JPH044315B2 - - Google Patents

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JPH044315B2
JPH044315B2 JP61086188A JP8618886A JPH044315B2 JP H044315 B2 JPH044315 B2 JP H044315B2 JP 61086188 A JP61086188 A JP 61086188A JP 8618886 A JP8618886 A JP 8618886A JP H044315 B2 JPH044315 B2 JP H044315B2
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fulgide
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  • Furan Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はフオトクロミツク材料に関する。
従来の技術 従来、可逆的な色の変化を生ずる材料としてフ
オトクロミツク材料が知られている。フオトクロ
ミツク材料の一つとしてフルギドが挙げられる。
式(1)がフルギドの一般式である。
(ただしR1〜R4のうち少なくとも一つは芳香
環、X=O,N−R) つまりフルギドは、無水こはく酸あるいはその
誘導体の二つのメチレン炭素に、それぞれアルキ
リデン基がついている化合物である。
現在までに数多くのフルギドが発表されてい
る。その一例として式(2)で表わされるフルギドの
フオトクロミズムについて簡単に説明する。
式(2)のフルギドは、芳香環としてフラン環を用
いたもので、無色である。このフルギド(2)に
337nmの紫外光をあてると、ベンゾフラン形(3)に
変化し、赤色を呈する。473nmの可視光をあてる
と再び2に戻る(以下、便宜上向かつて左の5員
環をフラン環部、右の5員環を無水こはく酸部と
呼ぶ)。
なお、このようなフオトクロミズムは、他のフ
ルギドについても、吸収波長が異なるだけで、ほ
ぼ共通している。
これらの性質を用いて、フルギドの光記憶媒
体、光量子検知素子、光エネルギー変換素子など
への応用研究が行われている。
発明が解決しようとする問題点 フルギド(2)には、フオトクロミズムを示さない
式(4)で示される位置異性体がある(以下(2)のタイ
プのフルギドをE体、その位置異性体である(4)の
タイプの化合物をZ体と呼ぶ)。
ヘラー(Heller)がこれまでに発表している合
成法では最終的にこのE体とZ体との混合物が得
られ、これを再結晶などによつて分離していた
(H.G.Heller,USP 4220708)。
しかしこの方法では、フルギド(E体)自身の
収率が下がることはもちろん、E体とZ体とは非
常に似た構造をしているため、両者を完全に分離
するために再結晶が必要で、更にこの再結晶は、
かなり困難であつた。このように現在報告されて
いる合成例では、Z体の副生という問題があつ
た。
問題点を解決するための手段 本発明のフオトクロミツク材料は下記の一般式
(5)で示される。これは、フルギド(2)のフラン環の
根元にあるメチル基(a)の代わりに、炭化水素の長
鎖を導入したもので、これはすなわちE体であ
る。
(ただしRはC=5〜31のアルキル鎖) 作 用 フルギド(5)は、対応する長鎖を付けたフリルケ
トンとイソプロピリデンこはく酸ジエチルとを縮
合することによつて容易に得ることができる。
例えば、メチル基の代わりにヘプタデシル基を
導入したフルギド(5)においてR=C17H35)は、
フリルヘプタデシルケトンと、イソプロピリデン
こはく酸ジエチルとを縮合することによつて、得
ることができる。このヘプタデシル基を導入する
ことによる立体障害によつて、下記の式(6)で表わ
される位置異性体(Z体)は不安定になるため、
E体を優先的に生成させることができる。
また、ヘプタデシル基の代わりにC=5〜31の
アルキル鎖を導入しても同様の効果が得られる。
生成物がE体になるかZ体になるかは、フラン
環部と無水こはく酸部を結合する時に決定され
る。フルギド(2)では、それに対応するZ体(4)のフ
ラン環部の根元にあるメチル基(b)と、それと向か
い合うメチル基(c)との反発は余りないため、E体
とZ体とに明確な安定性の差異が生じない。した
がつて、フラン環部と無水こはく酸部との結合の
際に生成するのは、E体とZ体の混合物である。
それに対して、ヘプタデシル基を導入した本発
明のフルギド(5)では、それに対応するZ体(6)は不
安定になる。これは、上式の矢印に示すように、
ヘプタデシル基がメチル基に比べてかさ高いた
め、向かい合うメチル基(d)との間に立体反発が生
じるためである。したがつて、この場合、フラン
環部と無水こはく酸部との結合の際には、E体(5)
が優先的に生じ、Z体(6)は全く生じない。
実施例 フルギドの合成法を以下に示す。
(ステツプ 1) まず長鎖をフラン環に導入する。これまで発表
されているフルギドは長鎖を持つていないため、
このステツプ1にはすべて酸無水物(無水酢酸)
が用いられてきた。しかし長鎖を含んだ酸無水物
を得るのは難しいため、酸無水物の代わりに酸塩
化物を用いた。2,5−ジメチルフラン1モルと
塩化ステアロイル1.5モルのベンゼン溶液に、0
℃で無水塩化すず(1V)1モルのベンゼン溶液
を、1時間かけて加えた。数時間かくはんしたの
ち、氷(1.5Kg)と、5Mの塩酸(500ml)にあけ
た。水層を酢酸エチルで抽出し、あわせた有機層
を水で洗浄し、濃縮した。メタノールから再結晶
することによつて、ケトフラン0.8モルを得た。
(ステツプ 2) 水素化ナトリウム1モルに石油エーテルを加
え、5分間かくはんした。静置して上澄みを除い
た後、アセトン1.5モルと無水こはく酸ジエチル
1モルの混合物を加えた。そこへエタノールを1
滴加えると反応が始まり、激しく水素が発生し
た。水素発生がおさまつたのち、ジエチルエーテ
ルを加え更にかくはんした。1時間後反応混合物
を酢酸エチルで薄め、1Mの炭酸ナトリウム水溶
液で抽出して注意深く酸性にすると、有機層が遊
離してきた。それを酢酸エチルで抽出し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮してハーフエステル
0.8モルを得た。
(ステツプ 3) ステツプ2で得たハーフエステル0.8モルをエ
タノール500mlに溶かし、濃硫酸50mlを加えて加
熱還流した。3時間後濃縮し、残査をエーテルで
薄めたものを炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
て、再び乾燥、濃縮した。得られた残査をカラム
クロマトグラフイーで分取することによつてジエ
ステル0.8モルを得た。
(ステツプ 4) ヘラーは、カリウムt−ブトキシドを用いてス
テツプ4を行つたと報告している。この方法を長
鎖の付いた化合物についても同様に行つたが、反
応は殆ど進行せず、原料回収に終わつた。これは
長鎖が付いていることによる立体障害のためであ
ると思われる。そこで反応性の強い水素化ナトリ
ウムを、カリウムt−ブトキシドの代わりに用い
ると、素早く反応は進行した。水素化ナトリウム
1.2モルに石油エーテルを加え5分間かくはんし
た。静置して上澄みを除いた後、ステツプ1で得
たケトフラン0.8モルと、ステツプ3で得たジエ
ステル0.8モルの混合物を、できるだけ少量の石
油エーテルに溶かして加えた。そこへエタノール
を1滴加えると反応が始まり、激しく水素が発生
した。水素発生がおさまつたのち、ジエチルエー
テルを加え更にかくはんを続けた。1時間後反応
混合物を酢酸エチルで薄め、1Mの炭酸ナトリウ
ム水溶液で抽出して注意深く酸性にすると、有機
層が遊離してきた。それを酢酸エチルで抽出し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られ
た残査をカラムクロマトグラフイーで分取するこ
とによつて、ハーフエステル0.5モルを得た。
(ステツプ 5) 得られたハーフエステル0.5モルを5%アルコ
ール性水酸化カリウムに溶かして15時間加熱還流
したのち、6N塩酸にあけて酢酸エチルで抽出し
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮することによ
り、ジカルボン酸0.3モルを得た。
(ステツプ 6) ジカルボン酸0.3モルに塩化アセチル100mlを加
え、室温で10分間かくはんした。その後反応混合
物を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフイーを用いて分離精製した。更に純度を上げ
るため、メタノールからの再結晶を1回、ヘキサ
ンからの再結晶を2回行うことによつて、目的の
フルギド0.1モルを得た。
最終生成物の液体クロマトグラフイーによるピ
ークは単一で、そのピークは、紫外光の照射によ
つて完全に消失し、代わりにベンゾフラン形に相
当するピークが現れた。もしフオトクロミズムを
示さないZ体の生成があれば、紫外光の照射後と
で不変のピークがあるはずである。したがつて、
この最終生成物は、E体のみであることがわかつ
た。これまでヘラーが報告した合成方法では、ス
テツプ6で得られるのは、E体とZ体の混合物で
あり、このステツプの後にE体とZ体の分離とい
う操作があつた。しかし本方法では純粋なE体の
みが得られ、Z体は得られなかつた。
以上の方法で合成したフルギドのクロロホルム
溶液の紫外可視吸収スペクトルを図の曲線Aに示
す。この溶液にλ=344nmの紫外光を照射する
と、閉環して赤色に着色した。この紫外可視吸収
スペクトルを図の曲線Bに示す。さらにλ=
550nmの可視光を照射すると、再び開環して無色
形に戻つた。無色形、有色形共に、暗所では非常
に安定であつた。
なお、塩化ステアロイルのかわりに塩化ヘキサ
ノイルを用いて、同様の方法でフルギドを合成し
たところ、同様の結果が得られた(C=5)。し
かし、塩化ペンタノイルを用いたフルギドの合成
では、E体とZ体との混合物が得られた。
さらに、塩化ステアロイルの代わりに塩化ドト
リアコンタノイルを用いて、同様の方法でフルギ
ドを合成したところ、同様の結果が得られた(C
=31)。しかし、それ以上の長鎖の化合物につい
ては、原料の酸塩化物を得るのが困難である。
発明の効果 フルギドに長鎖を導入することにより、フオト
クロミズムを示すフルギドのみを、難しい分離操
作なしで、容易にしかも大量に得ることが可能に
なつた。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例におけるフルギドと、そ
の有色形の、クロロホルム中における紫外可視吸
収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式で示されるフオトクロミツク材
    料。 (ただしRはC=5〜31のアルキル鎖)
JP8618886A 1986-04-16 1986-04-16 フォトクロミック材料 Granted JPS62242677A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8618886A JPS62242677A (ja) 1986-04-16 1986-04-16 フォトクロミック材料
US07/023,253 US4803287A (en) 1986-04-16 1987-03-09 Certain photochromic fulgide compounds and method for their synthesis

Applications Claiming Priority (1)

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JP8618886A JPS62242677A (ja) 1986-04-16 1986-04-16 フォトクロミック材料

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JPS62242677A JPS62242677A (ja) 1987-10-23
JPH044315B2 true JPH044315B2 (ja) 1992-01-27

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ID=13879792

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5136449A (ja) * 1974-07-31 1976-03-27 Heller George H Fuotokuroomukagobutsuno seizohoho
JPS5331656A (en) * 1976-08-31 1978-03-25 Heller Harold G Photochrome compound

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5136449A (ja) * 1974-07-31 1976-03-27 Heller George H Fuotokuroomukagobutsuno seizohoho
JPS5331656A (en) * 1976-08-31 1978-03-25 Heller Harold G Photochrome compound

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JPS62242677A (ja) 1987-10-23

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