JPH04505350A - ボール紙，紙製造設備における乾燥シリンダの改良 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ボール紙９紙製造設備における乾燥シリンダの改良本発明は、特にボール紙や紙 などを製造する設備に利用される乾燥シリンダの改良に関するものである。

これら乾燥シリンダは、その内部空洞に導かれた加圧蒸気により加熱されるよう になっている。本発明は、より詳しくは、これら乾燥シリンダの内側に形成され る凝縮物の除去に関するものである。

シリンダ内に凝縮物が存在すると、蒸気と、外壁が紙やボール紙と接触する円筒 形ケースとの間の熱伝達が損われ、乾燥の有効性が減殺される。そのうえ、シリ ンダが停止した時、内部に凝縮物が存在すると、特に温度傾斜によってケースの 局部的な変形が生じる。

そして、シリンダを再起動すると、これらの変形は乾燥状態を周期的に変動させ 、例えばボール紙の製造に際して内部の貼り合わせ欠陥の原因となり得る。

そこで、シリンダ内部の凝縮物を回収する手段が検討されている。

米国特許明細書第３．４４９，８３９号に記載された装置では、２つの回収方式 を提案している。第１の方式は、円筒形ケースの内壁から離れた位置に保持した 固定のひしやくによって凝縮物を回収するものである。この装置には、こわれや すく、シかもひしゃくと円筒形ケースとの間にちょうどよい隙間を保持すること が難しいので、多くの場合たいして有効ではないという不都合がある。第２の方 法は、シリンダのケースの所定の個所からの吸引回収により成るものである。こ の方法には、シリンダが回転を停止すると、凝縮物がシリンダ内に残るという不 都合がある。吸引ヘッドは、空間内にランダムに位置するので、その停止位置が 底部と一致しない場合には全く効果がなくなることになる。

他の回収装置は、特に米国特許明細書第１，５７５．２４９号およびドイツ国特 許明細書第３．１４３，３４７号に記載されている。

これら２つの文献において、凝縮物は、シリンダの端部を貫通するオリフィスに よって回収され、該オリフィスは溝を介してシリンダのシャフトに通じており、 これによって凝縮物が流出するようになっている。

これらの装置は凝縮物を排出するための有限数のオリフィスのみから成っており 、シリンダが停止した時に、排出オリフィスが一番底の個所に位置しないと凝縮 物が底部に沈滞するという欠点がある。

さらに、これら配置、および特に端部を貫通するオリフィスは、これら端部およ びシリンダの強度を低下させるという欠点がある。

本発明は、上記したすべての欠点を解決することを可能にする。

本発明に係わる凝縮物の抽出装置は、シリンダの停止装置がランダムであって一 定しないことに関連する問題を解消し、シリンダがどの位置で停止したときでも 凝縮物を抽出することが可能である。本発明に係わる抽出装置ではとくにシリン ダが動いているかいないかに係わりなく、凝縮物の連続的かつ永続的な抽出が可 能である。また、シリンダがいかなる回転速度のときでも凝縮物の抽出を可能と する。

本発明に係わる凝縮物の抽出装置の他の利点は、波形の内部壁を有するシリンダ においても凝縮物を抽出できるところにあり、このような波形は機械加工や表面 加工した棒の追加によって得ることができる。

本発明に係わる凝縮物の抽出装置のさらに他の利点は、設備の使用期間中に格別 な保守を必要としないところにある。

本発明に係わる乾燥シリンダの蒸気凝縮物の抽出装置は、少なくともひとつの円 板状隔壁により構成され、該隔壁にはシリンダの内部空洞に蒸気を導入するダク トが貫通しており、前記隔壁は、前記空洞内で、シリンダの対応する端面の一方 の前面に配設され、その外周に、凝縮物のシリンダ軸方向への流出を可能にする 手段を備えている。

本発明の好ましい態様によれば、これら凝縮物の流出のための手段は、隔壁の外 周とシリンダの円筒形ケースの内壁との間に配置されそして保持された連続ある いはほぼ連続した開口をそなえ、前記開口の断面はシリンダ径の関数となる。

比較的小さな径のシリンダにおいて、流出開口は環状であり、より大きな径のシ リンダにおいて、流出開口は隔壁の外周に形成した波形ないし鋸歯形状をなす。

さらに、本発明によれば、隔壁後方における凝縮物の流出域は、凝縮物の膨張と 霧状化のためのチャンバを形成するように円錐台形状を有しており、凝縮物が対 応する端面のハーフシャフトを経てシリンダの軸部で容易に流出するようになっ ている。

本発明の他の態様によれば、隔壁は、シリンダの末端部において円筒形内壁に形 成した穴の中に収容され、該隔壁の切れ目のない部分の径はシリンダの内径にほ ぼ一致している。

本発明を次の実施例および添付の図面によってさらに説明する。

図１は本発明に係わる乾燥シリンダを示す縦断面図である。

図２は乾燥シリンダの詳細を示し、特に小径シリンダの好ましい実施例に係わる シリンダの内部末端部において凝縮物が通過するオリフィスの詳細を示す拡大断 面図である。

図３は大径シリンダにおける凝縮物の流出開口の２つの実施例を示す図２中の３ −３線に沿った部分断面図である。

図４は図１中の４−４線に沿った断面図である。

図１に示すシリンダは、１．５から９ｍ、設備によってはそれ以上の長さに及ぶ 円筒形ケース１をそなえている。この円筒形ケース１の直径は、大規模な設備に おいては２ｍにも達することがある。

ケース１の各末端部には、このケースに適宜の手段で固定された支持シャフトな いしハーフシャフト２を備えている。図１中のハーフシャフト２旦は中空であっ て、シリンダの内部空洞４の中に加圧蒸気をもたらすために該加圧蒸気を送給す るパイプ３が当該シャフトを貫いている。前記バイブ３とハーフシャフト２旦の 円筒形内壁との間には、シリンダの内部空洞４がシリンダ外部と連通ずるのを可 能にする空間ないしはダクト５があって、ここで前記内部空洞４から生じる凝縮 物と蒸気との混合物が回収される。

空洞４の内側で形成された凝縮物は、環状オリフィスの形をした開口９を経由し て、シリンダの円筒形内壁８のケースの末端部７で流出するようになっており、 この間口９はシリンダの円筒形ケースの内壁８と円板状の端部隔壁１０との間に 位置する。この隔壁１０はシリンダの端部１２、すなわちハーフシャフト２ｄの 端部にねじ１１のような適宜の手段で固定されている。隔壁は凝縮物の通過を可 能にするために、ハーフシャフト２ｄの内部側末端部において、これ以降に詳述 する手段によって、端部１２から離れた状態に保持されている。

凝縮物は、空洞４に行き渡った蒸気の圧力を受けてハーフシャフト２の中央ダク ト５を経て流出する。

この隔壁１０はシャッタないし二重隔壁を形成する。隔壁１０は、好ましくはシ リンダの空洞４の両末端部に配設される。図１の実施例において、その直径は円 筒形内壁８の径より実質的に小さく、径の差は３ｍｍ程度であるが、これはシリ ンダの大きさによるものとなる。

加圧蒸気流入パイプ３は、シリンダの内部空洞４の中に蒸気を導くために隔壁１ ０旦を貫通しており、適宜の手段によってこの隔壁１０に密閉状態に固定されて いる。この隔壁１０と外側との間には、まず円錐台形状のチャンバ１３が設けて あり、さらに凝縮物が流出するためのダクト５が設けである。チャンバ１３は凝 縮物の膨張と霧状化のための部屋である。この霧状化は、隔壁１０の外周縁１４ とシリンダの内壁８との間の狭くなった空間によって得られる。

図２は、凝縮物の流出のための開口９の好ましい配置を拡大して示すものであっ て、前記開口９は隔壁１０の外周縁１４とシリンダの円筒形内壁８との間に環状 オリフィスの形で配置されている。円筒形内壁８は、隔壁１０の外周縁１４に対 向するその末端部に、隔壁１０および内壁８の径より大きな径の円筒空洞１５を 形成する穴を有している。この穴は、ケース８の末端部に、環状面１７とハーフ シャフト２の末端部の端部１２によって限界を定められた円筒壁１６を形成して いる。図２には、隔壁１０が面１７と端部１２からほぼ等距離に位置しているこ とが認められる。隔壁１０は穴１６によって形成された円筒空洞１５内に、好ま しくはシリンダの両末端部で収納されている。

隔壁１０の径は、図２に示すように、円筒形内壁８の径にほぼ一致する。隔壁１ ０の外周縁１４と円筒壁１６との間の間隙は１．５ｍｍ程度である。

この間隙は凝縮物の流出のための開口９を構成する。この間隙は、図２に示すよ うに、環状オリフィスの形をなしている。凝縮物の流出のための開口９の断面は 、シリンダ径の関数として配備される。

したがって、図２に示すように、環状オリフィスの形をなす流出開口９は、２０ ０　ｍ　ｍ程度の比較的小径のシリンダに適しており、より大きな径のシリンダ の場合に、開口９は、特にｒＩＩＪ３および図４と関連させて以下に述べる手段 によって縮減される。

図２にはまた、隔壁が環状面１７と端部１２との間の中心に置かれ、これら壁１ ７と１２との間の隔壁は前記隔壁１０の厚さの３倍から４倍程度であることが明 らかである。

このように、シリンダの末端部７には凝縮物Ｃの一種のバッフルが設けである。

これら凝縮物は、乾燥ドラムが作動している間円筒形内壁８の全体を覆う。これ ら凝縮物は円筒空洞１５に流出しやすく、該空洞から空洞４内に充満している加 圧蒸気により空洞外に駆り立てられ、まず隔壁１０の外周縁１４と円筒壁１６の 間を通り、続いて円錐台形チャンバ１３を経て、最後にハーフシャフト２ｄの空 洞５を通って、その末端部で図示しない手段によって集められる。

凝縮物が隔壁１０と壁１６との間を通るとき、霧状化を生じてこれら凝縮物は霧 になり、この霧はダクト５を経てベアリング２の中心に向って容易に流出する。

この場合、前記霧は、実際には約９８％の蒸気と、微細な水滴に変った約２％の 水から概略構成されている。

図２には、さらに、前記ベアリング２に対して、特に端部１２の環状面に対して 隔壁１０の正確な位置決めを確実ならしめるスペーサ１８を挟んで、前記隔壁１ ０が、例えば３本のねじ１１によってベアリング２に固定されていることが明ら かである。隔壁１０は、その外周部に取付けられた、例えば３つの図示しない突 起によって穴１６の中心に位置決めしてもよい。これら突起は、スポット溶接部 を機械加工することにより作成することができる。

図１において、隔壁１０をシリンダの内部空洞４の末端部のそれぞれに配設し得 ることが明らかである。単一の蒸気流入口が中心パイプ３によって設けられ、ハ ーフシャフト２ｄ、２ｇの中央空洞５ヰ、５貫を経由する２つの流出経路が凝縮 物のために設けられるものとすることができる。

図３は、隔壁１０の外周縁１４の形状例を示す。流出開口の断面を減少させるた めに、またこの隔壁１０のシリンダ内で中心合わせを容易にするために、外周縁 １４は、図３の隔壁の各部分に示すような、例えば三角形状２０あるいは正弦曲 線形状２１を有する波形ないし鋸歯状部１９を備えている。隔壁１０の外周縁に おけるこの仕組は、凝縮物の流出のための断面のより効果的な配分を可能にする と共に、この断面のとくにその寸法および噴出する蒸気量によって定まるシリン ダの実際の必要条件とのより良い合致を可能にする。

図３における波形ないし鋸歯状部の高さａは１．５ｍｍ程度であり、シリンダの 径に係わりなく、この値に保持するのが望ましい。

流出開口９の断面の変化は波形ないし鋸歯状部１９の寸法によって得られる。

これら波形ないし鋸歯状部１９は、図２の実施例においてはもとより図１の実施 例に示すように、隔壁１０の全外周にわたって配設され、十分な高さ見を保持し ながら凝縮物の流出のための環状開口を変える可能性を示している。波形ないし 鋸歯状部の先端で測った隔壁１０の寸法はシリンダの内径にほぼ等しい。この流 出開口９は、波形ないし鋸歯状部１９内での凝縮物の速度およびその霧状化によ る霧への変化を調節する。

隔壁１０の後方において、霧状化された凝縮物の速度は、円錐台形チャンバ１３ によってシリンダの回転による遠心力に打ち勝つように保持される。

図４はハーフシャフト２の末端の断面を示し、該末端はジャーナルベアリング２ ２の形状を有している。蒸気流入パイプ３の末端には、例えば３枚のくさびフィ ン２４を有するスリーブ２３がダクト５の内側に設けである。図１には、スリー ブ２３がジャーナルベアリングのダクト５の内側に設置され、シリンダの取扱い や輸送時においてパイプ３への事故を避けるために端面２５からうしろに位置決 めされていることが明らかである。

さらに、このスリーブには、図示しない蒸気室の回転管継手と接続するために、 シリンダの回転方向に応じて右ねじないし左ねじが切っである。

なお、特許請求の範囲で述べた技術的特徴のあとに挿入された参照符号は、その 理解を容易ならしめるだけの目的のものであって、その範囲を限定するものでは ない。

補正書の翻訳文提出書（特許法第１８４条の８）平成０３年１１月１９日

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ボール紙や紙の製造設備における乾燥シリンダ中の蒸気凝縮物を抽出する装 置であって、前記シリンダはその円筒形ケースの内壁（８）と両末端部における 端部とにより境界を定められた内部空洞（４）を備え、前記端部は中心パイプを 経て蒸気の流入がなされるハーフシャフトの末端部に対応し、前記中心パイプの 周りでハーフシャフトの中に設けられたダクトを経て凝縮物を抽出し、少なくと もひとつの円盤状隔壁（１０）により構成され、該隔壁はシリンダ（１）の内部 空洞（４）に蒸気を導入するパイプ（３）が貫通しており、前記隔壁（１０）は 、前記空洞内で、シリンダの対応する端部（１２）の一方の前面に配設され、そ の外周に、隔壁と端部との間で凝縮物のシリンダ軸方向への流出を可能にする手 段を備えたことを特徴とする製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ２．凝縮物の流出のための手段は、隔壁（１０）の外周とシリンダ（１）の円筒 ケースの内壁（８）との間に配置されそして保持された開口（９）よりなること を特徴とする請求の範囲１に記載の製紙用シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ３．凝縮物の排出用の開口（９）は、円盤（１０）の外周（１４）とシリンダの 内部壁との間で環状のオリフィスの形をなすことを特徴とする請求の範囲２に記 載の製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ４．波形ないし鋸歯状の環状オリフィスの形の開口（９）を備えたことを特徴と する請求の範囲２に記載の製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ５．開口（９）の高さ（ａ）が１．５ｍｍ程度であることを特徴とする請求の範 囲２ないし４のいずれかに記載の製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ６．隔壁（１０）の後方に、円錐台形状の霧化チャンバ（１３）を備えたことを 特徴とする請求の範囲１ないし５のいずれかに記載の製紙用乾燥シリンダの蒸気 凝縮物抽出装置。 ７．隔壁（１０）が端部（１２）に取付けられ、該端部からスペーサ（１８）に よって離間保持されていることを特徴とする請求の範囲１に記載の製紙用乾燥シ リンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ８．隔壁（１０）がその外周にシリンダの中心に位置決めする手段を備えたこと を特徴とする請求の範囲２に記載の製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 ９．円筒形内部ケース（８）の末端部に、隔壁（１０）に関して心出しされ且つ シリンダの内部ケース（８）および隔壁（１０）より大きい径を有する円筒形溝 （１５）を備えたことを特徴とする請求の範囲１ないし８のいずれかに記載の製 紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。 １０．シリンダの空洞（４）の内部に蒸気流入パイプ（３）と連帯の隔壁（１０ ）を備え、前記パイプ（３）が、該パイプ（３）の外部末端に、シリンダのハー フシャフト（２）の内部空洞（５）の末端部に収納されたフィン（２４）を有す る先端片（２３）を備えたことを特徴とする請求の範囲１ないし９のいずれかに 記載の製紙用乾燥シリンダの蒸気凝縮物抽出装置。