JPH0443417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ALCパネル等のパネルを建築工事
現場に於けるパネルの建込みに使用出来る台車に
関するものである。

〈従来の技術〉 従来、建築工事現場に於いてALCパネル等の
パネルを建て込む際には、例えば、第５図に示す
如く、パネル１の上部をワイヤー２等で吊り上
げ、パネル１の下部を人が手で持つてパネルを建
込み位置に移動させ、建て込んでいた。

また、パネル１の上部をワイヤー２等で吊り上
げたパネル１の下部をタイヤ付の台車で支えて移
動させる試みもなされていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、上記の人力による技術では、重いパネ
ルを人力で支持しなければならないので、過酷な
肉体労働となり、身体に支障をきたすという問題
点があつた。また、後者のタイヤ付の台車は、単
なる台車形式であり、先端のワイヤー方向に滑ら
かに回転出来ず、従来の人力による方式よりもパ
ネルの移送に手間がかかるという問題点があつ
た。

本考案の目的は、上部をワイヤー２等で吊り上
げたパネル１の下部を人力により支えて移動する
代わりに、このパネル１の下部を台車により支え
て移動出来、しかも台車を用いながら人力による
と同等にスムーズにパネルを移動出来、パネルの
建込み時間を人力によると同等に少なくすること
が出来る台車を提供することにある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案のパネル建込み台車は、前述の従来の問
題点を根本的に改善するための技術であつて、そ
の要旨は複数個のローラーを下面に有する基台上
に垂直回転軸を介して回転台を回転自在に設け、
この回転台の上にパネルの一部を載置し得るパネ
ル台を水平回転軸を介して取り付け、かつこの回
転台の前方には高さ調整用の弾性体が起立されて
おり、前記回転台の後部には操作ハンドルが固定
されており、更に前記パネル台の水平回転軸によ
る回転を制限するためのストツパーがパネル台の
下方で前記操作ハンドルの下端に設けられて構成
されているものである。

〈作用〉 本考案のパネル建込み台車は、下面に複数個の
ローラーを有する基台としたので、建込み作業を
行う床面が凹凸していても安定した状態で移動す
ることが出来る。

また、パネルの一部を載置し得るパネル台を自
在に水平回転出来る回転台の上に水平回転軸を介
して取り付け、このパネル台の後部に操作ハンド
ルが固定されているので、上部をワイヤー等で吊
り上げられたパネルがワイヤー等で引つ張られる
方向にパネルを自由に向けることが出来る。この
ように基台の向きとパネル台の向きが違つていて
も、パネル台の重心が基台に対し偏つており、し
かもそのパネル台に載置されたパネルには重みが
あるので、基台の下面が方向転換し難い複数個の
ローラーで構成されていても、パネル台に固定さ
れたハンドルを押すことにより、基台自体の方向
転換も容易に行える。

また、パネル台は回転台の前方に設けた弾性体
によりパネル台が前方方向への水平回転軸によつ
て回転するのを制限出来るので、パネルが一部し
か載置されていなくともパネルが前方にずり落ち
る恐れがなく、また、移動する床面が傾斜してい
ても、ハンドルを後ろに引いてパネル台を水平回
転軸を中心に回転させてパネル台を斜め上向きに
することにより、パネルのずり落ちを防ぐことが
出来る。

更に、パネルが建込み位置に近付くと、パネル
は斜めにする必要があるが、この考案のパネル建
込み台車を使用すれば、前記したようにハンドル
を後ろに引いてパネル台を水平回転軸を中心に回
転させてパネル台を斜めにすることが出来、この
位置のパネルの斜めに吊り上げる作業を好適に補
助することが出来る。

しかも、これ等のパネル台を、斜め上に向ける
作業時に於いても、パネル台はストツパーが基台
表面に当接することによりパネル台の水平回転軸
による回転が制限されているので、パネル台が過
剰に上向いてその反動で基台が前に進み過ぎてパ
ネルを破損するというような現象を発生させな
い。

このように本考案のパネル建込み台車を使用す
れば、上部をワイヤー等で吊り上げたパネルの下
部を人力により支えて移動する代わりに、このパ
ネルの下部を台車により支えて移動出来、しかも
台車を用いながら人力によると同等にスムーズに
パネルを移動出来、パネルの建込み時間を人力に
よると同等に少なくすることが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係る台車の一実施例を具体的
に説明する。

第１図は台車の斜視図であり、第２図にその側
面図を、第３図にその前面図を、第４図にその平
面図を示している。

基台３の下面には多数のローラー４が回動自在
に軸着されている。この基台３の上に垂直回転軸
６を介して回動自在に軸着された回転台５があ
る。この回転台５の上にはパネル１の一部を載置
し得るパネル台８が水平回転軸７を支点として上
下方向に回動し得る如く取り付けられている。パ
ネル台８の側面に操作ハンドル９が固定され、そ
の折り曲げられた下端先端にはゴムストツパー１
０が取り付けられている。回転台５とパネル台８
との間には、第２図及び第３図に示す如く、高さ
調整用のゴム１１が３カ所に設けられている。ま
たこの実施例ではパネル台８の端の面にはラバー
が設けられ、更にこのパネル台８の内底面には弾
性板が敷設されている。上記回転軸６，７等の周
りにはベアリングが設けられてスムーズに回転し
得る如く構成されている。

本考案に係る台車の使用に当たつては、第１図
に示す如く、パネル１をパネル台８に載置し、パ
ネル台８からはみ出している先端部（即ち、吊り
上げた際にパネル上部になる部分）にワイヤー２
を玉掛けし、このように上部をワイヤー２等で吊
り上げられたパネル１をワイヤー２で引きなが
ら、同時に操作ハンドル９を押すことによつて、
回転台５や水平回転軸７により回転しながらロー
ラー４を回動させてパネル１を所定の位置に建て
込むことが出来る。

〈考案の効果〉 本考案に係るパネル建込み台車は、上述の構成
と作用とを有するので、下記の諸効果を発揮す
る。

即ち、建込み作業を行う床面が凹凸していても
安定した状態で移動することが出来、しかも上部
をワイヤー等で吊り上げられたパネルがワイヤー
等で引つ張られる方向にパネルを自由に向けるこ
とが出来、その上に基台の向きとパネル台の向き
が違つていても、上方のパネル台がその重心を基
台に対し偏ること及びそのパネル台に載置された
パネルの重みがあつことにより、基台の下面が方
向転換し難い複数個のローラーで構成されていて
も、パネル台に固定されたハンドルを押すことに
より、基台の方向転換も容易に行うことが出来
る。

更に、パネル台を水平回転軸を中心に回転させ
てパネル台を斜め上にすることによりパネルのず
り落ちを防ぐことが出来、パネルが建込み位置に
近付くと、パネルは斜めにする必要があるが、こ
の考案のパネル建込み台車を使用すれば、ハンド
ルを後ろに引いてパネル台車を水平回転軸を中心
に回転させてパネル台を斜めにすることが出来、
この位置のパネルの斜めに吊り上げる作業を好適
に補助することが出来る。

また、これ等のパネル台を斜め上に向ける作業
時に於いても、パネル台はストツパーが基台表面
に当接することにより、パネル台の水平回転軸に
よる回転が制限されているので、パネル台が過剰
に上向いてその反動で基台が前に進み過ぎてパネ
ルを破損するというような現象を発生させない。

このように本考案のパネル建込み台車を使用す
れば、上部をワイヤー等で吊り上げたパネルの下
部を人力により支えて移動する代わりに、このパ
ネルの下部を台車により支えて移動出来、しかも
台車を用いながら人力によると同等にスムーズに
パネルを移動出来、パネルの建込み時間を人力に
よると同等に少なくすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の台車の斜視図、第２図はその
側面図、第３図はその前面図、第４図は平面図、
第５図は従来例を示す説明図である。 １はパネル、２はワイヤー、３は基台、４はロ
ーラー、５は回転台、６は垂直回転軸、７は水平
回転軸、８はパネル台、９は操作ハンドル、１０
はストツパーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個のローラー４を下面に有する基台３上に
   垂直回転軸６を介して回転台５を回転自在に設
   け、この回転台５の上にパネル１の一部を載置し
   得るパネル台８を水平回転軸７を介して取り付
   け、かつこの回転台５の前方には高さ調整用の弾
   性体１１が起立されており、前記回転台５の後部
   には操作ハンドル９が固定されており、更に前記
   パネル台８の水平回転軸７による回転を制限する
   ためのストツパー１０がパネル台８の下方で前記
   操作ハンドル９の下端に設けられて構成されてい
   ることを特徴としたパネル建込み台車。