JPH0452786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両、特に旅客車内の壁に装着され
る電照式広告装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、画像もしくはフイルム状の画像を建造物
に取付けて広告用に供するものとしては、取付ス
ペースに、特に制限のない壁面に当該広告用画像
をそのまま取り付けるもの、又はフイルム状の画
像の背面に照明灯を固定し、当該照明灯の光を当
該フイルム状の画像を通して直接照射することに
よつて画像を鮮明にした状態で広告するもの等が
ある。

しかし、このような従来の公告装置は広告スペ
ースに厳格な規制があるものではなく、取付ける
べき広告用画像の面積をみて適宜取付ければよい
ものであり、又後者の照明灯を用いるものは、画
像背面に照明灯を固定するものであるから、たと
え、照明灯を複数、固定しても、当該照明灯の光
が直接照射されない画像部分が暗く見える欠点が
あり、それを防止するため、照明灯の数を増す
と、電力の消費、という点で問題がある。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、このような現況にかんがみ、広告ス
ペースに厳格な制約を受ける、車両、特に旅客車
内の壁（出入台と客室との間の仕切壁）に、当該
壁構造の垂直空間を活用して、コンパクトに装着
でき、しかも、画像の照明灯による鮮明度を画像
全面にわたつて、ムラなく、均一に保持できるが
ごとき電照式広告装置を提供しようとするもので
ある。

（課題を解決するための手段） 車両の壁構造を構成する、垂直方向に一定間隔
を隔てて配置される２枚の壁の内側の壁に画像と
同一、もしくは、それよりやや大きい面積の切欠
きを形成する。本考案は当該切欠き部と、当該切
欠き部の後方の壁間空間に装着される。背面部を
反射板とした、前面開のコの字状の枠体内のそれ
ぞれ上方および下方に、前記壁間空間に沿い、上
下方向に移動、固定される照明灯を設ける。上記
枠体の前面に、上記画像の縁が着脱自在に取付け
られる画像取付部材を設ける。上記上方および下
方の照明灯は、それぞれ前記壁間の前記切欠き部
の上面より上方の所定位置および下面より下方の
所定位置に固定された状態で、当該照明灯の光
が、前記反射板で反射され、前面方向にムラなく
照射されるように設定される。

（作用） 旅客車内の壁構造を構成する内側の壁の所定部
分に、広告すべき画像、もしくはフイルム状の画
像と同一、もしくは、それよりやや大きい面積の
切欠きを形成する。コの字状の枠体を上記切欠き
部方向から、壁間空間に挿入して定置する。この
状態では照明灯は枠体内に固定されている。照明
灯の固定を解き、案内部材を介して、上下移動さ
せ、上方の照明灯を、上記切欠き部の上面より上
方の所定位置に、また下方の照明灯を、上記切欠
き部の下面より下方の所定位置に壁間垂直空間に
沿いそれぞれ移動させた後、固定する。枠体の前
面に形成された画像取付部材に画像の縁を嵌入固
定する。照明灯に光源を投入することによつて照
明灯の光は枠体の背面部である反射板で反射さ
れ、画像の前面方向に均一に照射され、画像は全
面に亘つて均一な鮮明度で表示される。

（実施例） 本考案を第１図〜第６図ｃに示す実施例に従つ
て説明する。

第１図は本考案にかかる電照式広告装置を旅客
車内の内側壁１に装着した状態を示している。３
は画像、４は額縁を示す。

第２図は本考案にかかる電照式広告装置を正面
から描いたものである。旅客車の壁構造は、２枚
の壁１と２を一定間隔を隔てて配置したことから
なつており（第３図）、当該垂直空間にこの電照
式広告装置に給電するコード等が設けられてい
る。当該壁構造の内側の壁１の所定位置に一点鎖
線で示された切欠き部５が形成される。切欠き部
５の面積は広告されるべき画像、たとえばフイル
ム状の画像のそれと同一、もしくは、それよりや
や大に設定されている。

上記切欠き部５から、当該切欠き部５と、その
背部に位置する壁間の垂直空間に、前面開のコの
字状の枠体が挿入固定される。

コの字状の枠体は第３図および第４図に示すよ
うに、背面部１０と当該背面部１０の両端から前
面方向へ直角に突出する側板１１，１１からなつ
ている。背面部１０は反射板を兼ねており、その
表面は第３図に示すように、上端から、枠体の高
さ方向の中心線迄は所定のＲに形成され、当該
中心線より下方は、上記上方のＲと対称なＲに
形成されている。第５図における２０は両側の側
板１１，１１間の内側方向に、その内面が、取付
けられるべき画像の縁よりやや大に一体のごとく
形成された長方形状（第６図ａ）の画像取付部材
で、画像取付部材２０の両側は２か所において連
結部材１５を介して、それぞれ近接する側板１１
に固定されている。２１は、その一方側が内側壁
１の背面の所定位置に固定されたＬ型の枠体固定
部材で、枠体固定部材２１の他方側に形成された
ねじ孔２２と、それと対向する側板１１の上記ね
じ孔２２と対向する部分に形成された貫通孔（図
示せず）にボルトを通して締付けることによつ
て、枠体は車体に固定される。枠体固定部材２１
は、他の側板１１の外側にも上記と同様に設けら
れる。

画像取付部材２０の上方辺および下方辺の下面
および上面に亘つては第３図、第６図ａおよびｃ
に示すように、突起１２，１２ａおよび１３，１
３ａが設けられている。突起１２，１２ａおよび
１３，１３ａは所定間隔を隔てて下方方向および
上方方向に形成され、当該突起１２，１２ａおよ
び１３，１３ａ間に画像の上縁および下縁を着脱
自在に嵌入定置するように構成されている。この
場合、１２，１２ａの突出長さは１３，１３ａの
それより大に設定され、かつ画像が定置された状
態では、画像３の上面と突起１２，１２ａの基盤
である画像取付部材２０の下面とは所定間隔を保
持するようにして、着脱を容易にしてある。画像
取付部材２０の左右辺の内側には、第５図に示す
ようにその全高さ範囲に亘つて、Ｌ型の画像支持
部材１６が設けられ、画像３の両側縁を、裏側か
ら支持するように構成されている。すなわち、画
像３は、その上下の縁が突起１２，１２ａ，１
３，１３ａ間に定置され、その両側縁の裏側を画
像支持部材１６で支持された状態で枠体に固定さ
れた画像取付部材２０に取付けられる。第３図お
よび第４図における１４は上方の照明灯収容容器
６の上下移動用案内で、案内１４は側板１４の内
側の所定位置に固定されている。案内１４は第３
図における中心線を中心として対称な位置にも
設けられ、中心線を中心とした下方の対称位置
に設けられる照明灯収容容器６の上下移動用案内
として用いられる。

照明灯収容容器６は第３図および第４図に示す
ように照明灯７１を収容した照明部７と、当該照
明部７の両端に固定された固定部８とからなり、
当該固定部８はビス等９を利用して側板１１の所
定位置に固定される。

画像取付部材２０の上下の両端面には第６図ａ
に示すように、突起１７が、形成されており、一
方、第２図および第６図ｂに示すように額縁４の
上方の両端の裏面には部材１８が、又額縁４の下
方の両端の裏面には部材１９が取付けられてい
る。

部材１８は額縁４の背面方向から１８１として
示すごとく水平に、ついで１８２として示すごと
く、直角に上方に切欠かれた案内溝をもつてお
り、部材１９は、上記切欠き１８２に対応する、
上方に向かう切欠き１９１からなる案内溝をもつ
ている。

従つて、このような部材１８，１９をもつ額縁
４を第６図ａにおける手前方向から、背面方向へ
移動させることによつて、部材１８，１８の切欠
き１８１，１８１に、突起１７，１７が挿入され
る。突起１７，１７が切欠き１８２に突当つた
時、額縁４の背面方向の移動を停止させると、額
縁４の自重により、上方の突起１７，１７は切欠
き１８２の上面に、又下方の突起１７，１７は部
材１９の切欠き１９１内に定置されるように諸元
が設定されている。これによつて額縁４は画像取
付部材２０に固定定置される。

このような構成において、本考案にかかる広告
装置を旅客車の壁に取付けるには次のようにす
る。

旅客車内の内側壁を広告すべき画像の面積よ
り、やや大きい面積に切欠く。枠体を、開方向が
正面方向に位置する形で、当該切欠き部５から旅
客車の壁構造を構成する壁間空間に挿入して車体
に固定する。この状態では第３図において鎖線で
示すように上、下の照明灯収容容器６は、枠体内
に位置するように側板１１の所定位置にビス等９
を介して固定されている。そこで、当該ビス９を
はずし、照明灯収容容器６を側板１１から自由と
して、上方の照明灯収容容器６を、枠体の背面部
１０と、案内１４を案内として旅客車の壁を構成
する壁間垂直空間に沿い、手で上方へ移動し、側
板１１の予め定められている所定上方位置にビス
等で固定する。下方の照明灯収容容器６も側板１
１との固定を解き、当該固定位置より下方の予め
定められている側板１１の所定位置に固定する。
この状態では、上方および下方の照明灯収容容器
６，６はそれぞれ切欠き部５の所定上方位置の壁
間空間および切欠き部５の所定下方位置の壁間空
間にあり、かつ、両照明灯収容容器６，６は切欠
き部５の上下方向の中心線に対し対称の位置にあ
る。さらに又、上、下の照明灯収容容器６，６の
照明灯７１，７１からの光はそれぞれ反射板を構
成する背面部１０で反射されて正面方向へ水平な
光を照射するように設定されている。

ついで、画像３を、画像取付部材２０の突起１
２，１２ａ，１３，１３ａ間に取付け、側面の縁
の裏面を支持部材１６で支持する。しかる後、額
縁４を第６図ａ，ｂに示すごとく、枠体の突起１
７，１７を額縁４の裏面に設けられた切欠き１８
２および１９１に挿入することによつて取付け
る。

しかる後、照明灯収容容器６の照明灯７１，７
１を点灯することによつて、照明灯７１，７１の
光は背面部を兼ねた反射板１０で反射され、画像
３の前面に亘つて、正面方向に水平な光を照射
し、画像は、明暗のむらなく、均一な鮮明度で表
示される。

（考案の効果） 本考案の主な効果をあげれば次のとおりであ
る。

１ 照射機構を旅客車の壁構造を構成する壁間空
間に収納し、画像は内側壁に形成した切欠きの
前面に着脱自在に設けるように構成されている
ので、装置の装着に要する余分な空間は殆ど必
要としない。

２ しかも、照明灯は枠体を壁間空間に挿入した
後、切欠き部５の、予め定められた上方および
下方の壁間空間に移動、固定させた状態で使用
されるので、内側壁表面のスペースはほぼ画像
の大きさの面積を占めるだけであり、しかも、
そうすることによつて、照明灯７１の光の反射
板による反射によつて、画像を全面に亘つて正
面方向へ水平な光線で照射でき、画像を全面に
わたり、むらのない均一な鮮明度で表示するこ
とができる。

３ しかも、前述したごとく、装置の取付けは容
易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を旅客車の内壁に取付けた状態
を示す斜視図、第２図は本考案の正面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は、枠体を、
照明灯収容容器等とともに示した斜視図、第５図
は第２図のＢ−Ｂ線断面図、第６図ａは本考案を
構成する画像取付部材を示す正面図、第６図ｂ
は、一部を切欠いた第２図のＣ−Ｃ線断面図、第
６図ｃは第６図ａのＤ−Ｄ線断面図である。 １……内側壁、１，２……車両の壁構造、３…
…画像、５……切欠き部、１０……枠体の背面
部、１１，１１……側板、２０……画像取付部
材、７１……照明灯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の壁構造を構成する、垂直方向に一定間隔
   を隔てて配置された２枚の壁の内側の壁に形成し
   た、画像と同一、もしくはそれよりやや大きい面
   積の切欠き部と、当該切欠き部後方の壁間空間と
   に装着されるものであつて、背面部を反射板とし
   た前面開のコの字状の枠体内のそれぞれ上方およ
   び下方に、前記壁間空間に沿い上下方向に移動、
   固定される照明灯と、上記枠体の前面に上記画像
   の縁が着脱自在に取り付けられる画像取付部材を
   具え、上記上方および下方の照明灯が、それぞれ
   前記壁間の前記切欠き部の上面より上方の所定位
   置および下面より下方の所定位置に固定された状
   態で、当該照明灯の光が、前記反射板で反射さ
   れ、前面方向に照射されるように設定したことか
   らなる車両用電照式広告装置。