JP2009545449A - 制御された周波数にて溶滴での金属移行を用いたtigブレーズ溶接 - Google Patents

制御された周波数にて溶滴での金属移行を用いたtigブレーズ溶接 Download PDF

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Abstract

本発明は、非消耗電極(1)と、与えられた径を持つ消耗溶加材ワイヤ(2)とを具備したTIGトーチを使用したブレーズ溶接またはアーク溶接に関し、溶接継手への金属の移行が20 Hzないし90 Hzの周波数にて、連続した溶融金属の溶滴で生じ、前記溶滴のサイズが消耗ワイヤの径の1.2ないし4倍である。

Description

本発明は、TIGトーチおよび1つ以上の消耗ワイヤの形態にある溶加材による、特に被覆された鋼で作られた、またはアルミニウムまたはアルミニウム合金で作られた1つ以上の母材の溶接またはブレーズ溶接のための方法、好ましくはロボット制御される方法に関し、前記金属は、単数または複数の前記ワイヤから制御された周波数での連続的な溶滴で溶接溜りに移行される。
消耗ワイヤが溶接溜りに水平方向にまたは実質的に水平方向に送給され、前記溶接溜りに、すなわち溶接される母材またはブレーズ溶接される母材上の溶接領域に前記消耗ワイヤの溶融端から溶滴で溶融金属を移行させる、消耗ワイヤを用いた従来のTIGトーチ構造が文献US-A-5 512 726およびDE-A-3 542 984から知られている。
しかしながら、ワイヤの水平方向での送給のために、溶接される継手の軸上にワイヤ送給を配向するために或る指向性が必要とされる場合は、このようなトーチの場合、TIGトーチを保持するロボットの第6の軸がロックされ、その自由度が限定される。
さらにこのタイプの構造の場合、方法の生産性は、ワイヤの限定された溶融速度、およびそれ故に限定された溶接速度によって影響を受ける。
文献EP-A-1 459 831は、先述した問題を持たないアーク溶接方法を提案する。この場合、消耗ワイヤが電極の軸に対して50°未満の角度、好ましくは15°ないし35°の角度で送給され、前記消耗ワイヤの端がタングステン電極の先端から2 mm未満の間隔で恒久的に案内され、かつ保持される。
このような方法は、大抵の用途において良好な結果を達成することができる。しかしながら、或る特定の材料、特に被覆された鋼、例えば亜鉛メッキ鋼または電着亜鉛メッキ鋼、アルミニウムおよびその合金を溶接またはブレーズ溶接するときに、溶接の品質の問題、特にビードの密集性(compactness)の問題および/または溶融された材料中の粗粒の微細構造の問題が生じることが観察されている。
さらにアルミニウムにおいては、特に外観および美観の点では、手作業溶接によって得られたものと同等のビード品質を得ることは不可能である。
そこで本発明の1つの目的は、文献EP-A-1459831に記載された方法を改良し、特に特定の材料、殊に、被覆された鋼およびアルミニウムおよびその合金の効率的な溶接またはブレーズ溶接を得て、先述した品質の問題を軽減、最小化または少なくとも減らすことである。
本発明の解決策は、非消耗電極と、与えられた径の消耗溶加材ワイヤとを具備したTIGトーチを用いたブレーズ溶接またはアーク溶接方法にして、
a) 前記TIGトーチは、前記消耗ワイヤが前記電極の軸に対して50°未満の角度で送給されるように、すなわち前記非消耗電極に近接した前記ワイヤの端の軸と前記電極の軸が50°未満の角度を形成するように前記消耗ワイヤを送給され、
b) 前記消耗ワイヤの端は、前記TIGトーチのタングステン電極の先端から2 mm未満の間隔をおいて、好ましくは最小で1 mm (前記ワイヤの径のおよそ1.5倍)をおいた位置に恒久的に案内され、かつ保持され、
c) 前記消耗ワイヤの端は、前記非消耗の電極と溶接される少なくとも1つの母材との間で発生される電気アークによって漸次溶融され、前記ワイヤの端から前記少なくとも1つの母材へと溶融金属を溶滴で移行させ、かくして溶接継手またはブレーズ溶接継手を得る方法であって、
前記溶接継手への金属の移行が、溶融金属の連続した溶滴によって行われ、前記溶滴は20 Hzないし90 Hzの周波数で堆積され、前記溶滴のサイズは、これらの周波数についてそれぞれ、前記消耗ワイヤの径の1.5ないし4倍であることを特徴とするものである。
「溶滴で移行する」という表現は、金属がワイヤの端から溶接溜りまたはブレーズ溜りへと、互いに分離され、それ故に溶加材と溶融金属の間に恒久的な接触の無い連続する溶滴で移行することを意味すると理解される。
本発明によって提供される解決策は、それ故に、溶融金属が、その周波数およびサイズがワイヤの速度、ワイヤ-電極間隔および電極-母材間隔に依存する溶滴の形態で移行されるという事実に基づく。
これらの傾向および変化を以下の表1および2に示す。
Figure 2009545449
表1からわかるように、一定のワイヤ速度(Vwire)および一定の電極-母材間隔については、
- ワイヤ-電極間隔が増大するにつれて、移行はアークの最高温領域において行われずに2000ないし5000 Kの領域で行われ、以下の記載に示される法則に従って溶滴のサイズは増大し、周波数は減少する;
- 逆に、ワイヤ-電極間隔が減少するにつれて、ワイヤの移行はアークの高温領域、すなわちおよそ5000ないし10000 Kの領域で行われ、前記溶滴のサイズは減少し、前記移行の周波数は増大する。溶接速度はそれ故に上昇し得る。
Figure 2009545449
表2に示されるように、一定のワイヤ速度(Vwire)および一定のワイヤ-母材間隔については、
- 電極-母材間隔が増大するにつれて、電極の動作部位を損傷し得る大きな溶滴が得られるまで、以下に与えられる法則に従って溶滴のサイズは増大し、周波数は減少する;
- 逆に、電極-母材間隔が減少するにつれて、溶滴は、それらが前記ワイヤおよび前記溶接溜りに殆ど同時に接続し、液体橋絡移行の閾値を超えた移行の様式に変わる。
表1および2に与えられたデータは、1.2 mmの径を有するER308LSiステンレス鋼グレードのワイヤによって得られた本発明による溶滴移行を示す添付図2に模式的に示され、
- ワイヤ径の3.5倍の平均溶滴サイズが20 Hzの移行周波数と関連した最小ワイヤ速度(Vwire)によって、およびワイヤ径の1.2倍の溶滴サイズが90 Hzの移行周波数と関連した3 m/minの最大ワイヤ速度によって特徴付けられる溶滴移行領域が維持されるおよそ0.5 m/minからおよそ3.5ないし4 m/minに及ぶ幾分広いワイヤ速度範囲(1.2 mmのワイヤ径)によって決定されたものであり;
- これら2つの限定の間で、溶滴サイズ(DS)における変化、および移行周波数(TF)における変化は線形であり、
TF (Hz) = 28 × Vwire ( m/min) + 6;
DS (mm) = k × ワイヤ径 = -0.6 × Vwire (m/min) + 3.3
という型の法則に関連し得る。
与えられたワイヤ/ガスの対について、これらの移行曲線は、一定の予め規定されたワイヤ-電極間隔、および一定の予め規定された電極-母材間隔に関連する。
例えば、手順は、重ね溶接、斜角溶接および突合せ溶接型の継手構造のための2つの異なるグレード、すなわち6061および5083グレードのアルミニウムで作られた2 mm厚のアルミニウム合金試験部材を溶接する場合の周波数および溶滴サイズを選択するために、以下の表3に示されるように実施され得る。
Figure 2009545449
上記の表3は、本発明による溶滴移行を、種々の継手構造および2つのタイプのアルミニウム合金に適応させる1つの方法を示す。
理解されるように、6061材料の場合、減少した溶滴サイズおよびより高い周波数を持たせ、それにより重ね溶接への移行の指向性をより良く制御することを可能にするために、重ね溶接では、減少した、関連の電極-ワイヤ間隔、すなわちワイヤ径のおよそ1ないし2倍の間隔を用いて、斜角溶接よりも低いワイヤ速度を用いることが推奨される。
5183材料については、重ね溶接と突合せ溶接との間でアプローチは同じであり、突合せ溶接においては、一般により大きなものである電極/ワイヤ間隔およびワイヤ速度に関する設定においてより大きな自由度がある。
低いワイヤ速度(すなわちおよそ1.5 m/min以下)について、特に大きな径(すなわち少なくともおよそ1.2 mm)のワイヤについてのこれらの設定は、適切なワイヤ送給装置、例えば、ワイヤ送給機のローラープレートがワイヤを巻き出し、トーチのローラーが送給を制御するプッシュ-プル型の装置を必要とする。
本発明による特定の周波数での溶滴移行は、特にアルミニウム上に手作業溶接によって作られたものと同等の魅力的な品質を持つビードを製造することを可能にし、この方法は、表面の「凝固波(solidification waves)」を再現することを可能にする。
さらに、前記方法は、既知の方法が直面するビードの密集性の問題および溶融金属の粗粒の微細構造の問題を解決することもできる。
オーステナイトステンレス鋼の場合は、308LSiグレードのワイヤによる溶滴移行の獲得についての条件は、比較のために表4に与えられる。
Figure 2009545449
この表5は、ワイヤの溶融が溶接溜りとの接触による伝導によってのみ行われる先行技術の従来のTIG溶接と比較した、本発明の溶滴移行の利点を証明する。これは、本発明の溶滴移行では、温度がおよそ5000 Kないし10000 Kの間にある領域をワイヤが通過することによりワイヤが溶融される速度が上昇し、ワイヤ速度において40 %の上昇、および結果として溶接速度において66 %の上昇を必然的に伴うので、本発明による移行は、溶接速度(Vwd)を大きく上昇させることができるからである。
亜鉛メッキ炭素鋼のブレーズ溶接の場合、以下の表5からわかるように、溶滴移行を得る操作範囲は、使用されたワイヤ、すなわちCuAlまたはCuSiの性質に密接な関連がある。
このタイプの移行において、1 mmの材料厚については、最大ワイヤ速度は1ないし1.2 m/minの溶接速度を可能にする。
Figure 2009545449
両方の用途、すなわち重ね溶接および融接シーム溶接において、ワイヤ速度操作範囲は、それぞれ工業的に利用可能な2ないし5.5 m/minおよび1ないし3.2 m/minでも十分である。
これらの違いの理由は、異なる液相線-固相線温度を持つ溶加材の合金の異なる性質、および界面での亜鉛の脱気のための異なる条件を要求する重ね溶接の場合において、10μmの被覆が最大可能溶接速度での操作を必要とするということにある。
CuSiワイヤの場合、ビードの表面へのシリケートの形成を遅延させるためにガスARCAL(登録商標)10が使用された。
さらに、場合により、本発明の方法は以下の1つ以上の特徴を含み得る:
- 溶滴移行周波数が好ましくは30 Hzないし80 Hzである;
- 溶滴のサイズが消耗ワイヤの径の1.5ないし3倍である;
- 溶滴移行周波数が20 Hzないし40 Hzであり、好ましくはおよそ30 Hzであり、溶滴のサイズが消耗ワイヤの径のおよそ3ないし4倍である;
- アルミニウムおよびその合金の場合において、溶滴移行周波数は、ワイヤのパルス周波数をDCまたはAC電流パルス周波数(または可変極性型のもの)に組合わせた結果のものであり、溶接およびスケール除去相の正確な制御を可能にする;
- 溶滴移行周波数は70 Hzないし90 Hzであり、好ましくはおよそ80 Hzであり、溶滴サイズは消耗ワイヤの径の1.2ないし1.5倍である;
- 溶接は、20 m/minまでの範囲にあるワイヤ速度、特に1ないし10 m/minで行われ、ワイヤ速度は前記ワイヤの径に従って選択される;
- 消耗ワイヤは電極の軸に対して10°ないし30°、好ましくは10°ないし20°の角度で送給される;
- 消耗ワイヤの端は、TIGトーチのタングステン電極の先端から1.5 mm未満、好ましくは1 mm超の間隔で恒久的に案内され、かつ保持される。しかしながら、全ての場合において、ワイヤ端の表面はタングステン電極と接触してはならない;
- 溶接の間は、電極、ワイヤおよび溶融金属がガスでシールドされる;
- 使用されるシールドガスは、窒素を微量添加しているかもしくは添加していないアルゴン、ヘリウムおよびアルゴン/ヘリウム混合物、およびアルゴン/水素混合物から選択される;
- 前記方法は、非消耗電極のTIGトーチおよび消耗ワイヤを送給するための手段を保持するロボット溶接アームで実施されるか、または手作業もしくは自動溶接で実施される;
- 前記方法は、1つ以上の母材を溶接するかまたはブレーズ溶接するために実施される;
- 母材は、被覆された鋼、特に亜鉛メッキもしくは電着亜鉛メッキ鋼、オーステナイトもしくはフェライトステンレス鋼、ニッケルおよびニッケル合金ならびにチタンおよびチタン合金ならびにアルミニウムもしくはアルミニウム合金で作られる;
- TIGトーチに送給するDC電流は、10 Aないし最大400 Aであり、電圧は10 Vないし20 Vである;
- ワイヤは、0.6 mmないし1.6 mm、好ましくは1 mmないし1.2 mmの径を持つ;
- ワイヤは、銅-ケイ素合金(CuSi3)または銅-アルミニウム合金(CuAl8)で作られる;および
- ワイヤは、純アルミニウムまたはアルミニウム合金、例えば2000、4000もしくは5000シリーズの合金からも作られる。
本発明によれば、アークのエネルギーの一部は、極めて低いワイヤ速度、典型的におよそ1ないし10 m/minでワイヤの端を溶融することに使われ、このことは、単位時間あたり、このエネルギーがより長いワイヤ長に作用し、それ故に、ワイヤ速度が低いほどより大きな溶滴の形成をもたらし、溶滴移行周波数も低下するであろうことを意味する;また逆に、すなわちワイヤ速度がより大きいほど(ただし液体橋絡が生じる速度未満)、溶滴のサイズは減少し、移行周波数は増大するであろう。
与えられたワイヤ径について、パラメータは以下の式に関連する:
Vwire × ワイヤ断面積 = 溶滴周波数 × 溶滴体積、
また、(mm/s) × (mm2) = (溶滴数/s) × (mm3)。
それ故に、ワイヤ速度を調節することによって、与えられたアーク条件(電気的パラメータおよび付随するガス)について溶滴の径および周波数を制御/調節することは容易である。これら種々のパラメータは、高速度ビデオカメラ(すなわち例えば秒あたり10000画像を撮影するもの)を使用して非常に精密に評価および制御され得る。
視覚的に、「凝固条線(solidification striations)」と呼ばれる規則的な波の存在をもって、効果は溶接ビードの表面上で直接認識できる。
この溶滴移行は、ワイヤが溶接溜りの直接熱伝導によって溶融され、かつ、本発明の場合のように前記ワイヤの溶融速度および方法の生産性を増大させる溶接アークのエネルギーの一部によって溶融されることのない、従来の自動TIG方法の先行技術において知られるものとは異なる。
これは比較の結果が、同じ重ね溶接または斜角溶接の構成および同じ電気的パラメータについて、溶着速度の上昇がおよそ40 %であることを示すからである。
溶滴移行を伴う本発明の方法は、目的が魅力的な溶接条件(特に溶接ビードの表面上の規則的な条線)を探索するか、もしくは促進することでる、または実質的な製造許容差を補償することが必要であるところの、被覆された鋼、オーステナイトまたはフェライトステンレス鋼、ニッケルおよびニッケル合金、チタンおよびチタン合金ならびにアルミニウムまたはその合金で作られた母材の任意のアセンブリの溶接またはブレーズ溶接に適用され得る。
この溶滴移行は、溶接溜りの微細構造に影響を与えるだけでなく、溶接溜りに衝突して溶接溜りに攪拌を生じさせ、このようにしてその脱気を容易にする溶滴の機械的作用によって、溶融金属の密集性にも影響を与え得る、溶接溜りの一定の熱サイクルを伴う。この現象は、先述のように、高速度ビデオカメラを使用して視認でき、かつ定量化され得る。
本発明の方法は、例えば1 mm未満の厚さを有する非常に薄い亜鉛メッキ鋼を溶接する場合にZnO蒸気の脱気を促進するため、またはアルミニウムまたはその合金の溶接においてH2の脱気を促進するために特に有利である。
本発明の方法は、好ましくは、50°未満の角度でノズルの壁を通過する消耗ワイヤを具備したトーチ(具体的には、文献EP-A-1459831に記載されたトーチ)を使用して実施される。これは、このようなトーチにおいては、ワイヤの端とタングステン電極コーンの先端との間に小さな間隔(例えば、最小で1 mm、または溶加材の径と等しい間隔)を維持しながら、トーチに組入れられるワイヤ送給は非消耗電極の軸に対して一般におよそ10°ないし20°例えばおよそ15°の角度で行われるからである。
全ての場合において、溶滴での移行を得るために、先述したように、消耗ワイヤの端がタングステン電極の先端からおよそ2 mm未満の間隔で恒久的に案内され、かつ維持される(すなわち消耗ワイヤの外側表面と電極との間隔がおよそ2 mmを超えてはならず、好ましくは1 mm超である)。
本発明による溶滴移行は以下の利点を持つ:
- トーチの容易な配置を可能にするアークの真下の衝突点:
- 正確に溜りへと導かれる連続した金属溶滴による制御された移行;
- 個々の所望される推奨規格に対応した溶接ビードの魅力的な外観;
- 重力および表面張力による移行が定位置の溶接を容易にすること;
- 溶滴の周波数およびサイズが、与えられたワイヤ径についてのワイヤ速度に対する上記の式で関連付けることにより、調節され、かつモニターされる;
- TIGトーチにおいてワイヤの配向を変えることのない、多方向ビードの製造;
- MIG/MAG溶接方法の場合におけるように、溶接の相乗効果を達成する可能性。好ましいワイヤ速度は、操作者によって選択された種々のパラメータ(接合される材料、溶加材ワイヤの性質および径、電流、シールドガス、溶接速度など)の関数として与えられる。
本発明は、本発明による溶滴移行を模式的に示す添付図によって説明される。
より正確には、図は、消耗ワイヤ2を送給される非消耗電極1を具備したTIG溶接トーチを示す。見て取れるように、電極1の先端7にて形成される電気アーク6の最高温部が、ワイヤ2の端3がアーク領域5において漸次溶融されることを可能にする。ワイヤ2の端3からの、母材10上に溶接ビードを形成する溶接溜り8への溶融金属の移行は連続した溶滴4で行われ、前記溶滴の径はワイヤ2の径の1.2ないし4倍である。典型的に、ワイヤは0.6ないし1.6 mmの径を持つ。溶滴周波数は20ないし90 Hzである。溶滴周波数は、電流パルスと組合わせた、ワイヤのパルス化(pulsing)で発生される。
さらに、電極1の先端と溶接される母材の表面との間の間隔Dは、およそ2 mmないし3 mmである。さらに、ワイヤ2と、先端7を含む電極1の表面との間の最小間隔dは2 mm未満に保たれるが、好ましくは1 mm超である。
いかなるタイプの溶接される材料でも、溶滴移行を得るためのワイヤ速度範囲は、対応する溶滴の周波数およびサイズに関連して広範かつ融通性があることがわかっている。
最小ワイヤ速度(Vw,min)および最大ワイヤ速度(Vw,max)は、溶滴移行の範囲内に留まるように適用されるものである。最大速度を超えると、液体橋絡移行に至る。
溶滴移行を伴う本発明の方法は、種々の継手構造(このタイプの移行がより特異的に緩和することのできる隙間またはズレのようなグレードの低い製造条件下での突合せ溶接、重ね溶接、斜角溶接およびフランジへり溶接、および最終的には、溶加材および支持材料に送給されるエネルギーがそれぞれ制御されるので、表面仕上げ)に適応され得る。
説明なし 説明なし

Claims (13)

  1. 非消耗電極と、与えられた径の消耗溶加材ワイヤとを具備したTIGトーチを用いたブレーズ溶接またはアーク溶接方法にして、
    a) 前記TIGトーチは、前記消耗ワイヤが前記電極の軸に対して50°未満の角度で送給されるように前記消耗ワイヤを送給され、
    b) 前記消耗ワイヤの端は、前記TIGトーチのタングステン電極の先端から2 mm未満の間隔をおいた地点に恒久的に案内され、かつ保持され、
    c) 前記消耗ワイヤの前記端は、前記非消耗電極と、溶接される少なくとも1つの母材との間に発生される電気アークによって漸次溶融され、前記ワイヤの前記端から前記少なくとも1つの母材へと溶融金属を移行させ、かくして溶接継手またはブレーズ溶接継手を得る方法であって、
    前記溶接継手への金属の移行が20 Hzないし90 Hzの周波数で堆積される連続した溶融金属の溶滴で行われ、前記溶滴のサイズが前記消耗ワイヤの径の1.2ないし4倍であることを特徴とする方法。
  2. 前記溶滴移行周波数が、好ましくは30 Hzないし80 Hzであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記溶滴移行周波数が20 Hzないし40 Hz、好ましくはおよそ30 Hzであり、前記溶滴のサイズが前記消耗ワイヤの径の3ないし4倍であることを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記溶滴移行周波数が70 Hzないし90 Hz、好ましくおよそは80 Hzであり、前記溶滴のサイズが前記消耗ワイヤの径の1.2ないし1.5倍であることを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
  5. 前記溶滴周波数が、電流パルスと同期されたワイヤのパルス化によって発生されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記消耗ワイヤが、前記電極の前記軸に対して10°ないし30°、好ましくは10°ないし20°の角度で送給されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記消耗ワイヤの前記端が、前記TIGトーチの前記タングステン電極の前記先端から1.5 mm未満の間隔、好ましくは1 mm超の間隔をおいた地点で恒久的に案内され、かつ保持されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 形成された溶接継手および/または前記タングステン電極が、溶接の間に、窒素を添加されているかまたは添加されていないアルゴン、ヘリウムおよびそれらの混合物、ならびにアルゴン/水素の混合物から選択されるガスからなるガスシールドを提供されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 被覆された鋼、特に亜鉛メッキ鋼もしくは電着亜鉛メッキ鋼、またはオーステナイトもしくはフェライトステンレス鋼、ニッケルもしくはニッケル合金、チタンもしくはチタン合金またはアルミニウムもしくはアルミニウム合金で作られた1つ以上の母材を溶接またはブレーズ溶接するために実施されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記TIGトーチに送給する前記DC電流が、10 Aないし400 Aおよび/または前記電圧が10 Vないし20 Vであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ワイヤが0.6 mmないし1.6 mmの径を持つことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 複数の母材が一緒に溶接されることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 表面仕上げ処理が、制御された堆積速度および希釈を伴う溶接によって行われることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
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