JPH044003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は液体や軟粘性物（以下、単に液体と総
称する）中に溶存する気体を取り除すための脱気
装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 液体中に存在する空気等の気体（以下、溶存ガ
スと称する）を取り除くために、従来から種々の
脱気装置や脱気塔が提案されているが、いずれの
ものも液体の製造プロセスや輸送配管プロセスの
中に組込んで、脱気すべき液体から溶存ガス分を
取り除いた後、目的の場所へ輸送しなければなら
なかつた。換言すれば、従来の脱気装置や脱気塔
では液体中から溶存ガスを脱気するだけで、液体
の輸送機能を有していないので、液体の製造プロ
セスや輸送配管プロセス等に組込むと、その分広
い設置スペースを必要とし構成設備的に不利とな
ると共に、脱気装置で脱気した液体を目的の場所
（脱気した液体の供給先）に輸送している間に再
び空気等の気体を取り込んでしまうことがあるな
どの不都合があつた。

＜発明が解決しようとする課題＞ 本発明はこの様な従来の不都合に鑑みてなされ
たものであり、液体中から溶存ガスを連続して脱
気することが出来ると同時に、脱気しながらその
脱気した液体を目的の場所（脱気した液体の供給
先）へ輸送することが出来る輸送機能をも備えた
脱気装置を提供せんとするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 斯る目的を達成する本発明の脱気装置は、気体
のみを通し液体の透過を阻止するチユーブを十分
に長く形成し、該チユーブの入口側と出口側に
各々接続口を設け、上記入口側接続口を脱気すべ
き液体の供給源に送液ポンプを介して連通接続さ
せ前記出口側接続口を脱気した液体の供給先に連
通接続せしめ、該チユーブ内に脱気すべき液体を
前記送液ポンプでもつて加圧送流させるようにし
た事を特徴としたものである。

＜作用＞ 送液ポンプでもつて脱気すべき液体を入口側接
続口からチユーブ内に加圧送液させると、脱気す
べき液体に圧力がかかるのでその液体中の溶存ガ
スがチユーブを通して外へ排出されて連続的に脱
気されると同時に、脱気された液体が出口側接続
口から目的の場所（脱気した液体の供給先）へ連
続的に供給されることになる。

＜実施例＞ 以下、本発明実施の一例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本発明に係る脱気装置の概念図であ
り、脱気すべき液体ａの供給源Ｂと脱気した液体
の供給先Ｅとの間に、気体のみを通し液体の透過
を阻止する１本乃至複数本のチユーブ１で構成し
た脱気装置本体Ａを連通状に設けると共に、脱気
すべき液体ａを脱気装置本体Ａのチユーブ１内へ
加圧送流させるための送液ポンプＣと、脱気装置
本体Ａの出口側にも圧力を立てるためのフローコ
ントローラ等の抵抗部材Ｄを組込んで構成されて
いる。

脱気装置本体Ａは基本的に１本乃至は複数本の
チユーブ１で構成され、チユーブ１の入口側１ａ
と出口側１ｂに各々接続口Aa，Abを連通状に取
付けると共に、その入口側接続口Aaを脱気すべ
き液体ａの供給源Ｂに送液ポンプＣを介して連通
接続させ、出口側接続口Abを脱気した液体ｂの
供給先Ｅに連通接続させる。

チユーブ１は気体のみを通し液体の透過を阻止
する膜材、例えばふつ素樹脂やシリコン樹脂から
なる膜材を用いてチユーブ状に成形してなり、そ
の内径や肉厚や長さは脱気すべき液体ａの性質や
流量及び材質並びに要求される脱気量（脱気の程
度）に応じて選択されるが、脱気した液体を目的
の場所（脱気した液体の供給先）へ輸送し得る程
度に十分に長く形成するものである。そして、こ
のチユーブ１の入口側１ａを脱気装置本体Ａの入
口側接続口Aaに取付けた支持板２ａに挿通接続
させ、出口側１ｂを脱気装置本体Ａの出口側接続
口Abに取付けた支持板２ｂに挿通接続させる。

送液ポンプＣは脱気すべき液体ａを脱気装置本
体Ａのチユーブ１内に所定の圧力でもつて加圧送
流させて、チユーブ１の入口側１ａから入る脱気
すべき液体ａに常時所定の圧力を加えるようにす
るためのものであり、脱気すべき液体ａの供給源
Ｂと脱気装置本体Ａとの間に組込む。

又、抵抗部材Ｄはチユーブ１の出口側１ｂにも
入口側１ａより低い圧力を立てて効率的な脱気を
行うためのものであり、好ましくはフローコント
ローラを用い、メツシユフイルターまたはニード
ル弁などの調整弁等を用いても良い。即ち、チユ
ーブ１の入口側１ａから脱気すべき液体ａを所定
の圧力でもつて加圧送流させても、チユーブ１が
長いとその出口側１ｂでは脱気すべき液体ａにほ
とんど圧力が加わらない状態となるので、チユー
ブ１の出口側１ｂに液体の流れを阻害するための
フローコントローラやメツシユフイルターまたは
ニードル弁などの抵抗部材Ｄを接続させて圧力を
立てることにより、チユーブ１の出口側１ｂを流
通している液体にも所定の圧力が加わるようにな
し、チユーブ１の全体に亘つて脱気作用を発揮で
きるようにするものである。尚、この抵抗部材Ｄ
はチユーブ１の内径が比較的太い場合に有用であ
り、チユーブ１の内径が比較的細い場合には必ら
ずしも必要としないものである。又、抵抗部材Ｄ
としてフローコントローラを使用すれば、一定脱
気量に脱気された液体を一定流量でもつて容易に
得ることが出来るようになる。

而して、脱気すべき液体ａを供給源Ｂから送液
ポンプＣでもつて所定の圧力で脱気装置本体Ａの
入口側接続口Aaを通してチユーブ１の入口側１
ａから加圧送流させると、脱気すべき液体ａがチ
ユーブ１内を流通している間に脱気すべき液体ａ
から溶存ガス分がチユーブ１を通して外へ排出さ
れ、所要脱気量に脱気された液体ｂがチユーブ１
の出口側１ｂを通して脱気装置本体Ａの出口側接
続口Abから供給先Ｅへ供給される。

＜発明の効果＞ 本発明脱気装置は斯様に構成したので、液体中
から溶存ガスを連続して脱気することが出来ると
同時に、脱気しながらその脱気した液体を目的の
場所（脱気した液体の供給先）へ輸送することが
出来るようになる。従つて、化学工場や薬品工
業、半導体製造工業、食品・飲料水工業、液体ク
ロマトグラフ等、その液体中に空気等の気体が溶
存していると具合が悪かつたり好ましくない液体
の製造プロセスや輸送配管プロセスに、液体の輸
送用配管を兼て組込みことが出来、従来では脱気
装置と輸送用配管を別個に必要としていたプロセ
スにおいて輸送用配管が不要となり、その分設備
や装置を小型化し得ると共に、コストの低減化を
図ることが出来る。

即ち、例えば、溶存ガス分が存在すると正しい
測定値が得られない液体クロマトグラフにおける
溶液（溶媒液やサンプル液など）の供給用配管と
して、また空気等の溶存ガス分が存在すると品質
の早期低下や劣化を来たす薬品や化学、食品、飲
料水の製造プロセスや輸送配管プロセスにおける
配管として、又は自動車のブレーキオイルや燃料
を供給するための配管として、或いは一般水道に
おける配管など、その液体中に空気等の気体が溶
存していると具合が悪かつたり好ましくない液体
を扱う配管と兼用して使用すると有効である。

よつて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る脱気装置の概念図、第２
図は要部の一実施例を示す断面図、第３図は第２
図の３−３線断面図である。 図中、Ａは脱気装置本体、Ｂは供給源、Ｃは送
液ポンプ、Ｄは抵抗部材、Ｅは供給先、１はチユ
ーブ、である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 気体のみを通し液体の透過を阻止するチユー
   ブを十分に長く形成し、該チユーブの入口側と出
   口側に各々接続口を設け、上記入口側接続口を脱
   気すべき液体の供給源に送液ポンプを介して連通
   接続させ前記出口側接続口を脱気した液体の供給
   先に連通接続せしめ、該チユーブ内に脱気すべき
   液体を前記送液ポンプでもつて加圧送流させるよ
   うにした事を特徴とする脱気装置。