JPH0446790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［利用分野］ 本件は対向して配設された一対のブレーキビー
ムを含む鉄道車両用ブレーキ機構に組み合せて使
用されるハンドブレーキ機構に関する発明であ
る。

［従来の技術］ 特許出願公告昭51−20087号の明細書に上述の
機構の一例（以下第１例と記す）が開示されてい
る。

このブレーキ機構は上記明細書に添付された第
１図に示されているように、ボルスター５の両側
に対向して配設されたブレーキビーム８および
９，ビーム８に取り付けられたブレーキシリンダ
１５，ビーム９に取り付けられた釣合レバー２
４，釣合レバー２４の一端をブレーキシリンダ１
５に連結する第１連棒２７及び釣合レバー２４の
他端とブレーキビーム９とを連結する第２連棒３
１を含み、ブレーキビーム１５に供給された空気
圧力により車両に流体圧ブレーキが適用されるよ
うになつている。

また第３図乃至第６図に開示されているように
ハンドブレーキレバー３５を追設することにより
車両にハンドブレーキを適用し得るようになつて
いる。

上記第１例のブレーキ機構に使用されているブ
レーキビーム８，９は一体鋳造方式で製作されて
いるためその重量は非常に大きい。従つてこれを
軽量化するため最近はブレーキビームをトラス型
にすることが推奨されている。

このトラス型ブレーキビームを使用したブレー
キ機構の一例（以下第２例と記す）が米国特許第
4613016号の明細書に開示されている。

このブレーキ機構にはボルスター５の両側に対
向して配設され、夫々圧縮部材１０と伸長部材１
４とから構成された一対のトラス型ブレーキビー
ム６，７と、ビーム６に固定された筐体と空気圧
力に応じてブレーキ力を発生する押棒２０ａとを
含むブレーキシリンダ２０と、ブレーキビーム６
に揺動し得るよう取り付けられ、一端は押棒２０
ａに連結された釣合レバー１７と、釣合レバー１
７の他端に連結され、他方のブレーキビーム７に
ブレーキ力を伝達する連棒２１が含まれ、第１例
の場合と同様にブレーキシリンダ２０に圧力空気
が供給されたとき車両に流体圧ブレーキが適用さ
れるようになつている。

［問題点］ 第２例のブレーキ機構にもハンドブレーキ機構
の追設が要望されるが、この場合ブレーキビーム
の構造が異るため第１例に示されたハンドブレー
キ機構をそのまヽ適用することは不可能である。

［技術的課題］ 従つて本発明の技術的課題はトラス型ブレーキ
ビームを使用された第２例のブレーキ機構に追設
し得るハンドブレーキ機構を提供することであ
る。

［技術的手段］ 上記の課題を解決するため本発明によるハンド
ブレーキ機構はボルスターの両側に配設された第
１、第２ブレーキビームと、第１ブレーキビーム
に固定された筐体と空気圧力に応じてブレーキ力
を発生する押棒とを含むブレーキシリンダと、第
１ブレーキビームに揺動し得るように取り付けら
れ、一端は押棒に形成された第１ピン孔にピン止
めされた釣合レバーと、釣合レバーの他端に連結
され第２ブレーキビームにブレーキ力を伝達する
連棒とを有するブレーキ機構に組み合わされ、次
の各部から構成されている。

(a) 一端はブレーキシリンダの筐体にピン止めさ
れ、他端に自由端を有する第１ハンドブレーキ
レバー (b) 一端はブレーキシリンダの押棒に形成された
第２ピン孔にピン止めされ、他端は支持リンク
によつてボルスターに連結された第２ハンドブ
レーキレバー、および (c) 一端は第１ハンドブレーキレバーの中間部に
ピン止めされ、他端は第２ハンドブレーキレバ
ーの中間部にピン止めされた連結リンク。

［作用］ 第１ハンドブレーキレバーの自由端を一方向に
引つ張るとそのレバーはブレーキシリンダの筐体
にピン止めされた他端を支点にして旋回し、連結
リンクを一方向に移動させる。連結リンクのこの
移動に伴つて第２ハンドブレーキレバーは支持リ
ンクとの接続点を中心にして旋回し、ブレーキシ
リンダの押棒は外方に引き出されて車両にハンド
ブレーキが適用される。

［効果］ 上述の説明により本発明によるハンドブレーキ
機構は第２例のブレーキ機構に追設されて満足な
ハンドブレーキ機能を発揮することは明白であ
る。

［実施例］ 第１図において１，２は車輪、３，４は台車側
梁、５はボルスターである。

ボルスター５の両側に第１，第２ブレーキビー
ム６，７が配設され、ビーム６，７は軽量化のた
めに夫々圧縮部材１０と伸長部材１４とを組み合
せたトラス型の構造になつている。

ブレーキシリンダ２６は第４図に拡大して図示
されているように筐体２６ａ及び押棒２０ａを含
み、筐体２６ａはブレーキビーム６の圧縮部材１
０に取り付けられ、押棒２０ａはブレーキシリン
ダ２６に供給れた空気圧力に応じてブレーキ力を
発生し外方（左方）に押し出される。

釣合レバー１７はピン１６によつてビーム６に
取り付けられ、その一端は押棒２０ａに形成され
た第１ピン孔２０ｃにピン２０ｄ（第１図）によ
つて連結され、レバー１７の他端はピン１９によ
つて連棒２１の左端に連結され、連棒２１の右端
はブレーキビーム７に延在している。

ブレーキシリンダ２６に圧力空気が供給される
と押棒２０ａは左動し、釣合レバー１７は反時計
方向に旋回し、連棒２１は右動し、ビーム８に設
置された釣合レバー１８は反時計方向に旋回し、
第２の連棒２０はブレーキビーム６を左方に押圧
する。従つてビーム６，７は互いに遠ざかる方向
に移動し、ビーム６，７の両端に取り付けられた
ブレーキシユー１３は車輪１，２の踏面に押圧さ
れ流体圧式ブレーキが車両に適用される。

車両にハンドブレーキを適用するために第１図
乃至第４図に示すように第１ハンドブレーキレバ
ー３２，第２ハンドブレーキレバー３３，支持リ
ンク４１及び連結リンク３４が追設されている。

レバー３２の上端は自由端となり、この部分に
取り付けられた接続具３９には通常チエーン（図
示せず）が接続され、このチエーンをボルスター
５から遠ざかる方向に引くことによつて後述する
ようにハンドブレーキが適用される。一方レバー
３２の下端は第３図に示すように筐体２６ａに形
成された支持部３７，３８にピン止めされてい
る。

第２ハンドブレーキレバー３３はレバー３２と
略並行（第１図，第４図）に配設され、その下端
は第３図に示すように押棒２０ａの二又部４３に
形成された第２ピン孔２０ｅにピン４２によつて
接続され、その上端は支持リンク４１の一端にピ
ン止めされ、リンク４１の他端はボルスター５に
ピン止めされている。従つてレバー３３の上端は
ボルスター５から常に一定距離に保持されてい
る。またレバー３２の略中央部とレバー３３の略
中央部は連結リンク４３により連結されている。
（第１，第４図） 第１ハンドブレーキレバー３２の上端を左方
（第１図，第２図）にチエーンなどによつて引張
るとレバー３２はその下端を中心にして反時計方
向に旋回し連結リンク３４は左動する。この左動
によつて第２ハンドブレーキレバー３３はその上
端を中心にして時計方向に旋回し、レバー３３の
下端のピン４２によつて押棒２０ａは左方（第１
図）に引き出される。

押棒２０ａがこのように左動すると流体圧ブレ
ーキの場合と同様に各部が作動し、車両にハンド
ブレーキが適用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるブレーキ機構の平面図、
第２図は第１図のＡ矢印方向の立面図、第３図は
第１図のＢ矢印方向の側面図、第４図はブレーキ
シリンダ周辺の拡大平面図である。 ５……ボルスター、６……第１ブレーキビー
ム、７……第２ブレーキビーム、１７……釣合レ
バー、２０ａ……押棒、２０ｃ……第１ピン孔、
２０ｅ……第２ピン孔、２１……連棒、２６……
ブレーキシリンダ、２６ａ……筐体、３２……第
１ハンドブレーキレバー、３３……第２ハンドブ
レーキレバー、３４……連結リンク、４１……支
持リンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボルスター５の両側に配設された第１、第２
   ブレーキビーム６，７と、上記第１ブレーキビー
   ムに固定された筐体２６ａと空気圧力に応じてブ
   レーキ力を発生する押棒２０ａとを含むブレーキ
   シリンダ２６と、上記第１ブレーキビームに揺動
   し得るように取り付けられ、一端は上記押棒に形
   成された第１ピン孔２０ｃにピン止めされた釣合
   レバー１７と、上記釣合レバーの他端に連結され
   上記第２ブレーキビームに上記ブレーキ力を伝達
   する連棒２１とを有する鉄道車両用ブレーキ機構
   に組み合わされ、次の各部から構成されたハンド
   ブレーキ機構、 (a) 一端は上記筐体にピン止めされ、他端に自由
   端を有する第１ハンドブレーキレバー３２、 (b) 一端は上記押棒に形成された第２ピン孔２０
   ｅにピン止めされ、他端は支持リンク４１によ
   つて上記ボルスターに連結された第２ハンドブ
   レーキレバー３３、及び (c) 一端は上記第１ハンドブレーキレバーの中間
   部にピン止めされ、他端は上記第２ハンドブレ
   ーキレバーの中間部にピン止めされた連結リン
   ク３４。