JPH0436786B2 - - Google Patents
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- JPH0436786B2 JPH0436786B2 JP20057883A JP20057883A JPH0436786B2 JP H0436786 B2 JPH0436786 B2 JP H0436786B2 JP 20057883 A JP20057883 A JP 20057883A JP 20057883 A JP20057883 A JP 20057883A JP H0436786 B2 JPH0436786 B2 JP H0436786B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/04—Welding for other purposes than joining, e.g. built-up welding
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Plasma Technology (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
この発明は、粉末を用いた肉盛溶接に適用され
る粉末肉盛溶接方法に関し、例えば自動車用や船
舶用エンジンバルブのフエース面における肉盛、
その他各種の肉盛溶接に適用される粉末肉盛溶接
方法に関するものである。 (従来技術) 従来、例えば自動車用のエンジンバルブを製作
するに際しては、そのフエース面の耐熱および耐
摩耗性を高めるために肉盛りを溶接を行うことが
多い。 この肉盛溶接においては、バルブ等の被肉盛材
に対する溶着が完全であること、肉盛溶着金属の
成分が肉盛溶着前の肉盛材成分に近いこと、肉盛
溶接部のビード形状が良好であること、肉盛材の
歩留りが高いこと、などが要求されるが、この肉
盛溶接に際して粉末を用いたプラズマ肉盛溶接を
採用する試みも進んでいる。 この際に使用される粉末肉盛溶接用プラズマト
ーチとしては、棒状電極と前記棒状電極の囲りに
配設され且つ端部にプラズマアーク拘束ノズルを
備えたトーチ内筒との間からプラズマ作動ガスを
供給すると共に、前トーチ内筒と前記トーチ内筒
の囲りに配設したトーチ外筒との間から粉末送給
ガスと共にプラズマアーク中に肉盛溶接用粉末を
供給する構成のものがあり、プラズマアークによ
つて前記肉盛溶接用粉末を溶解して被肉盛材表面
に溶接肉盛するものがあつた。 しかしながら、このような粉末肉盛溶接用プラ
ズマトーチを用いて行う粉末肉盛溶接において
は、プラズマ作動ガスや粉末送給ガスの供給量、
あるいは溶接速度が適切でない場合、例えばプラ
ズマ作動ガスの供給量が少ない場合には安定した
プラズマアークの発生が困難となり、粉末送給ガ
スの供給量が少ない場合には肉盛溶接用粉末の送
給が困難となり、プラズマ作動ガスや粉末送給ガ
スの供給量が多い場合には溶融状態にある溶着金
属が吹かれて変形したり飛散したりして良好な溶
接ビード形状を得ることができなくなるという問
題があつた。 (発明の目的) この発明は、上述した従来の問題点に着目して
なされたもので、粉末を用いた肉盛溶接による溶
接部のビード形状が良好であり、特に自動車用の
エンジンバルブのように肉盛溶接部がリング状を
なすときでも、溶接部のビード形状が著しく良好
なものとすることができる粉末肉盛溶接方法を提
供することを目的としている。 (発明の構成) この発明は、棒状電極と前記棒状電極の囲りに
配設され且つ端部にプラズマアーク拘束ノズルを
備えたトーチ内筒との間からプラズマ作動ガスを
供給すると共に、前記トーチ内筒と前記トーチ内
筒の囲りに配設したトーチ外筒との間から粉末送
給ガスと共にプラズマアーク中に肉盛溶接用粉末
を供給する構成の粉末肉盛溶接用プラズマトーチ
を用いて粉末肉盛溶接を行うに際し、前記プラズ
マアーク拘束ノズルの開口径をD(mm)とした場
合に前記プラズマ作動ガス供給量を(0.03〜
0.13)×1/4πD2(/min・mm2)にすると共に、
前記肉盛溶接用粉末供給量1g/minに対し前記
粉末送給ガス供給量を0.1〜0.4/minにして溶
接することを特徴としており、より望ましくは、
溶接速度を3.8mm/sec以上とし、必要に応じて、
プラズマトーチをウイービングなしで肉盛溶接す
るようにしたことを特徴としている。 第1図はこの発明の粉末肉盛溶接方法において
用いる粉末肉盛溶接用プラズマトーチの一例を示
す図であつて、このプラズマトーチ1は、図示し
ない電源の陰極側と接続した棒状電極2を中心に
備え、この棒状電極2と同心状に且つ間隔をおい
てトーチ内筒3が配設してある。このトーチ内筒
3は図示例の場合、その下端にチツプ4を備えて
いてねじ止めされているが、これらを一体化した
ものであつても良い。そして、トーチ内筒3およ
びチツプ4内には冷却水通路5が設けてあると共
に、棒状電極2とトーチ内筒3との間でプラズマ
作動ガス流通路6が形成してあり、さらにこの棒
状電極2とトーチ内筒3との間にはプラズマ作動
ガス通過孔7を複数設けたプラズマ作動ガス整流
体8が配設してある。このプラズマ作動ガス整流
体8は、周方向に等間隔で設けた複数のプラズマ
作動ガス通過孔7によつて、上部から矢印方向に
供給されたプラズマ作動ガスの流れを整流し、水
平断面においてプラズマ作動ガスの流れが均一化
されるようにするはたらきをもつている。また、
このプラズマ作動ガス整流体8は、棒状電極2の
保持体としてもはたらくものであつて、棒状電極
2を常にトーチ内筒3と同心状態に保持し、棒状
電極2に片減りを生じるのを防ぐようにしてい
る。また、トーチ内筒3の下端(図示例の場合に
はチツプ4の下端)にはプラズマアーク拘束ノズ
ル9を備えている。 さらに、トーチ内筒3の外周部には間隔をおい
てトーチ内筒11が配設してあり、このトーチ外
筒11の下端部分にプラズマアーク噴出ノズル1
2が形成してあると共に、トーチ内筒3とトーチ
外筒11との間で粉末供給路13が形成してあ
り、図示しない粉末供給装置より粉末送給ガスと
共に供給した肉盛溶接用粉末14がプラズマアー
ク中に供給できるようになつている。また、トー
チ外筒11のノズル部分にも冷却水通路15が形
成してある。さらに、トーチ外筒11の下端部分
には前記プラズマアーク噴出ノズル12と同心状
にガスレンズ16が設けてあり、シールドガス供
給路17から供給されるシールドガスがプラズマ
アークの周囲を濃淡なく均一にシールドするよう
にしてある。 粉末肉盛溶接に際しては、図示しない電源の陰
極側を棒状電極2に接続すると共に、同電源の陽
極側を図示しない被肉盛材に接続し、プラズマ作
動ガスを供給して棒状電極2と被肉盛材との間で
プラズマアークを発生させると同時に、粉末送給
ガスと共に肉盛溶接用粉末14をプラズマアーク
中に供給して溶融させた状態として前記被肉盛材
の表面で溶着させる。 このとき、棒状電極2とトーチ内筒3との間に
プラズマ作動ガス整流体8が設けてあるため、プ
ラズマ作動ガスは水平断面において濃淡のない均
一なものとなつており、プラズマガスの集中性を
高め、肉盛溶接用粉末14の供給を水平断面にお
いて均一化し、棒状電極2の片減りを防止し、良
好な肉盛溶接が可能となるようにしている。ま
た、プラズマアークおよび肉盛溶接部分はシール
ドガスによつて覆われることにより外気と有効に
遮断されるため、良好な肉盛溶接層を得ることが
できる。 なお、前記プラズマトーチの電極は、棒状をな
すものであり、例えば、タングステン等の高融点
金属(または合金)から形成されたものが使用さ
れる。この場合、電極の全体をタングステン等の
高融点材料から形成することも可能であるが、プ
ラズマアーク発生部分を上記高融点材料から形成
し、その他の部分は導電性水冷パイプなどから形
成することもできる。 また、肉盛溶接用粉末は、肉盛用として使用さ
れる例えば耐熱性合金や耐摩耗性合金、具体的に
はステライト等のCo基合金、コルモノイ等のNi
基合金、FMS等のFe基合金などが使用される。
この場合、粉末中に粒径の大きなものが多すぎる
とプラズマアークを用いた肉盛溶接時に溶け残り
が生じることがあり、反対に粉末中に粒径が小さ
なものが多すぎると粉末の飛散量が多くなつて歩
留りが低下することがあり、小径の粉末は大径の
粉末に比べて供給遅れを生じやすいため肉盛溶接
の終期において小径の粉末が切れ悪く出てきて低
い溶接ビードが形成されて溶接ビード形状を悪化
させることがあるので、粉末の粒径および分布を
適切なものとすることが望ましい。 この場合、上記肉盛溶接粉末は、粉末送給ガス
によるプラズマアーク中への供給時における流れ
が良好であるように、ガス噴霧あるいはガス−水
噴霧等、液体噴霧の場合に比べて冷却速度の遅い
粉末製造法によつて製造したものを使用するのが
より望ましい。すなわち、液体噴霧によつて製造
した粉末の形状は不規則形状のものが多く、粉末
の供給が円滑になされないと同時にプラズマアー
クによる溶け込みが十分でないことがあるのに対
して、ガス噴霧あるいはガス−水噴霧によつて製
造した粉末の形状は球形に近いものが多い規則形
状のものであるため、粉末の供給が円滑になされ
ると同時にプラズマアークによる溶け込みが十分
なものとなり、著しく良好な溶接ビード形状が得
られるので望ましいといえる。 上記プラズマ作動ガスとしては、例えばAr、
N2等の不活性ガスの単体あるいは混合ガス等か
らなる不活性ガスなどが用いられるが、このプラ
ズマ作動ガスの供給量がプラズマアーク拘束ノズ
ル9開口径をD(mm)とした場合に0.03×(1/
4)πD2(/min・mm2)よりも少なすぎるとプラ
ズマ作動ガスの供給密度が低くなりすぎて(稀薄
なものとなつて)安定したプラズマアークの形成
が困難となり、反対に供給量が0.13×(1/4)
πD2(/min・mm2)よりも多すぎるとプラスマ作
動ガスの供給密度が高くなりすぎて(流速が多き
なものとなつて)溶融状態の溶着金属が吹かれる
ことにより溶接ビード形状が悪化したり飛散した
りする。それゆえ、この発明では、プラズマアー
ク拘束ノズル9の開口径をD(mm)とした場合に
前記プラズマ作動ガス供給量を(0.03〜0.13)×
1/4πD2(/min・mm2)とするように規制した。 一方、前記粉末送給ガスとしては、例えばAr、
N2等の不活性ガスの単体あるいは混合ガス等か
らなる不活性なガスなどが用いられるが、この粉
末送給ガスの送給量が肉盛溶接用粉末供給量1
g/minに対して0.1/minよりも少なすぎると
肉盛溶接用粉末の送給が困難となり、反対に供給
量が前記肉盛溶接用粉末供給量1g/minに対し
て0.4/minよりも多すぎると溶融状態の溶着
金属が吹かれて溶接ビード形状が悪化したり飛散
したりする。それゆえ、この発明では、肉盛溶接
用粉末供給量1g/minに対し前記粉末送給ガス
供給量を0.1〜0.4/minとするように規制した。 さらに、溶接速度が遅すぎると良好な溶接ビー
ド形状が得られなくなることがあるので、溶接速
度を3.8mm/sec以上とすることがより望ましい。 さらにまた、特に自動車用エンジンのバルブフ
エース面に対する肉盛溶接の場合には、良好な溶
接ビード形状が得られるようにウイービングなし
で溶接することがより望ましい。 さらにまた、肉盛溶接用粉末14の供給量によ
つて、上記したように粉末送給ガス供給量を規制
するほか、前記肉盛溶接用粉末14の材質や供給
量などによつて、溶接アーク電流、溶接アーク電
圧、プラズマ作動ガスの種類、粉末送給ガスの種
類などのプラズマアーク溶接条件を適宜設定する
ことが望ましいことはいうまでもないところであ
る。 (実施例) 次に、この発明の実施例を比較例と共に説明す
る。 第1図に示した粉末肉盛溶接用プラズマトーチ
1を使用し、第1表に示す条件で自動車用エンジ
ンの排気バルブ(直径50mm)のフエース面に対す
る肉盛溶接を行つた。この際、プラズマ作動ガス
供給量、プラズマアーク拘束ノズルの開口径、肉
盛溶接用粉末供給量、粉末送給ガス供給量、溶接
速度を第2表に示す値に変化させ、得られた溶接
ビード形状を観察した。この結果を同じく第2表
に示す。
る粉末肉盛溶接方法に関し、例えば自動車用や船
舶用エンジンバルブのフエース面における肉盛、
その他各種の肉盛溶接に適用される粉末肉盛溶接
方法に関するものである。 (従来技術) 従来、例えば自動車用のエンジンバルブを製作
するに際しては、そのフエース面の耐熱および耐
摩耗性を高めるために肉盛りを溶接を行うことが
多い。 この肉盛溶接においては、バルブ等の被肉盛材
に対する溶着が完全であること、肉盛溶着金属の
成分が肉盛溶着前の肉盛材成分に近いこと、肉盛
溶接部のビード形状が良好であること、肉盛材の
歩留りが高いこと、などが要求されるが、この肉
盛溶接に際して粉末を用いたプラズマ肉盛溶接を
採用する試みも進んでいる。 この際に使用される粉末肉盛溶接用プラズマト
ーチとしては、棒状電極と前記棒状電極の囲りに
配設され且つ端部にプラズマアーク拘束ノズルを
備えたトーチ内筒との間からプラズマ作動ガスを
供給すると共に、前トーチ内筒と前記トーチ内筒
の囲りに配設したトーチ外筒との間から粉末送給
ガスと共にプラズマアーク中に肉盛溶接用粉末を
供給する構成のものがあり、プラズマアークによ
つて前記肉盛溶接用粉末を溶解して被肉盛材表面
に溶接肉盛するものがあつた。 しかしながら、このような粉末肉盛溶接用プラ
ズマトーチを用いて行う粉末肉盛溶接において
は、プラズマ作動ガスや粉末送給ガスの供給量、
あるいは溶接速度が適切でない場合、例えばプラ
ズマ作動ガスの供給量が少ない場合には安定した
プラズマアークの発生が困難となり、粉末送給ガ
スの供給量が少ない場合には肉盛溶接用粉末の送
給が困難となり、プラズマ作動ガスや粉末送給ガ
スの供給量が多い場合には溶融状態にある溶着金
属が吹かれて変形したり飛散したりして良好な溶
接ビード形状を得ることができなくなるという問
題があつた。 (発明の目的) この発明は、上述した従来の問題点に着目して
なされたもので、粉末を用いた肉盛溶接による溶
接部のビード形状が良好であり、特に自動車用の
エンジンバルブのように肉盛溶接部がリング状を
なすときでも、溶接部のビード形状が著しく良好
なものとすることができる粉末肉盛溶接方法を提
供することを目的としている。 (発明の構成) この発明は、棒状電極と前記棒状電極の囲りに
配設され且つ端部にプラズマアーク拘束ノズルを
備えたトーチ内筒との間からプラズマ作動ガスを
供給すると共に、前記トーチ内筒と前記トーチ内
筒の囲りに配設したトーチ外筒との間から粉末送
給ガスと共にプラズマアーク中に肉盛溶接用粉末
を供給する構成の粉末肉盛溶接用プラズマトーチ
を用いて粉末肉盛溶接を行うに際し、前記プラズ
マアーク拘束ノズルの開口径をD(mm)とした場
合に前記プラズマ作動ガス供給量を(0.03〜
0.13)×1/4πD2(/min・mm2)にすると共に、
前記肉盛溶接用粉末供給量1g/minに対し前記
粉末送給ガス供給量を0.1〜0.4/minにして溶
接することを特徴としており、より望ましくは、
溶接速度を3.8mm/sec以上とし、必要に応じて、
プラズマトーチをウイービングなしで肉盛溶接す
るようにしたことを特徴としている。 第1図はこの発明の粉末肉盛溶接方法において
用いる粉末肉盛溶接用プラズマトーチの一例を示
す図であつて、このプラズマトーチ1は、図示し
ない電源の陰極側と接続した棒状電極2を中心に
備え、この棒状電極2と同心状に且つ間隔をおい
てトーチ内筒3が配設してある。このトーチ内筒
3は図示例の場合、その下端にチツプ4を備えて
いてねじ止めされているが、これらを一体化した
ものであつても良い。そして、トーチ内筒3およ
びチツプ4内には冷却水通路5が設けてあると共
に、棒状電極2とトーチ内筒3との間でプラズマ
作動ガス流通路6が形成してあり、さらにこの棒
状電極2とトーチ内筒3との間にはプラズマ作動
ガス通過孔7を複数設けたプラズマ作動ガス整流
体8が配設してある。このプラズマ作動ガス整流
体8は、周方向に等間隔で設けた複数のプラズマ
作動ガス通過孔7によつて、上部から矢印方向に
供給されたプラズマ作動ガスの流れを整流し、水
平断面においてプラズマ作動ガスの流れが均一化
されるようにするはたらきをもつている。また、
このプラズマ作動ガス整流体8は、棒状電極2の
保持体としてもはたらくものであつて、棒状電極
2を常にトーチ内筒3と同心状態に保持し、棒状
電極2に片減りを生じるのを防ぐようにしてい
る。また、トーチ内筒3の下端(図示例の場合に
はチツプ4の下端)にはプラズマアーク拘束ノズ
ル9を備えている。 さらに、トーチ内筒3の外周部には間隔をおい
てトーチ内筒11が配設してあり、このトーチ外
筒11の下端部分にプラズマアーク噴出ノズル1
2が形成してあると共に、トーチ内筒3とトーチ
外筒11との間で粉末供給路13が形成してあ
り、図示しない粉末供給装置より粉末送給ガスと
共に供給した肉盛溶接用粉末14がプラズマアー
ク中に供給できるようになつている。また、トー
チ外筒11のノズル部分にも冷却水通路15が形
成してある。さらに、トーチ外筒11の下端部分
には前記プラズマアーク噴出ノズル12と同心状
にガスレンズ16が設けてあり、シールドガス供
給路17から供給されるシールドガスがプラズマ
アークの周囲を濃淡なく均一にシールドするよう
にしてある。 粉末肉盛溶接に際しては、図示しない電源の陰
極側を棒状電極2に接続すると共に、同電源の陽
極側を図示しない被肉盛材に接続し、プラズマ作
動ガスを供給して棒状電極2と被肉盛材との間で
プラズマアークを発生させると同時に、粉末送給
ガスと共に肉盛溶接用粉末14をプラズマアーク
中に供給して溶融させた状態として前記被肉盛材
の表面で溶着させる。 このとき、棒状電極2とトーチ内筒3との間に
プラズマ作動ガス整流体8が設けてあるため、プ
ラズマ作動ガスは水平断面において濃淡のない均
一なものとなつており、プラズマガスの集中性を
高め、肉盛溶接用粉末14の供給を水平断面にお
いて均一化し、棒状電極2の片減りを防止し、良
好な肉盛溶接が可能となるようにしている。ま
た、プラズマアークおよび肉盛溶接部分はシール
ドガスによつて覆われることにより外気と有効に
遮断されるため、良好な肉盛溶接層を得ることが
できる。 なお、前記プラズマトーチの電極は、棒状をな
すものであり、例えば、タングステン等の高融点
金属(または合金)から形成されたものが使用さ
れる。この場合、電極の全体をタングステン等の
高融点材料から形成することも可能であるが、プ
ラズマアーク発生部分を上記高融点材料から形成
し、その他の部分は導電性水冷パイプなどから形
成することもできる。 また、肉盛溶接用粉末は、肉盛用として使用さ
れる例えば耐熱性合金や耐摩耗性合金、具体的に
はステライト等のCo基合金、コルモノイ等のNi
基合金、FMS等のFe基合金などが使用される。
この場合、粉末中に粒径の大きなものが多すぎる
とプラズマアークを用いた肉盛溶接時に溶け残り
が生じることがあり、反対に粉末中に粒径が小さ
なものが多すぎると粉末の飛散量が多くなつて歩
留りが低下することがあり、小径の粉末は大径の
粉末に比べて供給遅れを生じやすいため肉盛溶接
の終期において小径の粉末が切れ悪く出てきて低
い溶接ビードが形成されて溶接ビード形状を悪化
させることがあるので、粉末の粒径および分布を
適切なものとすることが望ましい。 この場合、上記肉盛溶接粉末は、粉末送給ガス
によるプラズマアーク中への供給時における流れ
が良好であるように、ガス噴霧あるいはガス−水
噴霧等、液体噴霧の場合に比べて冷却速度の遅い
粉末製造法によつて製造したものを使用するのが
より望ましい。すなわち、液体噴霧によつて製造
した粉末の形状は不規則形状のものが多く、粉末
の供給が円滑になされないと同時にプラズマアー
クによる溶け込みが十分でないことがあるのに対
して、ガス噴霧あるいはガス−水噴霧によつて製
造した粉末の形状は球形に近いものが多い規則形
状のものであるため、粉末の供給が円滑になされ
ると同時にプラズマアークによる溶け込みが十分
なものとなり、著しく良好な溶接ビード形状が得
られるので望ましいといえる。 上記プラズマ作動ガスとしては、例えばAr、
N2等の不活性ガスの単体あるいは混合ガス等か
らなる不活性ガスなどが用いられるが、このプラ
ズマ作動ガスの供給量がプラズマアーク拘束ノズ
ル9開口径をD(mm)とした場合に0.03×(1/
4)πD2(/min・mm2)よりも少なすぎるとプラ
ズマ作動ガスの供給密度が低くなりすぎて(稀薄
なものとなつて)安定したプラズマアークの形成
が困難となり、反対に供給量が0.13×(1/4)
πD2(/min・mm2)よりも多すぎるとプラスマ作
動ガスの供給密度が高くなりすぎて(流速が多き
なものとなつて)溶融状態の溶着金属が吹かれる
ことにより溶接ビード形状が悪化したり飛散した
りする。それゆえ、この発明では、プラズマアー
ク拘束ノズル9の開口径をD(mm)とした場合に
前記プラズマ作動ガス供給量を(0.03〜0.13)×
1/4πD2(/min・mm2)とするように規制した。 一方、前記粉末送給ガスとしては、例えばAr、
N2等の不活性ガスの単体あるいは混合ガス等か
らなる不活性なガスなどが用いられるが、この粉
末送給ガスの送給量が肉盛溶接用粉末供給量1
g/minに対して0.1/minよりも少なすぎると
肉盛溶接用粉末の送給が困難となり、反対に供給
量が前記肉盛溶接用粉末供給量1g/minに対し
て0.4/minよりも多すぎると溶融状態の溶着
金属が吹かれて溶接ビード形状が悪化したり飛散
したりする。それゆえ、この発明では、肉盛溶接
用粉末供給量1g/minに対し前記粉末送給ガス
供給量を0.1〜0.4/minとするように規制した。 さらに、溶接速度が遅すぎると良好な溶接ビー
ド形状が得られなくなることがあるので、溶接速
度を3.8mm/sec以上とすることがより望ましい。 さらにまた、特に自動車用エンジンのバルブフ
エース面に対する肉盛溶接の場合には、良好な溶
接ビード形状が得られるようにウイービングなし
で溶接することがより望ましい。 さらにまた、肉盛溶接用粉末14の供給量によ
つて、上記したように粉末送給ガス供給量を規制
するほか、前記肉盛溶接用粉末14の材質や供給
量などによつて、溶接アーク電流、溶接アーク電
圧、プラズマ作動ガスの種類、粉末送給ガスの種
類などのプラズマアーク溶接条件を適宜設定する
ことが望ましいことはいうまでもないところであ
る。 (実施例) 次に、この発明の実施例を比較例と共に説明す
る。 第1図に示した粉末肉盛溶接用プラズマトーチ
1を使用し、第1表に示す条件で自動車用エンジ
ンの排気バルブ(直径50mm)のフエース面に対す
る肉盛溶接を行つた。この際、プラズマ作動ガス
供給量、プラズマアーク拘束ノズルの開口径、肉
盛溶接用粉末供給量、粉末送給ガス供給量、溶接
速度を第2表に示す値に変化させ、得られた溶接
ビード形状を観察した。この結果を同じく第2表
に示す。
【表】
【表】
【表】
第2表において、◎は溶接ビード形状が著しく
良好であつたこと(第2図a参照)を示し、○は
溶接ビード形状が良好であつたこと(第2図b,
c参照)を示し、×は溶接ビード形状があまり良
くなかつたこと(第2図d参照)を示している。 第2表に示す結果より明らかなとおり、この発
明による場合にはいずれも良好な溶接ビード形状
が得られているのに対して、プラズマ作動ガスの
供給量が少なすぎる比較例12の場合には溶接部に
おいて融合不良を生じ、プラズマ作動ガスおよ
び/または粉末送給ガスの供給量が多すぎる比較
例11、13、14の場合には溶融状態の溶着金属か吹
かれるため、溶接ビード形状が良くないという結
果となつた。 (発明の効果) 以上説明してきたように、この発明によれば、
棒状電極と前記棒状電極の囲りに配設され且つ端
部にプラズマアーク拘束ノズルを備えたトーチ内
筒との間からプラズマ作動ガスを供給すると共
に、前記トーチ内筒と前記トーチ内筒の囲りに配
設したトーチ外筒との間から粉末送給ガスと共に
プラズマアーク中に肉盛溶接用粉末を供給する構
成の粉末肉盛溶接用プラズマトーチを用いて粉末
肉盛溶接を行うに際し、前記プラズマアーク拘束
ノズルの開口径D(mm)とした場合に前記プラズ
マ作動ガス供給量を(0.03〜0.13)×1/4πD2(/
min・mm2)にすると共に、前記肉盛溶接用粉末供
給量1g/minに対し前記粉末送給ガス供給量を
0.1〜0.4/minにして肉盛溶接するようにした
から、溶接部のビート形状が良好であり、特に自
動車用のエンジンバルブのように肉盛溶接部がリ
ング状をなすときでも溶接部のビード形状が著し
く良好なものとすることができるという非常に優
れた効果を有している。
良好であつたこと(第2図a参照)を示し、○は
溶接ビード形状が良好であつたこと(第2図b,
c参照)を示し、×は溶接ビード形状があまり良
くなかつたこと(第2図d参照)を示している。 第2表に示す結果より明らかなとおり、この発
明による場合にはいずれも良好な溶接ビード形状
が得られているのに対して、プラズマ作動ガスの
供給量が少なすぎる比較例12の場合には溶接部に
おいて融合不良を生じ、プラズマ作動ガスおよ
び/または粉末送給ガスの供給量が多すぎる比較
例11、13、14の場合には溶融状態の溶着金属か吹
かれるため、溶接ビード形状が良くないという結
果となつた。 (発明の効果) 以上説明してきたように、この発明によれば、
棒状電極と前記棒状電極の囲りに配設され且つ端
部にプラズマアーク拘束ノズルを備えたトーチ内
筒との間からプラズマ作動ガスを供給すると共
に、前記トーチ内筒と前記トーチ内筒の囲りに配
設したトーチ外筒との間から粉末送給ガスと共に
プラズマアーク中に肉盛溶接用粉末を供給する構
成の粉末肉盛溶接用プラズマトーチを用いて粉末
肉盛溶接を行うに際し、前記プラズマアーク拘束
ノズルの開口径D(mm)とした場合に前記プラズ
マ作動ガス供給量を(0.03〜0.13)×1/4πD2(/
min・mm2)にすると共に、前記肉盛溶接用粉末供
給量1g/minに対し前記粉末送給ガス供給量を
0.1〜0.4/minにして肉盛溶接するようにした
から、溶接部のビート形状が良好であり、特に自
動車用のエンジンバルブのように肉盛溶接部がリ
ング状をなすときでも溶接部のビード形状が著し
く良好なものとすることができるという非常に優
れた効果を有している。
第1図はこの発明において使用されうる粉末肉
盛溶接用プラズマトーチの縦断面図、第2図a,
b,c,dは溶接ビードの形状態様を示す説明図
である。 1……粉末肉盛溶接用プラズマトーチ、2……
棒状電極、3……トーチ内筒、6……プラズマ作
動ガス流通路、9……プラズマアーク拘束ノズ
ル、11……トーチ外筒、13……肉盛溶接用粉
末供給路、14……肉盛溶接用粉末。
盛溶接用プラズマトーチの縦断面図、第2図a,
b,c,dは溶接ビードの形状態様を示す説明図
である。 1……粉末肉盛溶接用プラズマトーチ、2……
棒状電極、3……トーチ内筒、6……プラズマ作
動ガス流通路、9……プラズマアーク拘束ノズ
ル、11……トーチ外筒、13……肉盛溶接用粉
末供給路、14……肉盛溶接用粉末。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 棒状電極と前記棒状電極の囲りに配設され且
つ端部にプラズマアーク拘束ノズルを備えたトー
チ内筒との間からプラズマ作動ガスを供給すると
共に、前記トーチ内筒と前記トーチ内筒の囲りに
配設したトーチ外筒との間から粉末送給ガスと共
にプラズマアーク中に肉盛溶接用粉末を供給する
構成の粉末肉盛溶接用プラズマトーチを用いて粉
末肉盛溶接を行うに際し、前記プラズマアーク拘
束ノズルの開口径をD(mm)とした場合に前記プ
ラズマ作動ガス供給量を(0.03〜0.13)×(1/4)
πD2(/min・mm2)にすると共に、前記肉盛溶接
用粉末供給量1g/minに対し前記粉末送給ガス
供給量を0.1〜0.4/minにして溶接することを
特徴とする粉末肉盛溶接方法。 2 溶接速度を3.8mm/sec以上で行うようにした
特許請求の範囲第1項記載の粉末肉盛溶接方法。 3 プラズマトーチをウイービングなしで肉盛溶
接するようにした特許請求の範囲第1項または第
2項記載の粉末肉盛溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20057883A JPS6092080A (ja) | 1983-10-26 | 1983-10-26 | 粉末肉盛溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20057883A JPS6092080A (ja) | 1983-10-26 | 1983-10-26 | 粉末肉盛溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6092080A JPS6092080A (ja) | 1985-05-23 |
JPH0436786B2 true JPH0436786B2 (ja) | 1992-06-17 |
Family
ID=16426662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20057883A Granted JPS6092080A (ja) | 1983-10-26 | 1983-10-26 | 粉末肉盛溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6092080A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014172057A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Daido Steel Co Ltd | 粉末肉盛溶接方法 |
JP7134681B2 (ja) * | 2018-04-14 | 2022-09-12 | 日鉄溶接工業株式会社 | プラズマ粉体肉盛の粉体噴出ガイドおよびプラズマ粉体肉盛トーチ |
-
1983
- 1983-10-26 JP JP20057883A patent/JPS6092080A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6092080A (ja) | 1985-05-23 |
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