JPH0445344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、PAL並びにSECAMの両方式によ
るカラーテレビジヨン放送を選択して受信するフ
ロントエンドにおける方式切替回路（以下
PAL／SECAM方式切替回路と呼ぶ）、特にPAL
の音声をＢ／Ｇ又はＩ方式の復調回路により動作
させる隣接チヤンネルトラツプ回路とSAWフイ
ルタとを具備する場合のPAL／SECAM方式切替
回路に関する。

従来の技術 PAL及びSECAM両方式のカラーテレビジヨン
放送を選択して受信する場合のフロントエンドに
は、両方式の異なる部分に関し各種の切替回路が
付設される。また、PAL方式ではチヤンネル帯
域幅とＰ−Ｓ間帯域幅に関しＢ，Ｇ，Ｉ等の方式
があり、それぞれ異なる条件でベースバンドが設
定されるが、PAL方式のＢ／Ｇ又はＩ方式と
SECAM方式とを単一のチユーナと中間周波処理
回路フロントエンドで受信する場合がある。

第３図はこの種のPAL／SECAM方式のフロン
トエンドであり、SECAM用チユーナ１の出力は
それぞれSAWフイルタ２，３から映像及び音声
回路４，５に結合され各出力を生成する。ここで
PAL方式の受信に際し、音声は映像回路４から
の信号を利用し、コンバータ６で変換されて音声
回路５でFM復調され音声出力を生成する。尚音
声変調方式がSECAMではAM変調の6.5MHz副搬
送波であるのに対しPAL方式はFM変調であり、
副搬送波がＢ／Ｇ方式で5.5MHz，Ｉ方式で6.0M
Hzとなつている。また、SAWフイルタ２には隣
接チヤンネル用トラツプ７が付設されている。

考案が解決しようとする課題 一方、SECAM方式の放送周波数帯でのVHF
ローバンドは他のVHFハイバンドやUHFバンド
と映像及び音声搬送波の順が逆転しているので、
SECAM用チユーナでPAL方式を受信する場合、
VHFローバンドが映像及び音声搬送波の順序が
逆転する。このためSECAM用SAWフイルタ２
でのIF特性は、第４図に示すように、PAL方式
VHFローバンドのレスポンス特性図ａの音声搬
送波が、PAL方式VHFハイバンドやUHFバンド
の特性図ｂやSECAM方式各バンドの特性図ｃに
比べ著しく低下する。特に、PAL方式VHFロー
バンドのうちシステムＩ方式は、Ｐ−Ｓ間帯域幅
が6MHzでＢ／Ｇ方式の5.5MHzに比べて広くなつ
ているため、SECAM用SAWフイルタ２では隣
接映像搬送波用トラツプに吸収され音声再生を悪
化させる。従つて、本考案は上記に鑑み提案され
たものであり、新規且つ改良されたPAL／
SECAM方式切替回路を有するフロントエンドの
提供を目的とする。

課題を解決するための手段 本考案によれば、PAL／SECAMの両方式に利
用できるフロントエンドが提供される。すなわ
ち、チユーナ及び中間周波処理回路を含む
PAL／SECAMフロントエンドにおいて、PAL
音声のＢ／Ｇ又はＩ方式の復調回路により動作さ
せる隣接チヤンネルトラツプ回路、そのトラツプ
回路と連動する広帯域IF用SAWフイルタ、その
トラツプ回路をON−OFFするスイツチ回路を具
備し、受信方式に応じて前記トラツプ回路の動作
状態を変えるようにしたPAL／SECAM方式切替
回路が開示され、各方式の各バンドの受信を良好
にする。

作 用 本考案における広帯域かつ急峻な帯域特性を有
するSAWフイルタに付設したトラツプ回路のス
イツチ回路は、SECAM方式の受信時には隣接チ
ヤンネルの妨害を排除して受信特性を改善し、
PAL方式受信時にはトラツプ回路の影響を無く
して所望するフイルタ特性を得る。そして、特に
PAL受信時のVHFローバンドにおける音声再生
特性を改善する。

実施例 以下本考案に係る具体例により図面を参照しつ
つ詳述する。

第１図はチユーナ１に結合した映像中間周波処
理回路を中心に示すPAL／SECAM両方式受信用
フロントエンドの要部回路図である。図におい
て、インピーダンス変換器１１は抵抗１２とトラ
ツプ回路１３により構成し、これに広帯域かつ急
峻な特性を示すSAWフイルタ１４を介して映像
中間周波処理回路VIFに接続される。トラツプ回
路１３にはSECAM受信時に、例えば、クロマ信
号レベル弁別回路の出力電圧が印加される電圧供
給端子１５に接続したダイオード１６が接続さ
れ、その導通により隣接チヤンネル用トラツプ回
路１３を正常動作して隣接チヤンネルの妨害を排
除する。従つて、第４図ｃのレスポンス特性が得
られ所望する状態でSECAM方式の受信を可能に
する。

一方、PAL方式のVHFローバンド受信時は、
電圧供給端子１５に電圧が印加されず、それ故に
隣接チヤンネル用トラツプ回路１３は動作せず、
PAL方式の音声搬送波の減衰を阻止する。その
結果、第２図に示す周波数レスポンス特性を得て
PAL方式のVHFローバンドの所望する状態を確
保する。尚他のバンドはSECAM方式と同様の第
４図のレスポンス特性を得る。

考案の効果 本考案では、相異なる放送方式にて、中間周波
用SAWフイルタに付設の隣接チヤンネル用トラ
ツプ回路をスイツチング手段のダイオードを介し
てON−OFF動作させる。このことは映像と音声
の各出力信号に関して各方式に応じ安定した隣接
チヤンネルの妨害改善と音声不良を解消して総合
特性の向上を図る。

このように本考案によれば、共通のチユーナと
IF処理回路を有するフロントエンドにより異な
る放送方式に対し選択された一つの放送方式を処
理し適正な画像と音声の再生が得られるなど実用
価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るPAL／SECAM方式切替
回路の具体例を示す要部回路図、第２図は第１図
の回路図におけるPAL方式VHFローバンドのIF
レスポンス特性図、第３図は従来のPAL／
SECAM方式のフロントエンドブロツク図、及び
第４図は第３図の回路におけるIFレスポンス特
性図である。 １……SECAMチユーナ、１３……トラツプ回
路、１４……広帯域SAWフイルタ、１５……電
圧供給端子、１６……スイツチ回路（ダイオー
ド）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 チユーナ及び中間周波処理回路を含むPAL／
   SECAMフロントエンドにおいて、 チユーナ回路と中間周波処理回路との間に、
   PAL音声のＢ／Ｇ又はＩ方式の復調回路により
   動作させる隣接チヤンネルトラツプ回路、広帯域
   IF用SAWフイルタ、 及び前記トラツプ回路をON−OFFするスイツ
   チ回路を介在させたことを特徴とするPAL／
   SECAM方式切替回路。