JPH0440713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、装飾、マスコツト等として用いられ
る縫いぐるみに関する。

【従来の技術】

玩具、装飾、マスコット等に用いられる縫いぐ
るみは、多くは動物の形態を形どつて、ボア等の
有毛のシート状物で作られた袋体の中に詰物を入
れることによつて作られている。従つて、縫いぐ
るみを抱いたときにボア等の表面の毛が、抱いた
人の手等の身体に触れて、その柔かさ等の感触を
得るが、縫いぐるみ自体は、抱いた人の体温より
も高いことはないので縫いぐるみから熱を受ける
ことはなく、縫いぐるみに触れることにより温か
味を感じてもそれは、抱いた人自身の熱がボア等
の毛の断熱効果により縫いぐるみに奪われないか
らであつて、縫いぐるみから熱を受けることはな
い。

【考案が解決しようとする問題点】

猫などのペツトは人間の体温より高体温のもの
が多い。そのためペツトを抱いたときにペットか
ら抱いた人の手に熱の伝導が行なわれて温かい感
触を受けるが、縫いぐるみではそれがなく、上記
した如く、縫いぐるみを抱いたときに温か味を感
じるのは縫いぐるみ表面のボア等の断熱効果によ
るためである。 そこで、縫いぐるみ内部から発熱させ、縫いぐ
るみを抱いたときに人肌以上の温か味を得るため
に縫いぐるみ内部に、酸化鉄の化学反応を利用し
た所謂使い捨てかいろの如きものを挿入して縫い
ぐるみ内部から発熱させたものも考えられるが、
使い捨てかいろ或は他の発熱部材を内部に封入し
た場合、その都度使い捨てかいろを封入しなけれ
ばならず、また、その他の発熱手段によつては出
火の危険性も考えられる。 そこで、本考案は、上記の如き欠点を有するこ
となく、縫いぐるみ内部より受ける熱によつて縫
いぐるみ自体に体温があるかのように感じること
ができるようにした縫いぐるみを得ることを目的
としている。

【問題点を解決するための手段】

遠赤外線放射体層を一面に有する柔軟性シート
状物を、縫いぐるみ外面を被う外被シートの内側
に、前記遠赤外線放射体層が外被シート側に面す
るように積層してなる積層体により袋状に構成し
たボデイ内に詰物を封入した。

【作用】

本考案縫いぐるみは、それを抱き或は手に持つ
た場合に、柔軟性シート状物に設けた遠赤外線放
射体層が、使用者の体温により体温領域の36℃前
後に暖められると、体温により加熱された遠赤外
線放射体から遠赤外線が放射される。この遠赤外
線は人間の皮膚の下40〜50mmにまで浸透し、この
吸収された放射エネルギーは体内のイオン化作用
を促進し細胞を活性化して身体芯から暖めること
になり、あたかも生きたペツトから熱を受けるよ
うな状況となる。

【実施例】

本考案縫いぐるみ１は、動物、魚類、人間、そ
の他の適宜形状に、後述する積層体２を用いて袋
状に作られている。積層体２は、縫いぐるみの表
面側に出る例えばボア等の有毛の生地よりなる外
被シート３と、遠赤外線放射体層４を一面に有す
る柔軟性シート状物５とからなる。外被シート３
は、作られる縫いぐるみのキヤラクターによつて
は必ずしも有毛の生地に限定されることはない。 柔軟性シート状物５は、編織布、不織布、合成
樹脂フイルム、金属箔等の何れでも或はそれらを
適宜積層したものでも良い。遠赤外線放射体層４
は遠赤外線放射体６を含むもので、遠赤外線放射
体６は、加熱されることにより長波長の赤外線、
即ち遠赤外線を放射するセラミツクスが用いられ
る。上記セラミツクスは通常の粘土と木節粘土と
を混合し、これをベースとして硅石粉砕物を加
え、更にアルミニウム酸化物、又はジルコニウム
酸化物、若しくはシリコン酸化物を加え適当量の
水と共に粘結剤を加えて混練し、これを1300℃前
後の高温で焼成したものを50乃至200メツシユ効
果的には100メツシユ程度の微粒子状に粉砕した
ものである。この粉砕の程度は後述する遠赤外線
の放射に関係し、粒状が大なる程放射は大である
が、製品の感触の低下を来たす恐れが生ずる。 この遠赤外線放射体６は、体温の温度領域にお
いて波長のピークが７乃至14μの電磁波を放射す
るものであり、体温とほぼ等しい36℃前後の温度
によつて人間の赤外線吸収波長体に一致した上記
波長の遠赤外線を放射するものである。 上記遠赤外線放射体６を、例えばアクリル系樹
脂よりなるバインダー７に必要に応じ発泡剤を加
え、前記柔軟性シート状物２の両面又は片面に適
宜厚さにコーテイングし、遠赤外線放射体層４と
する。 遠赤外線放射体層３に混入された発泡剤は、コ
ーテイング後の熱処理時に発泡し、該層４内に連
続気泡８を生じる。 上記、表面に遠赤外線放射体層４を有する柔軟
性シート状物５と、前記外被シート３とを遠赤外
線放射体層４が外被シート３に向くように重ね合
わせ積層体２とする。上記重ね合わせは、単に重
ねただけでも或いはその間に接着或いはキルト等
何等かの一体化手段を用いてあつても何れでも良
い。 そして、積層体２によつて縫いぐるみ１を袋状
に縫製し、内部に詰め物９を封入し、適宜位置に
設けた袋口を閉じる。 この縫いぐるみ１を、手に持ち或は抱いた場合
に、身体からの熱が、遠赤外線放射体層４の遠赤
外線放射体６に吸収され、それにより遠赤外線放
射体６は体温とほぼ等しい36℃前後の温度とな
る。この温度の時に遠赤外線放射体６は、人間の
赤外線吸収波長帯に一致した、波長ピークが７乃
至14μの電磁波、即ち遠赤外線を放射する。この
遠赤外線は人体に良く吸収され皮膚の下40〜50mm
にまで浸透し、この吸収された放射エネルギーは
体内のイオン化作用を促進し、細胞を活性化して
身体を芯から温め、あたかも縫いぐるみが生きて
いるものの如く、縫いぐるみにより暖められてい
る感触を受ける。

【考案の効果】

本考案縫いぐるみは、遠赤外線放射体層を一面
に有する柔軟性シート状物を、外被シートの内側
に、前記遠赤外線放射体層を外被シート側に面し
て重ね合わせてなる積層体よりなる袋状身体に、
詰物を封入したために、縫いぐるみを手に持ち或
は抱くことにより暖められた縫いぐるみの遠赤外
線放射体からの遠赤外線の照射を受け、遠赤外線
により縫いぐるみを抱く人は身体内部から暖めら
れ、あたかも縫いぐるみが生きものであるかの如
き暖かな感触を得ることができるばかりでなく、
縫いぐるみ内には、特に電熱による或は化学反応
を利用した所謂使い捨てカイロの如きものを入れ
たものとは異なり幼児が使用しても全く危険のな
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案縫いぐるみの一部切除した状態
の斜視図、第２図は積層体の斜視図、第３図は遠
赤外線放射体層の断面図である。 １……縫いぐるみ、２……積層体、３……外被
シート、４……遠赤外線放射体層、５……柔軟性
シート状物、６……遠赤外線放射体、７……バイ
ンダー、８……気泡。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遠赤外線放射体層を一面に有する柔軟性シート
   状物を、外被シートの内側に、前記遠赤外線放射
   体層を外被シート側に面して重ね合わせてなる積
   層体よりなる袋状身体に、詰物を封入してなる縫
   いぐるみ。