JPH0443807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサンプル試薬混合物を受入れるため分
離したチヤンバを有する一体構造の、化学分析シ
ステム用のキユベツト構造に関する。

（従来の技術） この型のキユベツト構造としては、例えば100
のセルを含む自由に扱い得るキユベツトリングの
形のものが知られている。この型のキユベツトリ
ングには次の欠点がある。使用者は往々、一つの
作業サイクルにおいてキユベツトリングの全ての
キユベツトを使うことができない。それにも拘ら
ず、液体または液体残留物は出来るだけ早く分析
システムから除去する必要があり、または遅くも
作業日の終りには除去しなければならず、そのよ
うな液体または液体残留物を含むため、キユベツ
トリング全体をしばしば捨てなければならない。
このことはキユベツトリングの利用率を低下す
る。

キユベツトリング、とくに比較的多数のキユベ
ツトを含み、従つて比較的大径のものでは、歪み
を生じる傾向がある。キユベツトリングに生じる
変形は、キユベツトリングの全てのキユベツトを
正確に設置することが測定上必要とされるので、
分析システムにおけるキユベツトの内容物の光学
測定の性能を阻害する。そのような変形の範囲を
最小にするため、比較的複雑な形状のキユベツト
リングおよびキユベツトリングの特殊なパツケー
ジが必要とされる。このことはキユベツトリング
の製造コストおよびその販売価格を上昇する。さ
らに、キユベツトリングが分析システムに用いら
れるときに、たとえキユベツトリングの歪みがわ
ずかであつても、全てのキユベツトが正確に設置
されるのを可能にする装置を分析システム中に備
えなければならない。このことは分析システムの
構造コストを高くする。

本考案の目的は、キユベツト内の内容物の正確
光学的測定を行うために、分析システムにおける
位置決めが正確に行われるキユベツト構造を提供
することにある。

（問題を解決するための手段） 本考案は、化学分析に用いられるキユベツト構
造であつて、該キユベツト構造は、一体形成され
たユニツトを備え、該ユニツトは、複数の仕切り
により、サンプル試薬混合物を受けるための分離
したチヤンバを画成し、該各チヤンバは、開いた
端部及び閉じた端部と、第１の円弧に嵌合する外
面を有する半径方向外側壁と、第１の円弧と同心
である第２の円弧に嵌合する内面を有する半径方
向外側壁と、外面と内面との間に延び、かつそれ
によりチヤンバの前記閉じた端部を形成する底面
と、チヤンバを介して放射エネルギを伝達し、か
つ一定の距離をおいて互いに分離された、平坦か
つ互いに平行な一組の部分を有する窓と、を備
え、平坦な部分の一方は、外側壁と一体形成さ
れ、平坦な部分の他方は、内側壁と一体形成さ
れ、仕切りはチヤンバの外側壁、内側壁及び底壁
と一体形成されており、さらに、仕切りは上部区
域を有し、該区域の最上部分はチヤンバの開いた
端部に配置されており、第１の下部区域は、第１
のチヤンバの底壁と一体形成されており、第２の
下部区域は、第１のチヤンバに隣接する第２のチ
ヤンバの底壁と一体形成されており、第１及び第
２の下部区域は、それらの各区域が上部区域に一
緒に合体する位置より下方にて、一空間により互
いに分離されており、そのキユベツト構造が、キ
ユベツトリングセクタ（扇形歯輪）を形成し、か
つ分析システム内の位置決めのための装置を備え
ており、該装置は、内側壁と一体形成され、かつ
前記内側壁に対して垂直の面において前記内側壁
の外側から延びるリツプと、チヤンバの長手方向
に延びる軸線に沿つて、底壁の外側から延び、か
つチヤンバの少なくとも１つの上に配置された突
起とを備えるように構成されている。

（実施例） 次に添付図面を参照のもとに本考案の図示の実
施例に関し詳細に説明する。第１図および第２図
に示す本考案によるキユベツト構造はキユベツト
リングセクタ１１を形成する。そのセクタ（扇形
歯輪）は例えばガラスクリア不安定化ポリメタク
リル酸メチル（PMMA）により、一体に作られ
る。キユベツトリングセクタ１１は１２−１から
１２−１２までの12のチヤンバを含み、そこでは
互いに分れた12のサンプルを適当な試薬と混合す
ることができ且つサンプル試薬混合物を光学分析
のために保持することができる。第１図および第
２図から見ることができるように、これらのチヤ
ンバは円弧に沿つて配列される。第１〜第４図に
示すように、これらの各チヤンバは次の要素、即
ち、開いた端部と閉じた端部、第１の円弧に適合
する外縁を形成する側壁４１、第１の円弧と同心
の第２の円弧に適合する内縁４４を形成する内側
壁４２、チヤンバの閉じた端部において外側壁と
内側壁の間に延びる底壁３６、少ない損失で歪み
を伴なわずにチヤンバを通して放射エネルギの伝
達を可能にする窓を有し、該窓は一体の互に平行
で平らな部分４５，４６を含み、それらの部分は
限られた距離だけ互に離れており、各対の平らな
部分の一方は外側壁４１と一体であり且つ各対の
平らな部分の他方は内側壁４２と一体になつてい
る。

１２−１から１２−１２までの全てのチヤンバ
は同じ形状およびおなじ寸法を有する。これらの
チヤンバの一つの寸法の大きさの程度を示すた
め、そのようなチヤンバの高さは例えば38mmであ
り且つ内縁４４と外縁４３の間の距離は例えば６
mm〜８mmである。

完全なキユベツトリングは第１図に示すような
キユベツトリングセクタを６つで形成することが
できる。しかし、本考案の範囲内では、第１図に
よるキユベツトリングセクタは１２より多くのま
たはそれより少ない数のチヤンバを含むことがで
きる。セクタ当りの選択された数のチヤンバに依
り、完全なキユベツトリングを形成するにはそれ
より多くのまたは少ないセクタを必要とする。

第３図は詳しく示すように、第１図によるキユ
ベツト構造はチヤンバの外側壁、内側壁および底
壁と一体の複数の仕切りを含み、各仕切りは少な
くともその一部がチヤンバの開いた端部に設けら
れる上部区域３１または３２と、第１のチヤンバ
の底壁３６と一体の第１の下部区域３３と、第２
のチヤンバの底壁３７と一体の第２の下部区域３
４を有し、第１と第２の下部区域は空間３５によ
つて分離されている。

キユベツトリングセクタ１１は分析システム中
にこのキユベツトリングセクタを設置するために
用いられるようになつている次の装置、即ち、内
側壁４２と一体であり且つ内側壁からチヤンバの
外側に半径方向に延びるリツプ１６を含み、少な
くとも一つのチヤンバ、例えばチヤンバ１２−４
はチヤンバの長手方向の軸線に沿つて底壁の外側
から延びる突起１４を有する。

添付図面に示すように、リツプ１６の形状およ
び分析システムのキユベツトキヤリヤ（添付図面
には図示せず）の係合するガイドまたはロツク装
置により、本考案によるキユベツト構造が分析シ
ステム中に挿入されると、全てのチヤンバの窓は
正しい位置に特に正しい高さに設置されるのを確
保し、このことは分析システムに備えられる光学
測定用具によつて光学測定を実施するのに必要で
ある。測定中には例えば、第４図に示すようにＹ
−Ｙ軸に沿つてチヤンバ１２−４の窓部分４５，
４６を光線が横切る。

切頭円錐の形をした突起１４および分析システ
ムのキユベツトキヤリヤにおける対応のガイドに
より、キユベツトリングセクタ１１が分析システ
ムに用いられると、各チヤンバの長手方向の軸線
Ｚ−Ｚが軸線Ｙ−Ｙに沿う光線に垂直になるのを
確保する。このようにして、突起１４もまた分析
システム中にキユベツトリングセクタを一層正確
に設置する役割を果す。

第１図中のキユベツトリングセクタは比較的長
いので、二つの突起１４，１５が備えられ、それ
ぞれチヤンバ１２−４と１２−９に在る。しかし
短いキユベツトリングセクタでは、例えば突起１
４の一つの突起で充分であり、それによりキユベ
ツトリングセクタの正確な設置が可能である。突
起１４および１５は好ましくは中空である。

さらに、キユベツトリングセクタ１１はリツプ
１７を含み、そのリツプは外側壁４１と一体であ
り且つ半径方向外方に延びている。このリツプは
使用者によるキユベツトリングセクタの取扱いを
容易にし、特にセクタが分析システムから取外さ
れようとする際の取扱いを容易にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるキユベツト構造の斜視
図、第２図は第１図におけるキユベツト構造の平
面図、第３図は第２図の線Ａ−Ａに沿つて取つた
断面図、そして第４図は第３図の線Ｂ−Ｂに沿つ
て取つた断面図である。 図中、１１……キユベツトリングセクタ、１２
……チヤンバ、１４，１５……突起、１６……リ
ツプ、３１，３２，３３，３４……仕切り、３５
……空間、３６……底壁、４１……外側壁、４２
……内側壁、４３……外縁、４４……内縁、４
５，４６……窓の平らな部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 化学分析に用いられるキユベツト構造であつ
   て、該キユベツト構造は、一体形成されたユニツ
   トを備え、該ユニツトは、複数の仕切りにより、
   サンプル試薬混合物を受けるための分離した複数
   のチヤンバを画成し、該各チヤンバは、 開いた端部及び閉じた端部と、 第１の円弧に嵌合する外面を有する半径方向外
   側壁４１と、 第１の円弧と同心である第２の円弧に嵌合する
   内面を有する半径方向内側壁４２と、 前記外面と内面との間に延び、かつそれにより
   前記チヤンバの前記閉じた端部を形成する底面３
   ６と、 前記チヤンバを介して放射エネルギを伝達し、
   かつ一定の距離をおいて互いに分離された、平坦
   かつ互いに平行な一組の部分４５，４６を有する
   窓と、を備え、 前記平坦な部分の一方は、前記外側壁４１と一
   体形成され、 前記平坦な部分の他方は、前記内側壁４２と一
   体形成され、 前記仕切りは前記チヤンバの前記外側壁４１、
   前記内側壁４２及び前記底壁３６と一体形成され
   ており、さらに、前記仕切りは上部区域３１，３
   ２を有し、該区域の最上部分は前記チヤンバの前
   記開いた端部に配置されており、第１の下部区域
   ３３は、前記第１のチヤンバの前記底壁３６と一
   体形成されており、第２の下部区域３４は、前記
   第１のチヤンバに隣接する第２のチヤンバの前記
   底壁３７と一体形成されており、前記第１及び第
   ２の下部区域は、それらの各区域が前記上部区域
   に一緒に合体する位置より下方にて、一空間３５
   により互いに分離されているキユベツト構造にお
   いて、 前記キユベツト構造が、キユベツトリングセク
   タ１１を形成し、かつ化学分析システム内の位置
   決めのための装置を備えており、該装置は、 (a) 前記内側壁４２と一体形成され、かつ前記内
   側壁に対して垂直の面において前記内側壁の外
   側から延びるリツプ１６と、 (b) 前記チヤンバの長手方向に延びる軸線に沿つ
   て、前記底壁３６の外側から延び、かつ前記チ
   ヤンバ１２−４の少なくとも１つの上に配置さ
   れた突起１４とを備えているキユベツト構造。