JPH0438945B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明は、自動車用エンジンの部品として適し
た樹脂製プーリに関する。 従来の技術 自動車用部品の小型軽量化が進む中で、歯付プ
ーリ、Ｖプーリにおいても、軽量化、高性能化が
求められており、焼結プーリから樹脂製プーリへ
の移行が検討されている。 自動車用プーリとしては、優れたベルト耐摩耗
性と共に寸法精度、耐熱性も要求され、ガラス繊
維を充填材としたフエノール樹脂製プーリや綿布
を充填材としたフエノール樹脂製プーリが検討さ
れている。 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記ガラス繊維を充填材としたもの
は、ベルトを摩耗させやすく、一方、綿布を充填
材としたものは、プーリの寸法精度、耐熱性の点
で不十分である。 本発明は、ベルト耐摩耗性を向上させ、寸法精
度、耐熱性に優れた樹脂製プーリを提供すること
を目的とする。 問題点を解決しようとするための手段 上記の目的を達成するために本発明は、樹脂製
プーリをフエノールアラルキル樹脂とノボラツク
樹脂の混合樹脂で成形したものであつて、その主
たる充填材として芳香族ポリアミド繊維を配合し
たことを特徴とするものである。 作 用 本発明は、ノボラツク樹脂に耐摩耗性の優れた
フエノールアラルキル樹脂を配合したことで耐摩
耗性が改善され、芳香族ポリアミド繊維の充填に
より、耐熱性と寸法精度の向上を図つている。そ
して、硬度が低く耐摩耗性に優れた芳香族ポリア
ミド繊維の存在により、ベルトの摩耗の減少を図
つたものである。 実施例 本発明に用いるフエノールアラルキル樹脂、ノ
ボラツク樹脂は、通常市販されているものが使用
でき、硬化剤としてヘキサミンが配合される。 これらフエノールアラルキル樹脂、ノボラツク
樹脂、芳香族ポリアミド繊維は、通常用いられる
着色剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤等と共にロ
ールなとで混合混練後粉砕して成形材料とされ
る。これを、圧縮成形、トランスフアー成形、射
出成形等に供し、プーリを成形する。 実施例１〜２、比較例１〜２ 第１表に示した配合組成（重量部）の材料をロ
ールで混合混練後粉砕して成形材料となし、これ
を用いてＶプーリを成形した。成形は、100T射
出成形機を用い、金型温度180℃、シリンダ温度
（前部90℃、後部50℃）で行なつた。 各Ｖプーリのベルトについての摩耗の程度、並
びにＶプーリの耐熱性、寸法安定性の評価結果を
第１表に併せて示す。ベルトの摩耗の程度は、通
常のゴムを主体としたベルトをＶプーリにかけ、
5000rpmで200時間回転させた後の状況を目視に
て評価した。また、耐熱性、寸法安定性について
は、ベルトの摩耗試験後の寸法変化率で評価し
た。

【表】 〓プーリ摩耗〓 △：やや摩耗有
×：摩耗著しい
発明の効果 第１表から明らかなように、本発明は、フエノ
ールアラルキル樹脂とノボラツク樹脂、および充
填材の芳香族ポリアミド繊維の組合わせにより、
耐熱性、寸法安定性が良好で、ベルトの摩耗並び
にプーリ自体の摩耗も小さいものである点、その
工業的価値は極めて大なるものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. フエノールアラルキル樹脂とノボラツク樹脂の
   混合樹脂で成形され、主たる充填材として芳香族
   ポリアミド繊維が配合されてなる樹脂製プーリ。