JPH0436585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、後端面に形成した刈芝排出口の縁部
に、この刈芝排出口を開閉する布製の蓋を設けた
歩行型芝刈機の集草バツグに関する。

〔従来の技術〕

一般に歩行型芝刈機の集草バツグは、刈刃ハウ
ジングから風に乗つて搬出されてきた刈芝を収納
していくため、刈芝が残つて風だけが抜ける通気
性の良い材質で製作される必要がある。そのため
近年では、安くて製作のし易い布製のものが多く
用いられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、刈刃ハウジングから風に乗つて送られ
てくるのは刈芝ばかりではなく、時に釘や小石な
どの異物が混入していることも多い。これらの異
物は、集草バツグの側壁や上下壁よりもむしろ、
風がほぼ直角に通過する後端面の刈芝排出口を塞
ぐ蓋に最も強く衝突する。布製の集草バツグで
は、費用の面と製作上の便利さから蓋を集草バツ
グ本体と同じ材質の布を使用していて、十分な強
度を有していない場合が少なくなく、そのため
に、異物による損傷も激しく、極端な場合には破
れた蓋を突き貫けて機体を操縦している作業者に
当たるおそれすらあつた。

本考案は、このような実情に着目した創案され
たものであり、その目的は、安くて製作のし易い
布製でありながらも、混入して衝突してくる異物
に対しても十分な強度を有した歩行型芝刈機の集
草バツグを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、蓋の内側位置に前記刈芝
排出口を開閉する内蓋を設けるとともに、この内
蓋を多数の通気孔を有した硬質材から形成してあ
る点にあり、その作用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、風に乗つて送られてくる刈芝中に釘や
小石等異物が混じつていても、それらの異物は硬
質材の内蓋に衝突するために外側の蓋に直接衝突
することはほとんどなく、風のみが内蓋の通気孔
とその外側の蓋を通り抜けていくのである。

〔考案の効果〕

その結果、材質を安くて製作のし易い布製とし
ながらも、刈芝に混入して蓋に衝突してくる異物
に対しても十分な強さを発揮できるようになり、
蓋の損傷が軽減されると同時に作業者の安全が確
保された。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第５図に示すように、左右一対の前後車輪１，
２に担持された刈刃ハウジング３の上部にエンジ
ンＥを搭載し、このエンジンＥから垂下した出力
軸の下端に刈刃４を取付けるとともに、刈刃ハウ
ジング３の後部に集草バツグ５を連設し、この集
草バツグ５の上方に沿つて後方へハンドル６を延
出し、以て、歩行型芝刈機を構成してある。

前記集草バツグ５は、第１図に示すような後広
がりの箱形で、その材質は通気性の良い布を使用
している。そして第２図に示すように、この集草
バツグ５の後端に蓋として設けられた布製の外蓋
７を下方にめくると樹脂製の内蓋８が出現し、こ
の内蓋８を開くと後端面全体に亘る刈芝排出口９
が得られるようになつている。

前記外蓋７は、刈芝排出口９の下縁部に縫着さ
れていて、第４図に示すように、遊端辺に沿つて
設けられた可動枠１０を、刈芝排出口９の上縁部
に設けられた固定枠１１に係合することで閉じ状
態に保持できるようになつている。

前記内蓋８は、多数の通気孔１２を有した樹脂
製のドア８ａを左右に開放可能な、いわゆる観音
開き式に構成したものである。そして第３図に示
すように、各ドア８ａの側端縁に薄肉フランジ８
ｃを介して連設した連結板８ｂを、集草バツグ５
の左右側壁５Ａの内側後部に縫着された樹脂製の
後向き開放のポケツト１４へそれぞれ差し込んで
固定することで組み込めるようになつている。

前記ドア８ａは、外蓋７をめくつても安易に開
かぬように、そして刈芝排出口９を下にして回収
された刈芝を放出する場合には刈芝の自重で押し
開かれる程度の強さで閉じ状態に弾性付勢してあ
る。また、それらのドア８ａを開けば、集草バツ
グ５の後端面の大部分を占める広い刈芝排出口９
を完全に得られるようになつている。

このように、本考案を適用したこの歩行型芝刈
機の集草バツグ５は、刈刃ハウジング３から吹飛
ばされてくる刈芝中に釘や小石が混入していて
も、それらは比較的丈夫な内蓋８に衝突して空気
のみが通気孔１２と外蓋７を通して外部に排出さ
れるようになつているため、損傷が少なくて耐久
性の高いものとなつている。しかも、内蓋８の損
傷が特に激しい場合には、内蓋８のみを交換すれ
ばよいため、経済的なものになつているのであ
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型芝刈機の集草バツグ
の実施例を示し、第１図は内蓋を取外した場合の
斜視図、第２図は内蓋を組み込んだ場合の後部斜
視図、第３図は内蓋の連結板とポケツトの横断平
面図、第４図は可動枠と固定枠の係合構造を示す
縦断側面図、第５図は歩行型芝刈機の全体側面図
である。 ７……蓋、８……内蓋、９……刈芝排出口、１
２……通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 後端面に形成した刈芝排出口９の縁部に、こ
   の刈芝排出口９を開閉する布製の蓋７を設けた
   歩行型芝刈機の集草バツグであつて、前記蓋７
   の内側位置に前記刈芝排出口９を開閉する内蓋
   ８を設けるとともに、この内蓋８を多数の通気
   孔１２を有した硬質材から形成してある歩行型
   芝刈機の集草バツグ。 ２ 前記内蓋８が刈芝重量で開放できる程度の力
   で閉じ付勢されている実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の歩行型芝刈機の集草バツグ。