JPH0451776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、血液や薬液等各種液体の注射器型採
液具の改良に関する。

（従来技術） 従来、血液や薬液等各種液体を採集する器具
（以下採血具として説明する）は、採血針を装着
可能な採血管ホルダーとこれに密嵌合する真空採
血管とからなる如き注射器型のものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の注射器構造は、本来的に
人体乃至被験体等への薬液の注入を目的として構
成されているために、採血等の作業時に両手で該
注射器を操作する必要があるが、やむを得ず片手
で腕や薬壜を押さえるため、操作の安定性が失わ
れ血管に損傷を与えたり、採集量に過誤が生じた
りする欠点があつた。

また、真空採血管においては採血等の採集速度
が採集開始時には早いが、真空度が低下するに従
つて速度が低下し、所定量を採集するまでに時間
が掛り過ぎる欠点があつた。

本考案は、上記欠点を改善すべくなしたもの
で、採血乃至薬液の採集能率及び安全性を向上さ
せると共に、所定量を一定時間内に採集可能な注
射器型採液具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、先端部に
ピストンを有したピストンロツドの元端に鍔を形
成し、該ピストンを先端に針装着口を形成したシ
リンダに挿入した注射器型採液具であつて、該シ
リンダ外側部とピストン元端に形成された鍔とに
互いに嵌合する案内筒部と杵部とを連設し、両案
内筒部と杵部間にピストンを吸引方向に付勢する
ばね部材を介在させ、ピストンロツドの外側一側
に元端に向かつて連続的に係止部を形成し、シリ
ンダの外側には該係止部に係合及び解除可能なス
トツパを設けて注射器型採液具を構成したことを
特徴とする。

上記において、係止部は鋸歯連続状の凹凸部と
し、ストツパは支軸片側がレバー、他側が該係止
部に係止可能な係合爪とし、該係合爪が係合状態
にばね付勢されるように構成することが好まし
い。

（作用） ストツパと係止部の係合によつて固定されてい
るピストンが、該係合を解除するとばね部材によ
つて液体吸引方向に付勢され、液体がシリンダ内
に採集され、所定量に至つた時に、ストツパを係
止部に係合させればピストンの付勢を係止できて
直ちに採集を停止する。

（実施例） 以下本考案に係る注射器型採液具を図面によつ
て説明する。

シリンダ１はピストン２を内挿する筒型のシリ
ンダ本体１ａの先端部に採血針３を脱着自在に嵌
着する口部を有し、元端部に筒内に張出した鍔４
を設け、該鍔４に後述するピストンロツド１４嵌
合用の切欠部５を形成し、一の切欠部５のシリン
ダ本体１ａ元端部付近外側面に支軸部６を形成
し、該支軸部６に採血針３側がレバー８となり、
他側がシリンダ本体１ａ元端外方に延出した係合
爪９となつたストツパ７を枢着し、該ストツパ７
とシリンダ本体１ａ間にはレバー８をばね圧に抗
して押圧するようにばね１０を介装し、シリンダ
本体１ａの他の対向両側面に案内筒１１，１１を
連設し、該案内筒１１は何れもシリンダ本体１ａ
の元端側を開口し、筒内途中に縮径部１２を内周
突設してなつている。

ピストン２は、その周面にシールリング１３を
装着し、元端側からシリンダ本体１ａ外に延出し
該シリンダ本体１ａの内径に略近いか若しくは若
干小さい外径の十字型のピストンロツド１４を一
体に連設してあり、該ピストンロツド１４の十字
形の一翼片の外側面には元端側（ピストン２と反
対側）を略垂直面とした鋸歯状の連続凹凸部から
なる係止部１５を形成し、ピストンロツド１４元
端にシリンダ本体１ａと案内筒１１，１１の端面
連続形に略合致した形状の鍔１６を形成し、上記
係止部１５を形成した十字形の一翼片をシリンダ
本体１ａの鍔４のストツパ７内側に位置する切欠
部５に嵌合した状態において、前記案内筒１１，
１１内略一杯に突入する案内杆１７，１７の元端
を鍔１６にねじ止め等により固着し、該案内杆１
７は何れもその先端に縮径部１２に当接する係止
部１８を形成し、該縮径部１２と鍔１６間の案内
杆１７部分に圧縮コイルばね１９を装嵌してあ
る。

上記本考案に係る注射器型採液具は、ピストン
２がシリンダ１内一杯に押し込まれた状態でばね
１０の圧力でストツパ７が鍔４近傍の係止部１５
と係合してピストン２を固定している。この状態
で採集部位、例えば採血に際しては腕等を片手で
固定して、もう一方の手で採液具を保持して、採
血針３を血管に刺し、その後ストツパ７のレバー
８を適宜の指で押圧して係合爪９と係止部１５と
の係合を解除すると、案内筒１１内のばね１９に
よつてピストン２が付勢されて、徐々にシリンダ
本体１ａ元端側に移動し、血液をシリンダ１内に
吸引する。

シリンダ本体１ａ内の採集血液が所定量に達し
た時に、ストツパ７の押圧を解除するとストツパ
７はばね１０の付勢によつて係合爪９をピストン
ロツド１４の係止部１５に係合させ、直ちにピス
トン２の移動を停止させ、採血を停止する。

なお、上記実施例において、ピストンロツド１
４は円筒形又はピストン２と連続一体の円筒形と
してもよく、案内筒１１，１１及び案内杆１７，
１７は逆の形態に形成される等の変形が可能であ
る。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、血管等に採液針
を刺し入れた後、レバーを指で押すだけでストツ
パの係合部とピストンロツドの係止部の係合を解
除してばねの弾発力で吸引方向に付勢し、採液所
定量を一定時間内にシリンダに吸引採集すること
ができ、指の押圧を解除するだけで採液を直ちに
停止できる。また、本考案によれば採液操作を両
手で安定して行なえるために採液時の安全性を向
上することができ、採血時の血管等の損傷を防止
できると共に、採液能率を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る注射器型採液具を示す斜
視図、第２図は同じく一部切欠断面図、第３図は
第２図における−線端面図、第４図は第３図
における−線端面図である。 １……シリンダ、２……ピストン、６……支軸
部、７……ストツパ、９……係合爪、１１……案
内筒、１４……ピストンロツド、１５……係止
部、１６……鍔、１７……案内杆、１９……ば
ね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 先端部にピストンを有したピストンロツドの
   元端に鍔を形成し、該ピストンを先端に針装着
   口を形成したシリンダに挿入した注射器型採液
   具であつて、該シリンダ外側部とピストン元端
   に形成された鍔とに互いに嵌合する案内筒部と
   杵部とを連設し、両案内筒部と杵部間にピスト
   ンを吸引方向に付勢するばね部材を介在させ、
   ピストンロツドの外側一側に元端に向かつて連
   続的に係止部を形成し、シリンダの外側には該
   係止部に係合及び解除可能なストツパを設けた
   ことを特徴とする注射器型採液具。 (2) ピストンロツド外側の係止部は鋸歯連続状の
   凹凸部となり、ストツパは支軸片側がレバー、
   他側が該係止部に係止可能な係合爪となり、該
   係合爪が係合状態にばね付勢されている第１項
   記載の注射器型採液具。