JPH04367442A - 耐食性の優れた内面塗装ドラム - Google Patents
耐食性の優れた内面塗装ドラムInfo
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- JPH04367442A JPH04367442A JP16520891A JP16520891A JPH04367442A JP H04367442 A JPH04367442 A JP H04367442A JP 16520891 A JP16520891 A JP 16520891A JP 16520891 A JP16520891 A JP 16520891A JP H04367442 A JPH04367442 A JP H04367442A
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Landscapes
- Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学製品、油などの輸
送・一時保管に使用される内面塗装を施した鋼製ドラム
に関する。
送・一時保管に使用される内面塗装を施した鋼製ドラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内面塗装ドラムは、ドラム内面に
エポキシフェノール系またはフェノール系の液状塗料を
1回もしくは2回塗装・焼付して製造していた。しかる
に、このような内面塗装ドラムは、腐食性の物質を充填
すると、たとえその腐食性が軽度のものであっても、胴
体のシーム溶接部(以下、溶接部という)から赤錆が発
生して、充填物が赤錆色に着色するという問題点があっ
た。その対策として、溶接部のみを事前に塗装してから
全体を塗装するといった手段も取られていたが、溶接部
の腐食に対する効果はほとんどなかった。そこで、この
ような腐食性の物質を充填する時は、高価なポリエチレ
ン内体ドラムを使用せざるを得ないのが実情である。
エポキシフェノール系またはフェノール系の液状塗料を
1回もしくは2回塗装・焼付して製造していた。しかる
に、このような内面塗装ドラムは、腐食性の物質を充填
すると、たとえその腐食性が軽度のものであっても、胴
体のシーム溶接部(以下、溶接部という)から赤錆が発
生して、充填物が赤錆色に着色するという問題点があっ
た。その対策として、溶接部のみを事前に塗装してから
全体を塗装するといった手段も取られていたが、溶接部
の腐食に対する効果はほとんどなかった。そこで、この
ような腐食性の物質を充填する時は、高価なポリエチレ
ン内体ドラムを使用せざるを得ないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、胴体溶接
部が腐食し易いという従来の内面塗装ドラムの欠点を解
決し、塗料が本来有している耐食性を十分に発揮できる
ような、耐食性に優れた内面塗装ドラムを提供しようと
するものである。
部が腐食し易いという従来の内面塗装ドラムの欠点を解
決し、塗料が本来有している耐食性を十分に発揮できる
ような、耐食性に優れた内面塗装ドラムを提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、耐食性に優れた内面
塗装ドラムの発明に成功したものである。本発明は、従
来の内面塗装ドラムの胴体溶接部が腐食し易い原因を調
査した結果、塗装時に胴体溶接部の突起から付着した塗
料が逃げるためにその部分の塗膜厚さが極端に薄くなり
、腐食し易くなることが判明したので、胴体溶接部の塗
膜厚さを溶接部以外の最小塗膜厚さよりも厚くすること
により、優れた耐食性を有する内面塗装ドラムを得たも
のである。すなわち、鋼製ドラムの内面はおおむね平坦
であるが、胴体の溶接部のみは図1および図2に示すよ
うに、鋼板をラップさせた段差1やナール跡2の凹凸が
ある。従来の内面塗装ドラムは、エポキシフェノール系
またはフェノール系の液状塗料を塗布しているだけであ
るので、これらの段差およびナール跡の突起部3および
4においては、塗料が塗布後に逃げるので、塗膜が非常
に薄くなっていた。そのために、腐食性の物質をドラム
に充填すると、その腐食性が軽度のものであっても、こ
れらの突起部の塗膜が薄い部分から地鉄の腐食が進行し
ていた。その対策として、溶接部のみを1回余計に塗装
してから全体を塗装するといった手段もとられていたが
、これらの突起部は何回塗装しても、そしていかに厚く
塗装しても、付着した塗料が速やかに流出するために、
突起部の塗膜厚さはほとんど厚くならず、腐食に対する
効果はほとんどなかった。また、塗膜の地鉄に対する防
食作用については、いろいろな理論が提唱されているが
、もっとも大きいのは環境遮断効果、すなわち地鉄を環
境から遮断することにより、腐食を引き起こす原因とな
る水,酸素などの物質が地鉄と接触しないようにする効
果であると言われている。このような環境遮断効果を発
揮するためには、塗膜が一定値以上の厚さを有している
必要がある。もし、塗膜が限度以下に薄ければ、塗膜を
透過する水や酸素の量が大きくなり、地鉄の腐食が遠く
なる。
点を解決すべく鋭意検討した結果、耐食性に優れた内面
塗装ドラムの発明に成功したものである。本発明は、従
来の内面塗装ドラムの胴体溶接部が腐食し易い原因を調
査した結果、塗装時に胴体溶接部の突起から付着した塗
料が逃げるためにその部分の塗膜厚さが極端に薄くなり
、腐食し易くなることが判明したので、胴体溶接部の塗
膜厚さを溶接部以外の最小塗膜厚さよりも厚くすること
により、優れた耐食性を有する内面塗装ドラムを得たも
のである。すなわち、鋼製ドラムの内面はおおむね平坦
であるが、胴体の溶接部のみは図1および図2に示すよ
うに、鋼板をラップさせた段差1やナール跡2の凹凸が
ある。従来の内面塗装ドラムは、エポキシフェノール系
またはフェノール系の液状塗料を塗布しているだけであ
るので、これらの段差およびナール跡の突起部3および
4においては、塗料が塗布後に逃げるので、塗膜が非常
に薄くなっていた。そのために、腐食性の物質をドラム
に充填すると、その腐食性が軽度のものであっても、こ
れらの突起部の塗膜が薄い部分から地鉄の腐食が進行し
ていた。その対策として、溶接部のみを1回余計に塗装
してから全体を塗装するといった手段もとられていたが
、これらの突起部は何回塗装しても、そしていかに厚く
塗装しても、付着した塗料が速やかに流出するために、
突起部の塗膜厚さはほとんど厚くならず、腐食に対する
効果はほとんどなかった。また、塗膜の地鉄に対する防
食作用については、いろいろな理論が提唱されているが
、もっとも大きいのは環境遮断効果、すなわち地鉄を環
境から遮断することにより、腐食を引き起こす原因とな
る水,酸素などの物質が地鉄と接触しないようにする効
果であると言われている。このような環境遮断効果を発
揮するためには、塗膜が一定値以上の厚さを有している
必要がある。もし、塗膜が限度以下に薄ければ、塗膜を
透過する水や酸素の量が大きくなり、地鉄の腐食が遠く
なる。
【0005】本発明者は、かかる事情を鑑みて、胴体溶
接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外の部分の最小塗膜厚
さよりも厚くすることにより、優れた耐食性を有する内
面塗装ドラムを得たものである。そして、胴体溶接部の
塗膜を厚くする方法として、溶接部のみを粉体塗装する
方法、およびタレ止め剤などの添加によってチクソトロ
ピー性を大きくした液状塗料で溶接部のみを塗装する方
法を発明したものである。ここで、胴体溶接部の最小塗
膜厚さとは、突起部の上の局部的な塗膜厚さも含んでお
り、溶接部のいかなる箇所の塗膜厚さも、この条件を満
たすものでなければならない。なお、このような局部的
な塗膜厚さを測定するには、通常行われている電磁式膜
厚測定器では不可能であり、測定部分から断面を切り出
して顕微鏡で塗膜厚さを実測することが好ましい(以下
、この塗膜厚さ測定方法を断面顕微鏡法という)胴体溶
接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外の部分の最小塗膜厚
さよりも厚いことと規定したのは、これよりも塗膜が薄
いと、塗膜の環境遮断効果が弱くなって、溶接部,特に
その中の突起部が腐食し易くなるからである。なお、ド
ラム内面塗料の種類としては、現在広く使用されている
エポキシフェノール系およびフェノール系塗料の他に、
ポリエステル系,アクリル系,ポリウレタン系,アミノ
アルキド系などの、鋼材に対して腐食性能を有する塗料
が挙げられる。そして、塗装・焼付回数も1回のみでな
く、2回以上の場合も含まれる。また、複数回の場合に
は、異種塗料による複数回塗装・焼付も含まれる。 そして、胴体溶接部の最小塗膜厚さを確保する手段とし
て、溶接部のみを事前に粉体塗装する方法を提案したの
は、粉体塗装の場合、加熱溶融時に塗膜がほとんど流動
しないために、突起部に付いた塗料がそのまま塗膜にな
り、規定の塗膜厚さを確保し易いからである。なお、粉
体塗料としては、エポキシフェノール系、エポキシエス
テル系,エポキシ系,ポリウレタン系などが使用できる
。
接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外の部分の最小塗膜厚
さよりも厚くすることにより、優れた耐食性を有する内
面塗装ドラムを得たものである。そして、胴体溶接部の
塗膜を厚くする方法として、溶接部のみを粉体塗装する
方法、およびタレ止め剤などの添加によってチクソトロ
ピー性を大きくした液状塗料で溶接部のみを塗装する方
法を発明したものである。ここで、胴体溶接部の最小塗
膜厚さとは、突起部の上の局部的な塗膜厚さも含んでお
り、溶接部のいかなる箇所の塗膜厚さも、この条件を満
たすものでなければならない。なお、このような局部的
な塗膜厚さを測定するには、通常行われている電磁式膜
厚測定器では不可能であり、測定部分から断面を切り出
して顕微鏡で塗膜厚さを実測することが好ましい(以下
、この塗膜厚さ測定方法を断面顕微鏡法という)胴体溶
接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外の部分の最小塗膜厚
さよりも厚いことと規定したのは、これよりも塗膜が薄
いと、塗膜の環境遮断効果が弱くなって、溶接部,特に
その中の突起部が腐食し易くなるからである。なお、ド
ラム内面塗料の種類としては、現在広く使用されている
エポキシフェノール系およびフェノール系塗料の他に、
ポリエステル系,アクリル系,ポリウレタン系,アミノ
アルキド系などの、鋼材に対して腐食性能を有する塗料
が挙げられる。そして、塗装・焼付回数も1回のみでな
く、2回以上の場合も含まれる。また、複数回の場合に
は、異種塗料による複数回塗装・焼付も含まれる。 そして、胴体溶接部の最小塗膜厚さを確保する手段とし
て、溶接部のみを事前に粉体塗装する方法を提案したの
は、粉体塗装の場合、加熱溶融時に塗膜がほとんど流動
しないために、突起部に付いた塗料がそのまま塗膜にな
り、規定の塗膜厚さを確保し易いからである。なお、粉
体塗料としては、エポキシフェノール系、エポキシエス
テル系,エポキシ系,ポリウレタン系などが使用できる
。
【0006】また、胴体溶接部の最小塗膜厚さを確保す
るもう一つの手段として、タレ止め剤などの添加によっ
てチクソトロピー性を大きくした液状塗料で溶接部のみ
を塗装する方法を提案したのは、塗料のチクソトロピー
性が大きければ溶接部に付着した塗料が流れにくくなり
、突起部から塗料が逃げることが少ないからである。 この場合、塗料としては、エポキシフェノール系,フェ
ノール系など、ドラム内面塗装に使用する塗料と同種の
ものが好ましいが、異なる塗料でも相互の密着性が良好
であれば使用できる。また、タレ止め剤としては、コロ
イド状シリカ,有機ベントナイト,ステアリン酸アルミ
ニウムなど、塗料液に構造粘性を付与するものが使用で
きる。
るもう一つの手段として、タレ止め剤などの添加によっ
てチクソトロピー性を大きくした液状塗料で溶接部のみ
を塗装する方法を提案したのは、塗料のチクソトロピー
性が大きければ溶接部に付着した塗料が流れにくくなり
、突起部から塗料が逃げることが少ないからである。 この場合、塗料としては、エポキシフェノール系,フェ
ノール系など、ドラム内面塗装に使用する塗料と同種の
ものが好ましいが、異なる塗料でも相互の密着性が良好
であれば使用できる。また、タレ止め剤としては、コロ
イド状シリカ,有機ベントナイト,ステアリン酸アルミ
ニウムなど、塗料液に構造粘性を付与するものが使用で
きる。
【0007】
【作用】本発明による内面塗装ドラムは、溶接部の突起
部でも必要な塗膜厚さが確保されているので、従来の溶
接部の突起部にほとんど塗膜が付いていない内面塗装ド
ラムに対して、はるかに良好な耐食性を有している。
部でも必要な塗膜厚さが確保されているので、従来の溶
接部の突起部にほとんど塗膜が付いていない内面塗装ド
ラムに対して、はるかに良好な耐食性を有している。
【0008】
実施例1
鋼製200L密閉型ドラム(JIS Z 1601
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体については、溶接線を中心として幅
20mmの部分にまずエポキシフェノール系の粉体塗料
を塗装し、200℃の加熱炉に10分間保定して塗膜を
溶融・硬化させた。その後、胴体内面の全面にエポキシ
フェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗装・焼付
した。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の加熱
炉に15分間保定して焼き付けた。天板と地板について
は、粉体塗装は実施せず、液状塗料の塗装・焼付のみを
行った。しかる後に天板と地板を胴体に巻き締めてドラ
ムに仕上げた。この内面塗装ドラムから試験片を切り出
して、胴体溶接部の塗膜厚さを断面顕微鏡法で測定した
ところ、突起部にも十分に塗膜が付いており、その最小
塗膜厚さは24μmであった。胴体溶接部以外の部分の
塗膜厚さについても、電磁式膜厚計を用いて全面測定し
たが、その最小値は19μmであり、胴体溶接部の塗膜
厚さの最小値の方が胴体溶接部以外の部分より厚かった
。次いで、胴体溶接部およびその他の部分から幅75m
m,長さ200mmの試験片を、それぞれ10枚ずつ切
り出して、端面および裏面をシールしてから40℃の水
道水に3ケ月浸漬して塗膜面の発錆を観察したが、いず
れの試験片にも発錆が認められなかった。
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体については、溶接線を中心として幅
20mmの部分にまずエポキシフェノール系の粉体塗料
を塗装し、200℃の加熱炉に10分間保定して塗膜を
溶融・硬化させた。その後、胴体内面の全面にエポキシ
フェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗装・焼付
した。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の加熱
炉に15分間保定して焼き付けた。天板と地板について
は、粉体塗装は実施せず、液状塗料の塗装・焼付のみを
行った。しかる後に天板と地板を胴体に巻き締めてドラ
ムに仕上げた。この内面塗装ドラムから試験片を切り出
して、胴体溶接部の塗膜厚さを断面顕微鏡法で測定した
ところ、突起部にも十分に塗膜が付いており、その最小
塗膜厚さは24μmであった。胴体溶接部以外の部分の
塗膜厚さについても、電磁式膜厚計を用いて全面測定し
たが、その最小値は19μmであり、胴体溶接部の塗膜
厚さの最小値の方が胴体溶接部以外の部分より厚かった
。次いで、胴体溶接部およびその他の部分から幅75m
m,長さ200mmの試験片を、それぞれ10枚ずつ切
り出して、端面および裏面をシールしてから40℃の水
道水に3ケ月浸漬して塗膜面の発錆を観察したが、いず
れの試験片にも発錆が認められなかった。
【0009】実施例2
鋼製200L密閉型ドラム(JIS Z 1601
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段差で内面
塗装を施した。胴体については、溶接線を中心として幅
20mmの部分にまずタレ止め剤を添加してチクソトロ
ピー性を大きくしたエポキシフェノール系の液状塗料を
スプレー法で塗装し、180℃の加熱炉に10分間保定
して塗膜内の溶剤を揮散させ、塗料樹脂を部分硬化させ
た。 タレ止め剤としては、コロイド状シリカを使用し、塗料
に対して重量比で1%添加した。なお、添加前の塗料は
後に内面全面を塗装するのに使用した塗料と同じもので
ある。その後、胴体内面の全面に実施例1と同じエポキ
シフェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗装・焼
付した。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の加
熱炉に15分間保定して焼き付けた。天板と地板につい
ては、タレ止め剤を添加した塗料の塗装は行わずに、通
常の液状塗料の塗装・焼付のみを行った。しかる後に天
板と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げた。この内
面塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接部の塗
膜厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、突起部にも十
分に塗膜が付いており、その最小塗膜厚さは27μmで
あった。胴体溶接部以外の部分の塗膜厚さについても、
電磁式膜厚計を用いて全面測定したが、その最小値は1
8μmであり、胴体溶接部の塗膜厚さの最小値の方が胴
体溶接部以外の部分より厚かった。次いで、胴体溶接部
およびその他の部分から幅75mm,長さ200mmの
試験片を、それぞれ10枚ずつ切り出して、端面および
裏面をシールしてから40℃の水道水に3ケ月浸漬して
塗膜面の発錆を観察したが、いずれの試験片にも発錆が
認められなかった。
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段差で内面
塗装を施した。胴体については、溶接線を中心として幅
20mmの部分にまずタレ止め剤を添加してチクソトロ
ピー性を大きくしたエポキシフェノール系の液状塗料を
スプレー法で塗装し、180℃の加熱炉に10分間保定
して塗膜内の溶剤を揮散させ、塗料樹脂を部分硬化させ
た。 タレ止め剤としては、コロイド状シリカを使用し、塗料
に対して重量比で1%添加した。なお、添加前の塗料は
後に内面全面を塗装するのに使用した塗料と同じもので
ある。その後、胴体内面の全面に実施例1と同じエポキ
シフェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗装・焼
付した。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の加
熱炉に15分間保定して焼き付けた。天板と地板につい
ては、タレ止め剤を添加した塗料の塗装は行わずに、通
常の液状塗料の塗装・焼付のみを行った。しかる後に天
板と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げた。この内
面塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接部の塗
膜厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、突起部にも十
分に塗膜が付いており、その最小塗膜厚さは27μmで
あった。胴体溶接部以外の部分の塗膜厚さについても、
電磁式膜厚計を用いて全面測定したが、その最小値は1
8μmであり、胴体溶接部の塗膜厚さの最小値の方が胴
体溶接部以外の部分より厚かった。次いで、胴体溶接部
およびその他の部分から幅75mm,長さ200mmの
試験片を、それぞれ10枚ずつ切り出して、端面および
裏面をシールしてから40℃の水道水に3ケ月浸漬して
塗膜面の発錆を観察したが、いずれの試験片にも発錆が
認められなかった。
【0010】比較例1
鋼製200L密閉型ドラム(JIS Z 1601
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体,天板,地板ともに実施例1と同じ
エポキシフェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗
装・焼付した。胴体溶接部については特別な塗装は行わ
なかった。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の
加熱炉に15分間保定して焼き付けた。しかる後に天板
と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げた。この内面
塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接部の塗膜
厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、突起部は塗料が
周囲に流れて頂点の部分には塗膜がほとんど付いていな
かった。胴体溶接部以外の部分については、電磁式膜厚
計を用いて塗膜厚さを全面測定したが、その最小値は1
9μmであった。次いで、胴体溶接部およびその他の部
分から幅75mm,長さ200mmの試験片を、それぞ
れ10枚ずつ切り出して、端面および裏面をシールして
から40℃の水道水に3ケ月浸漬して塗膜面の発錆を観
察したところ、溶接部以外はいずれの試験片にも発錆が
認められなかったが、溶接部については2週間後から錆
が発生し、3ケ月後には溶接線を中心として幅約5mm
が錆のために塗膜が剥離し、地鉄が激しく腐食していた
。
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体,天板,地板ともに実施例1と同じ
エポキシフェノール系の液状塗料をスプレー法で1回塗
装・焼付した。胴体溶接部については特別な塗装は行わ
なかった。塗膜厚さの狙い値は25μmで、250℃の
加熱炉に15分間保定して焼き付けた。しかる後に天板
と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げた。この内面
塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接部の塗膜
厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、突起部は塗料が
周囲に流れて頂点の部分には塗膜がほとんど付いていな
かった。胴体溶接部以外の部分については、電磁式膜厚
計を用いて塗膜厚さを全面測定したが、その最小値は1
9μmであった。次いで、胴体溶接部およびその他の部
分から幅75mm,長さ200mmの試験片を、それぞ
れ10枚ずつ切り出して、端面および裏面をシールして
から40℃の水道水に3ケ月浸漬して塗膜面の発錆を観
察したところ、溶接部以外はいずれの試験片にも発錆が
認められなかったが、溶接部については2週間後から錆
が発生し、3ケ月後には溶接線を中心として幅約5mm
が錆のために塗膜が剥離し、地鉄が激しく腐食していた
。
【0011】比較例2
鋼製200L密閉型ドラム(JIS Z 1601
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体,天板,地板ともに実施例1と同じ
エポキシフェノール系の液状塗料をスプレー法で2回塗
装・焼付した。胴体溶接部については特別な塗装は行わ
なかった。1回目は塗膜厚さの狙い値が10μmで、1
70℃の加熱炉に10分間保定して、塗膜内の溶剤を揮
散させ、塗料樹脂を部分的に硬化させた。2回目は塗膜
厚さの狙い値が15μmで、1回目と2回目の合計の塗
膜厚さの狙い値は25μmであった。そして、2回目に
は250℃の加熱炉に15分間保定して焼き付けた。し
かる後に天板と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げ
た。 この内面塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接
部の塗膜厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、比較例
1の1回塗装・焼付の場合より若干良好ではあるが、や
はり突起部は塗料が周囲に流れて、頂点の部分には塗膜
がほとんど付いていなかった。胴体溶接部以外の部分に
ついては、電磁式膜厚計を用いて塗膜の厚さを全面測定
したが、その最小値は21μmであった。次いで、胴体
溶接部およびその他の部分から幅75mm,長さ200
mmの試験片を、それぞれ10枚ずつ切り出して、端面
および裏面をシールしてから40℃の水道水に3ケ月浸
漬して塗膜面の発錆を観察したところ、溶接部以外はい
ずれの試験片にも発錆が認められなかったが、溶接部に
ついては2週間後から錆が発生し、3ケ月後には溶接線
を中心として幅約4mmが錆のために塗膜が剥離し、地
鉄が激しく腐食していた。上記の試験結果から明らかな
ように、従来の胴体溶接部に特別な塗装を施さない内面
塗装ドラムは、水によって溶接部の塗膜に短期間で錆が
発生し、経時とともに塗膜剥離および地鉄の激しい腐食
に至るのに対して、本発明の溶接部に対して特別な塗装
を施した内面塗装ドラムは、40℃の水道水に3ケ月間
浸漬しても、発錆が全く無く、優れた耐食性を有してい
る。
)について、胴体,天板,地板の3ピースの段階で内面
塗装を施した。胴体,天板,地板ともに実施例1と同じ
エポキシフェノール系の液状塗料をスプレー法で2回塗
装・焼付した。胴体溶接部については特別な塗装は行わ
なかった。1回目は塗膜厚さの狙い値が10μmで、1
70℃の加熱炉に10分間保定して、塗膜内の溶剤を揮
散させ、塗料樹脂を部分的に硬化させた。2回目は塗膜
厚さの狙い値が15μmで、1回目と2回目の合計の塗
膜厚さの狙い値は25μmであった。そして、2回目に
は250℃の加熱炉に15分間保定して焼き付けた。し
かる後に天板と地板を胴体に巻き締めてドラムに仕上げ
た。 この内面塗装ドラムから試験片を切り出して、胴体溶接
部の塗膜厚さを断面顕微鏡法で測定したところ、比較例
1の1回塗装・焼付の場合より若干良好ではあるが、や
はり突起部は塗料が周囲に流れて、頂点の部分には塗膜
がほとんど付いていなかった。胴体溶接部以外の部分に
ついては、電磁式膜厚計を用いて塗膜の厚さを全面測定
したが、その最小値は21μmであった。次いで、胴体
溶接部およびその他の部分から幅75mm,長さ200
mmの試験片を、それぞれ10枚ずつ切り出して、端面
および裏面をシールしてから40℃の水道水に3ケ月浸
漬して塗膜面の発錆を観察したところ、溶接部以外はい
ずれの試験片にも発錆が認められなかったが、溶接部に
ついては2週間後から錆が発生し、3ケ月後には溶接線
を中心として幅約4mmが錆のために塗膜が剥離し、地
鉄が激しく腐食していた。上記の試験結果から明らかな
ように、従来の胴体溶接部に特別な塗装を施さない内面
塗装ドラムは、水によって溶接部の塗膜に短期間で錆が
発生し、経時とともに塗膜剥離および地鉄の激しい腐食
に至るのに対して、本発明の溶接部に対して特別な塗装
を施した内面塗装ドラムは、40℃の水道水に3ケ月間
浸漬しても、発錆が全く無く、優れた耐食性を有してい
る。
【0012】
【発明の効果】本発明による内面塗装ドラムは、溶接部
の突起部でも必要な塗膜厚さが確保されているので、優
れた耐食性を有しており、従来はポリエチレン内体ドラ
ムを使用しなければならなかった、水溶性塗料,水溶性
接着剤,含水グリコールなどの腐食性物質についても内
面塗装ドラムを使用でき、大幅なコストダウンが可能に
なった。
の突起部でも必要な塗膜厚さが確保されているので、優
れた耐食性を有しており、従来はポリエチレン内体ドラ
ムを使用しなければならなかった、水溶性塗料,水溶性
接着剤,含水グリコールなどの腐食性物質についても内
面塗装ドラムを使用でき、大幅なコストダウンが可能に
なった。
【図1】溶接部板厚段差の横断面図、
【図2】溶接部ナール跡の縦断面図である。
1 板厚段差
2 ナール跡
3 板厚段差の突起部
4 ナール跡の突起部
5 シーム溶接部
6 胴体
7 内面塗膜
Claims (3)
- 【請求項1】 胴体のシーム溶接部の最小塗膜厚さが
、溶接部以外の部分の最小膜厚よりも厚いことを特徴と
する内面塗装ドラム。 - 【請求項2】 胴体のシーム溶接部のみに粉体塗装を
施した後に、内面全体を通常の方法で塗装して、胴体の
シーム溶接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外の部分の最
小塗膜厚さよりも厚くしたことを特徴とする耐食性の優
れた内面塗装ドラム。 - 【請求項3】 胴体のシーム溶接部のみに、タレ止め
剤などの添加によってチクソトロピー性を大きくした液
状塗料を塗布した後に、内面全体を通常の方法で塗装し
て、胴体のシーム溶接部の最小塗膜厚さを、溶接部以外
の部分の最小塗膜厚さよりも厚くしたことを特徴とする
耐食性の優れた内面塗装ドラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16520891A JPH04367442A (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 耐食性の優れた内面塗装ドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16520891A JPH04367442A (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 耐食性の優れた内面塗装ドラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04367442A true JPH04367442A (ja) | 1992-12-18 |
Family
ID=15807901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16520891A Withdrawn JPH04367442A (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 耐食性の優れた内面塗装ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04367442A (ja) |
-
1991
- 1991-06-11 JP JP16520891A patent/JPH04367442A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980903 |