JPH0437269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は生コンクリート圧送用ポンプに関し、
特には生コンクリートの供給管と吐出管とが並列
接続された固定板を開閉自在に配備することによ
つて、生コンクリートの吸入と吐出の切り換え部
である固定板と摺動板の摺動面を開放及び密接可
能として摺動面の保守点検、部品交換及び打設後
の残留コンクリートの排出や掃除を安全に手早
く、かつ、完全に実施することができるポンプに
関する。

従来の技術 一般に生コンクリートを、パイプを用いて送給
するには圧送ポンプを使用するのが通例である
が、この圧送ポンプとして、例えば特開昭49−
83903号公報に記載の構成が知られている。上記
の圧送ポンプはシリンダとそれに係合するピスト
ンとから成る２本のプランジヤポンプを摺動板に
直交して平行に接続し、該摺動板を生コンクリー
トの供給管及び吐出管を並列接続した固定板に摺
動可能に装備せしめ、かつ、この摺動板は油圧シ
リンダによつて、前記プランジヤポンプと同期し
て固定板に摺動して案内台上を水平方向に往復運
動するように構成されており、この摺動板が摺動
する固定板の中央に生コンクリートの吐出管を連
結する一方、該吐出管の両側に、ホツパに一端部
を接続した供給管を２本連結した構成となつてい
る。上記装置の駆動に際しては、何れか一方のシ
リンダと生コンクリートの供給管とを連通させて
該シリンダ内に生コンクリートを吸入している間
に、他方のシリンダを吐出管と連通させてシリン
ダ内に吸入した生コンクリートを押し出すように
しており、上記の操作を交互に繰り返すことによ
つて切換弁等の複雑な構成を要することなく、か
つ、切り換え部における流路抵抗を増大させるこ
となくホツパ内に投入された生コンクリートを固
定板に連結された吐出管に連続的に圧送を行なえ
るようにしたものである。上記の構成の場合、固
定板は固着されており、又ホツパと供給管とは一
体に連結されている。

一方実開昭49−141402号公報には、ゲートバル
ブを具えたコンクリートポンプにおいてバルブハ
ウジングを含む組立体がホツパを担持しながらバ
ルブハウジングの回りに回動乃至摺動するホツパ
支持手段を具え、前記ホツパを同支持手段でバル
ブハウジングから隔たる位置に移動可能にした構
成が開示されている。このような構成によれば、
ゲートバルブハウジングのホツパの接合面の開放
操作が簡単な工具を用いるのみで可能となり、ホ
ツパの接合面の開放にクレーン等の吊上げ設備を
必要としない。また同様に実開昭55−46740号公
報によれば、コンクリート吸入吐出弁の切換えに
よりホツパからコンクリートを吸込み圧送するよ
うにしたコンクリートポンプにおいて、ホツパを
旋回可能にした構成が開示されている。このよう
な構成においてもコンクリート吸入吐出弁の消耗
部品の交換作業等のためのホツパの開放にクレー
ン等の吊上げ装置を必要としない。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来の生コンクリー
ト圧送用ポンプ、特に実開昭49−83903号公報に
記載された構成の場合、摺動板が固定板に対して
摺動することにより、シリンダの生コンクリート
の吸入と吐出を切り換えているため、この摺動面
の保守点検が必要であるが、生コンクリートの供
給管と吐出管とが接続された固定板が固着されて
いるので、吸入と吐出の切り換え部である固定板
と摺動板の摺動面の点検、整備、部品交換等の各
種作業を簡単に行なうことができず、そのために
は分解作業が必要であつて多大な時間と労力とを
必要とする問題点がある。

更に実開昭49−141402号公報に記載された構成
の場合、ホツパのみをバルブハウジングから回動
させてホツパの接合面を開放させる構成となつて
いるため、該バルブハウジングの内方に収容され
た、流路抵抗が大きく最も詰まり易く、かつ、摩
耗の大きい生コンクリートの吸入と吐出の切り換
え部であるゲートバルブ部分を開閉させることが
できず、従つてバルブ部分の洗浄、整備等の各種
作業は矢張簡単に実施することができないという
欠点を有している。また、同様に実開昭55−
46740号公報に記載された構成にあつても、ホツ
パのみを横方向に開閉する構成であり、生コンク
リートの吸入と吐出を切り換えるコンクリート吸
入吐出弁そのものを開閉するものではない。その
ためホツパの開放により作業スペースをあけるこ
とはできても、弁機構のため流路抵抗が大きくて
詰まり易く、かつ、摩耗の大きいコンクリート吸
入吐出弁を開放することはできず、従つて弁機構
の部品交換等の各種作業はコンクリート吸入吐出
弁を分解しなければならず、相当の労力と時間を
必要として、困難であるという欠点を有してい
る。更に、ホツパそのものは横方向に移動するの
みであり、内部の清掃、保守点検はホツパに登つ
て行なうこととなる。

そこで本考案はこのような従来の生コンクリー
ト圧送用ポンプが有している問題点を解消して、
前記ホツパのみならず、該ホツパが連結された供
給管及び吐出管とが並列接続された固定板自体を
下方向に開閉自在とすることによつて、生コンク
リート打設後の生コンクリートの吸入と吐出の切
り換え部である固定板と摺動板の摺動面の洗浄及
び摩耗度の判別、部品交換等の保守点検の各種作
業を容易に、かつ、短時間で実施することができ
る生コンクリート圧送用ポンプを提供することを
目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上記の目的を達成するために、生コン
クリートを投入するホツパが連結された供給管及
び該生コンクリートの吐出管とが並列接続された
固定板と、該固定板に密接して摺動可能に装備さ
れ、かつ、シリンダとピストンから成るプランジ
ヤポンプが直交して接続された摺動板と、該摺動
板と上記プランジヤポンプとを一体として前記固
定板と平行な方向へ往復動作可能とした油圧シリ
ンダと、適宜の取付台上に固定されて前記摺動板
の摺動をガイドする案内台とを具備した生コンク
リート圧送用ポンプにおいて、前記固定板の下端
部を、案内台が支持された取付台の一端部に軸着
するとともに、前記ホツパにシリンダとラムから
成るアームを軸着し、該ラムを伸縮動作させるこ
とにより、前記固定板を取付台への軸着部を回動
中心として回動させて、生コンクリートの吸入と
吐出を切り換える固定板と摺動板との摺動面を開
放及び密接させる構成にしてある。

作 用 上記構成の本考案によれば、プランジヤポンプ
を構成するシリンダの開口部に、固定板に接続さ
れた生コンクリートの供給管を連通させてホツパ
に投入された生コンクリートをシリンダ内に吸入
させた後、油圧シリンダの作用によつてプランジ
ヤポンプが接続された摺動板を案内台に沿つて密
接して固定板上を摺動移動させ、シリンダの開口
部と固定板に接続された生コンクリートの吐出管
の開口部を連通可能に対面させることによつて該
シリンダ内に吸入された生コンクリートが吐出管
内に送り込まれる。上記の吸入及び圧送の動作を
繰り返すことによつてホツパ内の生コンクリート
が順次作業現場に送給される。

作業の終了後に生コンクリートの吸入と吐出の
切り換え部である固定板と摺動板の摺動面周辺の
保守点検、洗浄等を実施する際には、前記ホツパ
に軸着されたシリンダとラムから成るアームのラ
ムを伸長縮動作させることにより、前記固定板を
取付台への軸着部を回動中心として回動させて、
吸入と吐出の切り換え部である固定板と摺動板と
の摺動面を開放する。即ち生コンクリートの吸入
と吐出の切り換え部そのものを開放することがで
きて、摺動面が外部に露出する。従つて摺動面の
洗浄、部品交換、摩耗度の判別等の保守点検作業
が容易に実施可能となるという作用がもたらされ
る。また、ホツパも固定板の開放に連動して下方
向に回動されるため、ホツパ内の清掃、保守点検
がホツパに登ることなく、地上で容易に行うこと
ができる。そして、洗浄、点検等が終了すれば、
前記アームのラムを収縮動作させることにより、
固定板を摺動板に密接させて支持することができ
る。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案に係る生コンクリート圧送用ポ
ンプの概略構造を示す側面図であり、第２図及び
第３図はその動作説明図である。図中１はシリン
ダ、２は摺動板、３は案内台であつて、上記シリ
ンダ１はその一端部が開口された状態として摺動
板２に直交して接続されており、他端部に油圧シ
リンダが連結されて、両端部にピストン６，７を
有するピストンロツド８が前記シリンダ１の内部
に挿通自在に配置されていて、プランジヤポンプ
Ａを構成している。９はシリンダ１とピストンロ
ツド８との連結箱である。前記摺動板２は案内台
３に係合して水平方向に往復動自在となつてお
り、固定板１１に密接して摺動可能に装備されて
いる。この案内台３は適宜の取付台１９上に固定
されていて、前記摺動板２をガイドする機能を有
している。１０は前記シリンダ１の側方に配置さ
れて、シリンダ１を有するプランジヤポンプＡと
摺動板２を一体にして案内台３に沿つて平行に移
動させるためのラムとシリンダとから成る油圧シ
リンダである。一方１４はホツパ、４は該ホツパ
１４に連結された生コンクリートの供給管であつ
て、該ホツパ１４内に供給される生コンクリート
を順次供給管４に供給するようになつている。１
１は固定板であつて前記供給管４はその一端部が
開口された状態として固定板１１に接続されてい
る。５は生コンクリートの吐出管であつて、前記
供給管４とともに固定板１１に並列接続されてい
る。即ち固定板１１は前記供給管４及び吐出管５
とが連通する開口部を備えていて、この開口部は
摺動板２に直交して接続された前記シリンダ１の
開口部と対面する位置にある。そしてこの固定板
１１の下端部は、案内台３の下部に位置する前記
取付台１９の側部に張出すブラケツト１２に軸１
３を用いて軸着されており、該固定板１１が軸１
３を回動中心として下方向に開閉自在となつてい
る。

更に前記ホツパ１４には、シリンダ１５及び該
シリンダ１５に伸縮自在に挿通されたラム１６か
ら成るアーム１７が軸着されている。即ち、図示
の実施例ではラム１６の先端部がホツパ１４に軸
着され、シリンダ１５の基端部が固定部１８に軸
着されている。このアーム１７はラム１６を伸縮
動作させることにより、固定板１１を軸１３を中
心として回動させて、固定板１１と摺動板２との
摺動面を開放及び密接させる機能を有している。

かかる構成で成る生コンクリート圧送用ポンプ
の作用を以下に説明する。

先ずホツパ１４内に生コンクリートを投入し、
次いで油圧シリンダ１０を駆動させてシリンダ１
及び摺動板２を一体として、該摺動板２を案内台
３に沿つて平行に移動させて固定板１１に密接し
て摺動させ、第２図に示した如く摺動板２に形成
したシリンダ１の開口部と固定板１１に形成した
供給管４の開口部とを対面させる。そして図示の
ようにプランジヤポンプＡのピストン６を摺動板
２から離反する方向に引くことによつて、ホツパ
内に投入された生コンクリートが供給管４を介し
てシリンダ１内に吸入される。次に再び油圧シリ
ンダ１０を駆動させてシリンダ１及び摺動板２を
一体として、該摺動板２を案内台３に沿つて前記
と逆方向に平行に移動させて固定板１１を密接し
て摺動させ、第３図に示した如く摺動板２に形成
したシリンダ１の開口部と固定板１１に形成した
吐出管５の開口部とを対面させる。そして図示の
ようにプランジヤポンプＡのピストン６を摺動板
２の方向に押し込むことによつて、シリンダ１内
の生コンクリートが摺動板２及び固定板１１に形
成された開口部を介して吐出管５内に送り込まれ
る。そしてシリンダ１内の生コンクリートが全て
吐出管５内に送り込まれると、そのままの状態即
ちピストン６を摺動板２の近傍に位置させたま
ま、油圧シリンダ１０を操作してシリンダ１と供
給管４の開口部とを対面させて再度前記吸入動作
を行ない、更に前記動作説明と同様に生コンクリ
ートの圧送動作を継続することによつて、該生コ
ンクリートが連続的に吐出管５内を圧送される。

次に作業の終了後に、固定板１１及び摺動板２
に形成された前記開口部等、生コンクリートの吸
入と吐出の切り換え部である固定板１１と摺動板
２の摺動面周辺及びホツパ１４内とかシリンダ１
の内方等を洗浄する際には、アーム１７のラム１
６を伸長縮動作させることによつて、固定板１１
がホツパ１４とともに軸１３を回動中心として第
１図の実線に示す位置から２点鎖線に示す位置ま
で下方向に回動して、固定板１１と摺動板２との
接触部分が露出された状態となる。従つて吸入と
吐出の切り換え部である摺動面そのものを開放で
きて、固定板１１及び摺動板２の摺動面に形成さ
れた前記開口部等及びシリンダ１の内方等更には
ホツパ１４内とかを極めて容易に洗浄することが
できるとともに、摩耗度の点検、各種部品の交換
等の保守整備作業が簡易に実施可能となる。更に
固定板１１とともにホツパ１４が下方向に回動す
るので、摺動面である前記開口部及びシリンダ１
の内方を洗浄できると共に、洗浄水を供給管４か
ら或は直接ホツパ１４内にも供給することができ
てホツパ１４内に残留する生コンクリートをも充
分に洗い落すことが可能となる。上記の洗浄、保
守点検作業が終了したならば、アーム１７のラム
１６をシリンダ１５内に収縮させることによつ
て、再び固定板１１が実線の位置、即ち摺動板２
に密接した作業開始位置に戻り、生コンクリート
の圧送作業を継続することができる。

考案の効果 以上詳細に説明した如く、本考案に係る生コン
クリート圧送用ポンプは、生コンクリートを投入
するホツパが連結された供給管及び該生コンクリ
ートの吐出管とが並列接続された固定板と、該固
定板に密接して摺動可能に装備されて、かつ、シ
リンダとピストンから成るプランジヤポンプが直
交して接続された摺動板と、該摺動板と上記プラ
ンジヤポンプとを一体として前記固定板と平行な
方向へ往復動作可能とした油圧シリンダと、適宜
の取付台上に固定されて前記摺動板の摺動をガイ
ドする案内台とを具備した生コンクリート圧送用
ポンプにおいて、前記固定板の下端部を、案内台
が支持された取付台の一端部に軸着するととも
に、前記ホツパにシリンダとラムから成るアーム
を軸着し、該ラムを伸縮動作させることにより、
前記固定板を取付台への軸着部を回動中心として
回動させて、生コンクリートの吸入と吐出を切り
換える固定板と摺動板との摺動面を開放及び密接
させる構成としたので、以下に記す作用効果がも
たらされる。即ち生コンクリートの打設終了後に
生コンクリートの供給管及び吐出管が接続された
固定板をシリンダが接続された摺動板から離反さ
せながら完全に開放することができるので、生コ
ンクリートの吸入と吐出の切り換え部である固定
板と摺動板の摺動面そのものを開放することがで
き、摺動部分及びシリンダの内方等更にはホツパ
内とかを極めて容易に洗浄することができるとと
もに、摩耗度の点検、各種部品の交換等の保守整
備作業が簡易に実施可能となる。更に固定板の軸
着部を回動中心として固定板とともにホツパが下
方向に回動するので、摺動面及びシリンダの内方
を洗浄できると共に、洗浄水を供給管から或は直
接ホツパ内にも供給することができてホツパ内に
残留する生コンクリートをも充分に洗い落すこと
ができる。また、上記の洗浄、保守点検作業が終
了したならば、アームのラムをシリンダ内に収縮
させることによつて、再び固定板を摺動板に密接
した作業開始位置に容易に戻すことができる。そ
のために分解掃除等の多大な時間と労力とを必要
とせず、作業の能率を高めることができるという
大きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る生コンクリート圧送用ポ
ンプの一実施例を示す側面図、第２図及び第３図
は本考案の動作説明図である。 １……シリンダ、２……摺動板、３……案内
台、４……供給管、５……吐出管、６，７……ピ
ストン、８……ピストンロツド、１０……油圧ポ
ンプ、１１……固定板、１３……軸、１４……ホ
ツパ、１５……シリンダ、１６……ラム、１７…
…アーム、１８……固定部、１９……取付台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 生コンクリートを投入するホツパが連結された
   供給管及び該生コンクリートの吐出管とが並列接
   続された固定板と、該固定板に密接して摺動可能
   に装備され、かつ、シリンダとピストンから成る
   プランジヤポンプが直交して接続された摺動板
   と、該摺動板と上記プランジヤポンプとを一体と
   して前記固定板と平行な方向へ往復動作可能とし
   た油圧シリンダと、適宜の取付台上に固定されて
   前記摺動板の摺動をガイドする案内台とを具備し
   た生コンクリート圧送用ポンプにおいて、 前記固定板の下端部を、案内台が支持された取
   付台の一端部に軸着するとともに、前記ホツパに
   シリンダとラムから成るアームを軸着し、該ラム
   を伸縮動作させることにより、前記固定板を取付
   台への軸着部を回動中心として回動させて、生コ
   ンクリートの吸入と吐出を切り換える固定板と摺
   動板との摺動面を開放及び密接させることを特徴
   とする生コンクリート圧送用ポンプ。