター、７はアレス
ター６を保持する円筒状の切起し部、８はコンデ
ンサ、９はコンデンサ８をハンダ付固定する切起
し部、１０はサブシヤーシ、１１はコイル、１２
はコンデンサ、１３はリード線、１４はプリント
基板、１５はナツト、１６は鋲固定孔、１７はス
テンレス製の鋲、１８は鋲固定孔、１９はステン
レス製のカバーである。

続く第２図は上記第１図の一部を分解して示す
分解図である。同図において、２０は絶縁基台、
２１は台座、２２はサブ台座、２３はサブ台座２
２が貫通する貫通孔、２４は入力接栓１若しくは
出力接栓２が貫通する貫通孔である。

入力接栓１と出力接栓２が絶縁基台２０貫通孔
２４に挿入され、さらに入力接栓１はシヤーシ５
の貫通孔２４及びサブシヤーシ１０の貫通孔２４
を通してナツト１５で締付固定される。出力接栓
２は同様にシヤーシ５の貫通孔２３及びサブシヤ
ーシ１０の貫通孔２３を通りプリント基板１４の
貫通孔２４を通してナツト１５で締付固定され
る。また出力接栓２のアースはシヤーシ５および
サブシヤーシ１０と電気的に絶縁する必要がある
ために絶縁基台２０にサブ台座２２を設けておい
て、サブ台座２２がシヤーシ５の貫通孔２３およ
びサブシヤーシ１０の貫通孔２３を通ることで電
気的絶縁が確保できるようにされている。またプ
リント基板１４はナツト１５側に銅箔面が位置す
るようになつており、前記シヤーシ５およびサブ
シヤーシ１０と電気的絶縁が保たれるよう構成さ
れている。

次に保安器を構成する電気回路は、入力接栓１
の中心導体に並列にアレスター６とコイル１１が
リード線１３を介して接続される。特にアレスタ
ー６のアース側への接続はサブシヤーシ１０に設
けられた円筒状の切起し部７に直接に円筒状の端
部を挿入し保持するのでアース側への接続に対し
てはリード線は不必要となつている。

コンデンサ１２は入力接栓１の中心導体と出力
接線２の中心導体をリード線１３を介して接続す
る。

コンデンサ８はプリント基板１４の銅箔面とサ
ブシヤーシ１０に設けられている切起し部９の間
に接続される。コンデンサ８は通常1000〔pF〕の
値のものが使用され10〜450〔ＭHz〕の高周波帯域
で出力接栓２のアースとサブシヤーシ１０を介し
て入力接栓１のアースが導通されるよう構成され
ている。又、コンデンサ８は切起し部９に所定の
配置で接続されるために電気的特性は安定する。

次に、以上のように構成された電気回路は、シ
ヤーシ５に設けられた鋲固定孔１６にカバー１９
に設けられた鋲固定孔１８を合致せしめて鋲１７
でシヤーシ５とカバー１９を押圧固定する。これ
により、シヤーシ５の周縁部とカバー１９の内側
の周縁部が鋲１７の位置を中心にして密着固定さ
れる。

第３図は該保安器の挿入損失を示す特性図であ
る。同図で点線は従来のリード線を有する場合の
特性で、実線はこの考案によるリード線なしの場
合の特性である。特に高い周波数における特性が
大巾に改善されている。

また第４図は不要放射特性を示す特性線図であ
る。周波数は246MHzで測定したが、鋲により押
圧固定した場合、約10〜15dBの改善効果がある。
同図において、点線は鋲により押圧固定しない場
合を示し、実線はこの考案による場合を示す。

〔考案の効果〕

以上詳記したように本考案によれば、アレクタ
ーのアース側への接続がリード線なしで接続でき
るので高周波帯域における挿入損失が改善できる
一方、シヤーシとカバーが鋲により所定の位置で
接触固定されるので不要放射特性が安定改善さ
れ、さらに、電気回路をハンダ付性のよいサブシ
ヤーシの上で構成することができるので作業能率
が向上すると共に、シヤーシとカバーは錆の発生
しにくいステンレスやアルミニウム等を使用する
ことができるCATV用保安器を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はカバーをとりつける前の外観構成図、第２図は
シヤーシ部分を分解して示す組立分解図、第３図
は周波数一挿入損失特性線図、第４図は電界強度
の距離特性線図である。 １……入力接栓、２……出力接栓、５……シヤ
ーシ、１０……サブシヤーシ、２０……絶縁基
台、１９……カバー、６……アレスター、１７…
…鋲、２２……サブ台座。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 入力接栓と、 出力接栓と、 上記入力接栓の取付部に台座を有し、上記出力
   接栓の取付部に台座とサブ台座を有する絶縁基台
   と、 この絶縁基台のサブ台座が突出する貫通孔と壁
   面取付用ビス孔とアース端子を有する金属シヤー
   シと、 アレスターを保持する第１の切起し部とコンデ
   ンサをハンダ付固定する第２の切起し部と上記絶
   縁基台のサブ台座が突出する貫通孔を有する金属
   製のサブシヤーシと、 上記入力接栓と出力接栓との間に上記サブシヤ
   ーシを用いて構成される電気回路と、 上記シヤーシに設けられた鋲固定孔に対応する
   位置に設けられた少なくとも４個以上の鋲固定孔
   を有するカバーと を具備し、上記シヤーシとカバーが鋲によつて電
   気的に導通固定されることを特徴とするCATV
   用保安器。