JPH0441737A - 通糸の耐摩耗性向上の方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ、産業上の利用分野、 この発明は、ジャカード織物に使用される通糸の耐摩耗
性を向上さす方法に関するものである。

Ｂ、従来の技術 従来の組紐通糸においては、各ストランドには撚を 加えず、無撚糸の原糸を用いて構成されていた。

又、原糸には１インチ間に１回以下、あるいは、金剛打
等の組紐通糸では、その製造工程において自然に１回程
度の撚が入っていただけで、耐摩耗性の向上を図るため
の強い撚を加えた組紐通糸はない。

従来は、２５０デニール×１６本打ちで原糸が細く、耐
摩耗性に欠けるためストランドの本数を減らして、５０
０デニール又は１０００デニール以上の太い原糸を使用
したり、樹脂加工で、その向上を図っていた。

Ｃ、発明が解決しようとする課題 従来より通糸のストランドには、マルチタイプの無撚糸
の原糸が主に使用されてきたが、５００ｒｐｍ以上の高
速織機では、いくら良い樹脂を使用しても、樹脂がはが
れ落ち、２年〜３年で摩耗して切断してしまう。従って
、従来より原糸（スト ランド）を太くしたり、通糸全体を太くしたりする等の
方法で解決を図ってきた。そのため原糸の使用量も多く
なったり、高価な樹脂を使用しなくてはならなかったり
で、コスト高な通糸を製造していた。そして、通糸の素
材も、ポリエステル主体より大変高価な超高分子量ポリ
エチレン糸、例えば、ダイニーマ社のダイニーマ、三井
科学社のテクミロン等を使用する事が数多く提案されて
いる。

Ｄ、課題を解決するための手段 本発明は上述のような問題点を解決するためにコード機
等の機械で通糸を構成する前に通糸のストランドに撚を
加え、撚の加わったストランドで通糸をつくり、従来非
常に耐摩耗性に強いとされる３つ撚通糸と同じ条件を持
たせ、耐摩耗性を高める方法である。

又、使用されるストランドの本数も、従来の１６打ちや
金剛打ちの１２本より減らし、普通は８本とし７５０デ
ニール〜１０００デニールのマルチポリエステル糸、及
び、モノフィラメントポリエステル糸の太い原糸を使用
して耐摩耗性の向上と、生産性の向上を図る。

３つ撚通糸の耐摩耗性の良いのは、３本のストランドに
強い撚を加えているためであり、ストランドの表面が強
い撚のため硬くなり、織機に使用されている目板の穴の
上部の角との接触面が一点になるためである。

耐摩耗性に弱い組紐通糸は、無撚糸を使用しているため
、一般に通糸の表面が柔らかく、ある程度、樹脂加工を
施し硬くなっているが、使用しているうちに樹脂がはげ
落ち、目板の穴の角との接触面が大きくな摩耗に弱くな
ってしまう。

従って、組紐通糸のストランドに強い撚を加えて表面を
硬く仕上げて目板の角との接触面積を小さくして耐摩耗
性を高める 更に、従来の通糸のストランドにはマルチタイプの原糸
が使用されていたが、本発明では表面の硬い、モノフィ
ラメントポリエステル糸を１００％又は、マルチポリエ
ステル糸との混合糸のストランドを使用し耐摩耗性を高
めた。

Ｅ、作用 ジャガード織物において、ジャカードより吊り下がった
通糸で経糸を上下し杼口を構成させ、緯糸を投入し製織
していく、その工程で通糸は目板の穴をガイドとして上
下運動を繰りかえす。その上下運動により、通糸は目板
の穴の上部の角で激しく摩擦される。その摩擦される部
分を硬くする事で通糸の摩耗を防ぐ。

従来のマルチタイプの原糸をリング撚糸機にかけ、１イ
ンチ間に約１０回以上の撚を加え、コード機に掛け、８
本打ち、１２本打ち、１６本打ち等で構成させ、撚の入
ったストランドで組まれているため通糸の表面が３つ撚
通糸と同じ硬さになり、目板との摩擦に強くなる。

又、モノフィラメント通糸では、モノフィラメントの持
つ滑りのよさ、表面の硬さを生かし、摩耗性の向上を得
る。そして、組紐通糸だけでなく３つ撚通糸にもモノフ
ィラメントポリエステル糸及び、マルチポリエステル糸
との混合糸又は混用して非常な耐摩耗性の向上を得る。

Ｆ、実施例 実施例について説明すると、先づ、撚を加えた原糸のス
トランドを使用した組紐通糸では、通糸の外側にマルチ
ポリエステル２５０デニール×１６本打ち、芯にマルチ
ポリエステル１０００デニール×３本の仕様で、２５０
デニールの撚回数は１インチ間に２５回が最も良い結果
であった。

外側にマルチポリエステル２５０デニール×２本×１６
本打ち、芯なし仕様で２５０デニール×２本には１８回
の撚回数が適し、マルチポリエステル７５０デニール×
８本丸打ち又は、７５０デニール×８本クロス打ちでは
１５回、１０００デニール×８本丸打ち又は、１０００
デニール×８本クロス打ちでは１２回の撚回数が耐摩耗
性に優れた結果を示した。以上、述べた撚回数よりきつ
く撚を加えるとストランドにキンクが生じ、後の作業性
が悪くなったり作業不可能となり、撚が甘くなれば、耐
摩耗性の効果がなくなる等の問題が出てくる。

又、組紐通糸において、ストランドの撚方向はストラン
ドの半分は右撚残り半分は左撚を用いることで、通糸の
ねじれ現象が防げ、バランスの良い組紐通糸が得られた
。

モノフィラメントポリエステル糸使用通糸で、３つ撚通
糸では、２１０デニール×５本×３の仕様が適し、原糸
には撚を入れる必要がない。撚を入れなくとも原糸その
ものの表面が硬く耐摩耗性に優れているためである。た
だし表面へ樹脂加工を施せばなお効果的である。

組紐通糸においては、ストランド１６本の１６打ちでは
全てに２５０デニールモノフィラメントポリエステル糸
を用いたものが耐摩耗性は一番よく、ストランド８本に
モノフィラメント、残り８本にマルチポリエステル２５
０デニール糸を用いた混用組紐では、やや耐摩耗性に劣
るためマルチポリエステル糸のストランドに撚を与える
と耐摩性が良くなり、更に適度の柔軟性があり良好であ
っ た。

又、３つ撚通糸、組紐通糸共ストランドに、マルチポリ
エステル５０％、モノフィラメントポリエステル５０％
の２本合糸を使用し撚を加えた通糸では、耐摩耗性がよ
く適度の柔軟性があり効果的である。

いづれも、モノフィラメント糸の持つ耐摩耗性を生かし
た無撚糸で良いが、３つ撚通糸、組紐通糸共、曲りのく
せが残り、柔軟性に欠けるためマルチポリエステル糸５
０％、モノフィラメント糸５０％の２本合糸のストラン
ドに撚を加え構成された通糸が最も効果的であった。

Ｆ、発明の効果 本発明は上述のように構成されているので次に記載する
効果を得る事ができる。

１、従来と同じポリエステル原糸で構造を小し変更する
だけで高い耐摩耗性を得ることができ、高価な樹脂及び
素材を必要としなく、コスト安な通糸を提供することが
できる。

２、従来の無撚ポリエステル糸を使用した通糸だと、数
回の樹脂加工が必要であり、本発明の素材だと１回の樹
脂加工で高い耐摩耗性のある通糸が得られる。

３、通糸切れによる二級品の減少、通糸の寿命の短縮に
よる切替回数の増加の防止等により、間接的ではあるが
コスト安の製品（織物）ができる等の効果を得る事がで
きる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、８本、１２本、１６本と任意の本数のストランドで
   構成された組紐通糸において、各ストランドに少なくと
   も１インチ間に１０回以上の撚を加えた事を特徴とする
   耐摩耗性組紐通糸。 ２、ジャカード機に使用される通糸において、通糸のス
   トランドにモノフィラメントポリエステル糸とマルチポ
   リエステル糸とを混用した通糸でマルチポリエステル糸
   に撚を加えた事を特徴とする耐摩耗性通糸。