JPH0452698B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特許請求の範囲第１項の所謂上位概
念に記載の交流電気機械に関する。この種の機械
は、例えば、ベルリン、ハイデルベルグ、ニユー
ヨーク所在のSpringer Verlag社の1962年発行の
Wiedemann／Kellenberger著の「Konstruktion
elektrischer Maschinen」の261頁（特に262頁
の170図参照）から公知である。

軸高が1000mmに達する交流電気機械の標準設計
においては、例えば、円形断面の固定子積層材ブ
ロツクは、矩形かまたは円筒形の形態を有するハ
ウジング内に組込まれる。積層材ブロツクは、自
己支持形に実現することもできるしあるいはまた
積層材毎にあるいはまた分割ブロツク毎にハウジ
ング内に成層支持することができる。第１番目の
場合には、積層材は長いボルト（引張植込みボル
ト）または引張部材により緊張されてそれ自体で
完結する単位に形成される。この積層材ブロツク
は機械の外部で完全に製作され且つ巻線を巻装さ
れてしかる後にハウジング内に挿入される。この
ようにして構成された固定子は、上に引用した文
献では挿入形固定子を称されている。ハウジング
は、単に、一般に冷却ガス案内にも用いられる閉
結した外被として用いられている。このハウジン
グには、機械の重量により相当に大きい機械的応
力が生じる。第２番目に述べた構造においては、
成層される積層材もしくはその分割ブロツクはハ
ウジングによつて一緒に保持され、締着されてハ
ウジングの背部と結合される。したがつてハウジ
ングは機械の重量ばかりでなく積層ブロツクを保
持する長手方向および横方向の力による応力を受
ける（ライプチヒ所在のB.G.Teubner
Verlagsgesellschaft社の1950年発行のMoeller−
Werr著の「Leitfaden der Elektrotechnik」の
巻「Konstruktionelektrischer Maschinen」
参照）。

何れの場合にも、積層材ブロツクもしくは個積
層材／分割ブロツクの支持のために不所望にも大
きな軸高および構造容積が必要となる。

本発明の課題は、上述の２つの種類の固定子の
利点が一体的に得られると共に、それに加えて所
与の能動要素の寸法で軸高したがつてまたハウジ
ング高および幅を相当に減少することができる冒
頭に述べた種類の交流電気機械を提供することに
ある。

上記の課題は、特許請求の範囲第１項に記載の
構成によつて解決される。

したがつて本発明の本質的特徴は、電気機械の
ハウジングによつて与えられる空間を十分に利用
することにある。

電気的および機械的に有効な鉄心断面はハウジ
ング壁まで延びる。積層体の外部輪郭に関係な
く、全ての要素は積層体を支持し緊張する担持機
能ならびに冷却ガス案内機能を伴つて内接円の外
部に配置されて、積層体の電気／磁気的機能に悪
影響を及ぼすことはない。したがつて特許請求の
範囲第１項記載の構成によれば、所与の電気機械
出力および鉄量で軸高を相当に大きく減少するこ
とができる。占有空間がこのようにして減少され
る点を度外視しても、実現可能な小さい軸高によ
り製造および材料費用は相当に減少される。

特許請求の範囲第２項に記載の本発明の構成に
よれば、積層体はハウジング壁および端板と共
に、挿込み形固定子の全ての利点を享受する自己
支持型の構造単位を形成する。同じ事が、特許請
求の範囲第３項および第４項に記載の構成につい
ても当嵌る。この構成は、古典的な挿込み形固定
子に相当に対応するものであるが、挿込み形固定
子の圧接板がハウジングの端板の機能をも果す点
で前者とは異なつている。

全ての実施例に対して共通に大きな材料節減が
達成される。冷却ガスの案内は、特許請求の範囲
第３項および第４項の構成において部分的に担持
および支持機能をなす固定子ハウジングの電気的
および磁気的に利用されない角部で行われる。こ
れらハウジング角部に設けられる通路は、特に８
角形およびそれより多い多角形ならびに円形の積
層体断面で、低い流速で所要の冷却ガス量を送る
のに十分な大きさである。

積層材ブロツクとハウジングとの間のリング状
の空間を取去つても、固定子巻線および固定子の
積層体に対し予想されるような冷却関係の劣化は
生じない。このことは、特に、電気機械のエアギ
ヤツプから流入する冷却ガスの所要の案内のため
の手段を通路の方向に延びるウエブとして形成し
た場合に言える。これらのウエブは、個々のウエ
ブ間ならびにウエブとハウジングの間で全体的に
ほぼ均等な空気流量が多角形断面の通路に生じ、
しかも該通路における流速が全体的に等しくなる
ように、配設され、周辺方向に通気通路に亘つて
分布される。

端板をその間に位置する積層材ブロツクと共
に、通路内に延びる引張部材によつてバイアスす
ることは原理的に可能である。このようにする場
合には、ハウジングの外被に設けられているハウ
ジング開口を介して冷却空気を排出するのが有利
である。

電気機械の端部分領域に冷却ガス出口を有する
交流電気機械においては、引張植込みボルトのた
めの係合面で通路断面積が相当に減少されてい
た。従つて本発明の別の実施例においては、（先
述のように端板によつて軸方向に圧縮された積層
材ブロツクの場合）少なくとも１つ、そして好ま
しくは２つの端板を４つの全てのハウジング壁と
溶接する。このために必要とされるハウジングの
縦縁およびハウジングの端縁部における溶接作業
は、この作業に敏感な積層体の外部で排他的に行
なわれるので、磁路短絡等の現象は避けられる。
このことは、特にセグメント状もしくはセクタ状
の個々の積層材から構成された積層体について言
える。積層体と溶接された引張部材が本質的に積
層体の安定性を決定する。

端板に形成される孔を固定子積層材の内部輪郭
に適合すること、換言すれば、固定子歯のための
圧接フインガ（スパイダ）を端板と一体に形成す
ることは理論的には可能である。しかしながら、
製造上の理由から、２つの端板および固定子積層
ブロツク間に、圧接フンガとして作用するウエブ
を設け、該ウエブを外側の分割積層ブロツクの端
板かまたは端積層材と固定的に接続するのが好ま
しい。これ等ウエブは、端板と端板とを離間し、
積層材ブロツクの端面に冷却通路を形成する。

以下、本発明を図面に示す実施例と関連して詳
細に説明する。

第１ａ図ないし第１ｄ図の横断面図には、６角
形（第１ａ図）、８角形（第１ｂ図）、12角形（第
１ｃ図）および円形（第１ｄ図）の積層体断面が
示してある。図から明らかなように、何れの場合
にも、内接円Ｉ、したがつて有効積層体直径２ｒ
がハウジングの内径に対応するので、ハウジング
１０は最適に利用され、他方ハウジング角部は冷
却ガスを案内するための十分な通流面積を有して
いることが判る。

第２図には、８角形の積層体の場合について詳
細な実施例が示してある。

第２図の固定子中央部分を通る横断面図におい
て、参照数字１は固定子積層材を表す。この固定
子積層材は。正８角形の外部輪郭を有しており、
固定子孔２、固定子歯３および固定子溝４が設け
られている。複数個の固定子積層材１は、分割積
層材ブロツク５に、まとめられており、該積層材
ブロツクは半径方向に延びる通気通路６により互
いに離間されている（第４図）。これら通気通路
は２つの群の間隔材即ち近エアギヤツプ側の間隔
材群７および遠エアギヤツプ側の間隔材群８によ
つて形成されており、該間隔材は、１つの積層材
ブロツクの１枚の端積層材に固定されている。間
隔材はＬ字形状の断面を有し、例えばそれぞれの
端積層材に溶接されている。近エアギヤツプ側の
間隔材７は固定子歯３のほぼ全高に亘り半径方向
に延在する。他方の間隔材８は本質的に、ハウジ
ング角部に形成される３角形断面の通路９の方向
に延びている。

固定子積層体は、ハウジング壁１０および端板
１１からなる矩形のハウジングにより囲繞されて
いる。ハウジング壁は積層材ブロツクの側面に１
つおきに当接し、該積層材ブロツクを半径方向に
おいて支承している。ハウジング壁１０は上述の
側面に亘つて当接して該側面とハウジング壁とは
互いに溶接されている。このようにして、ハウジ
ング角部には多角形断面の冷却通路９が形成さ
れ、これら通路は分割積層材ブロツク５間の半径
方向の通気通路６と自由な接続関係にある。冷却
通路９は通気通路６から流出する冷却ガスを排出
する働きをなす。

ハウジングの端板１１は、その全周辺に亘り積
層材ブロツク７上に軸方向に作用する予備緊張力
を及ぼすようにしてハウジング壁１０の端辺に溶
接されている。外側に位置する分割積層材ブロツ
ク５の端積層材と端板１１との間には、圧接フイ
ンガとして固定子積層材ブロツクに作用するウエ
ブ１５が設けられている。これらウエブは固定子
歯３のエアギヤツプ側の端から固定子端部積層材
の周辺まで半径方向に延びている（第３図）。こ
れらウエブは端板１１かまたは最外側の分割積層
材ブロツクの端積層材に溶接されている。

各端板１１は（固定子孔２の他に）４つの切欠
９′を有しており、これら切欠により、多角形の
通路９と固定子中央部分の外側の空間とは自由に
接続されている。これら切欠９′は、多角形の通
路９の横断面積と比較して小さい横断面積を有し
ている。これは、２つの固定子端部分（図示せ
ず）を固定し心出しするための取付け面もしくは
開口１３を設ける必要があるためである。これら
固定子端部は、巻線ヘツド、フアンならびに関連
のケーシングおよび回転子の軸受を受ける。

この電気機械の駆動に際しては、回転子および
エアギヤツプから流れ出る冷却ガスは半径方向に
延びる通気通路６内に流入し、その極く小さい一
部はまた積層材ブロツクと端板１１との間で半径
方向に延びる通路に流入し、そして遠エアギヤツ
プ側の間隔材８を通つて多角形断面の通路９に流
入し、この通路９から端板１１に形成されている
切欠９′を通つて外に導出される。第２図から明
らかなように、遠エアギヤツプ側の間隔材８の配
設および分布は、多角形断面の通路９の流出部に
おいて冷却ガスが近似的に同じ速度を有するよう
に選択される。この実施例において、実効流出断
面積ａ，……，ｆ（第２図）は間隔材８間ならび
に該間隔材８とハウジング壁との間の通路の各有
効流れ断面積に比例する。

第５図には、12角形の外部輪郭を有する積層体
のための本発明の実施例が示されており、この図
において、上に述べた部分と同じ部分には同じ参
照数字が用いられている。上に述べた実施例と異
なる点には、積層材ブロツクが、公知の仕方で層
毎に変位されている個々の積層材セグメントもし
くはセクタ２０から構成されている点である。１
つの層の突合せ継目は参照数字２１で示されてお
り、その下側に位置する層（点線で示す）の突合
せ継目は２２で示されている。積層材２０は外周
にそれぞれ３つの切欠を有している。この場合突
合せ継目２１および２２は上記の切欠の領域内に
位置する。切欠の深さは内接円Ｉに達している。
これら切欠は全体的に見て、積層体の外被に軸方
向に延びる溝を形成している。これら溝内には、
多角形断面の引張部材２３が配設されており、こ
れら引張部材２３は積層体に予備緊張力を及ぼす
ようにして積層体と溶接されている。

第６図の側面図から明らかなように、引張棒２
３は端板１１に形成された相応の形状の孔２４を
通つて外に引出されそこで溶接されている。第２
図ないし第４図に示した実施例に対応して、最外
側の分割積層材ブロツク５の端積層材と端板１１
との間には圧接フインガ１２が配設されている
が、これらフインガは図示を明瞭にするために図
の面に対して垂直に延びるものだけしか示されて
いない。同じ理由から、個々の分割積層材ブロツ
ク５間の間隔材７および８の図示をも省略した。

引張棒は、ペンタプリズム状の横断面形状を有
し、その「屋根面」がハウジング壁１０に当接す
るようにするのが好ましい。別法として、引張棒
は支承断面（Tragquerschnitt）を有し、その自
由側面がハウジング壁に平行に延在して該ハウジ
ング壁に当接するようにすることもできる。何れ
の場合にも、積層体はハウジング壁に面接触で支
持できる。

ハウジングの端板に錠着されている引張棒によ
る固定子積層体の緊張により、６角形あるいは８
角形断面の積層材を使用することができる。とい
うのは何れの場合にも、内接円の外側に、引張棒
２３を収容するための切欠を設けるのに十分な空
間が存在するからである。この事は、セクタ状の
積層材を用いる場合にもまた一体の積層材を用い
る場合にも当嵌る。

６角形断面の積層材（第１ａ図）の場合には、
さらに、固定子積層体をその上下においてその側
面で、そして側部において引張棒２３′により支
持することができる。この場合、引張棒は積層体
の側溝内に配設されて最大で内接円Ｉにまで達す
る。このようにして、有効積層材断面積が減少さ
れることはない。

第１ｄ図に示した円形断面を有する積層材を用
いる場合には、引張棒２３″は積層体の外周上に
配設され該積層体および端板と溶接される。引張
棒２３″は楔状の断面を有し、自由面がハウジン
グ壁に当接する。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図ないし第１ｄ図は、交流電気機械のい
ろいろな積層材断面を有する固定子積層体を示す
略図、第２図は、本発明による固定子の通気通路
領域における横断面図、第３図は固定子巻線を有
さず固定子端部分を切除して固定子の端面を示す
正面図、第４図は第２図および第３図の面Ａ−Ａ
における固定子の縦断面図、第５図は12角形の外
部輪郭を有する積層体の断面図、そして第６図は
ハウジング壁を取外して第５図の固定子を示す側
面図である。 Ｉ……内接円、２……固定子孔、３……固定子
歯、４……固定子溝、５……積層材ブロツク、６
……通路、７，８……間隔材、９……通路、１０
……ハウジング壁、１１……端板、１２……圧接
フインガ、１３……開口、２０……セクタ状積層
材、２１，２２……突合せ継目、２３……引張
棒、２４……孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２つの端板１１間に締着されて半径方向に延
   びる通気通路６により個々の分割積層体５に分割
   された固定子積層体を有し、前記通気通路６は分
   割積層体の端積層材に設けられた間隔材７，８に
   より形成され、前記固定子積層体はハウジングに
   よつて囲繞され、該ハウジングと前記固定子積層
   体の背面との間に前記半径方向の通気通路から流
   出する冷却ガスを排出するための空間を設けた交
   流電気機械において、ハウジング壁１０が、積層
   体断面の外部輪郭の円接円Ｉの接線を成し、ハウ
   ジング角部において通路９を設ける該通路は実質
   的にハウジング壁１０および積層体背面によつて
   のみ形成されて前記積層体の全長に亘つて延在し
   前記積層体によつてのみ互いに隔離されており前
   記積層体は軸方向において前記内接円Ｉの外側に
   延在する締付け手段１０，２３，２３′，２３″に
   よつて締着し合されており、そして遠エアギヤツ
   プ側の間隔材８を前記通路９に向く方向に多重に
   前記ハウジング角部内に配位したことを特徴とす
   る交流電気機械。 ２ 積層体が２つの対置するハウジング壁間に締
   着されて該ハウジング壁に線接触および／または
   面接触関係で支持され、前記ハウジング壁は積層
   体に軸方向に作用する予備緊張力を及ぼすように
   して前記ハウジングの端板１１に固定接続されて
   いる特許請求の範囲第１項記載の交流電気機械。 ３ ２つの端板１１が引張部材２３により該端板
   間に位置する積層体に対して緊張され、前記引張
   部材２３には内接円Ｉの外側で軸方向に延在して
   いる特許請求の範囲第１項記載の交流電気機械。 ４ 積層体が外周に、該外周に渡り均等に分布さ
   れて引張部材２３，２３′，２３″の横断面に適合
   した切欠を設けられ、該切欠は最大前記内接円Ｉ
   まで延びる特許請求の範囲第３項記載の交流電気
   機械。 ５ 積層体がセクタ状に分割された固々の積層材
   ２０から構成され、該セクタ状積層材は層毎に互
   いに変位され、そして１つの層の２つのセクタ状
   積層材２０の突合せ継目２１，２２は周辺方向に
   おいて２番目、３番目または４番目毎の相続く切
   欠の領域内に位置するようにした特許請求の範囲
   第４項記載の交流電気機械。 ６ 積層体の外部輪郭が、近似的に軸対称のｎ角
   形（但しｎは６より大きい）を有し、ハウジング
   壁１０に対して平行に延びる積層体の側面を関連
   のハウジング壁１０に当接して該ハウジング壁１
   ０により支持し、前記積層体の前記側面を越えて
   突出するハウジング壁１０を、通気通路６から流
   出する冷却ガスを排出するために前記積層体の全
   長に渡つて延びる４つの多角形断面の通路９を形
   成するように互いに接続した特許請求の範囲第１
   項または第２項記載の交流電気機械。 ７ 積層体が８角形または12角形の断面を有し、
   該積層体の２番目毎または３番目毎の側面を関連
   のハウジング壁１０に当接して該ハウジング壁に
   より支持する特許請求の範囲第６項記載の交流電
   気機械。 ８ 積層体が円形の断面形状を有し、引張部材２
   ３″がほぼ楔形状の断面を有しておつて積層体の
   外周上に溶接され、前記引張部材２３″の自由面
   がハウジング壁１０に対して平行に積層体の接線
   平面内で延在する特許請求の範囲第３項記載の交
   流電気機械。 ９ ２つの端板１１と固定子積層材ブロツクの外
   側の端積層体間に圧接フインガとして固定子積層
   材ブロツクに作用するウエブ１２を設け、該ウエ
   ブを前記端板１１かまたは前記端積層材と固定接
   続し、前記端板１１を前記端積層材から離間した
   特許請求の範囲第１項ないし第８項の何れかに記
   載の交流電気機械。 １０ 多角形断面の通路の方向に延びる間隔材８
   を、通気通路６内に該通気通路６の周辺に渡つて
   次のように形成し分布する、即ち隣接の間隔材８
   間ならびにハウジング壁に近傍の間隔材と該ハウ
   ジング壁１０との間で全体的にほぼ同じ冷却ガス
   流量が前記多角形断面の通路９内に流出し、該冷
   却ガスの流れ速度が全体的にほぼ同じであるよう
   に形成および分布した特許請求の範囲第１項ない
   し第９項の何れかに記載の交流電気機械。