JPH04507251A - パーキンソン病治療用のドーパミン作動性神経栄養因子 - Google Patents

パーキンソン病治療用のドーパミン作動性神経栄養因子

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JPH04507251A JP2511890A JP51189090A JPH04507251A JP H04507251 A JPH04507251 A JP H04507251A JP 2511890 A JP2511890 A JP 2511890A JP 51189090 A JP51189090 A JP 51189090A JP H04507251 A JPH04507251 A JP H04507251A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 パーキンソン病治療用のドーパミン作動性神経栄養因子発明の背景 本発明は、末梢神経の細胞に由来するドーパミン作動性神経栄養因子(do−p a@inergic neurotrophic factor for tr eatment of parkinsor+’ s d狽唐■≠唐■j を含む物質の組成物、ドーパミン作動性神経栄養因子を含む医薬品製剤、及びパ ーキンソン病の治療におけるそれらの使用に関する。
パーキンソン病は中枢神経におけるニューロンの特定の集団に影響を与える大脳 基底法(basal ganglia)の神経変性疾患(neuroclege nerative disorder)である。パーキンソン病の症状には、振 戦(tremor at rest)、筋硬直、無動症(akinesia)、 及び動作緩慢(bradykinesia)がある。
この病気の主たる病状は、進行性であり、点質(substantia nig ra)に発し。
線条体(striatum)内に至るドーパミン作動性ニューロンの持続的な損 傷(loss)である。これは、神経伝達物質であるドーパミンの合成に関与す る酵素の実質的な減少を導く。ドーパミン合成における後発的減少は、上述の症 状の発症と重篤度に相関する。
ドーパミン作動性ニューロンの損傷がパーキンソン病に関連する症状と時たま結 び付くことを示す証拠は1983年に発見された。詳述すれば、1−メチル−4 −フェニル−1,2,3,6−チトラヒドロビリジン(MPTP)として知られ るヘロインの代替物である毒物を注射したある種の薬物乱用者が、注射の直後に パーキンソン症候群の兆候を示した。その後、MPTPが(MPP+)形に転換 され、それが点質の一ドーパミン・ニューロン(substantia nig radopamin neurones)に蓄積され、そこでその物質がこれら のニューロンを破壊する毒素として作用することが判明した。ドーパミン作動性 ニューロンの結果的な損傷は、パーキンソン病において観察される神経病理学的 症状に類似していることが見いだされた。
研究の結果、パーキンソン病並びにアルツハイマー病及び筋萎縮性側索硬化症( ALS)などの他の神経変性疾患が、各疾患において影響された特定の神経の集 団に特異的な神経栄養物質の欠失(loss)又は利用可能性の減少に起因して 発生することが示された。ここで、[神経栄養因子(neurotrophic  fac−tor) Jとは、単一の物質か又は複数の物質の組み合わせであり 、その主たる作用がニューロンの集団の生存性を増進させ及び/又は維持するが 、同時にニューロン突起(neuron processes)の伸長(out growth)及び二、 −o ンの代謝活性にも影響を与えるもの言う(神経 突起促進因子/neurite−promoting factors)。
この特異的な神経栄養因子は、変性しつつあるニューロンのターゲット領域で合 成され、貯蔵され及び/又は特異的なレセプター(受容体)により結合されて取 り込まれ(internalfzed)、放出され、ニューロン・ボディー(n euron body)に逆行的に運搬され、そこでその物質は栄養効果を発揮 しご成熟させる。それは細胞の生存性及び/又は機能における年齢に相関する低 下に関与する。かかる特異的な神経栄養因子の欠失(Loss)かもしれない。
セルラー・ソース(cel−1ular 5ource)はいまだ判明していな いが、ニューロンとダリア細胞は共に神経栄養因子を分泌することができること を示唆する証拠がある。
中枢神経において特異的なニューロン集団をもたらす幾つかの推定される神経栄 養因子が報告されている。例えば、アルツハイマー病は、モノマーの形でおよそ 13,000ダルトンの分子量を有するポリペプチドである。神経成長因子(N GF)の欠失又は利用可能性の減少の結果であるとの仮説が立てられている。N GFはベイサル・フォアプレイン(basal forebrain)における コリン作動性ニューロンの生存性1機能及び再生を増進することが知られている 。
このコリン作動性ニューロンの集団は、アルツハイマー病の患者では萎縮及び/ 又は死滅することが示されており、これがアルツハイマー病に関係する重度の認 識力障害(profound cognitive deficits)に関与 する第1次的神経欠陥であろう。最近の研究により、NGFはこれらのコリン作 動性ニューロン、海馬体(hippocampal formation)及び 新皮質(neocartex)のターゲット領域から合成。
放出されることが証明された。Thoenen、 H,et at、、 Rev 、 Physiol、 Biochem。
Pharnacol、 109二145−178 (1987)及びThitt emore、 S、 R,et al、、 Brain R■刀A Rev、 12:439−464 (1987)。知る限りにおいて、NGF産 生の欠失がベイサル・フォープレインのコリン作動性ニューロンの変性の主要原 因であると言う確定的な証拠はない。しかし、アルツハイマー患者を外来性N  G F (exogeneousNGF)の投与によって治療して、変性しつつ ある神経集団の生存性を高めることが提案されている。
今日では、パーキンソン病患者の最善の治療(the therapy of  choice)は、点質ニューロン(substantta nigra ne urons)のターゲット領域である線条体(strtatui)におけるドー パミンレセプターの蓄積を通じて行っている。この治療ハ、#−(3,4−シ1 ::ドロ+’、tフェニAt)−a−7う= ン(L−DOPA/LEI10D OP^)の投与を必須とする「前駆物質剤治療(precursor drug  therapy)Jで達成され、それは血液脳関門を通過してドーパミンに変 換される。この薬理的アプローチは初期には効果的であるが、L−DOPA治療 は時間の経過により効果が薄れ、多くの場合に患者の症状は悪化する。
NGFにくわえて、中枢神経組織に生物学的効果を生ずる多くの神経栄養因子が 報告されており、これらについて後に更に詳述する。しかしながら、知られる限 り、点質におけるドーパミン作動性ニューロンの変性(degeneratio n)を治癒する方法は現在のところ存在しない。加うるに、これらの神経細胞の 変性の開始に関与する条件は解明されていない。したがって、現在のところパー キンソン病を確実に有効に治療する方法は存在しない。
発明の要約 本発明の一曲面では、パーキンソン病治療用の組成物が提供され、その組成物は 補乳動物の末梢神経組織の培養細胞に由来するドーパミン神経栄養因子(DNT F)を精製し、濃縮したものを含む。DNTFは10,000ダルトン以下の分 子量をもち、点質のドーパミン神経細胞にたいして神経栄養性を示す。
DNTFの注目される性質のなかでも特筆すべきは、胎児性非有糸分裂性ドーパ ミン神経細胞(fetal non−mitotic dopaIIine n ervecells)の培養における生存時間の延長と、神経突起の伸長にさし たる影響を与えずに上記因子にさらされた点質ドーパミン神経細胞(subst antia nigra dopamine nerve cells)におけ るチロシン&ハイドロシラーゼ(tyrosine hydrosylase) 若しくはチロシン。
ハイドキシラーゼ(tyrosine hydoxylase)の生体内での発 現の増進を与える能力である。
本発明の他の曲面においては、パーキンソン病の治療用医薬品製剤が提供され、 その医薬品製剤は活性物質として点質に存在するドーパミン神経細胞の生存性と 機能とを増大させ、線条体への伸長、そしておそら(はこれらの細胞の再生を増 進させるのに充分な量の上記DNTFを含む。
本発明の更に他の曲面においては、パーキンソン病の患者を治療する方法が提供 され、その治療法においては上記DNTFをかかる患者に投与する。
本発明は、パーキンソン病の治療に関して現在用いられている治療にたいする潜 在的に重要な変更を意味する。現在用いられている前駆物質剤治療(L−DOP A)は、パーキンソン病の治癒ではなく、処置法であり、それは効果を失う可能 性があり、長期間の使用によりむしろ有害にもなり得る。本発明のドーパミン神 経栄養因子によるパーキンソン病の治療は、点質神経細胞の変性及び機能異常の 軽減により病気の進行を阻止し、あるいは停滞させることが予期される。加うる に、ドーパミン神経栄養因子による治療は、失われたドーパミン機能の代替手段 としてドーパミン細胞を移植するときは、移植対策として宵月である可能性があ る。詳述すれば、ドーパミン神経栄養因子はドーパミン合成組織の中枢神経組織 移植片と共に投与して移植組織の生存性と機能とを高める可能性がある。
本発明のドーパミン神経栄養因子のパーキンソン病に対する観察された活性に関 与する化学的特性は未だ明確になっていない。それは単一の物質であるかも知れ ず、あるいはまた複数の物質の混合物であるかも知れない。したがって、ここで DNTFに関して用いる[剤(agent)J、r成分(co@ponent) J、r素材(fngredient)Jなどの用語の単数型は、複数型をも包含 する。
中枢神経組織において生物学的効果を有する神経栄養因子については、中枢神経 組織の細りに由来する因子をも含めて、これまで報告されてきたが、これまでに 得られた因子の何れもが本発明のドーパミン神経栄養因子と同等の理化学的若し くは生物学的特性を示していないと信する。これらの特性については以下に述べ る。更に、線条体に存在することを支持する証拠によって着想された、線条体か らDNTFを回収するためにこれまで行われて来た試みは、かかる因子を成功裏 に分離するには至っていない。To+sfzawa、 et al、、 Bra in Re5earch、 399:111−124 (1986)。
発明の詳細な説明 上述のように、パーキンソン病の主な症状は黒室線条体ドーパミン系(nig− rostriatal dopamin system)と言う特定の神経伝達 系における欠陥によってもたらされる。詳述すれば、点質におけるドーパミンニ ューロンが変性し、線条体へのドーパミンの投入(fnput)の損失をもたら し、特徴的な動作異常の開始をもたらす。
ドーパミン含有神経細胞(dopamine−containinfg ner ve cells)の変性に関する一つの可能性ある説明は、特定のドーパミン 神経栄養因子が、線条体のターゲット領域において有効でなくなり、利用できな くなり、或いは合成されなくなることである。加つるに、はとんどの神経栄養因 子はプレシナブチイック・ターミナル(presunaptic termi、 nals)に存在する特異的な膜結合レセプターを介して機能する。これらのレ セプター・の機能に変化があると神経栄養因子は有効ではなくなる。健常な個体 においては、ドーパミン神経栄養因子は、線条体におけるこれらのドーパミンを 含む点質神経細胞のターゲット領域から放出される。この因子は特異的な1ノセ ブターにより認識されて結合し、複合体として取り込まれ、その神経細胞の細胞 体(cell body)に逆行的に移送され、そこでその因子はドーパミンニ ューロンの生存性と正常な恒常的機能もしくはホメオスタティック機能を維持す るよう機能する。パーキンソン病の場合には、線条体はドーパミン神経栄養因子 の適度の供給量を与えることができず、ドーパミン神経細胞が適度に機能できな くなり、ついにはドーパミン神経栄養因子の欠失により死滅するに至る。
本発明の実施に用いられるDNTFは分子量10.000ダルトン未満の可溶性 蛋白質であり、その蛋白質は末梢(神経)組織の細胞から抽出できる。末梢神経 は中枢神経系のドーパミン神経細胞のターゲットではないが、末梢神経に関連す るこの多くの異なった栄養因−7−(trophic factors)、例え ば、NGFは、特に除神経後にNGFを合成し1分泌することが知られている。
DNTFの抽出は、無血清培地中で培養された末梢神経培養物について行われる 。ロイペプチンなどのプロテアーゼ阻害剤が、無血清培地に含まれて、末梢神経 断片により分泌されたタンパク質の変性を最小化する。
DNTFは、在来の分子量除外技術(IIlolecular weight  exclusion technics)を用いて、その培地から回収できる。
抽出は分子量排除能力のある遠心分離フィルタを用いて満足に行うことができる 。例えば、セントリコン−10及び−30(登録商標)(アミコン社製)遠心分 離濾過チューブをjlL’て抹消神経培養物から画分を得ることができる。この 手順は、10キロダルトン(セントリコン−10)よりも小さい分子量の第1の 両分、及び30キロダルトン(セント1ノコンー30)以下の分子量の第2の画 分の分離を許す。ドーパミン神経栄養活性は、セントリコン−10のチューブか ら得られた濾過液によって示され、したがってドーパミン神経栄養因子は10キ ロダルトンよりも小さい分子量のものであることを示す。第2の画分(分子量範 囲10.000〜30,000ダルトン)は、単一の又は複数の分子量を有し、 それは(それら(4)培養の際ドーパミン含有神経細胞におけるニューロン突起 の伸長を劇的に増進させる。
在来の付加的な処理工程を行って、所望の製品を更に分離し純化してもよし)。
DNTFは比較的小分子量の蛋白質であるので、逆相高速液体クロマトグラフィ ー (RPHPLC)を用いて分離してもよい。あるいはまた、ドーパミン神経 栄養因子はイオン効果クロマトグラフィー或いは吸着クロマ]・グラフィーを含 めて他の多くの技術を用いて分離できる。大規模な分離にはアフィニティークロ マトグラフィーを用いてもよ(、好ましくはDNTFに対して結合親和性を有す る適切なモノクロ−なる抗体を用いる。所望の製品は、ついで殺菌され凍結乾燥 されて、以下に記載するカルチャー・)くイオア・ツセイを用も鬼で、その神経 栄養活性を確認する(実施例2参照)。
D N’ T Fの供給源としては、シュワン細胞及び/又は繊維芽球(繊維芽 細胞)など、上述の末梢神経標本に使った細胞の純粋培養物がある。これらの細 胞集団は培地から分離して純化し、DNTFかどうかを分析すればよい。これら の培養標本中にDNTFが存在すれば、その大量生産して差し支えない。
回収された素材のドーパミン神経栄養活性は、パイオア・ツセイにより直ちに確 認される。神経栄養活性に関する分析の一方法は、ドー/?ミン作動性神経細# 1(dopaminergic nerve cells)の培養における生物 学的活性を確認することである。本発明のDNTFは、選択的な生存性及び生存 性関連効果、即ち、カルチャー・バイオアッセイを用いたドーパミン神経細胞に ついてのドーl<ミン合成酵素の産生を示すことが分かった。ドーパミン神経栄 養活性のその他の活性としては、生存性を除けば、ドーパミン取り込みの高度の 親和性の如き正常なホメオスタティック機能に関連した代謝機能および細胞の生 育がある。ドーパミン神経栄養活性を示した画分の培養に引き続いて、分離され た細胞培養物をチロシン・ヒドロキシラーゼ免疫細胞化学法(tyrosine  hydroxylase immuno−cytocheIoistry)を もちいて染色した。チロシン・ヒドロキシラーゼはドーパミンの産生に必要な酵 素である。かくて、チロシン・ヒドロキシラーゼに対する抗体を用いることによ り、ドーパミン含有神経細胞が同定できる。ドーパミン含有神経細胞が同定でき たら、対照処理培養物と対比して、DNTF処理培養物について細胞サイズの測 定を行うことができる。
チロシン・ヒドロキシラーゼmRNAのレベルの変化によっても、ドーパミン神 経機能(dopan+in neuronal function)の測定がで きる。in 5itu ハイブリダイゼーションのような、分子生物学の最近の 進歩によって、単一のニューロンにおいて単一の遺伝子の定量分析が可能である 。かかる技術によりイン・ビトロ及びイン・ビボでのチロシン・ヒドロキシラー ゼ遺伝子の発現についてドーパミン神経栄養因子の効果を研究することができる ようになり、目下それが進行中である。
一旦、プレシナブチイック・ターミナル(presynaptfc termi nal)からドーパミンが放出されれば、それはモノアミン・オキサイドにより 減成され(de−graded)或いは高度の親和性をもった取り込み機構(a  high affinity uptakemechanis+5)によりプ レシナブチイック・ターミナルに再び取り込まれる。放射性(3H)ドーパミン を用いて、ドーパミンの高親和性取り込み(high−affini−ty u ptake)がドーパミン神経栄養因子溶液又は対照溶液で処理された培養物で 確認できる。ドーパミン取り込みの増大はドーパミンの合成および放出の増大を 示し、それらはかかる神経細胞における代謝機能の尺度である。
イン・ビトロ及びイン・ビボでの実験を行ったが、その実験は点質ドーパミン神 経細胞についてDNTFの神経栄養効果とパーキンソン病の有効な治療の可能性 とを証明するものであった。これらの実験および結果は以下に記載する。
ラットを用いてイン・ビボでの若干の実験を行ったが、それらのラットは点質− 線条体経路(nigro−strfatal pathway)に片側性の損傷 をもっていた。この損傷は線条体へのドーパミン投入の重大なロスと損傷側への アンフェタミン誘発性回転(旋回) (amphetamfne−induce d rotation)を含む動作性の症状をもたらす。この回転(旋回)効果 は、ドーパミン関連化合物をスクリーニングする古典的モデルになった。実際に 、胎児性ドーz(ミン・ニューロンの移植がこの動作性欠陥からの回復(rev ersal of thfs behavorial deficit)をもた らし得ることが多(の研究室で示された。この動作性の長期にわたる回復の促進 が、DNTFを分泌できる末梢神経と中脳ドーパミン合成細胞(a+esenc ephalic do−pamin synthesizing cells) の同時移植を用いて達成できる。移植後の宿主におけるドーパミン細胞に、末梢 神経の分泌(DNTFを含めて)を持続的に行わせることが明らかである。
今日までに行われた他の実験としては、損傷を受けたドーノくミン系、即ちドー パミン含有ニューロン数の減少およびドー/<ミンの合成と量との減少をもった 老齢の実験動物に対する末梢神経の移植がある。末梢神経の移植片は残存する点 質ニューロンにおけるチロシン・ヒドロキシラーゼ染色を大いに増太さ化チロシ ン・ヒドロキシラーゼ含有神経繊維の数をも大いに増大させた。
これらの実験結果は、DNTFがイン・ビトロ及びイン・ビボで末梢神経により 放出される可溶性因子若しくは解決因子(a、 5oluble factor )であるらしいことを示し、それは点質ニューロンの細胞体に逆行的に移送され て、それらののニューロンの生存性と機能とを促進することができるのであろう 。
上述のように、末梢神経系に由来する因子を含めて、多くの神経栄養因子が中枢 神経系に生物学的効果を示す。よ(特徴が分かつている若干の因子を表1に示す 。DNTFは、それが表1に列挙された神経栄養因子の幾つかとある種の特徴を 共通にしているにも拘わらず、DNTFはそれらの全てから識別可能に異なって いる。
表 1 精製及び部分精製された神経栄養因子、中枢神経系におけるそれらの効果および アステリスク(*)は末梢神経系の細胞に由来する因子であることを示す。
真の神経栄養因子の諸特徴の−づは、中枢神経系(CNS)ニューロンの生存性 を増進させる機能である。この基準に基づいて、表1に上げたaFGFは真の神 経栄養因子ではなく、むしろ「軸索突起促進(neurtte−promotf ng)J因子であると思われる。同様に、例えばフィブロネクチン、コラーゲン 及びラミニンを含めて、他の多くの因子も、神経細胞集団の生存性に認識され得 る影響を与えずに軸索突起伸長(neurfte outgrowth)を促進 することができる。
表1に列挙した神経栄養因子の中でも、CNTFは除神経された末梢神経(de nervated peripheral nerves)により合成され放出 されて、毛様体神経(ciliary neurons)、交換神経系ニューロ ン(sympathetic neurons)、ドーサルeルート・ガングリ ア(dosal root ganglia)、及び中枢神経由来の若干のニュ ーロンを含めて多くのニューロン集団の生存性と伸長とに影響を与える。DNT Fは軸索突起伸長特性をもたず、CNTFよりも分子量が小さい(CNTFの2 0.400に比較してDNTFは10.000以下である。)。
末梢神経により分泌される他の因子はbFGFである。bFGFは真の神経栄養 因子であると考えられるが、少なくとも三つの特徴がbFGFをDNTFから区 別するのに役立つ。第1は、bFGFの分子量が10.000ダルトンよりも大 きいことであり、一方DNTFの分子量が10.000ダルトンよりも小さいこ とである。第2は、bFGFが培養ニューロンにおける生存性と軸索突起伸長と を増進するが、一方DNTFは軸索突起伸長には影響を与えないらしい。第3は 、bFGFヘパリン硫酸塩結合領域を含む。ヘパリン硫酸塩カラム(a hep arin 5ulfate column)を通された(その画分からbFGD Fを除去した)末梢神経コンディションド・ミディアムの画分(fractio ns of peri−pheral nerve conditioned  Iledium)は、培養ドーパミン・ニューロンにおいてニューロンの生存性 と軸索突起伸長とを示し続けた。これらのデータはDNTFがbFGDFとは関 係がないことを示している。
神経系に存在するスフィンゴ糖脂質(glycosphingolipids) の仲間であるガングリオシド類(gangliosides)もまた、末梢神経 によって分泌される。ガングリオシド類が生存性因子または神経栄養因子として 機能するという証拠はないが、ガングリオシド類の存在が神経栄養活性を強化し 得るらしい。例えば、ガングリオシド類が培養ベイサル・フォープレイン(ba sal forebraLn)コリン作動性ニューロンについてNGFの効果を 増強することが示された。か(て、ガングリオシド類の効果はDNTF程には特 異的ではなく、効果がある他の適切な栄養影響素因(trophic fnfl uences)の存在を要求する。
最近の報文に末梢神経由来の可溶性因子が記述されており、その因子は培養の際 に知覚ニューロンの生存性と軸索突起伸長とを増進する。Windebank、 ^、J。
et al、、 Brain Re5earch、 385:197−200  (1986)。この報文は、それに記述した因子が新規なものであり、分子量及 び生物学的特性が上記表1に示したCNTFに似ていることを仄めかしている。
線条体から回収された表1に挙げた因子を考慮して、DNTFは線条体由来の神 経栄養因子とは次の点で異なる。即ち、DNTFは軸索突起伸長に認識し得るほ どの影響を与えず、その分子量が14.000未満であることである。
更に、線条体由来の神経栄養因子は独特ではないが、実際にBDNFおよびbF GFとはことなる緒特性を示すことが示唆されている。Dal、 Toso、  R,etat、、 J、 Neurosci、、 8ニア33−745 (19 88)。線条体に見られる分子量が1,500〜2.200の範囲内の他の因子 がある。しかし、これらの因子は、海馬。
扁桃核(amygdala)、大脳皮質(cerebral cortex)な どの非ドーパミン作動性脳領域でも高濃度で見いだされ、Tアミノn酪酸(G  A B A)の高親和性取り込み(high affinity uptake )にも影響する。これらのデータは線条体抽出因子は必ずしもドーパミン・ニュ ーロンに対して特異的ではないことを示している。
更に、線条体由来の因子が軸索突起の数と長さとに影響すると言う観察は、DN TFと線条体抽出因子とが同一ではないことを示している。パーキンソン病の診 断および治療ツール(therapeuLfc tool)としての線条体因子 の使用は別件の特許出願の客体である。1982年11月24日付出願の米国特 許出願第444.293号および関連出願参照。
DNTFとは違って、NGFは点質ドーパミン神経細胞に対して神経栄養効果を 示さず、軸索突起誘導(neurfte 1nduction)を促進する。N GFの分子量はDNTFのそれよりも大きい。DNTFはBDNFからそれらの 相対的分子量に基づいて同様に区別できる。
DNTFの分子量、並びにニューロン生存性に対する特異的効果と、軸索突起伸 長に対しては効果をもたないことに鑑みて、上記表1に挙げた公知の神経栄養因 子の全てがDNTFから明白に区別でき、唯一の例外はIGF−Ifであって、 それは7.100の分子量をもっている。IGF−IIha中枢神経系、それも 殆ど専らアストログリア細胞で産生される。末梢神経系でのIGF−■の役割は 、シナプスの形成および発育及び再生の期間での除神経誘発神経繊維伸長(de nervation−induced fiber growth)に関与して いると思われる。詳述すれば、ICF−nのレベルは出生前の発育及び出生後初 期の発育中にはターゲット領域(筋繊維)において最高である。座骨神経(sc iatLc nerve)の切断(transsection)もまた成熟した 除神経筋繊維においてIGF−11を高レベルにさせる。IGF−nは、培養の 際NGF知覚ニューロン及び交換神経ニューロンの生存性を増進することが示さ れている。しかし、IGF−IIが中枢神経系における生存性因子であることの 直接的な証拠はない。
他のインシュリン関連生育因子(insulin−related growt h factor)であるIGF−1もまた、中枢神経系に存在し、ニューロン 細胞及び非ニューロン細胞で合成されている。IGF−I約7.600ダルトン の分子量をもち、ラットの座骨神経において逆行的に移送され、末梢神経の再生 に役立つことが示されている。加えて、IGF−Iはトランスフェリン補充培地 中で皮質ニューロン(cortical neurons)に関して生存性因子 として作用することができる。今日では、培養ドーパミン・ニューロンの生存性 或いは軸索突起伸長についてIGF−Iが効果がないことが報告されている。最 近の研究によれば、中枢神経系におけるIGF−Iの結合部位はコリン作動性脳 領域(cholinergic brainregions)と関連しており、 ドーパミン作動性脳領域(dopaminergic brainregion s)とは関連していないことが示されている。Araujo、 D、il、 e t at、、 Brain Res、、 484:130−138 (1989 )。したがって、この研究の公表された結果と我々自身の試験結果とによって、 DNTFが生育因子のインシュリン・ファミリーには関係がないと思われる。
結論として、上記表1に示したように中枢神経系において生物学的活性を有する 多くの神経栄養因子が存在するが、かかる因子とDNTFとの間には特性におけ る明らかな差異が、DNTFの特異性の揺るぎない証拠を与えている。
DNTFは、投与のために好都合に調剤することができ、生物学的に容認できる 媒体、即ち水、1!衝塩類溶液(buffered 5aline)、ポリオー ル(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコー ル等)或いはそれらの混合物を調剤に用いる。選択された媒体中における活性素 材の最適濃度は、薬品化学者によく知られている手順によって経験的(empe ricallyはempiricallyのミススペルと判断する)に決定し得 る。ここで「生物学的に容認できる媒体」とは、薬剤の投与の所望の経路に関し て適切なあらゆる溶媒。
分散媒等を含む。かかる媒体の薬理的に活性な物質にたいする使用は、当該技術 において公知である。在来の媒体或いは薬剤が、DNTFの活性素材と不適合で ない限り、それを本発明の医薬品の調剤に使用することができる。
投与単位で医薬品製剤を処方することは、投与の容易さと投与量の均一化のため にとりわけ有利である。ここで「投与単位」とは、治療中の患者に関して、適切 な医薬品の物理的に分離された単位を言う。各投与量は、所望の治療効果を生じ させるよう計算された活性素材の量を選択された担体と共に含まなければならな い。点質ドーパミン神経細胞の生存性を助長するべく投与されるべき適切な投与 量は、当業技術の熟達者により常套的に決定される。標準的な投与量は活性素材 の1ミリグラム以上を含むことになると推定される。
本発明の医薬品製剤は腸管外投与が好ましく、例えば、患者の中枢神経系内への 導入による。かかる投与は経膣室内輸液(intracerebraventi cular 1nfu−sion)により達成できる。DNTFを放出できる末 梢神経組織の細胞の線条体内への移植(by transplantfng 1 nto the striatum cells of the periph era■ nervus system capable of releasing D NTF)により、患者をDNTFで治療することもできる。かかる細胞は中脳ド ーパミン合成細胞(mesencephalicdopamin synthe sizfng cells)のような中枢神経系のドーパミン合成細胞と同時移 植してもよい。これらの治療は互いに他の治療と共に行うことができる。
例えば、中枢神経系のドーパミン合成細胞が患者の線条体に移植され、同時に本 発明の医薬品製剤を投与してもよい。非腸管外経路もまたDNTFの投与に有用 であり、経口(oral)、経鼻(intranasal)、経直腸(rect al)、経眼(opthal−IIlicはophthalmicのミススペル ではないかと思われる)投与を含む。
本発明の医薬品製剤は、疾患の症状が明白でな(なるまで、適切な間隔で投与で き、その後投与量を維持療法レベルにまで減少させることができる。特定の患者 における適切な投与間隔は、当然にその患者の病状に依存する。ここで「患者」 とはヒト及び動物を含む。 −以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明するた めに提示される。これらの実施例は本発明を説明するためであって限定するもの ではない。
実施例1−DNTFの分離と精製 ラットの座骨神経(sciatic nerves) (長さ約2.5〜3.0 cm)を、プロテアーゼ阻害剤を含んだ1. Omlの滅菌無血清培地に入れ、 95%の空気と5%の002を含んだ湿潤した環境下に培養した。3日間培養後 、コンディションド・ミディアムを除去し、−20℃で凍結し、培地を新たな培 地に交換した。この培地の除去と交換手順を更に2サイクル反復して、3.Om lのコンディションド・ミディアムを得た。このコンディションド・ミディアム をセントリコン−10及び−30遠心管に入れ、4℃で1時間半遠心した。この 技術により全部で3種の両分を分離した。第1の両分は10.000ダルトン以 下の分子量の物質を含み、したがってDNTFを含んでいた。第2の両分は3o 、oooダルトン以下の物質の物質を含みそれは軸索突起の伸長、即ち、ドーパ ミン含有ニューロンと培地中における軸索突起の数、長さ及び分岐を劇的に増大 させる物質を含んでいた。第3の両分は30.000ダルトンを越える分子量の 物質を含んでおり、それはドーパミン含有ニューロンに対して神経毒素様の効果 を示した物質を含んでいた。DNTFはセントリコン−10遠心管において回収 された画分に見いだされるので、DNTFの分離はこの作業を用いて開始され得 る。DNTF含有画分は0.2μmのフィルタを通過させて滅菌され、凍結乾燥 されて、培養分析により神経栄養活性の確認に供した。
実施例2−組織培養 ドーパミン神経細胞の解離培養物は標準的様式を用いて得られた。詳述すれば、 ラットの中脳前部(ventral mesencephalon) (これは A3−Al0ドーパミン神経細胞を含む)の02〜0.4mm片を、ラットの1 3〜16日目の胚から割出した。発生のこの段階では、ドーパミン神経細胞は有 糸分裂完了後(post m1totic)であるが、未だ線条体を神経支配( Lnnervation)するに至っていない。解離された細胞培養物はDNa  s e (1,mg/ml)及びトリプシン(0,25mg/mJ)の存在下 に組織を粉砕して調製した。細胞を10%ウシ胎仔給仕(FBS)を補ったOp ti−MEM培地(ギブコ社製)中で洗浄した後、直径16mrnのプラスチッ ク・ウェルをもったプレートに、1.OmlのOpti−MEMおよび10%F BSを入れた1ウエル当たり500.000細胞の濃度で分注した。細胞は72 時間にわたりこの溶液中で平衡化させ、細胞を100 μm(f)DNTF溶液 を含んだl、QmA’の無血清Opti−MEMに移した。これらの細胞は95 %の空気と5%のCO2中で37℃に7日間保持され、その間DNTF含有培地 は1日置きに交換した。かくて、細胞はDNTF含有培地で3回の処理を受けた 。
実施例3−イン・ビトロにおけるDNTF活性中脳神経細胞の培養物はチロシン ・ヒドロキシラーゼについて染色してドーパミン作動性神経細胞を同定した。実 施例1で得た第1の画分を用いて10〜14日間処理した培養物は対照処理した 培養物に比較して、ドーパミン細胞数が1.8〜8.0倍であった。実施例1で 得た第2の両分を用いて処理した培養物もドーパミン細胞の生存性の増大を示し たが、第1の画分に関して観察されたのと同程度ではなかった(第1の画分は1 .8〜8.0倍であったのに対して、第2の両分は1.5倍)。これは、恐ら( 高分子量画分におけるDNTFの希釈によるものと思われる。しかしながら、実 施例1の第2の両分を用いて処理した培養物は、他の全ての処理物に比較して広 範な軸索の伸長が見られた。この軸索突起促進因子(neurite−prom oting factor)は完全には同定できなかったが、それは末梢神経系 に比較的高濃度で見いだされるCNTF (表1参照)に類似の特性を示した。
DNTFの効果は、NGFに対する抗体又はラミニン(laminin)でブロ ックすることができなかったし、培養されたドーパミン神経細胞を実施例1の第 1の画分に2日間だけさらした後、無血清培地だけに更に5日間さらすことによ り部分的に誘導された。かくて、DNTFの恒常的な存在は、ニューロンの生存 性及び機能の有効レベルを与えるのに必要ないのであろう。
実施例4−イン・ビボでのDNTF活性実施例1の第1の両分を3種類の異なっ た条件で試験して、イン・ビポでのその効果を確認した。ティビアル・ブランチ (tibiaL branch)及びベロネアル・ブランチ(peroneal  branch)をもつラットの座骨神経を神経上膜からはがし、5.0mmに 切断し、0. 1%グルコース、100μg/mlのストレプトマイシン及び2 .5μg/mlのファンギゾン(fungizone)を含むカルシウム−マグ ネシウム・フリー滅菌培地中で反復して洗浄した。これらの神経断片は滅菌アミ コンXM−50繊維(内径1.1mm、4.5mm長に切断)の内腔に装填した 。装填には、25ゲージの針と1、Occのシリンジを取り付けたポリエチレン (PE60)チューブを用いた。アミコン繊維の両端は、加熱した鉗子で挟んで 密閉し、10%ウシ胎仔給仕、5%正常ウマ血清、2mML−グルタミン、0. 45%グルコース、1mMピルビン酸ナトリウム、50単位/mlペニシリン、 及び50μg/mlストレプトマイシンを補ったRPM11640培地中に入れ た。神経をいれたチューブはこの溶液中で95%の空気、5%のCO2の湿潤し た室内で37℃で1〜2日間培養した。
この中空のポリマー繊維は、後に神経断片を中枢神経系に移植する際のキャリア として役立つ。このポリマー繊維は半多孔質膜でできており、特定の分子量の分 子の排出を許す。この実験で用いられたポリマー繊維の膜は、50,000ダル トンまでの分子の通過を許す。このポリマーの性質は免疫系による移植片の拒絶 を防止する。
かくて調製された神経入りチューブ移植片(fmplants)は2. 4.  8又は10週の若齢及び老齢の正常ラットの側脳室(lateral cere bral vetricaL)内に移植された。加えて、この神経入りチューブ 移植片は点質−線条体ドーバミン系の片側性障害と給仕ドーパミン神経細胞(1 4日胚)の同時移植片をもった若い成熟ラットに移植された。点質−線条体ドー バミン系の障害は、アンフェタミンのようなドーパミン拮抗剤を動物に与えたと き極めて特徴的な片側性旋回をもたらす。胎仔ドーパミン・ニューロンの移植片 は、この障害により除神経されたターゲット領域を再び神経支配して、旋回行動 を消失させることが判っている。
神経入りチューブの移植片だけを移植された動物の脳の切片においては、点質に おけるドーパミン含有ニューロン並びにこれらのニューロンのターゲット領域に おける神経繊維においてチロシン・ヒドキシラーゼ染色が促進された。
この効果は移植後4.8及び10週に観察されたが、2週目では観察されなかつ 。
た。神経入りチューブ移植片から離れたニューロンにおけるチロシン・ヒドキシ ラーゼ染色の促進の存在は、DNTFが可溶性の因子であり、それがドーパミン 含有神経細胞において特異的に移送されることを示している。
点質−線条体ドーバミン系の片側性障害をもった動物への給仕ドーパミン作動性 ニューロンと神経入りチューブとの同時移植は、アンフェタミン誘発旋回を用い て確認したところ行動の回復が促進された。その脳の免疫履歴化学評価(ia+ munohistochemfcaL evaluation)により、移植さ れたニューロンのi泡体と軸索突起(axons)のチロシン・ヒドキシラーゼ 染色を促進した。移植されたニューロンからの繊維は、常に神経入りチューブ片 の方向に成長したが、これは何等かの化学走性(chemotactfc pr operty)を示唆している。この現象は予期されなかったことではなく、神 経入りチューブからトロフィック因子(tro−phic factor)の可 溶性資源(soluble 5ource)が放出される場合には、そのトロフ ィック因子の濃度がその神経入りチューブ近傍において最も高く、その濃度は神 経入りチューブから遠ざかるに連れて減少する。この場合、移植された神経細胞 の軸素突起(axons)はトロフィック・サポート(trophic 5up port)の最高濃度を含む勾配に向かって引き付けられた。
イン・ビボでの試験データは、パーキンソン病患者におけるDNTF処理が今日 の治療に対して価値ある代替治療法を提供することを示しており、今日の治療法 では達成できない点質におけるドーパミン・ニューロンの生存性を、それが増進 することにより達成できることを示している。
本発明の多くの局面についてのべ、若干の好適な実施例について例証して来たが 、当該技術の熟達者には他の多くの実施態様があり得ることは明らかである。例 えば、本発明のDNTFは上記の分離と精製操作によって末梢神経系の細胞から 得られたが、それはDNA組換え技術を用いてかかる細胞からも得ることができ る。かくて、DNTF発現に関与する遺伝子を分離し、クローン化し、適切な宿 主細胞中で発現させ、生物学的に活性なりNTFの大量生産を可能にすることが 、明らかに可能である。同一の遺伝子は天然の及び組換えの蛋白質の産生に関与 しているので、それらの薬理効果は実質的に同等であると期待できる。したがっ て、本発明は特に記載し3例証した実施例のみに限定されず、以下の特許請求の 範囲に記載された本発明の技術思想を逸脱することなく、さまざまな改変及び変 形が可能である。
国際調査報告 III+e+v+a+m++−事^―崗a”””5PCT/US90/(M70

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [1]哺乳動物の末梢神経系の細胞に由来する下記の性質をもつ可溶性のドーパ ミン作動性神経栄養因子の精製,濃縮物を含むパーキンソン病治療用物質の組成 物、 上記因子は10,000ダルトン未満の分子量を有し、培養に際して胎仔性非有 糸分裂性ドーパミン神経細胞の生存時間を増大させることができ、上記因子にさ らされた黒質ドーパミン神経細胞におけるチロシン・ヒドロキシラーゼのイン・ ビボでの発現を増大させることができるが、軸索突起の伸長について認識され得 る程度の効果をもたず、上記因子は黒質ドーパミン神経細胞に対して神経栄養効 果をもつ。 [2]下記の因子の精製,濃縮物を、黒質ドーパミン神経細胞の生存性を増進す るのに有効な量において活性素材として含むパーキンソン病の治療用医薬品製剤 、 哺乳動物の末梢神経系の細胞に由来する下記の性質をもつ可溶性のドーパミン作 動性神経栄養因子、上記因子は10,000ダルトン未満の分子量を有し、培養 に際して胎仔性非有糸分裂性ドーパミン神経細胞の生存時間を増大させることが でき、上記因子にさらされた黒質ドーパミン神経細胞におけるチロシン・ヒドロ キシラーゼのイン・ビボでの発現を増大させることができるが、軸索突起の伸長 について認識され得る程度の効果をもたず、上記因子は黒質ドーパミン神経細胞 の生存性を増進するのに有効な量において黒質ドーパミン神経細胞に対して神経 栄養効果をもつ。 [3]生物学的に容認可能な媒体を含む特許請求の範囲第2項記載の医薬品製剤 。 [4]上記生物学的に容認可能な媒体が上記活性素材を溶解できる液体である特 許請求の範囲第3項記載の医薬品製剤。 [5]特許請求の範囲第2項記載の医薬品製剤をパーキンソン病患者に投与する パーキンソン病患者の治療方法。 [6]上記医薬品製剤を腸管外的に投与する特許請求の範囲第5項記載のパーキ ンソン病患者の治療方法。 [7]上記医薬品製剤を患者の中枢神経系内に導入して投与する特許請求の範囲 第5項記載のパーキンソン病患者の治療方法。 [8]上記医薬品製剤を経脳室内軸液により投与する特許請求の範囲第7項記載 のパーキンソン病患者の治療方法。 [9]上記医薬品製剤を非腸管外的に投与する特許請求の範囲第5項記載のパー キンソン病患者の治療方法。 [10]上記医薬品製剤を経口的に投与する特許請求の範囲第9項記載のパーキ ンソン病患者の治療方法。 [11]上記医薬品製剤を経鼻的に投与する特許請求の範囲第9項記載のパーキ ンソン病患者の治療方法。 [12]下記を含むパーキンソン病患者の治療方法、該患者の線条体に末梢神経 系の細胞を移植し、上記細胞は可溶性のドーパミン神経栄養性因子を放出できる 細胞であり、上記因子は10,000ダルトン未満の分子量を有し、培養に際し て胎仔性非有糸分裂性ドーパミン神経細胞の生存時間を増大させることができ、 上記因子にさらされた黒質ドーパミン神経細胞におけるチロシン・ヒドロキシラ ーゼのイン・ビボでの発現を増大させることができるが、軸索突起の伸長につい て認識され得る程度の効果をもたず、上記因子は黒質ドーパミン神経細胞に対し て神経栄養効果をもつ。 [13]上記ドーパミン作動性神経栄養性因子放出神経細胞と共に、中枢神経系 のドーパミン合成細胞を同時移植することを含む特許請求の範囲第12項記載の パーキンソン病患者の治療方法。 [14]中脳ドーパミン合成細胞を上記ドーパミン作動性神経栄養性因子放出神 経細胞と共に同時移植する特許請求の範囲第13項記載のパーキンソン病患者の 治療方法。 [15]下記を含むパーキンソン病患者の治療方法、該患者の線条体に中枢神経 系のドーパミン合成細胞を移植し、かつ該患者に特許請求の範囲第2項記載の医 薬品製剤を投与すること。 [16]上記医薬品製剤を該患者の中枢神経系に導入することにより投与する特 許請求の範囲第15項記載のパーキンソン病患者の治療方法。
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