JPH0452957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は導波管を一体的に成形した高周波加
熱装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

高周波加熱装置においては一般に発振器におい
て発振した高周波の電波を加熱室内に導き食品等
を加熱しているが、従来の装置においては、上記
電波を加熱室に導くための導波管の構造は第５図
に示すように、加熱装置本体１の内部に設けられ
た加熱室２の天井面２ａに電波供給口としての励
振口３を設け、この励振口３と発振器４との間に
第７図に示すような円筒形の励振口部５と箱形状
の発振器部６とを備えた導波管７を設け、この導
波管７の内部を進行させ、上記励振口部５の天井
面に設けたフアンモータ８により上記電波を第６
図に示すスタラフアン９を回転させて、加熱室２
内の食品Ｆを均一に照射するようになつている。
上記スタラフアンは樹脂製の回転板１０の上面に
複数本の金属板１１…を放射状に取付け回転軸１
２を上記フアンモータ８と連結する構造となつて
いる。

ところで、従来の上記導波管７は第７図に示す
ように別体の励振口部５と発振器部６とを×印に
おいてスポツト溶接し結合するため、これら各別
体の加工に長時間を要するだけでなく、これらの
組立のための溶接時間も長くなるという欠点があ
つた。また上記発振器部６の下面には発振器取付
板４a′をスポツト溶接するので、これら溶接時の
熱ひずみにより、励振口部５と発振器部６との接
合部や発振器部６と発振器取付板４a′との接合部
４ｂに間隙Ｇが生じ、電波洩れの虞もあるという
欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情を考慮してなされたもの
で、部品点数が少なく安価でかつ、電波洩れの少
ない、強度を向上させた高周波加熱装置を提供す
ることを目的とするものである。

〔考案の概要〕

この考案においては、励振口部と発振器部とを
一体的に周縁にフランジ面を形成するように成形
するとともに、発振器部のフランジ面には発振器
取付板の周縁を折曲してかしめ着けしたものであ
り、これにより上記目的を達成したものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を第５図〜第８図の
同一構成部分に同一符号を付けた第１図〜第３図
を参照して説明する。第１図中２１は導波管で、
この導波管２１は円筒形の励振口部２２と箱形状
の発振器部２３とが一体的に成形され、これらの
周縁には加熱室２の天井面２ａへの取付面として
のフランジ面２４が設けられている。励振口部２
２の天井面２ａにはスタラフアン９を駆動するフ
アンモータ８が取付けられるようになつている。
上記発振器部２３の周縁に設けられたフランジ面
２４ａには発振器取付板２５が固着されている。
この発振器取付板２５は第２図に示すように、複
数の取付孔２６…と発振器４のアンテナ４ａが挿
通される挿通孔２７とを備えていて、発振器４を
その下面に取付けるようになつている。また、こ
の発振器取付板２５の長手方向の両側片とこれと
隣接する側片にはそれぞれ折曲片２８，２８と折
曲片２９とが設けられている。そして、折曲片２
８，２８には上記取付孔２６…に対する逃げ部２
８ａ…が設けられている。また、上記発振器部２
３のフランジ面２４ａには上記発振器取付板２５
に設けられた複数の取付孔２６…と合致する取付
孔２６ａ…が設けられている。また、発振器４の
上面には上記取付孔２６…および２６ａ…と合致
するようにボルト３０…が設けられていて、ナツ
ト３１…が嵌合するようになつている。

しかして、導波管２１の発振器部２３のフラン
ジ面２４ａに発振器４を取付けるには、まず、第
２図に示すように、折曲片２８，２８および２９
が上方に立上つた状態の発振器取付板２５の上部
に導波管２１を取付孔２６…と取付孔２６ａ…と
を合致させて載置したのち、上記折曲片２８，２
８および２９をたとえばプレス機によりかしめ着
け、一回の操作で発振器部２３のフランジ面２４
ａに当接させることにより発振器取付板２５を導
波管２１に固着させる。ついで、この発振器取付
板２５に発振器４を取付けることになる。これに
は、発振器４の上面に設けられたボルト３０…を
上記取付孔２６…および２６ａに挿通したのち、
ナツト３１…により固定すればよい。

ついで、発振器４を固定された導波管２１を加
熱室２の天井面２ａに載置しフランジ面２４に沿
つて×印をスポツト溶接する。

また、第４図は他の実施例を示すもので、上記
一実施例においては発振器取付板２５は平板であ
つたが、この実施例においては、コ字状に折曲し
た発振器取付板４２を発振器部２３の内側面に嵌
合するとともに、一実施例と同じように折曲片２
８，２８および２９を設けこれをフランジ面２４
ａに対してかしめたものである。

このように、コ字状の発振器取付板４２を設け
たので強度が向上するという効果がある。

〔考案の効果〕

以上、説明したように、この考案においては発
振器部と励振口部とを一体的に成形するととも
に、これらの周縁にフランジ面を形成し、発振器
を取付けるための発振器取付板にはその周縁に上
記発振器の取付孔に対する逃げ部を設けるととも
に上方に折曲した折曲片を設け、この折曲片を上
記発振器部のフランジ面周縁の上面に折曲してか
しめ固定したことにより、溶接によらず固着する
構成としたので安価に組立てられるとともに熱ひ
ずみによるそり、ひねり等の変形が生ずるのを防
止できる。従つて、発振器部のフランジ面と発振
器取付板との接合部に間隙が生ぜず電波漏れの危
険性がなくなる。

また、発振器取付板の折曲片に逃げ部を設けた
ことにより、発振器を取付けるための取付孔の芯
だしが容易になるとともに発振器部のフランジ面
と発振器取付板の周縁とは折曲片のかしめ固定に
より、３層の構造になるので充分な強度が得ら
れ、重い発振器を吊り下げても安全度が充分に確
保されるという効果がある。さらに、励振部と発
振器部とを一体成形することにより、構成部品数
の減少、加工時間の減少と励振部と発振器部間に
間隙がないので電波洩れの危険が防止される等大
きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示し、
第１図は発振器取付板をかしめ着けた導波管に発
振器の取付方法を示す分解斜視図、第２図は導波
管に発振器取付板の取付方法を示す分解斜視図、
第３図は高周波加熱装置の縦断正面図、第４図は
この考案の他の実施例を示す断面図、第５図〜第
８図は従来の高周波加熱装置を示し、第５図は装
置本体の縦断正面図、第６図はスタラフアンを示
す斜視図、第７図は下面に発振器取付板を固定し
た発振器部と励振口部とを組立てた状態における
導波管を示す斜視図、第８図は励振口部、発振器
部、発振器取付板および発振器の取付順序を示す
分解斜視図である。 図中、３は励振口、４は発振器、２１は導波
管、２２は励振口部、２３は発振器部、２４はフ
ランジ面、２４ａは発振器部のフランジ面、２５
は発振器取付板、２６，２６ａ…取付孔、２８，
２９……折曲片、２８ａ……逃げ部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発振器部と励振口部とを有する導波管により発
   振器から発振した電波を励振口を介して加熱室内
   に導くようにした高周波加熱装置において、上記
   導波管は発振器部と励振口部とが一体的に成形加
   工されるとともに、これらの周縁にフランジ面が
   形成され、上記発振器を取付けるための発振器取
   付板にはその周縁に上記発振器の取付け用ボルト
   の逃げ部が設けられているとともに上方に折曲し
   た折曲片が設けられており、この折曲片は上記発
   振器部のフランジ面周縁の上面に折曲されてかし
   め固定されており、上記フランジ面周縁と上記発
   振器取付板との重合部に前記逃げ部に対応して発
   振器の取付け用ボルトの取付孔が設けられている
   ことを特徴とする高周波加熱装置。