JPH0445717A - 根菜類の保存・輸送方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は馬鈴薯等の根菜類の保存・輸送方法に関し、更
に詳しくは、これら根菜類を安価且つ容易に、鮮度及び
風味を長期に亘って保持するとともに他の容器に詰め変
えることなく、そのまま鮮度、風味を保持した状態で輸
送する方法に関する。

〔従来技術と問題点〕

根菜類、例えば馬鈴薯は通常状に収穫され、翌春の４〜
５月頃まで貯蔵された後出荷されている。

馬鈴薯を貯蔵するに際しては、発芽、シボミによる外観
悪化と重量減少、鮮度低下、腐敗等による商品価値の低
下が問題となる。

従来、馬鈴薯の貯蔵方法としては、大型の籠型コンテナ
ーに馬鈴薯を収容し、庫内の温度を５℃前後の低温に保
ち、馬鈴薯の呼吸熱を除去するとともに一定温度に保持
するするために、一定の速度で送風する方法が採用され
ている。

しかし乍ら、この方法ではコンテナーとコンテナーとの
間が送風のバイパスとなり、庫内条件を一定に保持し難
（バラツキを生ずるという欠点がある。また、この送風
のために馬鈴薯中の水分が蒸散し、表面がシワシワとな
り所謂シボミが避けられず、また黒変化し外観を損なう
ばかりでなく重量が減少し、商品価値が著しく低下する
。このため、貯蔵期間にも自ずから制限が生じ、収穫直
後の出荷時は供給過剰からセリ値が下落し、収穫から翌
年の４〜５月頃迄の貯蔵期間中は漸次品質の低下が進行
し、出荷時の品質低下と出荷不適合不良品の発生が大巾
に増大することになり、採算的に全く合わなくなってく
るのが実情である。更にまた、コンテナーで貯蔵した後
、コンテナーから段ボール箱や紙袋に詰め変えて輸送す
るため、作業性が悪いという問題もある。

本発明はかかる実情に鑑み、馬鈴薯等の根菜類を長期に
亘って鮮度及び風味良く保存でき、また長期に亘って保
有して出荷しても出荷時の発芽、シボミ、軟化黒度等の
出荷不適合品の発生が大巾に抑制される、安価且つ容易
な方法を捉供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、本発明は、根菜類を、エチレン発生果菜類ととも
に発泡合成樹脂製容器内に収容することを特徴とする根
菜類の保存・輸送方法を内容とするものである。

本発明の対象である根菜類としては、馬鈴薯、芋等が含
まれる。

本発明に用いられる発泡合成樹脂製容器としては、スチ
レン系樹脂、エチレン、プロピレン等の重合体や共重合
体、それらの混合物等のポリオレフィン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂等が挙げられるが、適度な緩衝性と剛性を有す
る点でスチレン系樹脂が好適である。酸素不足による無
気呼吸を避けるために、容器に小孔を設けることができ
る。小孔は根菜類が仮眠状態にあり、且つ無気呼吸が避
けられる環境（空気中の酸素濃度が１０〜１５体積％程
度）に保持されるように設けるのが好ましい。

この小孔は真空予冷や差圧予冷等により根菜類を予冷す
る際にも使用できる。また、光による温度上昇や保存根
菜類の光による生理活性賦活による発生熱を防止するた
めに、容器に光遮断処理を施すこともできる。光遮断処
理としてはブラック、グレー、ブルー等に着色したビー
ズを用いて発泡成形して容器を作る、容器表面に塗料や
顔料を塗布して着色する、容器の表面にアルミ箔等を貼
着する、等の方法が挙げられる。

本発明に用いられるエチレン発生果菜類としては、特に
リンゴが好適である。リンゴは食用に供するような良質
のものである必要はな（、摘果するに値しないリンゴや
クズのリンゴで本発明の目的は充分に達成される。リン
ゴの使用量は、根菜類の種類、温度等の保存条件等にも
よるが、馬鈴薯の場合を例にとると、１０ｋｇ当たり、
普通サイズのリンゴ１個で本発明の目的が達成される。

本発明は、 （１）生産地での保存中の鮮度保持ができる、（２）出
荷、輸送、市場、小売迄の流通中に生じる鮮度低下が抑
制される、 （３）個人消費者が容器のまま購入することにより家庭
内での鮮度保持貯蔵庫としての利用が可能である、 （４）現在、段ボール箱で実施されている馬鈴薯の産地
直送に本発明の方法を適用すれば、家庭内での発芽、シ
ボミ、軟化の大巾な抑制が可能となる、 等数多くの特徴を有する。

〔実施例〕

以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更に詳細に説
明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない
。

実施例１〜４、比較例１〜５ （１）使用した容器 Ａ：無数の通気孔を存するＷ型プラスチックコンテナー Ｂ：段ボール箱（蓋の上面部と対向する側壁に把手孔、
及び天面に１２０■×１２０−の通気孔あり） Ｃ：２重紙袋（２重クラフト紙袋の上部折曲封緘） Ｄ二発泡スチレン製容器（長さ４００■×巾３００■×
高さ２００層、肉厚２２ｍ、白色）Ｅ：Ｄの容器内にリ
ンゴ１個を収容したちのＦｊＤの容器に小孔（２■Ｘ２
０ｍ）２個設けたもの Ｇ：Ｆの容器内にリンゴ１個を収容したちのＨＡＤの容
器をブルーに着色し、リンゴ１個を収容したもの ■：Ｈの容器に小孔（２ｍＸ２０■）２個設けたもの（
２ンテスト方法 平成１年１１月３１日に上記Ａ〜■の各容器内に馬鈴薯
１０ｋｇを収容して平均５〜１０■／ｓｅの速度で送風
し乍ら３〜５℃で冷蔵保存を開始し、平成２年４月１６
日に庫外に出して別の容器に詰め変えることなく、その
まま北海道から仮想消費地大阪に向けて出荷配送し、４
月１８日に消費地に到着した。

保存中、出荷時、消費地着荷時及び着荷後１０日間室温
で保存した時の馬鈴薯の状態を観察した。

結果を第１表に示す。

〔作用・効果〕

本発明は、リンゴ等が出すエチレンガスによる生長抑制
作用を利用して、極めて安価且つ簡単な方法で、根菜類
を長期に亘って鮮度、風味良く保存することを特徴とす
るものである。

畝上の通り、本発明によれば従来法の如く冷風によって
でなく、同梱した果菜類から発生するエチレンガスによ
り根菜類の発芽を抑制し仮眠状態に保持するから、低温
での保存が可能であれば送風は必須ではなく、従って送
風条件の設定、維持や送風に起因する黒変化、シボミや
重量減少等のトラブルは一切無縁であるとともに、出荷
時に別の容器に詰め変える必要もな（、そのまま配送に
供することができるので、その省力化は頗る大である。

また、出荷、輸送、市場、小売段階の流通時の鮮度低下
が著しく抑制できるのみならず、個人消費者の家庭内で
の保存容器としてもそのまま利用でき、鮮度、風味の良
い根菜類を手軽に食することができる。

また、生産地で長期保存した場合に発生していた大量の
出荷不適合不良品が大巾に抑制できる経済効果は極めて
大きい。

更に、安価且つ容易に長期に亘って鮮度、風味を保持で
きるので、長期且つ安定的に安価な根菜類を供給するこ
とが可能となる。

特許出願人　鐘淵化学工業株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、根菜類を、エチレン発生果菜類とともに発泡合成樹
   脂製容器内に収容することを特徴とする根菜類の保存・
   輸送方法。 ２、エチレン発生果菜類がリンゴである請求項１記載の
   根菜類の保存・輸送方法。 ３、発泡合成樹脂製容器が発泡ポリスチレン系樹脂から
   なる請求項１記載の根菜類の保存・輸送方法。 ４、発泡合成樹脂製容器が小孔を備えてなる請求項１又
   は３記載の根菜類の保存・輸送方法。 ５、発泡合成樹脂製容器が光遮断処理されてなる請求項
   １、３又は４記載の根菜類の保存・輸送方法。 ６、発泡合成樹脂製容器内の空気中の酸素が１０〜１５
   体積％である請求項１乃至５の各項記載の根菜類の保存
   ・輸送方法。 ７、根菜類が馬鈴薯である請求項１乃至６の各項記載の
   根菜類の保存・輸送方法。