JPH0446759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、身体に磁界を作用させることによ
り、こり、痛みなどの諸症状を軽快したり、骨折
部位の化骨形成を促進したりするなどの磁気治療
効果を得るための磁界発生治療具に関する。

＜従来の技術＞ 出願人は以前、合成樹脂製ケース体の内部へ、
鉄心上にコイルボビンが配備された磁界発生器を
収容したものを、複数個連結した構造の磁界発生
治療具を提案した（実開昭60−86344号）。この器
具は、コイルボビンに通電すると、磁界発生器が
交番磁界を発生するもので、ケース体の一方の板
面を磁界作用面として人体表面に当て、前記交番
磁界をこの磁界作用面より外部へ作用させること
で、磁気治療効果を得るものである。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記構造の磁界発生治療具において、充分な磁
気治療効果を得るには、交番磁界をケース体の外
部へ強く作用させる必要があり、このためケース
体の磁界作用面における板厚をできるだけ小さく
設定する必要がある。ところがこの板厚を小さく
してケース体を薄くすると、ケース体の機械的強
度を維持できず、耐衝撃性に欠けるなどの問題が
ある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもの
であつて、ケース体を内部より補給することによ
り、耐衝撃性に優れた新規な磁界発生治療具を提
供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、この考案では、合成
樹脂製ケース体の内部に磁界発生器を収容配備し
て、前記ケース体の一方の板面を磁界を外部へ作
用させるための磁界作用面とした磁界発生治療具
において、前記磁界発生器は、両端が外面が平坦
な鍔部を有するスプールの周面にコイルが巻かれ
たコイルボビンを備えると共に、前記スプール
は、一方の鍔部の平坦部を前記の磁界作用面の内
面に面接触させた状態で、ケース体の内部に位置
決め固定することにした。

＜作用＞ ケース体の磁界作用面には、スプールの一方の
鍔部の平坦面が内側に面接触しているから、この
磁界作用面は前記鍔部で補強されることになる。
従つてケース体外へ磁界を強く作用させるために
ケース体の磁界作用面を薄い肉厚に設定しても、
ケース体の機械的強度は維持されて、耐衝撃性に
優れたものとなる。

＜実施例＞ 第１図および第２図はこの考案の一実施例にか
かる磁界発生治療具を示すもので、複数の合成樹
脂製ケース体１の内部にそれぞれ磁界発生器２が
収納配備してある。各ケース体１は、一列に枢支
連結されており、両端に位置するケース体１，１
には相互に接続が可能なベルト１３，１３が装着
されている。

各ケース体１は、対をなすケース半体１１，１
２の開口面を突き合わせ、複数箇所をネジ６にて
止着固定して形成されている。各ケース体１の側
端面には、第２図および第３図に示す如く、上下
方向を向く突軸１４，１４もしくは軸受穴１５，
１５のいずれかが形成してあり、隣接するケース
体１，１間において、突軸１４を軸受穴１５へ係
入することにより、各ケース体１，１を相互に回
動自由に枢止連結している。

前記磁界発生器２は、第４図に示す如く、基部
２１の両端に脚部２２，２３を備えた積層鉄心２
０と、各脚部２２，２３に嵌合されたコイルボビ
ン３１，３２とから成る。各コイルボビン３１，
３２は、両端に外面が平坦な鍔部３３，３４を有
するスプール３５，３６の周面にコイル３７，３
８が巻かれた構造のものであり、各コイル３７，
３８に交流電流を流すと、脚部２２，２３の先端
部より交番磁界が発生するようになつている。

前記一方のケース半体１２の内面には、第３図
に示す如く、磁界発生器２を位置決めするための
位置決め片４１，４１と、磁界発生器２を支持す
るための突条４２とが一体に突出形成されてお
り、積層鉄心２０の基部２１を両位置決め片４
１，４１の内側に位置させると共に、基部２１の
下面を突条４２で支持させている。

他方のケース半体１１の内面には、第５図およ
び第６図に示す如く、前記スプール３５，３６の
一方の鍔部３３，３４が嵌まる凹部５１，５１が
設けてあり、この凹部５１，５１を含むケース半
体１１の薄肉板面を磁界作用面１６となしてい
る。

前記の一方のケース半体１２に磁界発生器２を
位置決め固定した後、このケース半体１２に対
し、他方のケース半体１１を突き合わせるとき、
前記スプール３５，３６の鍔部３３，３４は凹部
５１，５１に嵌まると共に、鍔部３３，３４の平
坦な外面が磁界作用面１６に面接触して、これを
補強することになる。

しかして磁界発生治療具を使用する場合、まず
身体におけるこりや痛みなどの発生部位や骨折部
位に対し、１または複数のケース体１の磁界作用
面１６が当たるように磁界発生治療具を人体に巻
き付け固定する。つぎに電源を投入すると、各磁
界発生器２の各コイル３７，３８へ通電され、積
層鉄心２０の脚部２２，２３の端面より各コイル
３７，３８の重畳磁束が発生し、ケース体１の磁
界作用面１６を通して身体へ作用することにな
る。

この場合、磁界作用面１６の板厚は凹部５１，
５１の存在により薄くなつているから、交番磁界
はケース体１の外部へ強く作用し、身体への磁気
治療効果が増大する。一方において、磁界作用面
１６の板厚の薄さは、凹部５１，５１に嵌まり込
んだスプール３５，３６の鍔部３３，３４の厚み
によりカバーされ、しかも鍔部３４，３５の平坦
な外面が面接触して磁界作用面１６を内側より支
えて補強するので、ケース体１の機械的強度を維
持でき、耐衝撃性に優れたものとなる。

＜考案の効果＞ この考案は上記の如く、合成樹脂製ケース体の
磁界作用面にスプールの一方の鍔部の平坦面を面
接触させて磁界作用面を内側より補強したから、
ケース体外へ磁界を強く作用させるためにケース
体の磁界作用面を薄く設定しても、ケース体の機
械的強度を維持でき、耐衝撃性を高めることがで
きるなど、考案目的を達成した顕著な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかる磁界発生
治療具の正面図、第２図は第１図に示す実施例を
水平方向に切断した断面図、第３図は一方のケー
ス半体を内側よりみた平面図、第４図は磁界発生
器の構成を示す正面図、第５図は内面に磁界発生
器を当接した状態の他方のケース半体を示す平面
図、第６図はケース半体に対する磁界発生器の当
接状態を示す断面図である。 １……ケース体、１６……磁界作用面、２……
磁界発生器、３１，３２……コイルボビン、３
３，３４……鍔部、３５，３６……スプール、３
７，３８……コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 合成樹脂製ケース体の内部に磁界発生器を収容
   配備して、前記ケース体の一方の板面を磁界を外
   部へ作用させるための磁界作用面とした磁界発生
   治療具において、 前記磁界発生器は、両端に外面が平坦な鍔部を
   有するスプールの周面にコイルが巻かれたコイル
   ボビンを備えると共に、前記スプールは、一方の
   鍔部の平坦面を前記の磁界作用面の内面に面接触
   させた状態で、ケース体の内部に位置決め固定さ
   れて成る磁界発生治療具。