JPH0451349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、海上コンテナ冷凍装置などに使用
するドレンパイプ、詳しくはドレンパイプ本体
と、該本体の先端に取付けるシール部をもつたシ
ール体とを備え、内部にドレンパイプヒータを装
着して成るドレンパイプに関する。

【従来の技術】 従来コンテナ冷凍装置として、実開昭55−
130176合公報記載のものが知られており、この公
報記載のコンテナ冷凍装置は、冷凍庫の前面側で
上部位置に、該冷凍庫に連通する冷却室を形成
し、この冷却室内に蒸発器と該蒸発器から流下さ
れるドレンを受け止めて排水するドレンパン等を
配設すると共に、前記冷却室の下部位置に機械室
を形成し、この機械室内に圧縮機及び凝縮器など
を配設している。 また前記ドレンパンには、前記機械室に向けて
延びる出口管を接続し、この出口管にドレンパイ
プを接続して、該ドレンパイプを介し前記ドレン
パンで受け止めたドレンを前記機械室の下部位置
から外部に排出するごとくしている。 しかして前記ドレンパイプは、前記出口管に接
続されるドレンパイプ本体と、該本体の先端に取
付けられ、ドレンの排出のみを許し外気の流入は
阻止するシール部をもつたシール体と、長尺なド
レンパイプヒータとから成り、該ヒータにより前
記ドレンパイプ本体内でドレンが凍結したりする
のを防止するようにしている。 ところが前記公報記載のドレンパイプでは、前
記ドレンパイプヒータを、前記ドレンパイプ本体
の外周部位で長さ方向先端部だけに沿設させるよ
うにしているため、前記冷却室に配設される前記
ドレンパンの排出口近辺でドレンの凍結を招くこ
とがあつた。 そこで、第８図に示すごとく、扁平で長尺のベ
ルト状をなすドレンパイプヒータ１１を用い、該
ヒータ１１を、前記ドレンパイプ本体９の内部
で、前記ドレンパンの排出口近くから前記シール
体１０の位置まで挿入させ、前記ヒータ１１で前
記ドレンパイプ本体９を全体的に加温するように
したドレンパイプ８が考えられたのである。

【考案が解決しようとする課題】

ところで以上のごとく使用されるドレンパイプ
ヒータ１１は、通常30W（20Kcal／ｈ）程度であ
るため、前記ヒータ１１の熱が前記シール体１０
の先端に形成されるシール部１０ａまでは伝わら
ず、該シール部１０ａでドレンが凍結したりする
問題があつた。 本考案は、以上のごとき問題に鑑みて考案した
もので、その目的は、前記ドレンパイプ本体の先
端部に取り付ける前記シール体のシール部でのド
レンの凍結を確実に防止して、該シール部でドレ
ンが凍結することにより排出できなくなるのを確
実に防止することができるドレンパイプを提供す
ることにある。

【課題を解決するための手段】

本考案のドレンパイプは、ドレンパイプ本体９
と、該本体９の先端に取付けられ、先端部にドレ
ン排出用絞り通路１０ｂをもつシール部１０ａを
形成したシール体１０とを備え、前記ドレンパイ
プ本体９及びシール体１０の内部に扁平で長尺状
のドレンパイプヒータ１１を装着して成るドレン
パイプであつて、前記ドレン排出用絞り通路１０
ｂを前記ヒータ１１の幅方向長さより長い線状の
スリツトにより形成し、前記ヒータ１１の先端部
を、前記シール部１０ａのドレン排出用絞り通路
１０ｂを貫通して前記シール体１０の外方に突出
させていることを特徴とするものである。

【作用】

しかして前記ドレンパイプヒータ１１を、前記
シール体１０のシール部１０ａにおける前記ドレ
ン排出用絞り通路１０ｂにドレンを排出する通路
を確保しながら貫通させるので、前記シール部１
０ａでの凍結を確実に防止できるのであり、従つ
て、前記ドレン排出用絞り通路１０ｂからドレン
が凍結することなく確実に排出されるのである。

【実施例】

以下本考案にかかるドレンパイプを図面の実施
例によつて説明する。 第７図に示すコンテナ冷凍装置は、冷凍庫Ｒの
前面で上部位置に、該冷凍庫Ｒに連通する冷却室
１を形成し、この冷却室１の内部に、蒸発器２及
び蒸発器用フアン２ａと、前記蒸発器２から流下
されるドレンを受け止めて排水するドレンパン３
を配設すると共に、前記冷却室１の下部位置に機
械室４を形成し、該機械室４の内部に、凝縮器５
と凝縮器用フアン５ａ及び圧縮機６などを配設し
ている。 また前記ドレンパン３には、前記機械室４に向
けて延びる出口管７を接続すると共に、該出口管
７にドレンパイプ８を接続して、該ドレンパイプ
８を介して前記ドレンパン３で受け止められたド
レンを前記機械室４の下部位置から外部に排水す
るごとくしている。 前記ドレンパイプ８は、第１図乃至第３図に示
すごとく、前記出口管７に接続されるドレンパイ
プ本体９と、該本体９の先端に取付けられるシー
ル体１０とから成り、このシール体１０の先端部
に、線状のスリツトにより形成するドレン排出用
絞り通路１０ｂをもつシール部１０ａを突出形成
すると共に、前記ドレンパイプ８の内部には、偏
平で長尺なベルト状をなすドレンパイプヒータ１
１を装着している。 しかして以上のごときドレンパイプ８におい
て、前記シール部１０ａの前記ドレン排出用絞り
通路１０ｂを形成する前記スリツトの長さを、前
記ヒータ１１の幅方向長さより長く形成し、前記
ドレンパイプヒータ１１の先端部を、前記ドレン
排出用絞り通路１０ｂを貫通して前記シール体１
０の外方に突出させるのである。従つて、前記ヒ
ータ１１で前記シール部１０ａを加温することに
より、該シール部１０ａの前記ドレン排出用絞り
通路１０ｂにおいてドレンが凍結するのを阻止
し、ドレンが凍結することなく排出できるように
したのである。 具体的には、第４図乃至第６図に示すごとく、
前記ドレンパイプ８のシール体１０を先端が前記
ドレンパイプヒータ１１の幅方向長さよりも大き
く拡径するラツパ状に形成して、このシール体１
０の拡径先端部に、直径方向に延びる矩形状の端
面をもつシール部１０ａを一体に突出形成すると
共に、このシール部１０ａの端面に該シール部１
０ａに沿つて延び、前記ヒータ１１の幅方向長さ
より長い線状のスリツトを形成して前記ドレン排
出用絞り通路１０ｂを設ける一方、前記シール部
１０ａの長さ方向両側位置に、該シール部１０ａ
の先端面から前記シール体１０の前記ドレンパイ
プ本体９取付側に向けて延びる所定深さの切込線
１０ｃ，１０ｃを形成するのであり、この各切込
線１０ｃ，１０ｃを形成する間隔は、少なくとも
前記ドレン排出用絞り通路１０ｂに挿入されるド
レンパイプヒータ１１の幅方向長さよりも大きな
間隔となるように形成する。 そして、第１図乃至第３図に示すごとく、前記
ドレンパイプ８に内装される前記ドレンパイプヒ
ータ１１の先端部を、前記シール体１０の内部か
ら前記シール部１０ａのドレン排出用絞り通路１
０ｂを貫通させて、前記シール体１０の外方に突
出させるのであり、斯くすることにより前記ヒー
タ１１で前記シール部１０ａが前記各切込線１０
ｃ，１０ｃから外方に押し広げられ、前記ヒータ
１１が前記シール部１０ａに密接された状態で外
方に突出されることになるのであり、また、前記
シール部１０ａのドレン排出用絞り通路１０ｂ
は、前記ドレンパイプヒータ１１の幅方向長さよ
りも広幅となるように形成しているから、前記ド
レン排出用絞り通路１０ｂに前記ヒータ１１を挿
入させたとき、ドレン排出用の通路を確保でき、
このドレン排出用絞り通路１０ｂからドレンを外
部に排出することができるのである。 従つて、前記ヒータ１１に通電することによ
り、該ヒータ１１に接触しながら前記ドレン排出
用絞り通路１０ｂを流れるドレンが加温され、該
ドレン排出用絞り通路１０ｂでのドレンの凍結が
阻止され、ドレンは、前記シール体１０のシール
部１０ａにおいて凍結することなく排出されるの
である。 また、前記各切込線１０ｃ，１０ｃを形成する
ことによつて、前記ヒータ１１を前記シール部１
０ａのドレン排出用絞り通路１０ｂに挿入すると
き、前記ヒータ１１の挿入が行い易くなり、さら
に前記各切込線１０ｃ，１０ｃの形成部位で前記
ヒータ１１を前記ドレン排出用絞り通路１０ｂの
中央部に位置決めでき、該ドレン排出用絞り通路
１０ｂのヒータ挿入部の両側にドレンを排出する
通路を確保でき、前記シール部１０ａにおけるド
レンの凍結防止をより効果的に行うことができる
のである。

【考案の効果】

以上説明したごとく本考案のドレンパイプで
は、前記ドレン排出用絞り通路１０ｂを前記ヒー
タ１１の幅方向長さより長い線状のスリツトによ
り形成し、前記ヒータ１１の先端部を前記シール
部１０ａのドレン排出用絞り通路１０ｂを貫通し
て前記シール体１０の外方に突出させたから、前
記ドレンパイプヒータ１１を、前記シール部１０
ａにおける前記ドレン排出用絞り通路１０ｂにド
レンを排出する通路を確保しながら貫通させるの
で、前記シール部１０ａでの凍結を確実に防止で
きるのであり、従つて、前記ドレン排出用絞り通
路１０ｂからドレンが凍結することなく確実に排
出されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるドレンパイプの正断面
図、第２図は同側断面図、第３図は同下面図、第
４図はシール体の正面図、第５図は同側面図、第
６図は同下面図、第７図はコンテナ冷凍装置の全
体構造を示す断面図、第８図は従来例を示す断面
図である。 ９……ドレンパイプ本体、１０……シール体、
１０ａ……シール部、１０ｂ……ドレン排出用絞
り通路、１１……ドレンパイプヒータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドレンパイプ本体９と、該本体９の先端に取付
   けられ、先端部にドラン排出用絞り通路１０ｂを
   もつシール部１０ａを形成したシール体１０とを
   備え、前記ドレンパイプ本体９及びシール体１０
   の内部に扁平で長尺状のドレンパイプヒータ１１
   を装着して成るドレンパイプであつて、前記ドレ
   ン排出用絞り通路１０ｂを前記ヒータ１１の幅方
   向長さより長い線状のスリツトにより形成し、前
   記ヒータ１１の先端部を、前記シール部１０ａの
   ドレン排出用絞り通路１０ｂを貫通して前記シー
   ル体１０の外方に突出させていることを特徴とす
   るドレンパイプ。