JPH0451740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエアーポンプ式ポツトに関する。

（従来の技術） 従来、エアーポンプ式ポツトとしては、魔法瓶
や断熱容器を使用したもの、あるいは第３図に示
すように、液体を収容する容器本体１と、該容器
本体内に空気を圧送するエアーポンプ３と、容器
本体内の液体を加熱する電気ヒータ２とを備え、
電気ヒータ２により沸騰させた後、容器本体内の
液体を断続的に加熱して所定温度に保温し、使用
時に、エアーポンプを操作することにより容器本
体の底部に接続された導出管４を介して湯を吐出
するようにしたものが実用に供されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この種のポツトでは、導出管４
が容器本体外に配設されているため、長時間使用
しない場合には、その温度が徐々に低下するとい
う問題がある。しかも、この種のポツトは、容器
本体内の液量を知ることができるように、導出管
４から水位管５を分岐させているため、水位管内
の液体の温度も低下する。このため、長時間放置
した後、使用すると、室温近くまで低下した導出
管４および水位管５内の湯が最初に吐出され、最
初の一杯目の温度が低いという問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前記問題を解決する手段として、図
示のように、エアーポンプ３を具備し、該エアー
ポンプ３により容器本体１内に空気を圧送し、容
器本体１の底部に接続された導出管４を介して容
器本体内の液体を湯出口から吐出するようにした
ポツトにおいて、導出管４と湯出口との間に液溜
め部材６を配設し、該液溜め部材６の底部を水位
管５を介して導出管４の一端側と連通させると共
に、該導出管４の他端を前記液溜め部材６内で終
端させ、湯出口を有する吐出管７を前記導出管４
と同軸に液溜め部材６を装着し、該液溜め部材６
内に前記導出管４に沿つて上下動自在なフロート
８を配設してなることを特徴とするエアーポンプ
式ポツトを提供するものである。

（作用） ポツトに湯が入つている状態で、エアーポンプ
３を操作すると、容器本体１内に圧送されてくる
空気の作用により湯が導出管４を介して液溜め部
材６の方へ送られているが、導出管４が液溜め部
材６内で終端し、水位管５が液溜め部材６の底部
に接続されているため、それらの管内に溜まつて
いた液体は吐出管７の方へ流れず液溜め部材６内
に流出し、その中に溜まり、液溜め部材６内のフ
ロート８が徐々に上昇する。フロート８が液溜め
部材６の天井壁に接するまで上昇すると、湯導出
管４と湯吐出管７とがフロート８により接続さ
れ、容器本体１内から送られてきた高温の液体
は、液溜め内の低温の液体からフロート８により
隔離され、低温の液体と混合することなく、吐出
管７を介して外部へ流出する。また、エアーポン
プ３が停止し、空気が送られなくなると、液溜め
内の液体は水位管５を通つて流れ落ち、フロート
８は元の位置まで降下し、導出管４と吐出管７と
は液溜め内に開口することになる。

以下、添付の図面を参照して本考案を詳細に説
明する。

（実施例） 図において、１は容器本体、２は電気ヒータ、
３はベローズ式エアーポンプ、４は導出管、５は
水位管、６は液溜め部材、７は吐出管で、導出管
４はその一端を容器本体１の底部に接続され、そ
の他端は液溜め部材６の底部を貫通して若干内部
へ突出して終端している。水位管５は一端を導出
管４に接続され、他端が液溜め部材６の底部に接
続され液溜め部材６の内部に連通している。

液溜め部材６は、円筒状に構成され、その底壁
が容器本体１内に水を満たした時の水位と同じ又
はそれより若干高いところに位置するように配設
されている。また、液溜め部材６内には、導出管
４の突出部に沿つて上下動自在に外装された環状
のフロート８が配設され、フロート８の中央の貫
通口にはガイド管９が固定されている。なお、こ
のガイド管９は必ずしも必要ではなく、フロート
８の上端面が液溜め部材６の天井壁に接した際、
導出管４と後述の吐出管７との間が接続されるだ
けの厚さをフロート８に持たせるようにしても良
い。この場合であつても、液溜め部材６が液体を
収容する空間、即ち、液溜部材６の内容量は、少
なくとも導出管４と水位管５に滞留している液体
の容積と等しくする必要がある。

液溜め部材６の天井壁には導出管と同軸に吐出
管７が装着され、その端部は液溜め部材６内に若
干突出している。

前記構成のエアーポンプ式電気ポツトを使用す
る場合において、容器本体１内に熱湯が入つてい
る状態で使用しない時、即ち、エアーポンプ３を
操作しない状態では、フロート８は、第２図イに
示すように、液溜め部材６の底壁に接しており、
導出管４及び水位管５内の水位は液溜め部材６の
底部の下方に位置している。この状態でエアーポ
ンプ３が手動または電動により駆動されると、導
出管４及び水位管５内の水位が上昇し、それらの
管内に滞留していた冷えた場は、液溜め部材６内
に導かれるた（第２図ロ）。

導出管４と水位管５からの湯が液溜め部材６内
に溜まるにつれてフロート８はガイド管９と共に
導出管４にガイドされつつ浮力により上昇し、ガ
イド管９の上端が液溜部材６の天井壁に達する
と、ガイド管９により導出管４と吐出管７が接続
され、容器本体１からの湯の流路が液溜め部材６
の空間から隔離されるため、容器本体１内の熱湯
は導出管４からガイド管９および吐出管７を介し
て湯出口から吐出される（第２図ホ）。従つて、
導出管４および水位管５内に滞留していた低温の
液体は液溜め部材６内に溜められ、初めから容器
本体１内の高温の液体が吐出されることになる。

所定量吐出した後、エアーポンプ３が停止させ
られると、液溜め部材６が溜められた湯は水位管
５を通つて容器本体１側へ排出され、それにつれ
てフロート８は自重により液溜め部材６内を降下
し始め（第２図ニ）、最後には液溜め部材６の底
にまで下がり元の位置に戻る。

ちなみに、電気ヒータとしてバンドヒータを用
いた図示の構造の電気ポツトで、水を入れて通電
し、沸騰直後に130mlづつカツプに取り出して、
湯の温度を測定したところ、本考案の実施例であ
る電気ポツトでは、最初の一杯目の温度が87.0℃
で、２杯目、３杯目はいずれも91℃であつたが、
第３図のものでは、最初の一杯目の湯の温度は
83.0℃で、２杯目、３杯目はいずれも92℃であつ
た。

前記一実施例では本考案を電気エアーポツトに
適用した例をあげて説明しているが、これのみに
限定されるものではなく、エアーポンプを備えた
魔法瓶、断熱容器からなるポツトであれば任意の
ものに適用できる。

（効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、簡単な構成により長時間使用しない場合でも
室温近くまで低下した湯を液溜め部に止め、最初
から容器本体内の高温の湯を取り出すことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である電気ポツトの
該略説明図、第２図はその使用時における動作を
示す要部断面図、第３図は従来の電気ポツトの該
略説明図である。 １……容器本体、２……電気ヒータ、３……エ
アーポンプ、４……導出管、５……水位管、６…
…液溜め部材、７……吐出管、８……フロート、
９……ガイド管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアーポンプ３を具備し、該エアーポンプ３に
   より容器本体１内に空気を圧送し、容器本体１の
   底部に接続された導出管４を介して容器本体内の
   液体を湯出口から吐出するようにしたポツトにお
   いて、導出管４と湯出口との間に液溜め部材６を
   配設し、該液溜め部材６の底部を水位管５を介し
   て導出管４の一端側と連通させると共に、該導出
   管４の他端を前記液溜め部材６内で終端させ、湯
   出口を有する吐出管７を前記導出管４と同軸に液
   溜め部材６を装着し、該液溜め部材６内に前記導
   出管４に沿つて上下動自在なフロート８を配設し
   てなることを特徴とするエアーポンプ式ポツト。