JPH0447438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は自動車等に用いられるインタンク式
燃料ポンプに関するものである。

［従来の技術］ この種燃料ポンプの構成を第１図で説明する。
同図において、１はポンプ本体であり、筒形ヨー
ク２、ハウジングベース３、ハウジングカバー
４、およびカバーアウト５などで構成されてい
る。６は上記ポンプ本体１内に固定されたマグネ
ツト、７，８はそれぞれカバーアウト５およびハ
ウジングカバー４に固定された軸受メタル、９は
両軸受メタル７，８に支承された電機子シヤフ
ト、１０は電機子鉄心１１等を有する電機子、１
２は整流子、１３はブラシホルダ１４に保持され
たブラシ、１５はブラシスプリングであり、上記
電機子１０や整流子１２等とともにモータＭを構
成している。１６はハウジングカバー４に設けら
れた吸込口、１７はカバーアウト５に形成された
吐出口、１８はハウジングベース３とハウジング
カバー４との間のハウジング１９に配設され、か
つ上記整流子１２の一端部に設けたボス部１１
４，１１５と係合する凹部を持つインペラーであ
る。１０４は主通路１０３を開閉可能に閉塞する
チエツクバルブ、１０５はカバーアウトに設けら
れた流量調整用通路、１０６は流量調整用通路１
０５を開閉可能に閉塞するリリーフバルブであ
る。１０７，１０８は各バルブ１０４，１０６の
押圧ばねである。１２０は吐出口１７に設けられ
た弁座である。２１は通電用リード線である。

つぎに、上記構成の動作について説明する。

通電用リード線２１を介してブラシ１３に外部
電源からの電力を供給すると、電機子シヤフト９
が回転、つまり整流子１２が回転してインペラー
１８を回転駆動する。インペラー１８の回転によ
り吸入口１６から燃料タンク中の燃料がハウジン
グ１９内に吸入される。ハウジング１９内に吸入
された燃料はインペラー１８で加圧され、加圧さ
れた燃料で主通路１０３を閉塞しているチエツク
バルブ１０４が押し開かれ、吐出口１７から吐出
して図示しないキヤブレター側へ送給される。ポ
ンプ停止時は主通路１０３がチエツクバルブ１０
４により閉塞され、燃料の流れはなくなる。

また、ポンプ本体１内の燃料が一定圧力まで昇
圧されると、流量調整用通路１０５を閉塞してい
るるリリーフバルブ１０６が押し開かれ、リリー
フバルブ１０６により燃料の流量調整がなされ、
余分の燃料は戻し孔１１６を経て燃料タンク内へ
帰還される。

ところで、このようにチエツクバルブ１０４や
流量調整用のリリーフバルブ１０６を必要とする
ポンプは、従来、このバルブ部をポンプ本体１へ
埋設する構造のものと、別体のバルブ装置をホー
スで上記ポンプ本体１に対して接続するものがあ
る。

しかし、前者のような構成の燃料ポンプでは、
ポンプ本体１側が複雑化するうえ、小形になれば
なる程、その加工に手間がかかり、コスト高にな
り、また後者では、ホースなどの部品点数の増加
を招き、接続作業も煩わしい。

また、チエツクバルブ１０４を通過した燃料は
チエツクバルブ１０４により逆流が阻止されてい
るので、なんらかの理由によりキヤブレター側の
圧力が過剰となつても調節されず、キヤブレター
等に悪影響を与える。

［考案が解決しようとする課題］ この考案は上記の従来のものの課題を解決する
ためになされたもので、キヤブレター側の異常圧
力上昇となることを防止し、圧力調整精度が良
く、ポンプ本体側の構成の簡素化や小形化を図り
得るインタンク式ポンプを提供することを目的と
している。

［課題を解決するための手段］ この考案に係るインタンク式燃料ポンプは、吸
入した燃料をエンジンへ向けて吐出するポンプ本
体の単一の吐出口と、この吐出口に着脱可能に嵌
着された入力ポートと外部に開口する出力ポート
とを有するバルブ装置内に上記両ポート間を連通
する単一の主通路と、この主通路の上流側に燃料
の逆流を阻止するチエツクバルブを、主通路の下
流側に燃料の流量を調整するリリーフバルブをそ
れぞれ配設するとともに、上記リリーフバルブを
上記出力ポートに対向して設けたものである。

［作用］ バルブ装置内の主通路の上流側に燃料の逆流を
阻止するチエツクバルブを、主通路の下流側に燃
料の流量を調整するリリーフバルブが出力ポート
に対向して配設されているので、リリーフバルブ
での流量調整による圧力調整結果が直接キヤブレ
ター側の圧力となり、圧力調整精度を向上させ
る。またキヤブレター側の圧力上昇に対して速や
かに応動し、キヤブレター側の異常圧力上昇を防
止する。そして、バルブ装置をポンプ本体の吐出
口に着脱可能に嵌着したので、ポンプ本体側の構
成の簡素化や小形化を可能とする。

［考案の実施例］ 第２図はこの考案に係るインタンク式燃料ポン
プの一例を示すものであり、第１図と同一部所に
は同一符号を付して説明を省略する。

１０１はバルブ装置であり、たとえば合成樹脂
製の弁座部を構成する基体１０２には、この基体
１０２と後述する第２カバー１１１との間に形成
された単一の燃料通過、つまり主通路１０３の上
流側に、この主通路１０３を開閉可能に閉塞する
チエツクバルブ１０４が設けられ、また、その下
流側には流量調整用通路１０５を開閉可能に閉塞
するリリーフバルブ１０６が設けられている。

流量調整用通路１０５は出力ポート１１２の燃
料流れ方向の延在上に出力ポート１１２に対向す
る位置に設けてあり、流量調整用通路１０５の突
き当たりに設けられたリリーフバルブ１０６も出
力ポート１１２に対向して配設される。従つてリ
リーフバルブ１０６は出力ポート１１２からのキ
ヤブレター側の圧力変動を直接に、リリーフバル
ブ１０６に応動させることができる。そして、戻
し孔１１６はカバーアウト５に対面して設けられ
ている。

１０９は筒形入力ポート１１０を有する第１カ
バー、１１１は筒形出力ポート１１２を有する第
２カバーであり、上記入力ポート１１０は前記ポ
ンプ本体１側の吐出口１７に着脱可能に嵌着され
ている。１１３，１１３はポンプ本体１のカバー
アウト５の外面に設けられた支持部材であり（第
３図参照）、上記バルブ装置１０１の装着装置の
安定化を図るものである。

リリーフバルブ１０６を通過してバルブ装置１
０１外へ排出される燃料の出口である戻し孔１１
６を上記支持部材１１３とカバーアウト５によつ
て囲まれた位置にすることで、戻し孔１１６で発
生する燃料の排出音が直接に燃料タンク内に拡散
されるのを防ぎ、搭乗者への不快音が軽減でき
る。

上記構成の燃料ポンプの動作は従来と同様であ
るが、吐出口１７からの燃料はバルブ装置１０１
の入力ポート１１０から主通路１０３と通つて出
力ポート１１２よりキヤブレター側へ送給され
る。

キヤブレターと直通する出力ポート１１２に対
向してリリーフバルブ１０６が設けられているの
で、リリーフバルブ１０６での流量調整による圧
力調整結果が直接キヤブレター側の圧力となり、
キヤブレター側の圧力調整度が向上する。

また、自動車エンジンの停止に伴う燃料ポンプ
の停止によつて、エンジンのキヤブレターと上記
出力ポート１１２とを接続する接続パイプ（図示
せず）内の燃料の移動が停止したときには、燃料
が充満しているこの接続パイプは高温のエンジン
ルーム内で加熱される。ところが、リリーフバル
ブ１０６はチエツクバルブ１０４よりも下流側に
位置しているから、上記接続パイプ内の燃料が加
熱されることによつて膨張し、接続パイプ内の圧
力が上昇すると、リリーフバルブ１０６はこの圧
力上昇に応動して開放され、接続パイプ内の圧力
上昇を阻止する。しかも、上記リリーフバルブ１
０６は出力ポート１１２に対向しているから、こ
の出力ポート１１２を通して導入される上記圧力
上昇に対して、速やかに応動できる利点がある。

ここで、チエツクバルブ１０４やリリーフバル
ブ１０６を有するバルブ装置１０１をポンプ本体
１とは別体としたため、上記ポンプ本体１側の構
成が複雑になることもないうえ、バルブ装置１０
１をポンプ本体１のカバーアウト５等に埋設する
ものに比べて製作し易くなるうえ、小形化も推進
できる。

とくに、上記バルブ装置１０１の入力ポート１
１０をポンプ本体１側の吐出口１７に着脱可能に
嵌着したので、損傷したり、または再調整を必要
とするバルブ装置１０１の交換を簡単に行なうこ
とができる。また、この考案によれば接続箇所が
少なくなるため、部品点数が削減されるととも
に、装着作業も容易となる。

［考案の効果］ 以上のようにこの考案によれば、バルブ装置の
両ポート間を連通する燃料通路、つまり主通路の
上流側にチエツクバルブを、またその下流側に出
力ポートと対向するリリーフバルブを配設するよ
うにしたので圧力調整精度が良くなり、エンジン
の停止時に燃料ポンプとエンジンのキヤブレター
とを接続する接続パイプが温度上昇し内部圧力が
上昇しても、上記リリーフバルブがこれに速やか
に応動して開放するため、キヤブレター側の圧力
上昇に伴う悪影響を未然に防止することができ
る。

また、チエツクバルブおよびリリーフバルブを
有するバルブ装置の入力ポートをポンプ本体側の
吐出口に着脱可能に嵌着することにより、部品点
数が削減でき、製作容易、かつ安価なインタンク
式燃料ポンプを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインタンク式燃料ポンプの構成
を示す断面図、第２図はこの考案に係るインタン
ク式燃料ポンプの一例を示す断面図、第３図は同
ポンプの上面図である。 １はポンプ本体、１６は吸入口、１７は吐出
口、１８はインペラー、１０１はバルブ装置、１
０４はチエツクバルブ、１０６はリリーフバル
ブ、１１０は入力ポート、１１２は出力ポート、
１１６は戻し孔、Ｍはモータである。なお、各図
中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータと、このモータによつて回動駆動される
   インペラーとを収容したポンプ本体に、燃料を吸
   入する吸入口と吸入した燃料をエンジンへ向けて
   吐出する単一の吐出口とを形成したインタンク式
   燃料ポンプにおいて、上記吐出口に着脱可能に嵌
   着された入力ポートと、外部に開口する出力ポー
   トとを有するバルブ装置内に、上記両ポート間を
   連通する単一の主道路を形成し、この主通路の上
   流側に燃料の逆流を阻止するチエツクバルブを、
   主通路の下流側に燃料の流量を調整するリリーフ
   バルブをそれぞれ配設するとともに、上記リリー
   フバルブを上記出力ポートに対向して設けたこと
   を特徴とするインタンク式燃料ポンプ。