JPH0436623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はクリスマスツリーのような山形に形成
した積層菓子（バームクーヘン）の焼成装置に関
するものである。

「従来の技術」 従来のバームクーヘンは断面が年輪状に成るよ
うに菓子素材の塗布と焼成とを交互に繰り返して
長尺で大径な筒状菓子を形成した後、一定の厚さ
に切つて形成しているが、この切断作業は永年の
経験による熟練を必要とすると共に、前記筒状菓
子を形成する為には多くの時間を必要としてい
た。その上、製品であるバームクーヘン菓子の形
状は殆ど同一であつて何等変化がなく、更にこの
菓子の外周面の巾が狭い為に何等の飾りを施して
該菓子に変化を与える余地は殆どなかつた。

更にまた、暖炉等の加熱手段の側に回転軸を回
転可能に横架し、該回転軸に円錐形の菓子台を取
付け、該回転軸を適当な速度で回転させながら、
該菓子台上に菓子素材を塗布した後、それを焼成
し、このように塗布と焼成とを複数回繰り返すこ
とによつて、断面が層状をし、且つ外形が山形を
したバームクーヘン菓子を作ることは出来るが、
一回に一つしか出来なかつた。

「考案が解決しようとする問題点」 上述の如く、暖炉等の加熱手段の側で手作業に
よりバームクーヘン菓子をつくるには、長い時間
回転軸を手で回転させていなければならず、作業
能率が悪いためコストアツプの原因となつた。そ
の上、従来のバームクーヘン菓子は外面の巾が極
めて狭いため、ケーキ菓子のように該菓子の外周
面に飾り等を施すことは殆ど出来ないし、また、
細巾に切断する前に外面に飾りを施しても、切断
することにより該飾りが壊れてしまう等の数々の
問題点を有している。

「問題点を解決するための手段」 本考案は上述の如き問題点に鑑みてなされたも
ので、前面を開口させた本体内に焼成室を設け、
該焼成室内に回転可能に横架させた回転軸を伝達
手段、調整装置を介してモータに連動し、前記回
転軸の端部に軸着した回転円板の内側に複数の自
転軸を各々軸支して該回転円板の回転により各自
転軸がそれぞれ自転且公転するように設け、各自
転軸に円錐形菓子台を着脱可能に取付け、前記焼
成室内に加熱手段と前記円錐形菓子台の下方に受
皿を設けた構成を、上記問題点の解決を図る手段
とするものである。

「作用」 モータに連動する回転軸に軸着した回転円板を
回転させ、該回転円板に自転可能に軸着した複数
の自転軸を自転且公転させることによつて、焼成
室内において円錐形菓子台の表面に菓子素材の塗
布と焼成とを交互に繰り返しながら、複数の山型
をした積層菓子を連続して焼成することが出来
る。

「実施例」 正面上部に開口部２を有した焼成装置の本体１
の内部に設けた焼成室３の後側に、公知の赤外
線、ガス等からなる加熱手段４を設ける。この焼
成室３の上面には焼成効果を高めるため、内面を
半球状に形状した反射面５を設け、且つ、該反射
面の後部上方には、前記焼成室３に連続した排気
口６を設けてある。

焼成室３内に回転可能に軸架させた回転軸８の
一端に軸着した歯車９を、公知のベルト、歯車
群、チエーン等の伝達手段１０と回転速度を調節
する調節装置１１を介してモータ１２に連動させ
てある。

１４は前記回転軸８に軸着した調整歯車で、ハ
ンドル１５を一端に有した軸杆１６の端部に形成
した螺状部１７と歯合させてあり、該ハンドル１
５を回転させることにより回転軸８を周方向に回
転させ、それによつて後記する自転軸への円錐形
菓子台の着脱を容易にすることが出来る。この回
転軸８の一端に回転円板１８を軸着し、該回転円
板の内面には同心円上に複数の自転軸１９をそれ
ぞれ自転可能に軸支し、該自転軸１９の後端に
は、例えば自転歯車２０をそれぞれ軸着し、前記
回転軸８と同心状に位置させて本体１に固定した
固定歯車２２に、前記自転歯車２０をそれぞれ噛
合させてある。そのため、この回転円板１８の回
転に伴つて各自転軸１９は、該回転円板１８の回
転による公転と、該固定歯車２２との噛合による
自転歯車２０の回転によつてそれぞれ自転且つ公
転するものである。

各自転軸１９の先端には係合突起２１を形成し
てあり、山型をした円錐形菓子台２３の底面中央
に設けた係合孔２４に着脱可能にワンタツチで取
付けられるようにしてある。

２６は焼成室３内で前記円錐形菓子台２３の下
方に位置させた受皿で、該円錐形菓子台２３の表
面に塗布したり、該塗布面から流下する菓子素材
を収容するための受皿である。

尚、前記円筒形菓子台２３の表面に菓子素材を
塗布するには、第１図に示す如く自動的に菓子素
材を流下させて塗布できるように下面に多数の小
孔（図示せず）を有した菓子素材の供給管２８を
設けても良いし、作業員が手作業で塗布しても良
く、更には、該円錐形菓子台２３を受皿２６等の
中にどぶ漬して塗布してもよい。

図中、２９は本体１の下部に取付けた高さ調整
可能な脚部、３０は可動式の反射板である。

次に、本実施例の作用について説明すると、各
自転軸１９にそれぞれ円錐形菓子台２３を取付
け、次いで、加熱手段４を加熱させて該焼成室３
内及び各円錐形菓子台２３を余熱すると共に、回
転軸１７及び回転円板１８を介して各自転軸１９
を公転且つ自転させながら自動又は手作業によ
り、各円錐形菓子台２３の表面に菓子素材の塗布
を行うが、前記回転円板１８がこの焼成室３内を
一回転する間に該菓子素材は焼成する。次いで、
該焼成した菓子材３０の表面に再び菓子素材を塗
布するもので、このように焼成室３内を一回転す
る間に、一回の塗布と焼成とを行うもので、この
作業工程を必要に応じて数回〜十数回行うことに
より山型積層菓子３５を製造するものである。

尚、自転軸１９は何回も自転しながら回転円板
１８と共に、前記回転軸８の周囲を一回公転する
ものであるから該積層菓子は表面が部分的に焼成
することはなく、回転しながら全体を均一にむら
なく焼成することが出来る。

「考案の効果」 本考案は山型積層菓子を一度に複数焼成できる
ので作業効率が向上すると共に、外表面が大きい
のでケーキの如く表面に飾り付けをしたり、チヨ
コレート等で色々な模様や形状等を形成できるか
ら消費者の購買欲を一段と向上させることができ
るし、その上、円錐型菓子台に取付けたまま店先
に飾ることも出来る。更に又、前記円錐形菓子台
を取り外して出来た山形空室内に他の種類の菓子
や食べ物等を充填して色々な菓子を組合せること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
全体の正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線方向断面
図、第３図は伝導部分の要部の斜視図、第４図は
回転円板の背面図、第５図は自転軸に円錐形菓子
台を取付けた状態の一部欠載側面図、第６図は山
型積層菓子の一部欠載正面図である。 １……本体、３……焼成室、４……加熱手段、
８……回転軸、１０……伝達手段、１２……モー
タ、１８……回転円板、１９……自転軸、２３…
…円錐形菓子台、２６……受皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面を開口させた本体内に焼成室を設け、該焼
   成室内に回転可能に横架させた回転軸を伝達手
   段、調整装置を介してモータに連動し、前記回転
   軸の端部に軸着した回転円板の内側に複数の自転
   軸を各々軸支して前記回転円板の回転により各自
   転軸がそれぞれ自転且公転するように設け、各自
   転軸に着脱可能に円錐形菓子台を取付け、前記焼
   成室内に加熱手段と前記円錐形菓子台の下方に受
   皿を設けて成る山形積層菓子焼成装置。