JPH043891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ウエビング装着時の乗員居住性を向
上するウエビング支持構造に関する。

〔従来技術及び考案が解決しようとする問題点〕

従来、例えばオートマチツクシートベルト装置
では、ガイドレールが車両のルーフサイドからセ
ンターピラー近傍にかけて配設され、このガイド
レールに沿つて移動するスライダにウエビングの
一端が係止されたシヨルダアンカプレートが取り
付けられている。

ここで、乗員へウエビングを装着される動作中
にウエビングは係止部から直接巻取装置に引つ張
られる為、ウエビング端部付近が乗員の頭部方向
へ接近し座席の位置又は乗員の体格によつては乗
員の体と接触する場合がある。

従つて、シヨルダアンカプレートに剛性の高い
ステイフナを取付けウエビングをシヨルダアンカ
プレートの端面に沿つた状態に維持させ、ウエビ
ングの端部と乗員との間に間〓を設けている。

ところが、この剛性が均一であると乗員との間
〓が広くなりすぎ最適なウエビング装置位置とな
らないため、長手寸法の異なる複数のステイフナ
を重ね合わせて取付け、シヨルダアンカプレート
との係止部から先端方向にかけて徐々に湾曲する
ようにしている。

しかしながら、ステイフナを複数重ねることは
作業性を低減させるばかりでなく、重量が増加す
る。

本考案は上記事実を考慮し、ウエビングに損傷
を与えることなく、単一のステイフナによつて、
ウエビングの曲率半径を除々に変化させていき、
最適なウエビング装着状態とすると共にステイフ
ナの組付作業性を向上することができるウエビン
グ支持構造を得ることが目的である。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案に係るウエビング支持構造は、ウエビン
グの一端が係止されたシヨルダアンカプレート
と、前記シヨルダアンカプレートに取付けられウ
エビングをシヨルダアンカプレートの端面に沿つ
た状態に維持させ少なくとも先端部にウエビング
をウエビングの幅方向に亘つて支持する辺を備え
ると共にシヨルダアンカプレートへの係止部から
先端部にかけて除々に開口面積が増大するように
孔が穿設されたステイフナと、を有している。

これにより、ウエビングの係止部と乗員の肩口
との間が離れていても、ウエビングはステイフナ
の弾性力により案内される。この弾性力は、係止
部から先端部にかけて除々に開口面積が増大する
孔によつて、除々に変化するため、ステイフナ
は、除々に曲率半径が変化し、ウエビングを確実
に乗員の肩口へと案内することができ、最適なウ
エビング装着状態とすることができる。

また、複数のステイフナを必要としないので、
軽量となり、部品点数も少なくなる。

〔実施例の構成〕

第１図には、本考案に係るウエビング支持構造
１０が適用されたオートマチツクシートベルト装
置１２の実施例が示されている。

車両１４のルーフサイド近傍には、ガイドレー
ル１６が取付けられ、後端部はセンターピラー１
８に沿つて車両１４のフロア方向に屈曲されてい
る。

このガイドレール１６の下端面には図示しない
溝が形成されており、この溝を通してスライダ１
８の一部が挿入されている。スライダ１８は、こ
の溝内で図示しない可撓性を有するテープに嵌合
されており、このテープの移動に伴つてガイドレ
ール１６の先端から後端迄の間を往復するように
なつている。

第２図及び第３図に示される如く、スライダ１
８には、シヨルダアンカプレート２０がボルト２
２で取付けられスライダ１８と共に移動するよう
になつている。このシヨルダアンカプレート２０
の一方には、長孔２４が貫通されており、ウエビ
ング２６の一端部が巻掛けられ、反転したウエビ
ング２６Ａがウエビング２６の中間部に係止され
ている。

第１図に示される如く、ウエビング２６の他方
の端部は、車両１４のセンターコンソール近傍に
配設された巻取装置２８に巻き取られており、中
間部が乗員３０へ装着されるようになつている。

第４図に示される如く、ウエビング２６のシヨ
ルダアンカプレート２０への係止部には、ステイ
フナ３２が取付けられている。ステイフナ３２
は、合成樹脂製又は薄肉の矩形状鋼板製で所定の
剛性を有しており、一端部がシヨルダアンカプレ
ート２０の長孔２４近傍でシヨルダアンカプレー
ト２０にリベツト３４でかしめられ、中間部から
他方の端部にかけてウエビング２６の端面に縫合
され巻掛けられたウエビング２６Ａとの間に配置
され、外方からは見えないようになつている。ま
た、ステイフナ３２は、矩形状であるので、先端
部はウエビング２６の幅方向全域に亘つて支持す
る辺を有している。このため、ウエビング２６の
重みによるステイフナ３２への荷重が集中するこ
とが防止されている。

また、ステイフナ３２には貫通孔３６が設けら
れている。この貫通孔３６は、シヨルダアンカプ
レート２０との係止部側を頂点とする略三角形状
とされている。

これにより、ステイフナ３２は剛性が不均一と
なり、シヨルダアンカプレート２０から徐々に剛
性が低くなつている。従つてこのステイフナ３２
が固着されたウエビング２６がステイフナ３２の
剛性に比例して、ステイフナ３２の先端部に向か
う程曲率が大きくなつている。

ステイフナ３２の長さ寸法は乗員３０の着座状
態における肩位置までの長さとされており、巻取
装置による巻取力でウエビング２６が引つ張られ
ても乗員の首筋や肩等に干渉することがないよう
になつている。

〔実施例の作用〕

乗員３０が車両１４に乗車する際には、ウエビ
ング２６はスライダ１８がガイドレール１６の先
端位置に移動して乗車空間が確保されているの
で、容易に乗車することができる。

乗員３０が着座後手動スイツチ等の作動によ
り、スライダ１８がガイドレール１６に沿つて移
動し、ガイドレール１６の後端位置に達すると、
乗員は自動的にウエビング２６の装着状態となる
ことが出来る。

ここで、シヨルダアンカプレート２０とウエビ
ング２６との間には、ステイフナ３２が取付けら
れているので、ウエビング２６は、シヨルダアン
カプレート２０との係止部からステイフナ３２の
長さ分だけ硬直されており、これにより乗員の首
筋や顔等と干渉しないようになつている。また、
ステイフナ３２は矩形状で形成しているため、先
端部はウエビング２６の幅方向の辺が存在し、こ
の辺によつてウエビング２６を支持している。こ
のため、ステイフナ３２がウエビング２６に損傷
を与えるような荷重が一部に集中するようなこと
はない。

しかも、このステイフナ３２には貫通孔３６が
設けられており、この貫通孔３６の略三角形状に
より、ステイフナ３２自体の剛性が先端部に向か
う程低くなつているので、ウエビング２６の曲率
もこれに応じて変化している。

すなわち、ウエビング２６は、シヨルダアンカ
プレート２０との係止部からステイフナ３２の先
端にかけて除々に曲率が大きくなつているため、
乗員３０の首筋や顔と干渉せず、最適なウエビン
グ装着状態を得ることができる。

これにより、従来のように長さ寸法の異なるス
テイフナを複数重ね合わせる必要がないので、部
品点数が減りコストの低下が計れると共に作業性
が向上する。

さらに、ステイフナ３２を単一にすると軽量と
なり、スライダ１８の移動等の作業性が向上す
る。

尚、本実施例では、ステイフナ３２の貫通孔３
６を略三角形状としたが、この形状はガイドレー
ルの設置場所やステイフナ自体の剛性により決定
されるものであり、第５図に示される如く複数の
孔３８を設けステイフナの先端部方向にかけて
徐々に合成開口面積が大きくなる等の他の形状で
もよい。

〔考案の効果〕

以上説明した如く本考案に係るウエビング支持
構造は、ウエビングの一端が係止されたシヨルダ
アンカプレートと、前記シヨルダアンカプレート
に取付けられウエビングをシヨルダアンカプレー
トの端面に沿つた状態に維持させるステイフナ
と、前記ステイフナに設けられシヨルダアンカプ
レートへの係止部から先端部にかけて徐々に開口
面積が増大する孔と、を有することによりステイ
フナを単一にでき作業性が向上されるという優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウエビング支持構造が適
用されたオートマチツクシートベルト装置の実施
例を示す側面図、第２図はスライダとシヨルダア
ンカプレートとの係合部を示す平面図、第３図は
第２図−線断面図、第４図はステイフナの斜
視図、第５図は他の実施例に係るステイフナの斜
視図である。 １０……ウエビング支持構造、１２……オート
マチツクシートベルト装置、１６……ガイドレー
ル、１８……スライダ、２０……シヨルダアンカ
プレート、２６……ウエビング、３２……ステイ
フナ、３６……貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウエビングの一端が係止されたシヨルダアンカ
   プレートと、前記シヨルダアンカプレートに取付
   けられウエビングをシヨルダアンカプレートの端
   面に沿つた状態に維持され少なくとも先端部にウ
   エビングをウエビングの幅方向に亘つて支持する
   辺を備えると共にシヨルダアンカプレートへの係
   止部から先端部にかけて除々に開口面積が増大す
   るように孔が穿設されたステイフナと、を有する
   ウエビング支持構造。