JPH044219B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカートン箱に関する。

引き出せる注ぎ口を有するゲイブレ（切妻）型
のカートン箱は従来から知られている。ゲイブル
型の頂部蓋における問題のひとつは密封に信頼性
がないことである。これはその構造が比較的複雑
であることによる。この密封に信頼性をもたせる
ことは、密封フインを形成する上部サブパネルル
ープのひとつのサブパネルとカートン頂部を閉塞
する下部サブパネルループのひとつのサプパネル
により形成される引き出し得る注ぎ口の頂部蓋に
合体せしめる時一層むずかしくなる。これは、注
ぎ口は比較的容易に開くことができるべきである
が、この要求は密封フインを形成するサブパネル
を良好に密封することに容易に両立しないからで
ある。

米国特許第3720940号明細書にはゲイブル型の
カートン箱が記載されている。このカートン箱
は、両面で熱可塑性樹脂で被覆した厚紙から成る
素材で形成され、ひとつの注ぎ口、または頂部蓋
の両側に注ぎ口がある場合には両方の注ぎ口、を
形成する上部サブパネルの内外表面の中央領域に
はたとえばオルガノシロキサン型の接着在を塗布
したものである。ふたつの隣接する上部サブパネ
ルの内表面の対応部分にも接着在が塗布してあ
る。蓋の液密生の程度および持続性を増大せしめ
るために、フインの密封に用いられるジヨーは蓋
の選択された領域に特に圧力を加えて蓋を構成す
るプライにくぼみまたはエンボスを形成せしめ、
液体が漏れ出す通路を有効に閉じるようにしてい
る。このようなエンボスの領域は前記ふたつの隣
接する上部サブパネルの一方に長方形に形成さ
れ、ひとつの密封ストリツプパネル延長部の内側
縁に沿つてフイン内に生じやすい漏れ通路を閉塞
せしめうるようにする。この領域は注ぎ口との干
渉をさけるように中央に圧力釈放部分を形成する
のである。

しかし実際上このような方策を講じても注ぎ口
の上部サブパネルの中央領域はふたつの隣接する
サブパネルの内表面にしつかりと付着し、このた
め注ぎ口は容易に開くことができずこれを無理に
開こうとするとゆがんでしまつたりやぶれてしま
つたりするということが見出された。

本発明はこのような欠点のないカートン箱素材
を提供することを目的とする。

すなわち本発明は、第１の内面部分とこの第１
の内面部分に面同志が向かい合わせて接触するよ
うに実質的に共通面上にある第２の内面部分と、
前記共通面をはさんで面と面とを向い合せて配設
された第３および第４の内面部分とを包含し、前
記第１ないし第４の内面部分がカートン箱密封部
の一部である包装用のカートン箱において、前記
第４の内面部分が前記共通面から僅か間隔を隔て
ているが実質的にこれに平行に位置しかつ前記第
３の内面部分には実質的に貼着していないことを
特徴とするカートン箱にある。

以下本発明を添付図面に例示したその好適な実
施例について詳述する。

ここに記載するカートン箱素材は欧州特許出願
第80304051−８号に記載されたカートン箱素材の
変形であつて、このカートン箱素材の使用の詳細
については必要であればこの欧州特許出願を参照
されたい。

第１図において示すカートン箱素材は、たとえ
ば牛乳またはオレンジジユースのような飲料を入
れるゲイブル（切妻）型の頂部を有するカートン
箱を形成するように設計されたものである。この
素材は熱可塑性樹脂材料を両面に塗布した厚紙か
ら成る従来材料のシートを切つて形成したもので
ある。このカートン箱素材の熱可塑性樹脂被覆１
０２はカートン箱の内面側となる。この素材は５
枚のパネル１ないし５から成り、パネル５はパネ
ル１と重ねて従来のやり方で熱密封せしめてスリ
ーブを形成する密封ストリツプすなわちのり代で
ある。パネル１ないし５はこのパネル列に対して
垂直に延びる折れ目線６により相互に連結せしめ
られている。折れ目線７および８および折れ目線
６に垂直に延びる他の折れ目線（図示しない）に
より、パネル１ないし５はサブパネル列に分割さ
れている。これらサブパネル列は、底部蓋サブパ
ネル（図示しない）と、側部壁サブパネル列１１
ないし１５と頂部蓋サブパネル列２１ないし２５
とさらに高い頂部蓋サブパネル列３１ないし３５
とを包含する。

サブパネル２１ないし２５はカートン箱の頂部
を閉塞する役割を果たす一方、サブパネル３１な
いし３５はゲイブル頂部蓋の密封フイン６０（第
３図）を与える役割のものである。サブパネル２
１および３１は、サブパネル１２に近いサブパネ
ル２１の隅部からサブパネル３１の外側の長手方
向縁部に沿う中間の位置まで延在する斜めの折れ
目線９を有する。同様に、斜めの折れ目線１０は
サブパネル１２に近いサブパネル２３の隅部から
サブパネル３３の外側の長手方向縁部に沿う中間
まで延在する。サブパネル２２には二つの折れ目
線１６が形成してあり、これらの折れ目線は折れ
目線７の中心からそれぞれサブパネル１１および
１３に最も近いサブパネル２２の隅部まで延在
し、サブパネル２２を３つの三角形のサブパネル
９０，９１，９２に分割する。同様に、サブパネ
ル２４はふたつの折れ目線１７が形成してある。
これらの折れ目線１７は折れ目線７の中心からそ
れぞれサブパネル１３および１５に最も近い隅部
まで延在し、サブパネル２４を３つの三角形のサ
ブパネル９３，９４，９５に分割する。折れ目線
１８は折れ目線１６の合わさるところから折れ目
線６に平行にサブパネル３２を横切つて延在す
る。同様に、折れ目線１９は、折れ目線１７の合
わさるところから折れ目線６に平行にサブパネル
３４を横切つて延在する。このカートン箱素材は
上述の構造に関しては従来のものと全く変わると
ころがない。しかし、サブパネル２２および３２
にはふたつの折れ目線２０を形成してある。これ
らの折れ目線２０はサブパネル３２の端部から内
方へ間隔を隔てたサブパネル３２の外側長手方向
縁部上の位置から始まつて、折れ目線６に平行に
サブパネル３２を横切つて折れ目線７へと延び、
次いでそれぞれサブパネル１１および１３に最も
近いサブパネル２２の隅部領域へ斜めに延びてい
る。各折れ目線２０は折れ目線１８から、サブパ
ネル３２に沿つて、サブパネル３２を折れ目線１
８で分割してできた各サブサブパネルの長さの一
部分、たとえばサブパネル３２の長さの約4/10に
等しい長さだけ間隔を隔てている。素材はふたつ
の矢印形のエンボス部分１２０を有する。これら
のエンボス部分１２０は素材の切断および折れ目
線形成工程中に形成される。これらのエンボス部
分１２０は素材の内側の表面にくぼみを与えるも
のである。サブパネル３２へのサブパネル３１お
よび３３の好ましくない付着現象がサブパネル３
２の切断縁部において生じ易いので、エンボス１
２０がカートン箱の頂部蓋の密封に際し断縁部に
対向するように位置せしめられているのである。

第１図のカートン箱素材で形成したスリーブは
従来のやり方でその底部を密封して閉鎖し、次い
で従来のやり方で頂部蓋を第２図に示す状態にも
ち来たらす。第２図に示す状態においては、サブ
パネル３２および３４は折れ目線６からわずかに
内側に押した状況にあり、サブパネル２２および
２４はその折れ目線６および折れ目線８からわず
か内側に押した状況にあり、サブパネル２１，２
３，３１および３３は折れ目線８を中心としてわ
ずかに内側に傾斜している。

折れ目線２０間のサブパネル３２の内表面がク
ランピングジヨーの存在の下でサブパネル３１お
よび３３に密封される傾向をなくすため、クラン
ピングジヨーにはこれに沿つてそれぞれあさい細
長いくぼみを設けてあり、これによつてこれらの
内表面部分に加わる圧力を釈放する。これらのく
ぼみが第３図および第５図に符号６１で示すよう
にフイン６０に実質的に圧縮を受けない部分を残
すのである。

前述の傾向をさらになくすために、折れ目線２
０の間のサブパネル３２のこの部分の熱可塑性樹
脂を塗布した内表面にはさらにたとえばシリコン
樹脂のような非接着剤100をカートン箱素材の製
造工程において塗布しておく。同様に頂部蓋のサ
ブパネル３２のこの部分と同じ場所であるサブパ
ネル３１および３３の該当部分にも同時に同じ非
接着剤１０１をその内表面に塗布しておいてもよ
い。これら非接着剤１００および１０１の被覆は
第１図において平行のハツチチングで示してあ
る。このようにして、サブパネル３１のエンボス
されていない部分の内面が、第１の内面部分１０
４を構成することとなる。この第１の内面部分１
０４は、サブサブパネル９６の内面のこれと対応
する部分である第２の内面部分１０５の共通面Ｐ
１において面と面とを接触して位置せしめられ
る。他方サブパネル３１のエンボス部分の内面お
よびサブサブパネル９６の内面のこれと対応する
部分が第３の内面部分１０６および第４の内面部
分１０７を構成している。第３の内面部分１０６
は共通面Ｐ１上にあり、第４の内面部分１０７は
共通面P1からわずか間隔を隔てて第３の内面部
分１０６に実質的に平行な位置にあり、この第３
の内面部分１０６に実質的に貼着していない。同
様な関係が共通面Ｐ２に関して、サブパネル３３
のエンボスされていない部分の内面で構成されて
いる第１の内面部分１０８と、サブパネル９７の
内面の一部分で構成される第２の内面部分１０９
と、サブパネル９７の内面の他部分で構成される
第３の内面部分１１０と、サブパネル３３のエン
ボス部分の内面で構成される第４の内面部分１１
１とについても成立している。

エンボス１２０はジヨーのくぼみの効果をさら
に強めるものであつて、従つてこれらのエンボス
は加圧密封中これらくぼみに対応するように配置
してある。これは第３図で見ることができる。す
なわち第３図においてエンボス部分１２０は実質
的にフイン６０の非圧縮部分６１の部分と合致し
ている。エンボスはもちろん非接着被覆１００お
よび１０１の効果により助けられている。各エン
ボス部分１２０の先端１２１はフイン６０の端部
に向いており、ここから消費者が頂部蓋を開き始
めるのである。すなわちこの端部に注ぎ口が来る
のである。部分６１は符号６１′で示すようにフ
インの長さのほとんど大部分にわたつて延長する
ようにすることができる。このようにすればカー
トン箱はどちらかの端部からでも開くことができ
る。この場合にはエンボス部分、非接着剤および
折れ目線９はカートン箱の両端に対称的に設ける
こととなる。

第４図に示す変形例では、エンボス部分１２０
は水平方向のあさいだ円形の形状としてあり、サ
ブパネル３１および３４の長さのほぼ真中の3/10
位の長さにわたつて延在せしめてある。

以上本発明を添付図面に例示したその好適な実
施例について詳述したが、本発明はその特定の実
施例に限定されるものではなく本発明の精神を逸
脱しないで幾多の変化変形がなし得ることはもち
ろんである。

上述の記載から明らかなように、本発明によれ
ば、第３の内面部分１０６、１１０が第４の内面
部分１０７，１１１から実質的に間隔を隔ててお
り貼着していない。すなわちエンボスの存在によ
つて、ジヨーによるフイン密封時に中央領域が確
実に付着せずに離れて残り、このため注ぎ口を容
易に開くことができるようになるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のゲイブル型カートン箱素材の
部分平面図、第２図はこの素材から組立てたカー
トン箱の部分斜視図、第３図はこのカートン箱の
部分立面図、第４図は変形例の第３図と同様な
図、第５図は第３図の−線に沿う拡大断面図
である。 １，２，３，４，５……パネル、６，７，８，
９……折れ目線、１１，１２，１３，１４，１５
……サブパネル、１７，１８，１９，２０……折
れ目線、２１，２２，２３，２４，２５……サブ
パネル、３１，３２，３３，３４，３５……サブ
パネル、６０……フイン、６１，６１′……部分、
９０，９１，９２，９３，９４，９５，９６，９
７，９８，９９……サブサブパネル、１００，１
０１……非接着剤、１０２……熱可塑性樹脂被
覆、１０４，１０５，１０６，１０７，１０８，
１０９，１１０，１１１……内面部分、Ｐ１，Ｐ
２……共通面、１２０……エンボス、１２１……
先端部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の内面部分１０４，１０８とこの第１の
   内面部分に面同志が向かい合わせて接触するよう
   に実質的に共通面Ｐ１，Ｐ２上にある第２の内面
   部分１０５，１０９と、前記共通面Ｐ１，Ｐ２を
   はさんで面と面とを向い合せて配設された第３お
   よび第４の内面部分１０６，１０７，１１０，１
   １１とを包含し、前記第１ないし第４の内面部分
   １０４−１０７，１０８−１１１がカートン箱密
   封部２１−２４，３１−３４の一部３１−３４で
   ある包装用のカートン箱において、前記第４の内
   面部分１０７，１１１が前記共通面Ｐ１，Ｐ２か
   ら僅か間隔を隔てているが実質的にこれに平行に
   位置しかつ前記第３の内面部分１０６，１１０に
   は実質的に貼着していないことを特徴とするカー
   トン箱。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のカートン箱であ
   つて、第１、第２、第３、第４のパネル１−４を
   カートン箱となるように折れ目線６で相互連結し
   て配置して上方に延びる密封継目を形成せしめ、
   カートン箱のまわりにのびる他の折れ目線７，８
   で前記パネル１−４をカートン箱のまわにのびる
   ループ状のサブパネル２１−２４，３１−３４に
   分割し、これらのサブパネルが、カートン箱の頂
   部をふさぐ下部ループをなす頂部閉塞部のサブパ
   ネル２１−２４と密封フイン６０を形成する上部
   ループをなす第１、第２、第３、第４の頂部閉塞
   用の密封サブパネル３１−３４とから構成され、
   上方に延びる折れ目線１８，１９を第２および第
   ４の密封サブパネル３２，３４の中央に設けて各
   対のサブサブパネル９６，９７；９８，９９を形
   成せしめ、これら各対のサブサブパネル９６，９
   ７；９８，９９が、相互に接する外面と、前記上
   部ループの他のサブパネル３１，３３に面同志で
   接する内面とをもち、前記各対のサブサブパネル
   ９６，９７；９８，９９の外面間および前記サブ
   サブパネル９６−９９の上方の高さ位置における
   前記他方のサブパネル３１，３３の内面間および
   一方においては前記サブサブパネル９６−９９の
   前記内面と他方においては前記第１、第２、第
   ３、第４の密封用サブパネル３１−３４の中の隅
   部の前記他のサブパネル３１，３３の内面との間
   に貼着剤を包含する連続的な密封部を形成し、前
   記パネル１−４の第１、第２、第３、第４のサブ
   パネル２１−２４から成る下部ループのうち前記
   第２および第４のサブパネル２２，２４を斜めの
   折れ目線１６，１７でサブサブパネル９０−９５
   に分割し、前記第２および第４のサブパネル２
   ２，２４のそれぞれの斜めの折れ目線１６，１７
   が、前記パネル２，４の中間部とは反対側の前記
   第２および第４のサブパネル２２，２４のそれぞ
   れの縁部領域の中央から前記縁部領域とは反対側
   の前記サブパネル２２，２４の隅部区域へと延在
   するカートン箱において、前記他のサブパネル３
   １，３３の前記内面の各部分１０７，１１１が、
   前記第２の密封サブパネル３２の前記サブサブパ
   ネル９６，９７の前記内面の各部分１０６，１１
   ０に対し僅かな距離を隔ててこれに平行に位置
   し、前記第２の密封サブパネル３２の上方に延び
   る折れ目線１８から前記第２の密封用サブパネル
   の内面に沿つて延在するが、前記第２の密封サブ
   パネルには実質的に貼着していないことを特徴と
   するカートン箱。 ３ 特許請求の範囲第２項記載のカートン箱にお
   いて、前記他のサブパネル３１，３３の前記内面
   の前記各部分１０７，１１１のそれぞれは前記密
   封用サブパネルループのまわりで前記他のサブパ
   ネル３１，３３のそれぞれの約３分の１にわたつ
   て延在していることを特徴とするカートン箱。