JPH0440821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、金属の被切削物に開けた穴を仕上
げ加工する際使用するリーマに関する。

〔従来の技術〕

被切削物に下穴を開け、更に高精度仕上げ加工
する場合はリーマが使用されることが多い。

従来のリーマは円筒状の平坦な先端切削部より
側面に真直ぐな溝やラセン溝を設け、先端の切削
部より生じる切粉をこれらの溝から次々に生じる
切粉で外へ押し出して加工するようになつてい
る。この場合、切刃を冷却し円滑な切削状態を確
保するため切削油を与えつつ加工することが多
い。或いはまた端面切削を行うフライスのエンド
ミルを使用することもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記するように仕上げ加工用リーマでは、切粉
が切刃間の溝を通つて外部へ放出されるようにな
つている。従つて、切粉が帯状に連続して出るよ
うな炭素鋼等の仕上げ加工時には、溝寸法が小さ
いため、しばしば溝に切粉が詰まつて切刃が破損
することがあつた。また被切削物が固く粘い材質
の場合加工に時間がかかり、切刃を破損しやすく
寿命が短いとう問題があつた。

この考案は上記する問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは切削によつて
生じる切粉を速やかに排出することが出来、切刃
の破損を防止し長寿命のリーマを提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記する問題点を解決するために、
仕上げ加工用リーマを、中空の円筒状切刃チツ
プ支持台の端部に切刃チツプの刃面が前記円筒状
チツプ支持台の円筒の切接方向に対して直角であ
り且つ該刃面外端斜線が円筒の中心軸と一致し前
記円筒状切刃チツプ支持台の端部を底面とする円
錐体の円錐面上にあるよう複数個の切刃チツプを
等角度間隔に付設し、前記円筒状切刃チツプ支
持台の円筒部に、一面が前記切刃チツプの刃面と
ほぼ同じ線上にあり且つ他の面が曲線となるよう
な略三角形状の切欠を設け、更に、前記円筒状
切刃チツプ支持台の内部奥に窓穴を穿設する、こ
とを特徴とする。

〔作用〕

切刃チツプの刃面外端斜線部によつて削り取ら
れた切粉は、切刃の刃面に対して直角方向、即ち
円筒状切刃チツプ支持台の中心方向へ走る。従つ
て、切粉は円筒状切刃チツプ支持台の切刃チツプ
近傍に設けた切欠部から円筒内部へ入り、更に後
方に穿設された窓穴から外部へ排出される。従つ
て、切粉がリーマの切刃周辺で留まることはない
ので切刃チツプを破損することも殆どなくなる。

〔実施例〕

以下この考案の具体的実施例について図面を参
照して説明する。

第１図１はこの考案にかかるリーマ１の刃先の
正面図で２は側面図であり、第４図は該刃先部の
斜視図である。これらの図において２は切刃チツ
プ、３は該切刃チツプ２を装着する中空の円筒状
切刃チツプ支持台である。切刃チツプ２は切削材
を加工するときの刃となる部分で、炭化タングス
テン（WC）やサーメツト（TiC）やハイス等の
超硬材が使用される。この切刃チツプ２を円筒状
切刃チツプ支持台３に装着するときはバランスを
良くするため等角度間隔に装着する必要がある
（実施例図の場合切刃チツプ２は四個使用し90度
間隔に装着してある）。この切刃チツプ２は円筒
状切刃チツプ支持台３にバランス良く二個以上装
着すれば良い。また、この切刃チツプ２はその刃
面２Ａが円筒状切刃チツプ支持台３の切接方向Ｌ
に対して直角で且つ回転中心は、円筒状切刃チツ
プ支持台３の中心Ｏと一致させるように装着す
る。そしてまた第２図に示すように、切刃チツプ
２の刃面外端斜線２Ｂは、円筒状切刃チツプ支持
台３の先端面３Ａを底面とする円錐１０の側面上
にあるようにする。

また、円筒状切刃チツプ支持台３には、第１図
に示すように切欠４を設ける。この切欠４は一つ
の面３Ｂが切刃チツプ２の刃面２Ａとほぼ同じ面
となるようにし、他の面３Ｃは曲線となるような
形状、即ち全体としてほぼ三角形に欠き取る。

第３図１はこの考案にかかるリーマ１の中央部
の平面図であり、２は正面図である。この図に示
すように、円筒状切刃チツプ支持台３の後方は工
作機械の回転軸に挟持するための把持部７となつ
ているが、この円筒状切刃チツプ支持台３の内部
の奥は空間部６となつており、ここから外部へ通
じる切粉を逃がすための窓５が穿設されている。

而して、以上のように構成したリーマ１におい
て、第１図に示す矢印の方向に回転させ且つ軸方
向に送りがかけられた時、切刃チツプ２によつて
削り取られた切粉Ｗは、常に切刃チツプ２の刃面
２Ａから円筒中心０へ向かう方向に走るので円筒
状切刃チツプ支持台３に設けた切欠４を通つて、
更にリーマの内部奥空間６の方向へ入ることにな
る。そして内部奥空間６に留つた切粉Ｗは、更に
窓穴５から外部へ放出されるのである。実施例で
は切刃チツプ２を４個使用した場合について説明
したが、この切刃チツプの個数は３個でも良く、
また円筒状切刃チツプ支持台３と一体に設けるこ
ともでき、この考案はこれら変形例を含む。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、この考案は仕上げ加工用
のリーマとして、上記するような構造としたので
切粉の目詰まりによる切刃チツプの損傷を防止す
ることが出来る。そしてまた、切刃チツプを均等
に配置したことによつて、切削抵抗による力がバ
ランスするためツールのたわみがなくなり、精度
の良い仕上げ加工が出来且つ工具としての寿命も
大幅に延ばすことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図１はこの考案にかかるリーマの刃先の正
面図で２は側面図である。第２図は切刃の刃面外
端斜線が円筒状切刃チツプ支持台の円筒端部を底
面とする円錐体の円錐面にあることを示すための
リーマの刃先部側面図である。第３図１はこの考
案にかかるリーマ１の中央部の平面図であり、２
は正面図である。第４図はリーマ刃先部の斜視図
である。 １……リーマ、２……切刃チツプ、３……円筒
状切刃チツプ支持台、４……切欠、５……窓穴、
６……リーマ内部奥空間、１０……円錐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空の円筒状切刃チツプ支持台の端部に、切刃
   チツプの刃面が前記円筒状切刃チツプ支持台の円
   筒の切接方向に対して直角であり且つ該刃面外端
   斜線が円筒の中心軸と一致し該円筒状切刃チツプ
   支持台の端部を底面とする円錐体の円錐面上にあ
   るよう複数個の切刃チツプを等角度間隔に付設す
   るとともに、前記円筒状切刃チツプ支持台の円筒
   部には、一面が前記切刃チツプの刃面とほぼ同じ
   線上にあり且つ他の面が曲線となるような略三角
   形状の切欠と前記円筒状切刃チツプ支持台の内部
   奥に窓穴を穿設したことを特徴とするリーマ。