JPH0445795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プリント基板を所定の作業位置に位
置決めする際に用いる位置決め装置に関し、特
に、基準孔の穿設位置の異なるプリント基板にも
容易に対応して使用できるプリント基板位置決め
装置に関する。

［従来の技術］ プリント基板に、電子部品を自動挿着する装置
においては、プリント基板をテーブル等に保持
し、所定の作業位置に正確に位置決めする必要が
ある。このプリント基板の作業位置への位置決め
は、プリント基板の一側左右に設けた基準孔に、
位置決め装置の位置決めピンを挿入することによ
つて行なつている。

この基準孔の穿設位置のプリント基板側面から
のＹ方向の距離は、通常一定（５mm）となつてい
るが、特殊な形状のプリント基板等では、この距
離を変更しなければならないものもある。

ところで、従来、この種の位置決め装置として
特公昭56−49474号に示すものがある。この装置
は、プリント基板の基準孔と対向して配置した固
定ホルダー（ブロツク本体）４５にレバー部材４
７を固着し、このレバー部材４７の先端に位置決
めピン４８を設ける構成としてある。

そして、レバー部材４７は、固定ホルダー４５
に対してスライド可能に取り付けてあり、かつス
ライド部材４７に形成した長穴４６とビス４７ａ
の組合せによつて、スライド部材４７を任意の長
さに調整して固定できるようになつている。

したがつて、プリント基板の位置決めは、位置
決めの対象となるプリント基板の基準孔のＹ方向
の穿設位置と対応した長さとなるようスライド部
材４７の長さを調整した後、ブロツク本体を支持
する回動軸を回動させ、位置決めピンをプリント
基板の基準孔に挿入することによつて行なつてい
る。

［解決すべき問題点］ 上述した特公昭56−49474号に示す位置決め装
置は、スライド部材４７の長さを、プリント基板
の基準孔のＹ方向の穿設位置と対応した長さとす
るためには、レバー部材４７の張り出し長さをス
ケール等で計りながら調整するか、実際にプリン
ト基板（明細書では薄板１）の位置決め穴２に、
レバー部材４７の位置決めピンを挿入して、レバ
ー部材４７の位置を確認してからビス４７ａで固
定する必要があり、作業に手数を要する。

また、折角長さ調整を行なつても、上述のよう
に不安定な状態でビス止めするので、ビス４７ａ
を締め付けてレバー部材４７を固定する際に、レ
バー部材４７が動いてしまうことがあり、レバー
部材４７の正確な長さ調整を迅速に行なうことが
困難であつた。

このため、基準孔のＹ方向の穿設位置が異なる
プリント基板があるたびに、時間をかけてレバー
部材４７の長さを調整しなければならず、段取り
に手間と時間を要するといつた問題があつた。特
に、小ロツトの挿着作業を行なう場合には、レバ
ー部材４７の長さ調整の頻度も高くなり、大きな
問題となつていた。

本考案は、上記の問題点にかんがみてなされた
もので、位置決めピンの挿入する基準孔のＹ方向
の穿設位置が異なる場合には、それに応じた基準
ブロツクをブロツク本体と係止片の間に挟むだけ
でレバー部材の長さを簡単に調整できるようにし
て、作業効率の向上を図つたプリント基板位置決
め装置の提供を目的とする。

［問題点の解決手段］ 上記目的を達成するため本考案のプリント基板
位置決め装置は、プリント基板を保持するテーブ
ル等に設けられたプリント基板の位置決め装置に
おいて、ブロツク本体と、このブロツク本体を支
持し回動自在な回動軸と、先端にプリント基板を
位置決めする位置決めピンを有し、後端に上方に
突出する係止片を形成するとともに、前記回動軸
の軸線と直交する方向に移動可能で、かつ前記ブ
ロツク本体に固着されるレバー部材と、このレバ
ー部材の後端部において、上記ブロツク本体と係
止片の間に挟まれ上記レバー部材の移動距離の位
置決めを行なう基準ブロツクとからなる構成とし
てある。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例について図面を参照し
つつ説明する。

第１図は本考案位置決め装置の要部を示す斜視
図、第２図は同じく平面図、第３図ａは第２図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図ｂは第２図のＢ−Ｂ線断
面図を示す。

これら図面において、１はプリント基板であ
り、自動挿着装置によつて各種電子部品が挿着さ
れる。このプリント基板１の一側の左右位置に
は、後述する位置決め装置の位置決めピンが挿入
する位置決め用の基準孔２（左側の基準孔のみ図
示）が設けてある。そして、位置決め用の基準孔
２は、プリント基板１の種類等によつてＸ方向お
よび／またはＹ方向に穿設位置の異なる場合があ
る（第１図参照）。なお、プリント基板１は、図
示せざる基板供給装置よりテーブル３のガイドレ
ール４を介してテーブル３の作業位置まで順次搬
入される。

１０は回動軸であり、ガイドレール４の外側
に、ガイドレール４と並行なＸ方向に配置してあ
る。そして、この回動軸１０は、図示せざるシリ
ンダ等の駆動手段によつて任意の角度だけ回動可
能にテーブル３上に取り付けてある。

２０はブロツク本体であり、上部ブロツク２０
ａと下部ブロツク２０ｂとよりなつており、これ
らブロツク２０ａ，２０ｂの前部対向する面に
は、両者一体となつて断面円状をなす回動軸１０
の挟着溝２１ａ，２１ｂが設けてある。上部ブロ
ツク２０ａは、後端下部に、下部ブロツク２０ｂ
との当接片２２を僅かに突出して形成するととも
に、取付けねじ２３によつて下部ブロツク２０ｂ
に締結できるようにしてある。したがつて、挟着
溝２１ａ，２１ｂで回動軸１０を挟み、取付けね
じ２３を締め付けることにより、ブロツク本体２
０は回動軸１０に堅固に固着される。これにより
ブロツク本体２０は、Ｘ方向の任意の位置におい
て回動軸１０に支持され、回動軸１０の回動とと
もにＺ方向に回動する。

３０はレバー部材であり、下部ブロツク２０ｂ
の底面に、回動軸１０の軸線と直交するＹ方向に
形成したガイド溝２４中を移動する。ガイド溝２
４の上部には、下部ブロツク２０ｂを貫通する長
孔２５がＹ方向に設けてある。そして、この長孔
２５には、先端がレバー部材３０と螺合する固定
ねじ２６が貫設してある。したがつて、この固定
ねじ２６を緩めると、レバー部材３０はガイド溝
２４に沿つて長孔２５の長さだけ移動ができ、固
定ねじ２６を締め付けるとレバー部材３０は下部
ブロツク２０ｂに固定される。

レバー部材３０は、先端にプリント基板１の基
準孔２に挿入する位置決めピン３１を設けるとと
もに、後端に係止片３２を形成してある。係止片
３２は、下部ブロツク２０ｂの後端面との間にプ
リント基板１の基準孔２の位置に対応する基準ブ
ロツク３３を挟み、レバー部材３０の先端位置決
めピン３１のＹ方向の位置を決定する。したがつ
て、プリント基板１の基準孔２の位置に対応して
複数個の基準ブロツク３３を準備しておき、基準
孔２に対応する基準ブロツク３３を選択して、下
部ブロツク２０ｂと係止片３２の間に挟み、レバ
ー部材３０を前方に押圧した状態で固定ねじ２６
を締め付けると、位置決めピン３１は、Ｙ方向の
位置出しが自動的に行なわれた状態で下部ブロツ
ク２０ｂに固定される。基準ブロツク３３は、プ
リント基板１の基準孔２のＹ方向の穿設位置と対
応した長さとしてあるので、位置決めピン３１の
Ｙ方向への位置出しはきわめて容易かつ正確に行
なえる。

４１はブロツク本体２０のＸ方向への位置出し
を行なう基準リングであり、Ｘ方向の基準となる
基準孔側のブロツク本体２０と回動軸の支承部４
２との間において回動軸１０に遊嵌してある。こ
の基準リング４１にブロツク本体２０を押し当て
て固定することにより、ブロツク本体２０、すな
わちレバー部材先端の位置決めピン３１のＸ方向
への位置出しが容易かつ正確に行なわれる。

なお、ブロツク本体２０は、図面では一方（左
側）のブロツク本体２０だけしか示していない
が、通常はプリント基板１の左右に設けた基準孔
２と対応する位置の二箇所に、回動軸１０によつ
て支持されている。

このような構成からなる本実施例のプリント基
板位置決め装置により、基準孔２のＹ方向の穿設
位置の異なるプリント基板１の位置決めを行なう
場合には、次のようにして行なう。

まず、固定ねじ２６を緩めてレバー部材３０を
ガイド溝２４に沿つて移動可能とする。次いで、
下部ブロツク２０ｂの後側面とレバー部材３０の
後端係止片３２との間に所定の基準ブロツク３３
を挟む。その後、レバー部材３０を前方に押圧し
た状態で固定ねじ２６を締め付ける。これによ
り、位置決めピン３１のＹ方向への位置出しが行
なわれ、回動軸１０を回動させると位置決めピン
３１が下方より基準孔２に挿入して、プリント基
板１の位置決めを行なう。

また、位置決めピン３１の位置をＸ方向へ移動
させるときは、取付けねじ２３を緩めてブロツク
本体２０を回動軸１０に沿つて移動させることに
より行なう。この場合、必要があれば基準リング
４１を使用し、または基準リングに代えて適宜基
準ブロツク等を使用して位置決めする。

以上のように、本実施例のプリント基板位置決
め装置によれば、位置決めを行なうプリント基板
の基準孔のＹ方向の穿設位置が異なる場合には、
ブロツク本体２０とレバー部材３０の係止片３２
との間に、基準孔のＹ方向の穿設位置に応じた基
準ブロツクを挟むだけで対応することができる。

また、ブロツク本体２０と係止片３２の間に基
準ブロツク３３を挟んだ状態で固定ねじ２６を締
め付けるので、固定ねじ２６の締め付け時にレバ
ー部材３０の位置がずれたりしない。

したがつて、段取りのための手数と時間を大幅
に短縮することができ、作業性の向上を図れる。
特に、小ロツトの作業を数多く行なう場合に有効
である。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、例えば次のような変形例をも含むもので
ある。

ブロツク本体のＹ方向に中空孔を設け、ここ
にレバー部材を挿入してガイドするようにした
装置。

レバー部材のブロツク本体への固定を、固定
ねじ以外の固定手段、例えば固定ピン等の手段
を用いて行なうようにした装置。

［考案の効果］ 本考案によれば、ブロツク本体とレバー部材の
係止片との間に基準ブロツクを挟むだけで基準孔
のＹ方向の穿設位置の異なる種々のプリント基板
の位置決めを行なうことができるので、プリント
基板変更にともなう段取り時間を大幅に短縮でき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案位置決め装置の要部を示す斜視
図、第２図は同じく平面図、第３図ａは第２図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図ｂは第２図のＢ−Ｂ線断
面図を示す。 １……プリント基板、２……基準孔、１０……
回動軸、２０……ブロツク本体、２４……ガイド
溝、２５……長孔、２６……固定ねじ、３０……
レバー部材、３１……位置決めピン、３２……係
止片、３３……基準ブロツク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プリント基板を保持するテーブル等に設けられ
   たプリント基板の位置決め装置において、 ブロツク本体と、 このブロツク本体を支持し回動自在な回動軸
   と、 先端にプリント基板を位置決めする位置決めピ
   ンを有し、後端に上方に突出する係止片を形成す
   るとともに、前記回動軸の軸線と直交する方向に
   移動可能で、かつ前記ブロツク本体に固着される
   レバー部材と、 このレバー部材の後端部において、上記ブロツ
   ク本体と係止片の間に挟まれ上記レバー部材の移
   動距離の位置決めを行なう基準ブロツクと からなることを特徴としたプリント基板位置決め
   装置。