JPH0448607B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は樹脂含浸基材の製法に関する。

積層板の製造等積層品を作るのに用いられる樹
脂含浸基材を製造する方法のひとつに、第１図に
示されているような方法がある。すなわち、フエ
ノール樹脂その他の樹脂のワニス１を収容した液
槽２にキツスロール３の下部が漬けられ、紙、ガ
ラス布等の基材３が連続的に送られつつこのキツ
スロール４の上面に接する。このようにして片面
に樹脂ワニスが塗布された基材は、ガイドロール
５で上下に屈曲移行する間に風乾され、その後液
槽２内に導かれてデイツピングされ、スクイズロ
ール６で含浸樹脂量規制されたあと、乾燥機７内
に導かれて乾燥され、樹脂含浸基材となる。

この方法には、風乾中に溶剤が飛散するととも
に、雰囲気温度の影響を受けて基材温度が低下す
るため樹脂の浸透性に悪影響が出るという問題が
あつた。

この発明は、このような問題を解消することを
目的とするものであつて、基材を連続的に送りつ
つ、キツスロールでその片面に樹脂を塗布し、風
乾し、デイツピングしたのち、乾燥することによ
つて樹脂含浸基材を得るにあたり、風乾中の樹脂
片面塗布基材を恒温に保持されたスチールベルト
間に基材表裏面が同ベルトの表面に触れない程度
に近接させた状態で通すことを特徴とする樹脂含
浸基材の製法を要旨とする。以下にこれを、その
実施例をあらわす図面に基いて詳しく述べる。

第２図にみるように、基材３′が連続的に送ら
れる間にまず、液槽２のキツスロール４に接する
ことによつてその片面に樹脂ワニス１が塗布され
る。液槽２の側方には、エンドレスのスチールベ
ルト８が上下に配置され、上下のスチールベルト
８，８間に作られている狭い隙間９中を、片面に
樹脂が塗布された基材３が基材表裏面がスチール
ベルト８表面に触れない程度に近接した状態で移
行する。スチールコンベア８の移行方向および速
度は、樹脂片面塗布基材３の移行方向および速度
に一致していることが好ましい。スチールベルト
８，８は基材３′に接してもよい。具体的には、
スチールベルト８は、例えば、基材巾＋150mmの
巾を持ち、0.2〜0.5mmの厚みを持つ。そして、移
行中、恒温装置１０中を通ることによつて、例え
ば25〜35℃位の恒温に保持されている。スチール
ベルト８に付着した樹脂を除くために、ドクター
ナイフ１１が設けられている。樹脂片面塗布基材
３′は、恒温状態のスチールベルト８，８間を通
る間に風乾され、樹脂浸透の促進作用を受ける。
スチールベルト８の出口には風乾時間を微調整す
るためのロール１２が設けられている。樹脂片面
塗布基材３′は、この後樹脂ワニス１を収容した
第２の液槽２′内に導かれ、デイツピングされた
のち、スクイズロール６で樹脂含浸量規制されて
乾燥機７内に導かれ、乾燥される。

この発明にかかる樹脂含浸基材の製法は、この
ように、風乾中の樹脂片面塗布基材を恒温に保持
されたスチールベルト間に基材表裏面が同ベルト
の表面に触れない程度に近接させた状態で通すよ
うにしているため、樹脂内溶剤の飛散が防止され
るとともに基材温度の低下が防止され、樹脂の浸
透性が向上して品質が向上安定する。また、スチ
ールベルトと基材が接触しないため、得られる樹
脂含浸基材の表面は非鏡面となり、接着性に優れ
積層化に適したものとなる。この他、従来のごと
き品質の季節変動は皆無となるほか、溶剤の飛散
による衛生上の問題も回避することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の工程説明図、第２図はこの発
明にかかる樹脂含浸基材の製法の工程説明図であ
る。 １……樹脂ワニス、３……基材、４……キツス
ロール、５……ガイドロール、６……スクイズロ
ール、７……乾燥機、８……スチールベルト、９
……隙間、１０……恒温装置、１２……風乾時間
微調整ロール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 素材を連続的に送りつつ、キツスロールでそ
   の片面に樹脂を塗布し、風乾し、デイツピングし
   たのち、乾燥することによつて樹脂含浸基材を得
   るにあたり、風乾中の樹脂片面塗布基材を恒温に
   保持されたスチールベルト間に基材表裏面が同ベ
   ルトの表面に触れない程度に近接させた状態で通
   すことを特徴とする樹脂含浸基材の製法。