JPH0441036B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、固定カツターに対して往復駆動さ
れるカツターを有し、両カツターを、それぞれ駆
動方向と実質的に直角をなす方向に向く歯が互い
にせん断関係となるよう配置し、一方のカツター
の各歯を弾性アームの端部に位置させたヘア切断
装置に関するものである。

この種の切断装置は、たとえばオランダ国特許
出願第7512633号（PHN8202）により既知であ
る。この装置では、申しぶんのない切断作用を得
るために、可動カツターを固定カツターに対して
押圧して切断中に可動カツターが、切断の折に生
じる力によつて固定カツターから離れないように
する必要がある。しかしながら、両カツターを相
互に押圧する場合には、摩擦損失、摩耗、熱の発
生などのような不都合が生じる。

この発明は、これらの不都合を除去することを
目的とするものであり、弾性アームの端部に位置
する歯に関連させて加圧素子を配設し、この加圧
素子は、弾性アームの端部に位置する歯の非弾性
変形下でそれら歯と非接触状態となり、弾性アー
ムの端部に位置する歯の弾性変形によりそれら歯
に係合するヘア切断装置を提供するものである。

切断動作に際し、歯は加圧素子によつて支持さ
れる。駆動中に歯が負荷を受けない場合には、そ
の歯は、弾性アームの小さな変形によつてもたら
される非常に小さい圧力だけをもつて固定カツタ
ー上を摺動する。これがため、摩擦損失その他を
相当低減することができる。

別個の実施例は、加圧素子が、二本の隣接する
弾性アーム間に位置して両側部に傾斜加圧面が形
成された部分を有することを特徴とする。

更に別の実施例にあつては、アームの端部に歯
が設けられたカツターは、弾性アームがそれらの
歯から離れた端部にて連結される共通のカツター
ビームを有し、このビーム及び弾性アームを弾性
シート材料により一体的に構成してなることを特
徴とする。

以下にこの発明を図面に示す二つの実施例に基
づいて説明する。

第１，２図に示す実施例において、固定カツタ
ー１は、フランジ３，４を有する浅い通し型本体
２の形状をなす。ここでフランジ４には歯５を設
ける。可動カツター６はカツタービーム７を具
え、そのカツタービームの弾性アーム８は遊端に
歯９を有する。歯を有する弾性アームはスロツト
１０によつて相互に分離される。二枚のカツター
１，６を弾性シート材料によりそれぞれ一体的に
構成する。

歯９に関連する堅固な共通な加圧素子１１は、
中央部分１３及び支持ビーム１４を具える加圧部
材１２の一部を構成する。またその中央部分１３
に連結孔１５を設け、この連結孔にて加圧部材１
２を、それに矢印Ｐ方向の往復運動をもたらす既
知の駆動機構に連結する。

支持ビーム１４をカツタービーム７に固定的に
連結して加圧素子１１および可動カツター６を固
定カツター１に対して一諸に往復運動させる。往
復運動の方向は歯の長さ方向に対して実質的に直
角をなす。

歯９が切断対象物たとえばヘアに触れた場合に
は、固定カツターの歯は、その対象物によつて歯
に及ぼされる反力によつて押しのけられる。アー
ム８の歯に隣接するアーム８の部分８′は、僅か
に弾性変形した後、加圧素子１１と係合する。加
圧素子は堅固であり、また、このことに起因して
歯の弾性アームの有効長さが十分に短くなるの
で、歯９はそれ以上変形することなく、その対象
物を切断する。歯９が切断対象物に触れない場合
には、その歯は、弾性アーム８の小さな弾性曲げ
によつてもたらされる非常に小さい力だけで固定
カツターと掛合する。

第３，４図に示す実施例では、加圧素子１１
に、アームの部分８′の領域で、アーム８間の各
スロツト１０をそれぞれ貫通する突起１６を形成
する。各突起は、二個の収斂する傾斜加圧表面１
７を有する。弾性アームは、駆動方向Ｐにも可撓
性を有するので、それら歯９の一つがヘアに触れ
た場合には、その歯は駆動方向Ｐに弾性変形し、
その歯に隣接するアーム部分８′が、その歯の変
形方向に面して隣接する傾斜加圧表面１７に係合
する。このことにより、歯の一層の弾性変形が拘
束される一方、傾斜加圧表面１７が、歯９に固定
カツターの方向への反力を及ぼすので、ヘアをま
た切断することができる。

以上に述べたように、本発明装置にあつては、
弾性アームの端部に位置する歯と切断対象物との
当接に起因して当該歯が弾性変形すると、加圧素
子に係合することによりその変形が拘束される一
方、切断対象物と非当接状態にある場合には、加
圧素子に係合することがない。それゆえ、固定及
び可動両カツター間の押圧力を小さなものとする
ことができ、可動カツターを駆動するのに必要な
動力を小さくし得る利点があることに加え、摩耗
および熱の発生を実質上完全に除去できる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は可動カツターを加圧素子および固定カ
ツターとともに示す分解斜視図、第２図は組み立
て状態にある第１図の構成部品の横断面図、第３
図は他の実施例の第２図と同様の横断面図、第４
図は第３図に示す実施例の正面図である。 １……固定カツター、２……浅い通し型本体、
３，４……フランジ、５，９……歯、６……可動
カツター、７……カツタービーム、８……アー
ム、８′……部分、１０……スロツト、１１……
加圧素子、１２……加圧部材、１３……中央部
分、１４……支持ビーム、１５……連結孔、１６
……突起、１７……傾斜加圧表面、Ｐ……駆動方
向。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定カッターに対して往復駆動されるカータ
   を有し、両カツターを、それぞれ駆動方向と実質
   的に直角をなす方向に向く歯が互いにせん断関係
   となるよう配置し、一方のカツターの各歯を弾性
   アームの端部に位置させたヘア切断装置におい
   て、 弾性アームの端部に位置する歯に関連させて加
   圧素子を配設し、この加圧素子は、弾性アームの
   端部に位置する歯の非弾性変形下でそれら歯と非
   接触状態となり、弾性アームの端部に位置する歯
   の弾性変形によりそれら歯に係合することを特徴
   とするヘア切断装置。 ２ 加圧素子が、二本の隣接する弾性アーム間に
   位置して両側部に傾斜加圧面が形成された部分を
   有する特許請求の範囲第１項に記載のヘア切断装
   置。 ３ 弾性アームの端部に歯が設けられたカツター
   は、弾性アームがそれら歯から離れた端部にて連
   結される共通のカツタービームを有し、このビー
   ム及び弾性アームを弾性シート材料により一体的
   に構成してなる特許請求の範囲第１項又は第２項
   に記載のヘア切断装置。