JPH0440084B2 - - Google Patents
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- JPH0440084B2 JPH0440084B2 JP59158455A JP15845584A JPH0440084B2 JP H0440084 B2 JPH0440084 B2 JP H0440084B2 JP 59158455 A JP59158455 A JP 59158455A JP 15845584 A JP15845584 A JP 15845584A JP H0440084 B2 JPH0440084 B2 JP H0440084B2
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- Extrusion Of Metal (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明はアルミニウム押出材の製造に用いる
アルミニウム・ビレツトの製造方法に関する。 なお、この明細書において「アルミニウム」の
語はアルミニウム合金を含む意味において用いる
ものとする。 従来の技術とその問題点 アルミニウム押出材の製造のために用いるビレ
ツトは、アルミニウムのインゴツトを溶解炉中で
溶解し、半連続鋳造法によつて製造しているのが
普通である。 しかしながら、この製法によつて得られるビレ
ツトは、その組織において一般的に粗大な晶出物
を含むきわめて不均一なものである。このために
該ビレツトをそのまま用いて押出加工を行う場合
には大きな押出圧力を必要とし、加工性に劣るの
みならず、靭性にも欠ける。そこで、その組織の
均一化を図り押出性を向上させるべく、従来では
一般的に押出し前に予め均質化処理を施して押出
し加工に供している。 ところが、この均質化処理は鋳造後常温まで冷
却された状態のビレツトを所定の温度まで加熱
し、かつその所定温度を長時間維持しなければな
らないため、エネルギーの消費が多くしかも長時
間を要するるという難点があつた。 更にはまた、押出材に一層の高強度、高耐摩耗
性あるいは高弾性等を付与するため、例えばZn、
Mg、Cu、Fe、Si、Ti、Ni、Mn、Cr等の硬化元
素や高融点金属元素の類を比較的多量に添加した
所謂高濃度アルミニウム合金を用いる場合、上記
従来のビレツトの製造方法では、凝固時に鋳造割
れを生じ、ビレツトの製造自体が困難になると
か、更にはビレツトの高温での変形抵抗が著しく
高いものとなるために、押出し適性を有するビレ
ツトを得ることが困難であつた。このため、押出
材の合金組成に制約を受け、高融点金属元素等を
多く含む所謂高濃度アルミニウム合金のもつ優れ
た諸特性は予見されつつも、それを押出材として
得ることが困難な場合が多いという根本的な問題
があつた。 この発明は上記のような問題点を解消したアル
ミニウム押出材の製造方法を提供しようとするも
のである。 問題点を解決する為の手段 而して、この発明は、ビレツトの製造に高圧加
圧凝固法を採用して、晶出物の微細化したビレツ
トを作製すると共に、加圧凝固過程でビレツトが
押出しに好適する温度にまで冷却された時点で、
これをそのまま押出し加工に供するものとして、
押出し前の再加熱工程を省略し、熱エネルギーの
節減をはかるものとしたことを主たる特徴とする
ものである。 即ち、この発明は、ビレツトの作製に用いる加
圧凝固用金型を予め250〜300℃に加熱した状態の
もとに、該金型にアルミニウム溶湯の注湯を行
い、該金型内で溶融したアルミニウムを、加圧力
300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧凝固せしめるこ
とにより晶出物の微細化したビレツトを作製する
と共に、上記加圧凝固工程を、該ビレツトが押出
加工に適する所定温度にまで冷却された時点で終
了し、すぐさま該ビレツトを押出機のコンテナに
供給して押出加工を行うことを特徴とするアルミ
ニウム押出材の製造方法を要旨とする。 更に詳しく説明すれば、この発明においては、
先ずアルミニウムのインゴツトを常法によつて概
ね液相温度+100℃程度に加熱し、溶解する。そ
して、この溶湯を一般的には第1図に示すように
加圧凝固用金型1に注湯する。この加圧凝固用金
型は、押出機のコンテナを利用するものとしても
良い。上記注湯に際し、上記金型1はこれを第1
図に示すように傾斜させた状態にして注湯操作を
行うものとすることが望ましい。これは、注湯の
際にエアーを巻込んだり、表面酸化物等が混入し
たりすることをさけるためである。 また、前記金型1は、これを予め250〜300℃程
度に加熱した状態で前記注湯を行うものとする。
これによりビレツトに一層微細な組織を得ること
を可能にする。即ち、250℃程度未満であると、
注湯後前記アルミニウム2の凝固がすぐに開始し
てしまい、加圧凝固による効果が充分に達成され
難い。一方300℃をこえる高温に加熱しておくと、
冷却速度が遅くなり、晶出物が成長して上記微細
化効果を充分に達成し難いものとなる傾向がみら
れる。 注湯後、前記金型1を第2図に示すように垂直
に戻し、加圧ピストンにより加圧しながら凝固を
進行せしめることによつてビレツト4を作製す
る。即ち、加圧凝固法によつてビレツト4を作製
する。この際の加圧力は300Kgf/cm2以上に設定
することを必要とし、好ましくは500Kgf/cm2程
度とする。このように、300Kgf/cm2以上の高圧
下に溶融アルミニウムを凝固させることにより、
晶出物の微細なビレツト、即ち押出性に優れたビ
レツトを作製することができる。加圧力の上限は
特に限定されるものではないが、しかし700Kg
f/cm2をこえる加圧力を用いることは、効果にお
いて飽和し無益である。上記のように、加圧力
300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧凝固を進行せし
めてビレツトを作製することにより、従来法にお
いてビレツトの製造後に必要とした均質化処理を
行うことなく、そのまゝ押出し加工に供しうる組
織が均一でかつ晶出物が微細化したビレツトを得
ることができる。こゝに、加圧凝固により晶出物
の微細化をはかりうるのは、加圧により金型と溶
湯の間及び溶湯内の空〓が消滅し、冷却速度が増
大することが主な要因になつているものと考えら
れる。 而して、上記の如くして製造したビレツトは、
続いてこれをそのまゝ用いて、即ち均質化処理等
を施すことなく押出加工を行うが、その場合、加
圧凝固の進行によりビレツト4の温度が押出加工
に適する温度、例えば500℃前後にまで低下した
時点で加圧凝固工程を終了し、すぐさまそのビレ
ツト4を金型1から取出して、第3図に示すよう
にそのまゝ押出機のコンテナ5に供給する。そし
て、直ちにコンテナ5の一端から加圧装置6によ
り圧力を加え、他端のダイス7から押出して所要
のアルミニウム押出材を得るものとする。このよ
うに、完全に冷却される前に押出しに供すること
により、従来法において押出前に必要とした加熱
処理をも省略でき、その加熱に要するエネルギー
を節減しうると共に、時間の節約をも図りうる。
もつとも、コンテナ5に供給されたビレツト4を
所定の温度に保持するために、コンテナ5に備え
られた加熱装置8を適宜使用するが、この場合で
もいつたん冷却されたビレツトを再び加熱して押
出す場合のようなエネルギー消費を必要としない
利点を享受しうる。 発明の効果 この発明は上述の次第で、ビレツトを作製する
のに、予め250〜300℃に加熱した加圧凝固用金型
を用い、溶融したアルミニウムを上記金型に注湯
したのち加圧力300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧
凝固せしめる方法を採用しているため、晶出物の
微細な、しかも均質な押出性に優れたビレツトを
得ることができる。このことは、従来法によつて
得られたビレツトの場合に必須とした均質化処理
を不要とすることを意味し、該処理のために要し
ていた多大な熱エネルギー及び時間を省略しうる
と共に、晶出物の微細な押出性に優れたビレツト
が得られるため、次工程の押出加工に際しての所
要押出圧力を減少しうる。 また、上記のように均一微細な組織のビレツト
が得られることにより、高融点金属元素を多量に
含んだ所謂高濃度アルミニウム合金の場合にあつ
ても、鋳造割れを生じさせることなく、押出適性
のあるビレツトに製造することが可能となり、ひ
いては従来のビレツトの製造方法では製造が不可
能ないしは著しく困難であつたような高濃度アル
ミニウム合金による押出材の製造をもこれを可能
にする効果がある。 更にまた、上記加圧凝固工程をビレツトが所定
の押出加工に適する温度にまで冷却された時点で
終了し、すぐさま該ビレツトを押出機のコンテナ
に供給して押出加工を行うものであるから、従来
法のように一旦冷却されたビレツトを押出加工に
際してこれを予め押出しに適する温度になるまで
加熱する必要がない。従つて、その加熱に要する
エネルギーを節減しうると共に、時間の節約をも
図りうる。このように、この発明によれば、従来
法におけるビレツトの物質化のための加熱工程及
び押し出し前の再加熱工程を省略しうることか
ら、それらに要するエネルギー消費を大幅に減少
しうるのはもとより、全工程に要する時間を短縮
しうるため、製造効率の向上および製造コストの
低減を図りうる効果がある。 実施例 次にこの発明の実施例を比較例とともに示す。 実施例 A6063の純度を有するアルミニウム合金を溶解
炉にて溶解して720℃の溶湯を得、これを予め270
℃に加熱された加圧凝固用金型に該金型を傾けた
状態で所定量注湯した。その後、金型を垂直にも
どし、500Kgf/cm2の圧力で加圧凝固操作を行い、
ビレツトを作製した。そして、上記の加圧凝固工
程でビレツトが500℃まで冷却された時点で、こ
れを凝固用金型から取出し、すぐさま押出機のコ
ンテナに供給し、そのまま押出加工を行つた。こ
れにより30mm巾×3mm厚の平板状アルミニウム押
出材を得た。 そこで、この押出材を、150℃で7時間の時効
硬化処理を行つた後、その機械的性質を調べた。
また、上記ビレツトの冷却後の状態での金属間化
合物等の晶出物の平均結晶粒径を調べた。 比較例 上記実施例と同じアルミニウム合金を用い、従
来法にしたがつてそれを溶解後凝固用金型に注湯
したのち、圧力をかけることなく凝固せしめてビ
レツトを製造した。 然るのち、該ビレツトを常法にしたがつて均質
化処理し、予め加熱してから実施例と同一寸法の
平板状の押出材に製作し、前記同様の時効硬化処
理を行つた後のその機械的性質を調べた。また、
凝固後のビレツトの段階での晶出物の平均結晶粒
径を調べた。 これらの結果を第1表に示す。
アルミニウム・ビレツトの製造方法に関する。 なお、この明細書において「アルミニウム」の
語はアルミニウム合金を含む意味において用いる
ものとする。 従来の技術とその問題点 アルミニウム押出材の製造のために用いるビレ
ツトは、アルミニウムのインゴツトを溶解炉中で
溶解し、半連続鋳造法によつて製造しているのが
普通である。 しかしながら、この製法によつて得られるビレ
ツトは、その組織において一般的に粗大な晶出物
を含むきわめて不均一なものである。このために
該ビレツトをそのまま用いて押出加工を行う場合
には大きな押出圧力を必要とし、加工性に劣るの
みならず、靭性にも欠ける。そこで、その組織の
均一化を図り押出性を向上させるべく、従来では
一般的に押出し前に予め均質化処理を施して押出
し加工に供している。 ところが、この均質化処理は鋳造後常温まで冷
却された状態のビレツトを所定の温度まで加熱
し、かつその所定温度を長時間維持しなければな
らないため、エネルギーの消費が多くしかも長時
間を要するるという難点があつた。 更にはまた、押出材に一層の高強度、高耐摩耗
性あるいは高弾性等を付与するため、例えばZn、
Mg、Cu、Fe、Si、Ti、Ni、Mn、Cr等の硬化元
素や高融点金属元素の類を比較的多量に添加した
所謂高濃度アルミニウム合金を用いる場合、上記
従来のビレツトの製造方法では、凝固時に鋳造割
れを生じ、ビレツトの製造自体が困難になると
か、更にはビレツトの高温での変形抵抗が著しく
高いものとなるために、押出し適性を有するビレ
ツトを得ることが困難であつた。このため、押出
材の合金組成に制約を受け、高融点金属元素等を
多く含む所謂高濃度アルミニウム合金のもつ優れ
た諸特性は予見されつつも、それを押出材として
得ることが困難な場合が多いという根本的な問題
があつた。 この発明は上記のような問題点を解消したアル
ミニウム押出材の製造方法を提供しようとするも
のである。 問題点を解決する為の手段 而して、この発明は、ビレツトの製造に高圧加
圧凝固法を採用して、晶出物の微細化したビレツ
トを作製すると共に、加圧凝固過程でビレツトが
押出しに好適する温度にまで冷却された時点で、
これをそのまま押出し加工に供するものとして、
押出し前の再加熱工程を省略し、熱エネルギーの
節減をはかるものとしたことを主たる特徴とする
ものである。 即ち、この発明は、ビレツトの作製に用いる加
圧凝固用金型を予め250〜300℃に加熱した状態の
もとに、該金型にアルミニウム溶湯の注湯を行
い、該金型内で溶融したアルミニウムを、加圧力
300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧凝固せしめるこ
とにより晶出物の微細化したビレツトを作製する
と共に、上記加圧凝固工程を、該ビレツトが押出
加工に適する所定温度にまで冷却された時点で終
了し、すぐさま該ビレツトを押出機のコンテナに
供給して押出加工を行うことを特徴とするアルミ
ニウム押出材の製造方法を要旨とする。 更に詳しく説明すれば、この発明においては、
先ずアルミニウムのインゴツトを常法によつて概
ね液相温度+100℃程度に加熱し、溶解する。そ
して、この溶湯を一般的には第1図に示すように
加圧凝固用金型1に注湯する。この加圧凝固用金
型は、押出機のコンテナを利用するものとしても
良い。上記注湯に際し、上記金型1はこれを第1
図に示すように傾斜させた状態にして注湯操作を
行うものとすることが望ましい。これは、注湯の
際にエアーを巻込んだり、表面酸化物等が混入し
たりすることをさけるためである。 また、前記金型1は、これを予め250〜300℃程
度に加熱した状態で前記注湯を行うものとする。
これによりビレツトに一層微細な組織を得ること
を可能にする。即ち、250℃程度未満であると、
注湯後前記アルミニウム2の凝固がすぐに開始し
てしまい、加圧凝固による効果が充分に達成され
難い。一方300℃をこえる高温に加熱しておくと、
冷却速度が遅くなり、晶出物が成長して上記微細
化効果を充分に達成し難いものとなる傾向がみら
れる。 注湯後、前記金型1を第2図に示すように垂直
に戻し、加圧ピストンにより加圧しながら凝固を
進行せしめることによつてビレツト4を作製す
る。即ち、加圧凝固法によつてビレツト4を作製
する。この際の加圧力は300Kgf/cm2以上に設定
することを必要とし、好ましくは500Kgf/cm2程
度とする。このように、300Kgf/cm2以上の高圧
下に溶融アルミニウムを凝固させることにより、
晶出物の微細なビレツト、即ち押出性に優れたビ
レツトを作製することができる。加圧力の上限は
特に限定されるものではないが、しかし700Kg
f/cm2をこえる加圧力を用いることは、効果にお
いて飽和し無益である。上記のように、加圧力
300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧凝固を進行せし
めてビレツトを作製することにより、従来法にお
いてビレツトの製造後に必要とした均質化処理を
行うことなく、そのまゝ押出し加工に供しうる組
織が均一でかつ晶出物が微細化したビレツトを得
ることができる。こゝに、加圧凝固により晶出物
の微細化をはかりうるのは、加圧により金型と溶
湯の間及び溶湯内の空〓が消滅し、冷却速度が増
大することが主な要因になつているものと考えら
れる。 而して、上記の如くして製造したビレツトは、
続いてこれをそのまゝ用いて、即ち均質化処理等
を施すことなく押出加工を行うが、その場合、加
圧凝固の進行によりビレツト4の温度が押出加工
に適する温度、例えば500℃前後にまで低下した
時点で加圧凝固工程を終了し、すぐさまそのビレ
ツト4を金型1から取出して、第3図に示すよう
にそのまゝ押出機のコンテナ5に供給する。そし
て、直ちにコンテナ5の一端から加圧装置6によ
り圧力を加え、他端のダイス7から押出して所要
のアルミニウム押出材を得るものとする。このよ
うに、完全に冷却される前に押出しに供すること
により、従来法において押出前に必要とした加熱
処理をも省略でき、その加熱に要するエネルギー
を節減しうると共に、時間の節約をも図りうる。
もつとも、コンテナ5に供給されたビレツト4を
所定の温度に保持するために、コンテナ5に備え
られた加熱装置8を適宜使用するが、この場合で
もいつたん冷却されたビレツトを再び加熱して押
出す場合のようなエネルギー消費を必要としない
利点を享受しうる。 発明の効果 この発明は上述の次第で、ビレツトを作製する
のに、予め250〜300℃に加熱した加圧凝固用金型
を用い、溶融したアルミニウムを上記金型に注湯
したのち加圧力300Kgf/cm2以上の高圧下に加圧
凝固せしめる方法を採用しているため、晶出物の
微細な、しかも均質な押出性に優れたビレツトを
得ることができる。このことは、従来法によつて
得られたビレツトの場合に必須とした均質化処理
を不要とすることを意味し、該処理のために要し
ていた多大な熱エネルギー及び時間を省略しうる
と共に、晶出物の微細な押出性に優れたビレツト
が得られるため、次工程の押出加工に際しての所
要押出圧力を減少しうる。 また、上記のように均一微細な組織のビレツト
が得られることにより、高融点金属元素を多量に
含んだ所謂高濃度アルミニウム合金の場合にあつ
ても、鋳造割れを生じさせることなく、押出適性
のあるビレツトに製造することが可能となり、ひ
いては従来のビレツトの製造方法では製造が不可
能ないしは著しく困難であつたような高濃度アル
ミニウム合金による押出材の製造をもこれを可能
にする効果がある。 更にまた、上記加圧凝固工程をビレツトが所定
の押出加工に適する温度にまで冷却された時点で
終了し、すぐさま該ビレツトを押出機のコンテナ
に供給して押出加工を行うものであるから、従来
法のように一旦冷却されたビレツトを押出加工に
際してこれを予め押出しに適する温度になるまで
加熱する必要がない。従つて、その加熱に要する
エネルギーを節減しうると共に、時間の節約をも
図りうる。このように、この発明によれば、従来
法におけるビレツトの物質化のための加熱工程及
び押し出し前の再加熱工程を省略しうることか
ら、それらに要するエネルギー消費を大幅に減少
しうるのはもとより、全工程に要する時間を短縮
しうるため、製造効率の向上および製造コストの
低減を図りうる効果がある。 実施例 次にこの発明の実施例を比較例とともに示す。 実施例 A6063の純度を有するアルミニウム合金を溶解
炉にて溶解して720℃の溶湯を得、これを予め270
℃に加熱された加圧凝固用金型に該金型を傾けた
状態で所定量注湯した。その後、金型を垂直にも
どし、500Kgf/cm2の圧力で加圧凝固操作を行い、
ビレツトを作製した。そして、上記の加圧凝固工
程でビレツトが500℃まで冷却された時点で、こ
れを凝固用金型から取出し、すぐさま押出機のコ
ンテナに供給し、そのまま押出加工を行つた。こ
れにより30mm巾×3mm厚の平板状アルミニウム押
出材を得た。 そこで、この押出材を、150℃で7時間の時効
硬化処理を行つた後、その機械的性質を調べた。
また、上記ビレツトの冷却後の状態での金属間化
合物等の晶出物の平均結晶粒径を調べた。 比較例 上記実施例と同じアルミニウム合金を用い、従
来法にしたがつてそれを溶解後凝固用金型に注湯
したのち、圧力をかけることなく凝固せしめてビ
レツトを製造した。 然るのち、該ビレツトを常法にしたがつて均質
化処理し、予め加熱してから実施例と同一寸法の
平板状の押出材に製作し、前記同様の時効硬化処
理を行つた後のその機械的性質を調べた。また、
凝固後のビレツトの段階での晶出物の平均結晶粒
径を調べた。 これらの結果を第1表に示す。
【表】
第1表の結果から明らかなように、この発明に
係る製造方法によつて得られたアルミニウム押出
用ビレツトは、従来法によつて得られたアルミニ
ウム押出用ビレツトと比較して金属間化合物等の
晶出物の平均粒径の小さい均一かつ微細な組織を
有するものであり、均質化処理することなく押出
適性に優れたものとなつていることを確認し得
た。従つてまた、これをそのまゝ押出すことが可
能であり、かつまたこの押出しによつて得られる
押出材においても、従来法によるものに較べて、
機械的性質において同等以上であり、特に引張強
さ及び耐力において改善されたものとなることが
分かつた。また、実施例及び比較例のいずれの押
出材も、アルマイト性、組織の均一性、微細さの
点において同程度の問題のないものであつた。
係る製造方法によつて得られたアルミニウム押出
用ビレツトは、従来法によつて得られたアルミニ
ウム押出用ビレツトと比較して金属間化合物等の
晶出物の平均粒径の小さい均一かつ微細な組織を
有するものであり、均質化処理することなく押出
適性に優れたものとなつていることを確認し得
た。従つてまた、これをそのまゝ押出すことが可
能であり、かつまたこの押出しによつて得られる
押出材においても、従来法によるものに較べて、
機械的性質において同等以上であり、特に引張強
さ及び耐力において改善されたものとなることが
分かつた。また、実施例及び比較例のいずれの押
出材も、アルマイト性、組織の均一性、微細さの
点において同程度の問題のないものであつた。
図面はこの発明の実施態様を示すもので、第1
図は溶融したアルミニウムの加圧凝固用金型への
注湯状態を示す断面図、第2図は加圧凝固工程の
概略断面図、第3図は押出工程の概略断面図であ
る。 1…加圧凝固用金型、2…溶融状態のアルミニ
ウム、3…加圧ピストン、4…ビレツト、5…コ
ンテナ、6…加圧装置、7…ダイス、8…加熱装
置。
図は溶融したアルミニウムの加圧凝固用金型への
注湯状態を示す断面図、第2図は加圧凝固工程の
概略断面図、第3図は押出工程の概略断面図であ
る。 1…加圧凝固用金型、2…溶融状態のアルミニ
ウム、3…加圧ピストン、4…ビレツト、5…コ
ンテナ、6…加圧装置、7…ダイス、8…加熱装
置。
Claims (1)
- 1 ビレツトの作製に用いる加圧凝固用金型を予
め250〜300℃に加熱した状態のもとに、該金型に
アルミニウム溶湯の注湯を行い、該金型内で溶融
したアルミニウムを、加圧力300Kgf/cm2以上の
高圧下に加圧凝固せしめることにより晶出物の微
細化したビレツトを作製すると共に、上記加圧凝
固工程を、該ビレツトが押出加工に適する所定温
度にまで冷却された時点で終了し、すぐさま該ビ
レツトを押出機のコンテナに供給して押出加工を
行うことを特徴とするアルミニウム押出材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15845584A JPS6137315A (ja) | 1984-07-27 | 1984-07-27 | アルミニウム押出材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15845584A JPS6137315A (ja) | 1984-07-27 | 1984-07-27 | アルミニウム押出材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6137315A JPS6137315A (ja) | 1986-02-22 |
JPH0440084B2 true JPH0440084B2 (ja) | 1992-07-01 |
Family
ID=15672123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15845584A Granted JPS6137315A (ja) | 1984-07-27 | 1984-07-27 | アルミニウム押出材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6137315A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01130811A (ja) * | 1987-11-16 | 1989-05-23 | Showa Alum Corp | Al−Li系合金押出材の製造方法 |
CN111515348B (zh) * | 2020-05-18 | 2021-08-27 | 安徽众成合金科技有限公司 | 一种用于银铜合金棒材的铸锭热成型设备 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5517670A (en) * | 1978-07-24 | 1980-02-07 | Isuzu Motors Ltd | Preheating controller for engine |
-
1984
- 1984-07-27 JP JP15845584A patent/JPS6137315A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5517670A (en) * | 1978-07-24 | 1980-02-07 | Isuzu Motors Ltd | Preheating controller for engine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6137315A (ja) | 1986-02-22 |
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