JPH0438390B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0438390B2
JPH0438390B2 JP57034035A JP3403582A JPH0438390B2 JP H0438390 B2 JPH0438390 B2 JP H0438390B2 JP 57034035 A JP57034035 A JP 57034035A JP 3403582 A JP3403582 A JP 3403582A JP H0438390 B2 JPH0438390 B2 JP H0438390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
streptomyces
medium
strain
formula
antibiotic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57034035A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58152476A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP57034035A priority Critical patent/JPS58152476A/ja
Publication of JPS58152476A publication Critical patent/JPS58152476A/ja
Publication of JPH0438390B2 publication Critical patent/JPH0438390B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な微生物に関し、さらに詳しく
は、ストレプトミセス属に属するカルバペネム系
抗生物質生産菌であつて式 式中、R1は水素原子、水酸基又は基−O−SO3
Hを表わす、 で示される化合物の脱パントテノイル化酵素活性
が欠失した新規微生物及びこれらのL−ヒスチジ
ン、L−アルギニン又はアデニン要求性変異菌、
ストレプトミセス属に属するカルバペネム系抗生
物質生産菌であつて上記式()で示される化合
物の脱パントテノイル化酵素活性及びアセチル化
酵素活性を有する微生物の栄養要求性変異菌、並
びに上記2種の変異菌の細胞融合によつて創製さ
れる式 式中、R1は水素原子、水酸基又は基−O−SO3
Hを表わす、 で示される化合物の生産能を有する新規微生物に
関する。 下記式 で示される7−オキソ−1−アザビシクロ
〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−2−カルボン酸骨格
(カルバペネム骨格)を有する抗生物質(以下こ
の骨格を有する抗生物質をカルバペネム系抗生物
質という)は、一般に高い抗菌力とβ−ラクタマ
ーゼ阻害活性を有しており、従来から、ストレプ
トミセス属に属する各種の微生物の発酵培養液か
ら種々のカルバペネム系抗生物質が単離されてい
る〔例えば、チエナマイシン(ジヤーナル・オ
ブ・アンテイビオテイクス、32巻(1979年)、1
〜12頁)、エピエエナマイシン類(第17回インタ
ーサイエンス・コンフアランス・オン・アンテイ
ミクロビアル・エイゼンツ・アンド・ケモテラピ
ー、要旨第80および第81号(1977年))、N−アセ
チルチエナマイシン(西ドイツ特許2652681号
(1977年))、オリバニン酸類(ジヤーナル・オ
ブ・アンテイビオテイクス、32巻(1979年)、287
〜304頁)、PS−5(ジヤーナル・オブ・アンテイ
ビオテイクス、32巻(1979年)、262〜286頁及び
ジヤーナル・オブ・フアーメンデイシヨン・テク
ノロジー、57巻(1979年)265〜272頁)、PS−6
(公開特許公報昭54−59295号)、PS−7(公開特
許公報昭54−92983号)など〕。 しかし、これ迄に提案されているカルバペネム
系抗生物質はカルバペネム骨格の3−位にアミノ
エチルチオ基やアセチルアミノエチルチオ基など
の短鎖の置換基を有するものばかりである。 ところが、ごく最近、本発明者らが見い出した
ストレプトミセス・sp.OA−6192(FERMBP−
11)が、これまでに発表されているカルバペネム
系抗生物質と3−位の置換基の種類においてタイ
プの異なる、すなわち3−位に長鎖のパントテノ
イルアミノエチルチオ基を有する前記式()で
示される抗生物質OA−6129A、B及びCを生産
することが判明し先に提案した(特願昭55−
135829号、同55−144507号及び55−170864号出願
明細書参照)。 そこで、本発明者らは、3−位にパントテノイ
ル基を含まない従来のタイプのカルバペネム系抗
生物質生産菌と上記の3−位にパントテノイル基
を含む抗生物質OA−6129A、B及びC生産菌の
間の生合成的相違について鋭意研究を重ねた結
果、ストレプトミセス属に属する従来のタイプの
カルバペネム系抗生物質生産菌はカルバペネム系
抗生物質の生合成経路において中間で3−位にパ
ントテノイル基を含むカルバペネム系化合物を生
成した後これに脱パントテノイル化酵素を作用さ
せてパントテノイル基を離脱せしめることにより
最終のカルバペネム系抗生物質を生産しているこ
と(なお、この脱パントテノイル化酵素に関して
は特願昭56−101161号出願明細書参照)、そして
逆に、抗生物質OA−6129A、B及びC生産菌は
脱パントテノイル化酵素活性を本質的に欠失して
いるという事実をつきとめ、従来のタイプのカル
バペネム系抗生物質生産菌に変異処理を加えて脱
パントテノイル化酵素活性が欠失した突然変異菌
を多数創製し、上記事実の確認を行なつた。かか
る脱パントテノイル化酵素活性が欠失したカルバ
ペネム系抗生物質生産菌は従来の文献に未載の新
規な微生物である。 しかして、本発明によれば、ストレプトミセス
属に属するカルバペネム系抗生物質生産菌であつ
て、前記式()で示される化合物の脱パントテ
ノイル化酵素活性が欠失した新規微生物が提供さ
れる。 本発明により提供される新規微生物には、天然
界から検索されたもの及び何らかの変異処理によ
つて既知の微生物から創製されたものの両者が包
含される。 本発明の新規微生物を天然界から検索により取
得する場合、その検索は次のようにして行なうこ
とができる。 すなわち、天然界からの検索がβ−ラクタム感
受性菌を検定菌とするビオアツセイ寒天平板と、
これに種々のタイプのβ−ラクタマーゼを添加し
たビオアツセイ寒天平板とを用いて、土壌分離菌
の培養液を検定し、前者の寒天平板に阻止円を
与え、更に後者のいくつかの寒天平板における阻
止円が前者のそれより小さい培養液を与える土
壌分離菌を検索する。次にその土壌分離菌の培養
液中の活性成分を活性炭に吸着させ、その溶出濃
縮液をペーパークロマトグラフイーまたは薄層ク
ロマトグラフイーで展開し、β−ラクタム感受性
菌を検定菌とするビオオートグラフイーにより抗
生物質OA−6129群に属する化合物が検出されれ
ば、その菌は本発明の微生物であるということが
できる。 この検索方法を具体例によりさらに説明すれば
次に通りである。 β−ラクタム感受性菌のビオアツセイ寒天平板
として、後述するコマモナス検定板を用い、これ
にパチルス・セレウス569の生産するβ−ラクタ
マーゼを添加したコマモナスCV検定板と、シト
ロバクター・フロインデイーE−9の生産するβ
−ラクタマーゼを添加したコマモナスCM検定板
とを調製する。一方、土壌分離菌の培養液を8
mm直径のパルプデイスクにしませて、それぞれの
検定板に乗せ、35℃で20時間培養したのち、コマ
モナス検定板で阻止円を与え、且つコマモナス
CV検定板またはコマモナスCM検定板での阻止
円がコマモナス検定板での阻止円より小さい、培
養液を与えた土壌分離菌を選出する。 次にその土壌分離菌の培養液に該液の2%
(W/V)量に相当する特製白鷺活性炭(武田薬
品工業(株)製)を加え、15分間攪拌した後、遠心分
離により沈殿を集め、この沈殿を用いた培養液
と同容量の蒸留水で洗浄し、再び遠心分離して沈
殿を集める。この沈殿に前記で用いた培養液の
半容量に相当する量の50%(V/V)アセトン水
を加え、室温で30分間攪拌後、遠心分離して上澄
をえた。この上澄液をロータリー・エバポレータ
ーを用いて30〜35℃で濃縮して、上記で用いた培
養液に対して20倍の濃縮液をえた。この濃縮液
を東洋紙No.50(東洋紙(株)製)で80%アセトニ
トリル/トリス/EDTA〔アセトニトリル120ml、
PH7.5の1/10Mトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン−塩酸緩衝液30ml、PH7.5の1/10Mエチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム塩水溶液1mlから
なる〕溶媒を用い下降法ペーパークロマトグラフ
イーを16時間行つた後、コマモナス・テリゲナB
−996を検定菌としてビオオートグラフイーを行
なう。そして、抗生物質OA−6129A、同OA−
6129B又は同OA−6129Cと同じ移動距離(Rf値
のところ)に阻止帯を示した土壌分離菌を本発明
の目的微生物の候補として選出する。 このようにして選出された候補菌については、
さらにペーパークロマトグラフイーや薄属クロマ
トグラフイーを行ない、抗生物質OA−6129A、
同OA−6129B又は同OA−6129Cの生産性を確認
する。 これにより、当業者は本発明の目的に適合した
微生物を容易に検索することができる。 上記の如くして検索された抗生物質OA−
6129A、同OA−6129B及び同OA−6129C生産菌
の代表的なものには、ストレプトミセス属に属す
る抗生物質OA−6129A、同OA−6129B及び同
OA−6129C生産菌が包含され、その好適な一例
としては、福岡県福岡市の住吉神社の近くで採取
した土壌から分離した放線菌で、本発明者らが
OA−6129菌株の番号を付した菌株が挙げられ
る。 このOA−6129菌株の菌学的性質は次の通りで
ある。 1 形態 顕微鏡下でよく分枝した基中菌糸より、直状〜
曲状(Straight〜flexuous)の気菌糸を伸長し、
輪生枝はみとめられない。成熟した胞子鎖は10個
以上の楕円〜円筒形をした胞子から成り、胞子の
うは認められない。胞子の大きさは0.6〜1.0×0.7
〜2.5ミクロン位で、胞子の表面は平滑である。
鞭毛胞子はみとめられない。 2 各種培地における生育状態 培養は特記しないかぎり28°〜30℃で行つた。
また色調の記載は主としてエツチ・デイ・トレス
ナーとイー・ジエー・バカス(H.D.Tresner
andE.J.Backus)著、ジヤーナル・オブ・アプラ
イド・ミクロビオロジイー(Journal ofApplied
Microbiology)11巻、4号、(1963年)335〜338
頁の方法に従い、〔〕内に示す符号〔CHMコー
ド(code)〕はコンテイナー・コーポレーシヨ
ン・オブ・アメリカのカラー・ハーモニー・マニ
ユアル(Container Corporation of Americaの
Color Harmony Manual)を用いた。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地: 黄灰〔2dc〕〜明るい灰黄茶〔3ge〕の中等
度生育上に、黄灰〔2dc〕〜灰黄ピンク〔5dc〕
の気菌糸を着生し、溶解性色素はみとめられな
い。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: うす黄〔2db〕〜明るいオリーブ茶〔2ge〕
の良好な生育上に、明るい灰〔d〕の気菌糸を
着生する。尚この気菌はおくれて灰黄ピンク
〔5dc〕となる。溶解性色素はみとめられない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP培
地−5): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶〔4ie〕
の良好な生育上に、明るい灰〔d〕〜明るい灰
赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生する。溶解性色素
は認められない。 (4) スターチ無機塩寒天培地(ISP培地−4): うす黄〔2db〕〜灰色〔2fe〕の良好な生育上
に明るい灰〔d〕の気菌糸を着生する。溶解性
色素は生成しない。 (5) チロシン寒天培地(ISP培地−7): 灰黄〔3ec〕〜明るい茶〔4ie〕の生育上に、
明るい灰〔d〕〜明るい茶灰〔3fe〕の気菌糸
を着生する。培地は極く僅かに茶色を帯びる。 (6) 栄養寒天培地: うす黄〔2db〕または明るい黄〔2fb〕〜明
るいオリーブ茶〔2ge〕の良好な生育上に、明
るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生する。溶解
性色素はみとめられない。 (7) イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP
培地−2): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶〔4ie〕
の良好な生育上に、灰黄ピンク〔5dc〕或いは
やゝおくれて明るい灰〔d〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素はみとめられない。 (8) オートミール寒天培地(ISP培地−3): 灰黄色〔3ec〕〜明るいオレンジ黄〔3ea〕、
或いは明るい灰黄茶〔3ge〕の良好な生育上
に、明るい茶灰〔3fe〕〜明るい灰赤茶〔5fe〕
の気菌糸を着生し、菌集落の周辺の培地は僅か
に褐色を呈す。 (9) リンゴ酸石灰寒天培地: 暗色〜黄灰〔2dc〕の中等度の生育上に、明
るい灰〔d〕〜明るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸
を着生し、溶解性色素はみとめられない。生育
菌集落の周辺にカルシウム塩の溶解帯が見られ
る。 (10) グレコース・ペプトン・ゲラチン培地(20℃
培養) うす黄〔2db〕〜茶色の良好な生育上に白色
〔b〕〜灰黄ピンク〔5cb〕の気菌糸を着生す
る。培養長期(約3週間以上)にわたると褐色
の溶解性色素を生成した。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP培
地−2)を用いて10°、20°、25°、30°、34°、37°

40°、45°、50℃の各温度で実験の結果、37℃では
殆んど発育出来ない。40℃以上では全く発育しな
い。その他の各温度では生育がみとめられた。最
適生育温度範囲は20〜30℃と思われる。 (2) ゲラチンの液化:液化する。 (3) スターチの加水分解:分解する。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固しない
が、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成: ペプトン・イースト・鉄寒天培地(ISP培地−
6)及びトリプトン・イーストエキス・プロス培
地(ISP培地−11)ではメラニン様色素の生成は
認められなかつた。チロシン寒天培地で極く僅か
に茶色を呈するも、メラニンの生成は痕跡程度で
ある。 4 各種炭素源の同化性(プリドハム・ゴトリブ
寒天倍地使用) (1) L−アラビノ−ス + (2) D−キシロース + (3) D−グルコース + (4) D−フラクトース + (5) シユークロース 疑わしい (6) イノシトール − (7) L−ラムノース + (8) ラフイノース − (9) D−マンニツト + +は同化する、−は同化しない。 以上の菌学的性質よりOA−6129菌株は
Streptomyces属に属する菌株であつて、気菌糸
の形状はセクシヨンRF(Section Rectifle−
xibiles)と考えられ、胞子表面平滑であつた。
気菌糸の色調は大多数の培地、即ちオートミール
寒天、グリセリン・アパラギン寒天、スターチ・
無機塩寒天等の培地では明るい灰色〔d〕で、灰
色系(Gray series)の菌株である。しかしシユ
ークローズ・硝酸塩寒天、イーストエキス・麦芽
エキス寒天、及びグルコース・アスパラギン寒天
培地では培養時期に依つては灰黄ピンク〔5dc〕
の赤色系(Red series)を呈する事がある。ま
た、基中菌糸の色は培養初期はいづれの培地でも
うす黄〜灰黄で、培養を続けると黄茶〜灰黄茶或
いは茶色の色調を示す様になる。メラニン色素は
ペプトン・イーストエキス・鉄寒天培地中及びト
リプトン・イーストエキス・プロス中にみとめら
れず、またその他の水溶性色素も多くの培地で生
成しなかつた。しかしチロシン寒天倍地、グルコ
ース・ペプトン・ゲラチン培地及びオートミール
寒天倍地中に僅かに茶色の色素をみとめた。 本発明者等は本菌をストレプトミセス・sp.OA
−6129(Streptomyces sp.OA−6129)として、
工業技術院微生物工業技術研究所に特許手続上の
微生物の寄託に関するブタペスト条約による国際
寄託として微工研条寄第11号(FERM BP−11)
として寄託している。 なお、上記菌学的性質をさらに検討したところ
によれば、上記の菌株はストレプトミセス・クレ
メウス(Streptomyces cremeus)種に属する菌
株と認めることができる。 また、本発明の新規微生物はまた、ストレプト
ミセス属に属する既知のカルバペネム系抗生物質
生産菌に変異処理を加えることによつて創製する
ことも可能である。 この創製に使用しうるカルバペネム系抗生物質
生産菌は、ストレプトミセス属に属する式 式中、R2は水素原子又はアセチル基を表わし、 R1は前記の意味を有する、 で示されるカルバペネム系抗生物質を主生産物又
は副生産物として生産する能力を有する任意の微
生物であることができ、具体的には次のものを例
示することができる:ストレプトミセス・フルボ
ビリデスA933(FERMB P−10)、ストレプトミ
セス・カトレヤ(NRRL8057またはFERM P−
33095)ストレプトミセス・フルボビリデス
(ATCC15863若しくは21954)、ストレプトミセ
ス・フラボグリゼウス(NRRL8139若しくは
8140)、ストレプトミセス・オリバセウス
(ATCC21379〜21382、31126若しくは31365)、ス
トレプトミセス・ケダネンシス(ATCC4880)、
ストレプトミセス・アルゲンテオルス
(ATCC11009)、ストレプトミセス・フラボビレ
ンス(ATCC3320)、ストレプトミセス・フラア
ブス(ATCC3369)、ストレプトミセス・シオヤ
エンシス(ATCC13989)、ストレプトミセス・サ
ブスピーシーズ・オーラテイリス(ATCC31358)
又はストレプトミセスsp.SF−2050(FERMP−
4358)など。 これらの微生物はそれ自体公知の変異処理に付
すことにより脱パントテノイル化酵素活性が欠失
した突然変異菌に変えることができる。 すなわち、上記の如くカルバペネム系抗生物質
生産菌を紫外線照射、放射線照射、化学変異誘起
剤処理等の通常の変異誘導方法によつて処理する
ことにより、脱パントテノイル酵素活性が欠失し
た菌株を取得することができる。ここでは、スト
レプトミセス・フルボビリデイスA933(FERM
BP−10)を用いてN−メチル−N′−ニトロ−N
−ニトロソグアニジン(NTG)処理によつて変
異を行つた場合について以下さらに詳細に説明す
るが、他の菌についても同様にして変異処理を行
なうことができる。 (1) 変異処理 イーストエキス−麦芽エキス寒天倍地(ISP培
地−2)上で28℃、2週間培養したストレプトミ
セス・フルボビリデイスA933の斜面培養1本の
表面からかきとつた胞子をジオクチルスルホサク
シネート0.005%を含むPH8.5の0.1Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液10mlに懸濁し、ミリポアフイルター
(孔径10ミクロン,LCWP)で過し、液に
NTGを最終濃度400μg/mlになるように添加し
28℃で1.5時間保つ。このとき90%の殺胞子効果
があつた。NTG処理胞子液を2500×gで20分間
遠心分離し、胞子を0.85%生理食塩水に懸濁し、
適当に希釈して、その胞子懸濁希釈液をISP培地
−2上に塗布し、28℃で7日間培養を行いコロニ
ーを形成させた。 (2) 変異菌株の単離法 上記の如くISP培地−2上に形成したコロニー
を拾い、ISP培地−2斜面培地上に移し28℃で2
週間培養を行つた。これらの各菌株の斜面培地か
ら1白金耳をSE−4種母培地〔牛肉エキス0.3
%、バクトトリプトン0.5%、グルコース0.1%、
可溶性でんぷん2.4%、酵母エキス0.5%、炭酸カ
ルシウム0.4%、大豆粉(味の素(株)製ミート特等)
0.5%、PH7.0〕3mlを含む試験管培地へ接種し、
28℃で2日間振とう培養した。つぎのこの培養液
0.5mlをG.M.培地(大豆粉4.5%、グリセリン10
%、K2HPO40.2%、MgSO4・7H2O0.1%、CaCO3
0.3%、ビタミンB125γ/ml、PH7.0)10mlを含む
250ml三角フラスコに接種し、28℃でロータリー
シエーカー上4日間培養した。この培養液を用い
て前記に示した検索方法により脱パントテノイル
化酵素欠失菌株ストレプトミセス・フルボビリデ
イスN1501株を見出した。これにより、当業者は
本発明の目的に適合した微生物を式()で示さ
れるカルバペネム系抗生物の生産能を有する菌か
らそれ自体公知の変異処理により容易に検索する
ことができる。 上記の如くして検索された微生物の一例である
ストレプトミセス・フルボビリデイスN1501株の
菌学的性質は次の通りである。 1 形態 顕微鏡下でよく分枝した基中菌糸より、直状〜
曲状(Straight〜flexuous)の気菌糸を伸長し、
輪生枝はみとめられない。成熟した胞子鎖は10〜
50個の楕円〜円筒形をした胞子から成り、胞子の
うは認められない。胞子の大きさは(0.8〜1.0)
×(1.0〜2.0)ミクロン位で、胞子の表面は平滑
である。鞭毛胞子はみとめられない。 2 各種培地における生育状態 培養は特記しないかぎり28°〜30℃で行つた。
また色調の記載は主としてエツチ・デイ・トレス
ナーとイー・ジエー・バカス(H.D.Tresner
andE.J.Backus)著、ジヤーナル・オブ・アプラ
イド・ミクロビオロジイー(Journal of
Applied Microbiology)11巻、4号、(1963年)
335〜338頁の方法に従い、〔〕内に示す符号
〔CHMコード(code)〕はコンテイナー・コーポ
レーシヨン・オブ・アメリカのカラー・ハーモニ
ー・マニユアル(Container Corporation of
AmericaのColor Harmony Manual)を用い
た。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地: 黄灰〔2dc〕〜灰色〔2fe〕の中等度生育上
に、明るい茶灰〔3fe〕〜茶灰〔5ih〕の気菌糸
を着生し、溶解性色素はみとめられない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: 明るい黄〔11/2fb〜2fb〕の良好な生育上
に、明るい茶灰〔3fe〕〜暗い灰〔3ih〕の気菌
糸を着生し、溶解性色素はみとめられない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP培
地−5): 灰黄〔3ec〕一部明るい茶灰〔3fe〕の良好な
生育上に、明るい灰〔d〕〜明るい灰赤茶
〔5fe〕の気菌糸を着生する。溶解性色素はみと
められない。 (4) スターチ無機塩寒天培地(ISP培地−4): うす黄〔2db〕〜うす黄緑〔241/2dc〕の良
好な生育上に暗い灰〔3ih〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素は生成しない。 (5) チロシン寒天培地(ISP培地−7): 明るい黄〔2fb〕、後に明るいオリーブ茶
〔2ge〕の良好な生育上に、明るい灰〔d〕だ
がやや緑がかつた。気菌糸を着生する。培地は
極く僅かに茶色を帯びる。 (6) 栄養寒天培地: 明るい茶灰〔3fe〕の中等度生育上に、明る
い灰〔d〕の気菌糸を着生する。溶解性色素は
みとめられない。 (7) イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP
培地−2): 白〔b〕の良好な生育上に、明るい茶灰
〔3fe〕〜茶灰〔5ih〕の気菌糸を着生する。溶
解性色素はみとめられない。 (8) オートミール寒天培地(ISP培地−3): 暗い灰〔3ih〕の良好な生育上に、明るい茶
灰〔3fe〕〜暗い灰〔3ih〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素は認められない。 (9) リンゴ酒石灰寒天培地: 明るいオリーブ茶〔2ge〕の中等度の生育上
に、明るい灰茶〔3fe〕の気菌糸を着生し、溶
解性色素はみとめられない。 (10) ペプトン・イーストエキス・鉄寒天倍地
(ISP培地−6): うす黄〔2db〕の良好な生育上にあわい白
〔w〕〜明るい灰〔d〕の気菌糸を着生する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP
培地−2)を用いて10°、20°、25°、30°、34°、
37°、40°、45°、50℃の各温度で実験の結果、37
℃では殆んど発育出来ない。40℃以上では全く
発育しない。その他の各温度では生育がみとめ
られた。最適生育温度範囲は20〜30℃と思われ
る。 (2) ゲラチンの液化:液化する。 (3) スターチの加水分解:分解する。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固しない
が、ペプトン化する。 (5) 硝酸塩の還元:還元する (6) メラニン様色素の生成: ペプトン・イースト・鉄寒天培地(ISP培地
−6)及びチロシン寒天倍地ではメラニン様色
素の生成は認められなかつた。トリプトン・イ
ーストエキス・ブロス培地(ISP培地−11で極
く僅かに茶色の色素を生産した。 4 各種炭素源の同化性(プリドハム・ゴトリブ
寒天倍地用) (1) L−アラビノ−ス + (2) D−キシロース + (3) D−グルコース + (4) D−フラクトース + (5) シユークロース ± (6) イノシトール − (7) L−ラムノース + (8) ラフイノース − (9) D−マンニトール + +は同化する、−は同化しない。 以上の菌学的性質をもつストレプトミセス・フ
ルボビリデイスN1501はその親菌株であるA933
株と生産する抗生物質は異にするが、その菌学的
性質は同じであつた。 該菌株は、通商産業省工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研条寄第103号(FERM BP−
103)として国際寄託されている。 以上に述べた脱パントテノイル化酵素活性が欠
失した新規微生物はさらに変異処理を加えること
によりL−ヒスチジン、L−アルギニン又はL−
アデニン要求性等の栄養要求性突然変異菌に変え
ることができる。かかる栄養要求性突然変異菌の
創製はそれ自体公知の変異処理および手段並びに
培地選択法を用いることにより行うことができる
が、ストレプトミセス・フルボビリデイスN1501
を代表例として栄養要求性変異菌株の創製法をさ
らに具体的に説明すれば次のとおりである。 すなわち、ストレプトミセス・フルボビリデイ
スN1501株を紫外線照射、放射線照射、化学変異
誘起剤処理等の通常の変異誘導方法によつて処理
し、微生物遺伝学実験で通常に用いられるレプリ
カ法によつて栄養その他微量要素要求変異株を選
択取得する。 次に、このストレプトミセス・フルボビリデイ
スN1501株を用いて紫外線処理によつてL−ヒス
チジン要求株を誘導した例を示す。 イーストエキス・麦芽エキス寒天倍地(ISP培
地−2)上で28℃、2週間培養したストレプトミ
セス・フルボビリデイスN1501株の斜面培養1本
の表面からかき取つた胞子を0.005%ジオクチル
スルホサクシネート含有生理食塩水10mlに懸濁し
シヤーレに移す。このシヤーレをゆるやかに振と
うしつつ表面より30cmの距離において紫外線滅菌
ランプ(20w)を用いて70秒間照射した。このと
き99.9%の殺胞子作用があつた。照射の終つた胞
子懸濁液を適宜希釈してISP培地−2に塗布とし
4日間培養した。1枚のシヤーレ上10乃至200コ
ロニー生じたシヤーレをマスタープレートとレプ
リカ法で最少培地(L−アスパラギン0.05%、K2
HPO40.05%、MgSO4・7H2O0.02%、グコース
1.0%(別殺菌)、デイフコバクトアガー1.5%、
および微量金属要素溶液〔蒸留水1につきZo
Cl240mg、FeCl3・6H2O200mg、CuCl210mg、Mo
Cl2・4H2O10mg、Na2B4O7・10H2O10mg、(NH4
0Mp24・4H2O10mgを溶かしたもの)を1につき
2ml加える。PH7.0〕と完全培地(ISP培地−2)
にレプリカし7日間培養して完全培地のみで生育
するコロニーを選択し、ISP培地−2の書面培地
上に拾つた。これらの栄養要求株についてホリデ
イの方法〔NatureNo.4540,p987(1956)〕によつ
て要求物質を決定したところL−ヒスチジン要求
株としてストレプトミセス・フルボビリデイス
N1501−No.24が得られた。この菌株は親菌株と同
様に脱パントテノイル酵素欠失株であり、式
()で示される抗生物質OA−6129群の生産能
を有しており、栄養要求性は異にするが、その菌
学的性質は親菌株であるストレプトミセス・フル
ボビリデイスN1501と同一であつた。 上記の如く創製されたストレプトミセス・フル
ボビリデイスN1501−No.24は、通商産業省工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研条寄第105号
(FERM BP−105)として国際寄託されている。 さらに、本発明によれば、ストレプトミセス属
に属するカルバペネム系抗生物質生産菌であつ
て、前記式()で示される抗生物質OA−6129
群の脱パントテノイル化酵素活性及びアセチル化
酵素活性を有する微生物のL−アルギニン、L−
グルタミン酸、L−システイン、L−アデニン又
はビタミンB6要求性変異菌が提供される。 かかる栄養要求性変異菌の創製に使用しうる親
菌株は、ストレプトミセス属に属する式 式中、R1は前記の意味を有する。 で示される化合物を主生産物又は副生産物として
生産する能力を有する任意の微生物であることが
でき、その具体例としては次のものを例示するこ
とができる:ストレプトミセス・フルボビリデス
A933(FERM BP−10)、ストレプトミセス・カ
トレヤ(NRRL8057orFERM P−33095)スト
レプトミセス・フルボビリデス(ATCC15863若
しくは21954)、ストレプトミセス・フラボグリゼ
ウス(NRRL8139若しくは8140)、ストレプトミ
セス・オリバゼウス(ATCC21379、〜21382、
31126若しくは31365)、ストレプトミセス・ゲダ
ネンシス(ATCC4880)、ストレプトミセス・ア
ルゲンテオルス(ATCC11009)、ストレプトミセ
ス・フラボビレンス(ATCC3320)、ストレプト
ミセス・フラアブス(ATCC3369)、ストレプト
ミセス・シオヤエンシス(ATCC13989)、ストレ
プトミセス・サブスピーシーズ・オーラテイリス
(ATCC31358)、又はストレプトミセスsp.SF−
2050(FERM P−4358)など。 これらの微生物を栄養要求性変異菌に変える方
法はそれ自体公知のものであり、ここではストレ
プトミセス・フルボビリデイスA933を代表例と
してそのL−アルギニン要求性菌株に変異する方
法についてさらに詳しく説明するが、その他の菌
株についても同様に処理することにより各栄養性
変異菌に変えることができる。 すなわち、スト
レプトミセス・フルボビリデイスA933(FERM
BP−10)株を紫外線照射、放射線照射、化学変
異誘起剤処理等の通常の変異誘導方法によつて処
理し微生物遺伝学実験で通常に用いられるレプリ
カ法によつて栄養その他微量要素要求変異株を選
択取得する。次にストレプトミセス・フルボビリ
デイスA933(FERM BP−10)株を用いて以下に
述べる如きNTG処理によつてL−アルギニン要
求性菌株を誘導する。 イーストエキス・麦芽エキス寒天倍地(ISP培
地−2)上で28℃、2週間培養したストレプトミ
セス・フルボビリデイスA933(FERM BP−10)
株の斜面培養1本の表面からかきとつた胞子を
0.005%ジオクチルスルホサクシネートを含むPH
8.5の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液10mlに懸濁
し、ミリポアフイルター(孔径10ミクロン,
LCWP)で過し液にNTGを最終濃度
400μg/mlになるように添加し、28℃で1.5時間保
つた。このとき90%の殺胞子効果があつた。
NTG処理胞子液を2500xgで20分間遠心分離し、
沈でんした胞子を0.85%生理食塩水に懸濁し宜希
釈して、ISP培地−2上に塗布し28℃で4日間培
養を行いコロニーを形成させた。1枚のシヤーレ
上100乃至200コロニー生じたシヤレーをマスター
プレートとし最少培地(前述と同じ)と完全培地
(ISP培地−2)にレプリカし7日間培養して完
全培地のみで生育するコロニーを選択しISP培地
−2の斜面培地上に拾つた。これらの栄養要求性
株についてホリデイの方法によつて要求物質を決
定し、L−アルギニン要求性株としてストレプト
ミセス・フルボビリデイス−A933−Ax−14を得
た。この菌株は脱パントテノイル化酵素活性及び
アセチル化酵素活性を保有し、式(−b)で示
されるカルバペネム系抗生物質の生産能を有する
が、栄養要求性を異にする点で親菌株と差違を示
す。しかし、その他の菌学的性質は親菌株と同一
性を有するので前述のストレプトミセス・フルボ
ビリデイスN1501株のそれを参照されたい。これ
により、当業者は上記の栄養要求性をもつ微生物
を、式(−b)で示されるカルバペネム系抗生
物質物の生産能を有する菌からそれ自体公知の変
異手段により容易に創製することができる。 上記のL−アルギニン要求性のストレプトミセ
ス・フルボビリデイスA933−Ax−14は、通商産
業省工業技術院微生物工業技術研究所に微工研条
寄第102号(FERM BP−102)として国際寄託
されている。 本発明のさらに別の態様によれば、前述したa
ストレプトミセス属に属するカルバペネム系抗生
物質生産菌であつて且つ前記式()で示される
化合物の脱パントテノイル化酵素活性が欠失した
L−ヒスチジン、L−アルギニン又はL−アデニ
ン要求性微生物と bストレプトミセス属に属す
るカルバペネム系抗生物質生産菌であつて、前記
式()で示される化合物の脱パントテノイル化
酵素活性及びアセチル化酵素活性を有し且つL−
アルギニン、L−グルタミン酸、L−システイ
ン、L−アデニン又はビタミンB6要求性の微生
物との細胞融合によつて創製される式 式中、R1は前記の意味を有する、 で示される化合物の生産能を有する新規微生物が
提供される。 上記aの微生物とbの微生物との細胞融合はそ
れ自体公知の方法によつて行なうことができ、例
えば、岡西らの方法〔J.Gen.Microbiol,80,389
−400(1974)〕によつてそれぞれの微生物をプロ
トプラストとし、次いでポリエチレングライコー
ル存在下にR.H.Baltzの方法〔J.Gen.
Microbiol・,107,93−102(1978)〕によつて両
微生物に融合を行い再生培地上で生育させた後、
組換え体としての非要求性菌株を選択することに
より行なうことができる。 以下に前述した如く創製されたストレプトミセ
ス・フルボビリデイス−A933−Ax−14株〔bの
微生物の1種〕とストレプトミセス・フルボビリ
デイス−−N1501−No.24株〔aの微生物の1種〕
を例にとつて細胞融合による新規微生物の調製法
をさらに詳しく説明する。 (1) 微生物の培養 ストレプトミセス・フルボビリデイスA933−
Ax−14株のISP培地−2斜面培地培養より一白金
耳の胞子をとりN・Z培地(グリセリン2%、
N・Z−アミン・タイプA1.0%、酵母エキス0.1
%、MgSO4・7H2O0.05%、K2HPO40.05%、PH
7.0)25mlを含む250ml三角フラスコに接種する。
これを28℃、40時間培養し培養液1mlをS培地
〔グルコース1.0%(別殺菌)、ペプトン0.4%、酵
母エキス0.4%、MgSO4・7H2O0.05%、KH2
HPO40.2%、K2HPO40.4%、グリシン0.5%、PH
7.0〕25mlを含む250ml三角フラスコに接種し20時
間振とう培養する。この菌体を遠心分離で集め次
項で示すプロトプラスト調製に供す。 もう一方の菌株としてストレプトミセス・フル
ボビリデイス−N1501−No.24を上記と同じ方法で
培養し菌体を集め次項で示すプロトプラスト調製
に供する。 (2) プロトプラストの調製 上記の如く得られた菌体を0.3Mのシユークロ
ース溶液で1回洗浄し遠心分離により菌体を集め
る。この菌体を細胞壁溶解酵素〔リゾチーム(シ
グマ社製)1mg/ml、Lytic enzyme No.2(協和
発酵(株)製〕0.1mg/ml〕を含むP培地〔シユーク
ロース10.3%、K2SO40.025%、MgCl2・6H2O0.2
%、CaCl2・2H2O0.37%(別殺菌)、KH2PO4
0.005%(別殺菌)、0.025M TES緩衝液、微量金
属要素溶液(培地1につき2mlの割合)、PH
7.2〕に懸濁し32℃、2時間反応させる。これを
綿をつめたフイルターを通し、液を遠心分離
(1500×g、10分間)しプロトプラストを沈でん
区分に集める。沈でん物を氷水したP培地に懸濁
し遠心分離する。この洗浄操作をさらに1回行つ
た後、10ミクロンミリポアフイルターで過し、
液を遠心分離しプロトプラストを集める。 (3) 融合および再生の方法 上記(2)で得られた2菌株のプロトプラスト懸濁
液2mlを混合し、再び遠心分離し、上澄液を捨
て、P培地を0.2ml添加する。つづいて40%ポリ
エチレングライコール6000の溶液を2ml加え25℃
に3分間保つた後、P培地で適宜希釈し、再生培
地であるA培地(シユークロース10.3%、グルコ
ース0.5%、マルトエキストラクト0.8%、酵母エ
キス0.3%、MgCl2・6H2O0.4%、CaCl2・2H2
O0.7%、トリスヒドロキシアミノメタン0.3%、
寒天1.5%、PH7.0)上に塗布し26℃、7日間培養
する。 かくして得られたA培地上の胞子をかきとり、
常法により懸濁液として、適宜希釈して最少培地
に塗布し7日間培養した。生じたコロニーはL−
アルギニンおよびL−ヒスチジン非要求性組換え
体となつており、自然突然変異による復帰変異株
でないことは、同時に行つた元株単独の再生菌株
中には非要求性株は検出されない(10-6以下の出
現率)のに対し融合株では再生株中3.7%が非要
求次となつたことから明らかである。 (4) 融合株の生産物 かくの如く得られた融合株をSE−4培地に接
種し28℃、2日間振とう培養し、得られた培養液
0.2mlをG.M.培地10mlを含む250ml三角フラスコ
に接種し、28℃、4日間培養する。この培養液の
遠心分離上澄液5μをワツトンマン紙No.1に
スポツトし、ベロナール緩衝液(PH8.5、イオン
強度0.027)中で42V/cmにて30分間泳動を行い、
紙を検定菌としてスタフイロコツカス・アウレ
ウスFDA209Pを含む寒天培地上に15分間貼りつ
けた後、30℃、一夜培養する。その結果、陰極側
へ少くとも0.5mm通常3〜30mmの範囲で移動する
抗菌活性物質を生産する融合株をストレプトミセ
ス・フルボビリデイスf126株として選択する。こ
の融合株が如何なる抗菌活性物質を生産するかを
確認するため、30ジヤーフアーメンターに15
のG.M.培地を入れ、これに別のジヤーフアーメ
ンターでSE−4培地にて40時間通気攪拌培養し
た上記選択した融合株の種母培養液を300ml添加
し、72時間通気攪拌培養を行つた。培養液をフイ
ルタープレスによつて過し液14をイオン交
換樹脂ダイヤイオンPA306をつめたカラム(径10
cm×高60cm)に通し、通過液を同じ大きさのカラ
ムにつめたダイヤイオンHP20のカラムに吸着さ
せる。このカラムに20%アセトンを流し、200ml
づつのフラクシヨンを集めスタフイロコツカス・
アウレウス209Pに活性のある区分を集める。集
めた活性画分をロータリーエバポレーターにより
真空濃縮しアセトンを留去する。得られた濃縮液
300mlをPH7.2とし、QAE−セフアデツクスA−
25(フアルマシア製)1.5cm×40cmのカラムに通
じ、さらに水50mlで水洗した。通過液及び水洗液
を合し、その水溶液に食塩25gを加え、ダイヤイ
オンHP20AG(三菱化成製)1.5cm×40cmのカラ
ムに吸着させ、0%から10%まで連続的にアセト
ン濃度が濃くなる水溶液600mlにて溶出し、1フ
ラクシヨン6mlずつ分画した。そのフラクシヨン
No.15からNo.22までを合し凍結乾燥して白色粉末17
mgを得た。 かくして得られた物質について、特開昭54−
73788号公報に記載の方法によつて溶解性、ペー
パークロマトグラフイー、高圧紙電気泳動、紫
外線吸収スペクトル呈色反応、赤外線吸収スペク
トル、抗菌スペクトルをしらべたところ、下記式 で示される抗生物質NS−5(特開昭55−42536号
公報参照)であることが判明した。 この抗生物質NS−5は細胞融合に供したスト
レプトミセス・フルボビリデイスA933−Ax−14
株及びストレプトミセス・フルボビリデイス
N1501−No.24株によつては生産されない抗生物質
であり、前記(4)で選択された融合株は上記2つの
元の菌株の遺伝形質を受継いだ新規な微生物と認
められる。 この融合株、すなわちストレプトミセス・フル
ボビリデイスf126は通商産業省工業技術院微生物
工業技術研究所に微工研条寄第104号(FERM
BP−104)として国際寄託されている。 次に、本発明により提供される新規微生物であ
るストレプトミセス・sp.OA−6129及びストレプ
トミセス・フルボビリデイスN1501の有用性を示
すため、以下に実施例を掲げる。 〔実施例〕 (A) 500ml容エルレンマイヤーフラスコに100mlの
下記組成の種母培地(S−1)を入れ、常法に
より、120℃で15分間殺菌した。一方、ストレ
プトミセス・sp.OA−6129(Streptopmyces sp.
OA−6129)及び、ストレプトミセス・フルボ
ビリデイスN1501(Streptopmyces
fulvoviridis N1501)菌株の胞子を個々に充分
着生させ、これらの一白金耳を各々上記種母培
地に接種し、28℃で48時間ロータリーシエーカ
ー(200rmp、振幅7cm)で振とう培養した。
この種母培養液の各200mlを、それぞれ、下記
組成の種母培地(SE−4)15を入れた30
容ジヤー・フアーメンターに接種し、28℃、
400rpmで攪拌及び7.5/min通気の条件下に
90時間通気攪拌培養を行つた。培養中、各ジヤ
ー・フアーメンターに消泡剤としてシリコン
KM−75〔信越化学(株)製〕をそれぞれ0.07%使
用した。 (B) 以下の具体的な方法については、ストレプト
ミセス・sp.OA−6129(以下「OA−6129菌株」
というについて記載するが、ストレプトミセ
ス・フルボビリデイスN1501(以下「N1501菌
株」という)については、同様に実施した結果
のみを示す。 上記Aで得られた24時間培養後の種母培養液
2を下記組成の生産培地(GM−1)100
を入れた200容醗酵タンクに接種し、28℃、
200rpmで攪拌及び50/min通気の条件下に
90時間通気攪拌培養を行つた。消泡剤としてシ
リコンKM−75〔前出〕を0.07%使用した。 経時的に培養液をサンプリングし、遠心分離
した上澄液についての抗菌力の測定を行つた。 各時間における測定結果は、下表に示す通り
であつた。
〔抗生物質OA−6129Aの精製〕
抗生物質OA−6129Aを主に含む溶出液を凍結
乾燥することによつて得られた茶褐色粉末を少量
の蒸留水に溶解し、バイオゲルP−2(バイオラ
ツド社製)充填カラム(8×100cm)に導き、蒸
留水で展開し、バイオアツセイにより活性画分
1.0を集めた。この活性画分を予め、0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH8.4)で平衡化したQAE−セフア
デツクスA−25(フアルマシア社製)充填カラム
(4×40cm)に吸着させ、上記緩衝液200mlで洗浄
後、濃度が0%から4%まで直線的に増加する食
塩水(合計3.0)で溶出を行つた。溶出液を15
mlずつ分画し、バイオアツセイを行い、画分51か
ら画分70まで、合計300mlの活性画分を得た。 この画分を凍結乾燥し、黄褐色の粉末を得た。 この粉末を少量の蒸留水に溶解し、5gの食塩
を加え、ダイヤイオンHP20AG〔三菱化成(株)製〕
充填カラム(2×50cm)に吸着させ、5%食塩水
50mlで洗浄後、蒸留水100mlで洗浄した。濃度が
0%から30%まで直線的に増加するアセトン水
(合計1.)で溶出し、1画分を10mlとし、その
溶出液を分画した。バイオアツセイにより、活性
画分35から画分45までの合計110mlを集め、これ
を凍結乾燥すると、黄褐色の粉末52mgが得られ
た。 抗生物質OA−6129A粗粉末52mgを、少量の蒸
留水に溶解し、セフアデツクスG−10(フアルマ
シア社製)充填カラム(2×80cm)に導き、蒸留
水で展開し、バイオアツセイにより、活性画分30
mlを集めた。この活性画分を予め、0.01リン酸緩
衝液(PH8.4)で平衡化したQAE−セフアデツク
スA−25(フアルマシア社製)充填カラム(2×
30cm)に吸着させ、上記緩衝液50mlで洗浄後、濃
度が0%から5%まで直線的に増加する食塩水
(合計800ml)で溶出を行い、溶出液を5mlずつ分
画した。バイオアツセイにより、活性画分36から
画分40までの合計25mlを集めた。 この画分に4gの食塩を加え、ダイヤイオン
HP20AG〔三菱化成(株)製〕充填カラム(2×40
cm)に吸着させ、蒸留水50mlで洗浄後、濃度0%
から30%まで直線的に増加するアセトン水(合計
800ml)で溶出し、1画分を5mlとし、その溶出
液を分画した。 バイオアツセイにより、活性画分105から画分
117の合計65mlを集めた。 これを凍結乾燥することにより淡黄色粉末21mg
を得た。 得られた凍結乾燥標品は次の特性を有した。 (1) 形状:淡黄色粉末 (2) 比旋光度:〔α〕24/D:11.6°(c=1.0、0.01M

ン酸緩衝液、PH8.4) 但し、紫外部吸収においてλmax300nmのε
を5600とした時の値である。 (3) 分子式 理論分子式C20H30N3O7SNa(M.W.=479) (4) 紫外部吸収スペクトラム λ0.01Mリン酸緩衝液(pH8.4) nax on():300)5600
) (5) 赤外部吸収スペクトラム(KBr)の主要ピ
ーク νKBnaxcm-1: 1760(β−ラクタム) 1660(アミド) 1600(カルボキシレート) (6) 核磁気共鳴スペクトラム(溶媒:D2O) (内部基準:DSS) δ(ppm) 0.89(3H,s,
【式】 0.92(3H,s,
【式】 1.00(3H,t,J=7.5Hz,CH2−CH3) 1.60〜2.00(2H,m,CH2−CH3) 2.48(2H,t,J=6.5Hz,N−CH2−CH2
CO) 2.80〜3.65(11H,m,C−4H2,C−6H,
S−CH2−CH2−N,N−CH2−CH2−CO,
C−CH2−OH) 3.95(2H,m,C−5H,
〔抗生物質OA−6129B1及びB2精製〕
抗生物質OA−6129B1及びB2を主に含む溶出液
を、凍結乾燥することによつて得られた茶褐色の
粉末を、前述の抗生物質OA−6129Aを主に含む
区分と同様に、順次、バイオゲルP−2カラム処
理、QAE−セフアデツクスA−25カラム処理、
ダイヤイオンHP20AGカラム処理により溶出さ
れる第1の活性画分から抗生物質のOA−6129B1
の黄褐色粗粉末が840mg、遅れて溶出される第2
の活性画分には抗生物質OA−6129B2の黄褐色粗
粉末が470mg得られた。これらの粗粉末をそれぞ
れ、抗生物質OA−6129A粗粉末と同様に処理し
て、凍結乾燥品として該OA−6129B1の淡黄色粉
末21mgを得た。本粉末はさらに活性炭充填カラム
に吸着させた後、濃度が0%から50%まで直線的
に増加するイソプロピルアルコール水で溶出を行
い、300nmに紫外部極大吸収を有する画分を集
め、これを凍結乾燥して、淡黄色粉末8mgを得
た。また、N1501菌株の培養液からは、ほぼ同一
の性状の該粉末9.5mgが得られた。 得られた凍結乾燥粉末は、次の特性を示した。 (1) 形状:淡黄色粉末 (2) 比旋光度:〔α〕24/D24.2°(c=0.5、H2O中) (3) 分子式 C20H30N3O8SNa(M.W.=495) (4) 紫外部吸収スペクトル λH2O naxnm(ε)300(6400) (5) 赤外部吸収スペクトル νKBnaxcm-1: 1750(β−ラクタム) 1650(アミド) 1590(カルボキシレート) (6) 核磁気共鳴スペクトラム(溶媒:D2O、内
部基準DSS) δ:0.86(3H,s,
【式】 0.89(3H,s,
【式】 1.33(3H,d,J=6.0Hz
【式】 2.47(2H,t,J=6.5Hz,NH−CH2−CH2
CO) 2.75〜3.70(11H,m,c−4H2,C−6H,S−
CH2−CH2−NH,NH−CH2−CH2−CO,
【式】 3.93(1H,s,
【式】 3.95〜4.40(2H,m,C−5H,
〔抗生物質OA−6129B2の精製〕
抗生物質OA−6129B2の粗粉末470mgを、前記
OA−6129B1と同様に、セフアデツクスG−10充
填カラム処理、QAE−セフアデツクスA−25充
填カラム処理、さらにダイヤイオンHP20AG充
填カラム処理し、抗生物質OA−6129B2の淡黄色
粉末23mgを得た。 また、N1501菌株の培養液からは、同様な粉末
24.5mgが得られた。 得られた凍結乾燥標品は次の特性を示した。 (1) 形状:淡黄色粉末 (2) 比旋光度:〔α〕24/D14.7°(c=1.0、0.01Mリ

酸緩衝液、PH8.4) (3) 分子式 C20H30N3O8SNa(M.W.495) (4) 紫外部吸収スペクトラム λ0.01Mリン酸緩衝液(PH8.4) naxon()=300(5400) (5) 赤外部吸収スペクトラム(KBr)の主要ピ
ーク νKBnaxcm-1: 1760(β−ラクタム) 1660(アミド) 1600(カルボキシレート) (6) 核磁気共鳴スペクトラム(溶媒:D2O,内
部基準DSS) δ:0.87(3H,s,
【式】 0.92(3H,s,
【式】 1.28(3H,d,J=7.0Hz
【式】 2.45(2H,t,J=6.5Hz,NH−CH2−CH2
CO) 2.75〜3.60(11H,m,C−4H2,C−6H,S
−CH2−CH2−NH,NH−CH2−CH2−CO,
【式】 3.94(1H,s,
【式】 3.95〜4.35(2H,m,C−5H,
【式】 (7) ペーパークロマトグラフイー 東洋紙 No.50 展開溶媒 アセトニトリル/0.1Mトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩
衝液(PH7.5)/0.1Mエチレンジアミン水溶液
(PH7.5)=120/30/1 検出方法 Comamonas terrigena B−
996によるバイオオートグラフイー Rf値 0.17 (8) 高圧紙電気泳動 PH8.6のベロナール緩衝液、東洋紙No.51を
用い1500V、30分泳動した。 Rm値0.67(Rm値はPS−5ナトリウム塩の移
動度を1.0としたものである。 (9) 高速液体クロマトグラフイー 充てん剤;マイクロボンダパツクC18 カラム;7.8mm(内径)×30cm (日本ウオーターズリミテツド) 移動相;3%アセトニトリルを含む0.01モル
リン酸二アンモニウム緩衝液(PH7.5) 流量;1.5ml/min 検出方法;紫外部301nm 上記の条件下で、保持時間22.5分である。 以上の理化学的性質から抗生物質OA−
6129B1及びB2の平面構造は、 であり、B1、B2の相違は5,6−位の立体配
置がトランス又はシスで示される異性体と考え
られる。 (C) 抗生物質OA−6129Cの精製 前記の抗生物質OA−6129Cを含む溶出液7.0
をHP20ダイヤイオン(前出)充填カラム(5×
80cm)に吸着させ、0.1Mリン酸緩衝液(PH8.4)
1.5で洗浄後、濃度が0%から20%まで直線的
に増加するアセトン水(合計6.0)で溶出した。
溶出液を250mlずつ分画し、画分9から画分13ま
での合計1.25の溶出液を得た。 この溶出液を、3%のアルキルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド〔東京化成(株)製〕を含
むメチレンクロライド1.0で抽出を行い、続い
て、抽出後のメチレンクロライド層を8%ヨウ化
ナトリウム水溶液300mlで再抽出を行つた。 得られた抽出液300mlを予め0.01Mリン酸緩衝
液(PH8.4)で平衡化したバイオゲルP−2(前
出)充填カラム(8×100cm)に導き、上記緩衝
液で展開し、バイオアツセイを行い、活性画分
1.2を集めた。 この溶出液をダイヤイオンHP20充填カラム
(4×60cm)に吸着させ、蒸留水600mlで洗浄後、
濃度が0%から10%まで直線的に変化するアセト
ン水(合計3.0)で溶出した。溶出液を15mlず
つ分画し、バイオアツセイを行い、画分41から画
分115までの合計1.1の活性画分を得た。この溶
出液を予め0.01Mリン酸緩衝液(PH8.4)で平衡
化したQAE−セフアデツクスA−25(前出)充填
カラム(4×40cm)に吸着させ、上記緩衝液500
mlで洗浄後、濃度が0%から5%まで直線的に増
加する食塩水(合計3.0)で溶出を行つた。溶
出液を15mlずつ分画し、バイオアツセイを行い、
画分112から画分139までの合計420mlの活性画分
を得た。次に、この活性画分に最終濃度が5%に
なるように食塩を加え、ダイヤイオンHP20AG
(前出)充填カラム(3×60cm)に吸着させ、脱
イオン水で溶出を行つた。溶出液を15mlずつ分画
し、バイオアツセイを行い画分31から画分48ま
で、合計270mlの活性画分を得た。この活性画分
を凍結乾燥し、135mgの黄褐色の粉末を得た。 この粉末135mgを少量の蒸留水に溶解し、セフ
アデツクスG−10(前出)充填カラム(2×70cm)
に導き、蒸留水で展開し、バイオアツセイを行
い、活性画分合計68mlを得た。 これを予め0.01Mリン酸緩衝液(PH8.4)で平
衡化したQAE−セフアデツクスA−25充填カラ
ム(4×30cm)に吸着させ、上記緩衝液800mlで
洗浄後、濃度が0から5%まで直線的に増加する
食塩水(合計2.4)で溶出した。溶出液を13ml
ずつ分画し、バイオアツセイを行い、画分118か
ら画分139まで合計286mlを得た。 これに、最終濃度が5%になるように食塩を加
え、ダイヤイオンHP20AG充填カラム(3×60
cm)に吸着させ脱イオン水で溶出を行つた。溶出
液を10mlずつ分画し、300nmに、紫外部極大吸収
を有する画分を合計90ml集めた。 これを、凍結乾燥し、18mgの淡黄色の抗生物質
OA−6129C粉末を得た。また、N1501菌株の培
養液からは同様に20.0mgの淡黄色粉末を得た。 得られた抗生物質OA−6129Cの凍結乾燥標品
は次の特性を示した。 (1) 形状:淡黄色粉末 (2) 比旋光度:〔α〕24/D17.4°(c=0.55、0.01Mリ
ン酸緩衝液、PH8.2) (3) 元素分析値C20H29N3O11S2Na・2H20とし
て) 計算値 C37.91%、H5.25%、N6.63%、
S10.12% 分析値 C37.61%、H5.00%、N6.38%、
S9.52% (4) 分子量 597.5731(分子式C20H29N3O11S2Na2 (5) 紫外部吸収スペクトラム(0.01Mリン酸緩衝
液中、PH8.2) λnaxnm(ε):300.5(7600) (6) 赤外部吸収スペクトラム(KBr)の主要ピ
ーク νKBnaxcm-1: 1750(β−ラクタム) 1660〜1595(アミド、カルボキシレート) 1250〜1220(硫酸エステル) (7) 核磁気共鳴スペクトラム(重水中)(内部基
準:DSS) δ0.86(3H,s,
【式】 0.89(3H,s,
【式】 1.49(3H,d,J=6.5Hz,CH3−CH−) 2.47(2,t,J=7.0Hz,NH−CH2−CH2
CO) 2.70〜3.10(10H,m,C−4H2,CH2−OH,
NH−CH2−CH2−CO,S−CH2−CH2−NH) 3.83(1H,dd,J=5.5Hz,J=9.5Hz,C−
6H) 3.94(1H,s,
【式】 4.10〜4.43(1H,m,C−5H) 4.78(1H,dd,J=6.5Hz,J=9.5Hz
【式】 (8) ペーパークロマトグラフイー 東洋紙 No.50 展開溶媒 アセトニトリル/0.1Mトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩
衝液(PH7.5)/0.1Mエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム水溶液(PH7.5)(120/30/1) 検出方法 Comamonas terrigena
B996によるバイオオートグラフイー Rf値 0.09 (PS−5のRf値は0.31を示した) (9) 高圧紙電気泳動 PH8.6のVeronal緩衝液、東洋紙No.51を用
い1500V、30分泳動した。 Rm値1.69(Rm値はPS−5ナトリウム塩の移
動度を1.0としたものである) (10) 色反応 ニンヒドリンに対する反応:陰性 ニールリツヒ試薬に対する反応:陽性 (11) 加水分解生成物(6NHCl,115℃,18時
間) PH1.8緩衝液による紙電気泳動 (3000V、20分)でシステアミン (Rm値2.26)、β−アラニン(Rm値1.53)
を確認した。(但し、Rm値はアラニンを1.0と
したものである) 以上の理化学的性質から抗生物質OA−
6129Cの平面構造は であり、5,6−シス立体配置を有すると考え
られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストレプトミセス・クレメウス
    (Streptomyces cremeus)又はストレプトミセ
    ス・フルボビリデス(Streptomyces
    fulvoviridis)に属するカルバペネム系抗生物質
    生産菌であつて、式 式中、R1は水素原子、水酸基又は基−O−SO3
    Hを表わす、 で示される化合物の脱パントテノイル化酵素活性
    が欠失した新規微生物。 2 ストレプトミセス・sp.OA−6129
    (Streptomyces sp.OA−6129)FERMBP−11又
    はストレプトミセス・フルボビリデイスN1501
    (Streptomyces fulvoviridisN1501)FERM BP
    −103である特許請求の範囲第1項記載の新規微
    生物。 3 L−ヒスチジン、L−アルギニン又はアデニ
    ン要求性をさらに有する特許請求の範囲第1項記
    載のの新規微生物。 4 ストレプトミセス・フルボビリデイスN1501
    −No.24(Streptomyces fulvoviridisN1501−No.
    24)FERM BP−105である特許請求の範囲第3
    項記載の新規微生物。
JP57034035A 1982-03-05 1982-03-05 新規微生物 Granted JPS58152476A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57034035A JPS58152476A (ja) 1982-03-05 1982-03-05 新規微生物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57034035A JPS58152476A (ja) 1982-03-05 1982-03-05 新規微生物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58152476A JPS58152476A (ja) 1983-09-10
JPH0438390B2 true JPH0438390B2 (ja) 1992-06-24

Family

ID=12403074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57034035A Granted JPS58152476A (ja) 1982-03-05 1982-03-05 新規微生物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58152476A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2922130A2 (en) 2014-03-20 2015-09-23 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Fuel cell system

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5295758B2 (ja) * 2006-03-27 2013-09-18 Meiji Seikaファルマ株式会社 1β−メチルカルバペネムの製造法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2922130A2 (en) 2014-03-20 2015-09-23 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Fuel cell system

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58152476A (ja) 1983-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960016874B1 (ko) 미생물에 의한 트랜스-4-히드록시-l-프롤린의 제조방법
US4318916A (en) Antibiotic PS-5 and derivatives having β-lactamase inhibitory activity and production thereof
JPH0438390B2 (ja)
US4550021A (en) Antitumor antibiotic 81-484 and process for its production
US4282322A (en) Process for enzymatic deacylation of antibiotics
KR850000577B1 (ko) β-락탐 화합물의 제조방법
US4656288A (en) Antibiotics, their production and use
US4292309A (en) Antibiotics C-14482 B1, B2 and B3
EP0068485A2 (en) Novel antibiotics and process for production thereof
EP0050961B1 (en) Novel antibiotics, a process for producing the same, medical compositions containing the same, and a novel strain of the genus streptomyces for use in producing the same
US4264734A (en) Process for producing antibiotic desacetyl 890A10
US4039660A (en) Antibiotic y-g19z d3 and the production thereof
US4427655A (en) Antibiotics-875A and production thereof
KR0141322B1 (ko) 항생물질 키모렉신- 에이(kimorexin - a) 및 그 제조법
JPS6363550B2 (ja)
EP0038534B1 (en) Process for preparing thienamycin
JPH0372236B2 (ja)
US4201769A (en) Antibiotic substances No. 17927A1 and No. 17927A2 and process for producing the same
JP2795489B2 (ja) 新規物質dc115a化合物
JP3327982B2 (ja) 新規な抗生物質mi481−42f4−a関連物質
JPH025396B2 (ja)
US4701324A (en) Novel cell-cidal antibiotic 82-85-8A and its production
JPS6040838B2 (ja) ビシクロマイシンの製造方法
JPS6348284A (ja) 新抗生物質yp−02908l−aおよびその製造法
JPS5820265B2 (ja) 微生物