JPH04514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、機械等（ミキシングロール、プレ
ス、混練り器、製材機、ベルトコンベヤー等その
他回転機械であつて、作業性質上保護カバー等取
り付け不可能な機械）への挟まれ、巻き込まれに
よる危害防止用急停止装置に使用される安全スイ
ツチ用センサーに関するものである。

［従来の技術］ 従来、前述の機械等の急停止装置としては、機
械式スイツチ、例えば、レバー式リミツトスイツ
チ、フツト式リミツトスイツチ、押し釦スイツチ
等が用いられている。これらのスイツチは機械本
体の近傍に配置されていて、作業者が危険を感じ
た時、または危険に曝された時に操作するもので
ある。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、危険は一瞬の出来事であり、こ
の場合において、「手」または「足」の位置を変
えてスイツチ操作が間に合うか否か疑問である。
最悪の場合、巻込まれた後に停止とゆう事も起こ
り、危険防止上問題である。

また、実作業では、原材料および加工物がセン
サーに接触、付着することもあり、また加工物自
体に導電性を有する場合もある上、作業用補助具
が接触する事が多く、その都度機械等の停止が発
生したのでは作業能率が低下する。

本考案はこのような従来の問題点を解決するた
めになされたもので、人体の接触によつて速やか
に作動し、加工物等の接触では作動することのな
い安全スイツチ用センサーを提供することを目的
とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案による安全スイツチ用センサーは、静電
容量の変化を検出する電極部の加工物側のみもし
くは加工物側を厚く作業者側を薄く絶縁体で被覆
することによつて、電極部の加工物側の感度を低
く、電極部の作業者側の感度を高くしたことを特
徴とする。

上記電極部としては、従来公知の静電容量式レ
ベルスイツチ、またはこれと類似の機能を有する
レベルスイツチを用いることができる。

絶縁体は、少なくとも加工物側に形成されてい
ればよく、作業者側に形成されていてもよい。た
だし、電極部に対する感度の差をもたせめため、
絶縁体の厚みは加工物側が厚く、作業者側が薄く
なるように形成する。

［作用］ センサーの検出部に測定対象物等が接触する
と、センサーの静電容量が変化し、その変化に対
応してスイツチ動作が行なわれる。上記構成によ
れば、加工物側には絶縁体が形成されているた
め、センサーの感度は低くなり、作業者側には絶
縁体が全く無いかあるいは加工物側に比べて薄く
形成されているためセンサーの感度は高くなる。
したがつて、絶縁体の厚い側に加工物が接触して
もセンサーは作動せず、絶縁体の薄い側に作業者
が接触した場合はその変化を速やかに検知して機
械を急停止させる。

［実施例］ 第２図は本考案による安全スイツチ用センサー
をミキシングロール用の急停止装置に実施した場
合の説明図である。第２図において、安全スイツ
チ用センサー（以下センサーという）１は、第３
図の部分断面図に示すように、加工物１３の投入
されたミキシングロール（以下ロールという）２
の上部に配置され、２本の検出部１０がロール２
と平行に取り付けられている。４はレベルスイツ
チ増幅器（以下増幅器という）であり、同軸ケー
ブル３を介して前記センサー１と接続されてい
る。また、９は増幅器４の駆動用の交流電源であ
る。増幅器４からの信号は、主リレー回路５へ送
られ、この主リレー回路５から更に機械停止リレ
ー回路６、ブザー７及びランプ８へ信号が送られ
るよう構成されている。

第１図は検出部１０の拡大断面図である。第１
図において、１１は静電容量式レベルスイツチに
よる電極部であり、電極部本体は十分なる強度を
有する金属性パイプまたは丸棒等が用いられる。
なお、レベルスイツチの構造、作動原理等につい
ては既に公知であるため説明を省略する。１２
は、FRP，PVC、ゴム等の樹脂より成る絶縁体
であり、前記電極部１１の周囲に一体に形成され
ている。本考案においては、加工物側と作業者側
における絶縁体１２の厚みを変え、センサー自体
に感度の差を持たせたことを特徴とする。すなわ
ち、加工物側（内側）に対応する部分の絶縁体１
２の厚さを厚くし、作業者側（外側）に対応する
部分の絶縁体１２の厚さを薄くすることによつ
て、加工物側は電極部１１の感度が低くなり、作
業者側は感度が高くなる。したがつて、作業中に
検出部１０の内側に加工物が接触しても作動する
ことがなく、検出部１０の外側に作業者の体の一
部が接触するとその静電容量の変化を速やかに検
知して作動するようになり、あくまでも人体にの
み選択的に作動させることが可能となる。

レベルスイツチ１の増幅器４は、任意の場所に
取り付けし、作動感度調整はこの増幅器ゲインに
て調整する。この増幅器４の出力接点を、従来の
急停止回路に直列に組込みし、いずれが作動した
場合でも急停止させると同時に、ブザー７および
ランプ８を点滅させ、周囲の人に知らせる。

センサー１は原材料投入、及び加工作業の手前
で、且つ同一面で有るため、危険時にはそのま
ま、センサー１にタツチするのみで良い。また、
作業中無意識に危険ゾーン内に人体の一部が入り
込んだ場合においても、センサー１に人体の一部
が接触すれば危険に至る前に停止する。

上記実施例においては、電極部１１の形状を棒
状とした場合について説明したが、本考案はこの
形状に限定されるものではなく、例えば板状の電
極であつてもよし、同様に機能し得るものであれ
ば、他の形状を有するものであつてもよい。

また、絶縁体は少なくとも加工物側において加
工物が接触しても作動しない程度の厚みに設けら
れていればよく、必ずしも作業者側に設ける必要
はない。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、電極部
の加工物側のみを絶縁体で被覆もしくは電極部を
被覆している絶縁体の厚みを加工物側と作業者側
で変え、センサー自体に感度の差を持たせること
により、センサーを人体に対してのみ選択的に作
動させることが可能となる。これにより、作業能
率の低下をもたらすことなく、人体の接触に対し
ては速やかに作動して機械を停止させることがで
き、従来の機械式スイツチと組合せて二重化すれ
ば、より安全を強化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は検出部１０の拡大断面図、第２図は本
考案を実施した急停止装置の説明図、第３図はセ
ンサーの部分断面図である。 １……安全スイツチ用センサー、２……ミキシ
ングロール、４……レベルスイツチ増幅器、５…
…主リレー回路、６……機械停止リレー回路、１
０……検出部、１１……電極部、１２……絶縁
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 静電容量の変化を検出する電極部の加工物側の
   みもしくは加工物側を厚く作業者側を薄く絶縁体
   で被覆することによつて、電極部の加工物側の感
   度を低く、電極部の作業者側の感度を高くしたこ
   とを特徴とする安全スイツチ用センサー。