JPH04365502A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JPH04365502A
JPH04365502A JP16513591A JP16513591A JPH04365502A JP H04365502 A JPH04365502 A JP H04365502A JP 16513591 A JP16513591 A JP 16513591A JP 16513591 A JP16513591 A JP 16513591A JP H04365502 A JPH04365502 A JP H04365502A
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JP
Japan
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layer
base material
thermal expansion
coefficient
chemical composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP16513591A
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English (en)
Inventor
Mikio Fukuhara
幹夫 福原
Katsuhiko Asano
克彦 浅野
Hajime Makinae
蒔苗 一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tungaloy Corp
Original Assignee
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Tungaloy Co Ltd filed Critical Toshiba Tungaloy Co Ltd
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切削工具用の複合焼結体
に関し、さらに詳しくは、基材に該基材より熱膨張率の
小さい物質からなる層と、傾斜組成を形成している層と
からなる低膨張部を設けた切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】切削工具の刃先は、800〜1,300
℃の高温と200〜1,000kg/cm2 の応力の
かかる、きわめて苛酷な条件で使用される。この条件は
、切削速度や送り速度が増加するにつれていっそう厳し
くなる傾向にある。このような条件における最大の問題
は、温度変化による熱亀裂の発生である。これはとくに
湿式切削や断続切削において、工具の寿命を決定する重
要な要因になっている。この熱亀裂の発生は、切削工具
基材の発熱の著しい部位に超耐熱性材料を植設するだけ
では解決しない。これは、該耐熱材料の熱膨張率が一般
に基材のそれよりも著しく低いために、急激な発熱によ
って境界部分に大きな熱応力が発生し、低膨張部ないし
その周辺に亀裂を生ずるからである。
【0003】温度変化による熱応力に対応するために、
セラミックスなどに、成分比が連続的に変化する傾斜組
織の複合体を用いる研究がなされている。たとえば、特
開昭62−156938号公報には、剥離や亀裂の発生
を防ぐために、第1成分であるセラミックスと第2成分
である金属あるいは他のセラミックスとの間に傾斜組織
の中間層を設け、かつ該中間層にヤング率の低い第3成
分を分布させる技術が開示されている。また、特開昭6
4−45757号公報には、焼結時に液相で助成されて
高密度化を行い、表面領域とコア領域の間に傾斜組織の
表面遷移域を有する焼結セラミック材料が開示され、こ
の技術は切削工具や構成要素品にも利用されることが記
載されている。さらに特開平2−157149号公報に
は、ゾル−ゲル法による、このような傾斜組織を含む多
成分系セラミックスとその製造方法が開示されている。
【0004】しかし、これらの技術によっても、前述の
ような苛酷な条件において、切削工具の刃先周辺にきわ
めて局部的に発生する熱亀裂を、満足しうる程度に防止
した切削工具は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
切削、高送り切削に耐え、熱応力による亀裂を生じない
構造の切削工具用高強度複合焼結体を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱亀裂の
生成機構について鋭意検討した結果、工具の刃先に生ず
る縦亀裂は、温度上昇による熱応力に伴って生ずる引張
応力が材料固有の強度を越える際に生じ、横亀裂は数本
の縦亀裂を引金として、繰返し冷却される際に熱応力に
よって起こることを見出した。
【0007】この際に生ずる熱応力は工具の局部的な温
度差に起因するものであり、工具を構成している異種の
材料からなる層の間に熱膨張率の差があることが主原因
である。熱応力を生ずる最高温度部分は切削条件によっ
て変動するが、おおよそ図1の点線に示すように、掬い
面(1)上の、該掬い面と逃げ面(2)で形成される切
刃(4)のやや内側の部分(5)である。該最高温度部
分は横切刃の周辺より0.3〜1mmの距離、前切刃か
ら垂直に0.5〜1.5mmの距離の表面部分に局在す
る。 この部分に発生する圧縮応力は、5〜300kgf/c
m2 に達する。
【0008】したがって、本発明者らによれば、この最
高温度部分(5)に、熱膨張率が相対的に小さい耐熱硬
質材料を表面層として配置し、該表面層に接する内部及
び周辺に傾斜組織からなる層を設けることにより、切削
工具の温度上昇に伴う局部的な熱応力の発生を分散して
、亀裂の発生を防止し得ることを見出して、本発明をな
すに至った。
【0009】すなわち本発明は、セラミック焼結体又は
焼結合金からなる基材の少なくとも1面又はその一部に
、該基材と異なる物質を含む低膨張部を植設してなる複
合焼結体の切削工具であって、該低膨張部は該基材に比
べて熱膨張率の小さい物質からなる第1層と、傾斜組成
を形成してなる第2層とからなり、該第2層が該第1層
と該基材との間に介在した構造になっていることを特徴
とする切削工具に関する。
【0010】本発明の切削工具用複合焼結体の基材は、
セラミックス焼結体又は焼結合金からなり、1種でも2
種以上の物質の混合体でもよい。このようなセラミック
ス焼結体としては、酸化アルミニウム−酸化ジルコニウ
ム系セラミックスのような酸化物;立方晶窒化ホウ素、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タン
タルのような窒化物;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ジ
ルコニウム、炭化タングステン、炭化タンタル、炭化ク
ロムのような炭化物が例示され、またSIALON、酸
化アルミニウム−炭化チタンのように、これらを横断し
た各種の組合せも用いられる。焼結合金として、ここで
はサーメットに属する超硬合金を包含し、WC−Co、
WC−TiC−Co、WC−TaC−Co、TiC−N
i、TiC−Ni−Mo、Cr3 C2 −Niなどが
例示される。
【0011】このような焼結体は、用いる工具の形状に
応じて、多面体、隅部に曲面の存在する多面体、湾曲面
を含む多面体、隅部に突起部を含む多面体などの形状が
あり、切削に必要な掬い面と逃げ面を有する。
【0012】本発明の切削工具用複合焼結体において、
低膨張部は後述の第1層及び第2層からなる。その掬い
面上の形状の例を図2に、また逃げ面に平行な断面の形
状の例を図3に示す。該低膨張部は、少なくとも前述の
最高温度部分(5)をその第1層が完全に包含するよう
に形成され、図2の(a)、(b)のように、第1層(
6)と第2層(7)が模様を描いて掬い面の全周を形造
っていてもよく、図2の(c)以下のように掬い面の一
部に植設されていてもよい。
【0013】低膨張部の大きさは切削工具の大きさ、形
状及び切削条件によっても異なるが、切刃から低膨張部
の中心までの切刃に垂直な距離が0.25〜4mm、第
1層の最大深さが少なくとも0.05mm、第2層の最
大深さが少なくとも0.1mmあれば十分であり、他の
切削性能、物性及び形成のしやすさを考慮すると、その
範囲で、かつ第2層の最大深さが4mm以下であること
が好ましい。
【0014】本発明における第1層(6)は、前述の最
高温度部分(5)に配置された表面層である。第1層は
基材よりも耐熱性が高く、熱膨張係数の小さいセラミッ
クスであって、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム−
炭化チタン、立方晶窒化ホウ素、窒化タンタルなどが例
示される。
【0015】第1層の形状は任意であるが、上述のよう
に、少なくとも最高温度部分の表面を完全に包含しなけ
ればならない。掬い面における形状は、図2に示すよう
に、多角形、円形、部分円形、楕円形、切刃に平行な直
線状、又はこれらの組合せが例示される。また、逃げ面
に平行な断面の形状は、図3に示すように、四辺形、部
分円形、部分楕円形などが例示される。
【0016】第2層(7)は第1層(6)と基材(8)
の間に介在する。それは、掬い面においては、たとえば
図2に示されるように、第1層の一部又は全周を包囲も
しくは挾持した形であり、また逃げ面に平行な断面にお
いては、たとえば図3に示されるような形で、基材と第
1層の間に介在する。低膨張部の存在する部位は熱応力
のかかる部位だけでよいが、製造の便宜上、切削工具の
上下面又は一面(掬い面)の周囲を取囲むように形成し
てもよい。
【0017】第2層は、傾斜組成を形成している。第2
層の好ましい構成は、第2層のうち、第1層に隣接した
部分(A)の化学組成が第1層の化学組成に近く、基材
に隣接した部分(B)の化学組成が基材の主要化学組成
に近く、上記(A)(B)間の化学組成が、(A)から
(B)へと漸次変化する。また、第2層のうち、第1層
に隣接した部分(A)の熱膨張率が第1層の熱膨張率よ
り僅かに大きく、基材に隣接した部分(B)の熱膨張率
が基材の熱膨張率より僅かに小さく、上記(A)(B)
間の熱膨張率が、(A)から(B)へと漸次増加してい
ることが好ましい。そして、上述の組成と熱膨張率の双
方について、このような傾斜組成と傾斜機能を有するこ
とが、さらに好ましい。
【0018】第2層の傾斜組成は、組成が完全に連続的
に変化することが最も好ましいが、基材と第1層の組成
や熱膨張率の差により、2段階以上、好ましくは3段階
以上の段階的な組成変化をなしてもよい。
【0019】傾斜組織を形成する第2層は、全体に通常
、粒径が0.2〜0.5μm 、好ましくは0.5〜1
.5μm の多結晶粒子からなるが、その複数の成分の
うちの少なくとも1種が、直径0.5〜100μm 、
アスペクト比3〜10の耐熱高硬質のウィスカーであっ
てもよく、そのことによって、たとえば300kg/m
m2 に至る高い熱応力に耐えることができる。
【0020】このような切削工具は、次のようにして製
造することができる。すなわち、まず植設すべき低膨張
部に相当する位置に凹状、溝状、欠損状のような部分(
以下、凹部等という)を設けた基材を成形する。基材の
成形方法としては、たとえば、基材の掬い面の凹凸が逆
になったパンチとダイスからなる金型を用いて、片押し
又は両押しを行う。ついで、このように形成された凹部
等に、第2層のうち基材に近い層から順似、層を形成し
、最後に第1層を形成して該凹部等を埋める。このよう
な層を形成する方法としては、各層の組成からなる素材
粉末を振りかけないし注入しては表面を整える方法、ス
ラリーを用いて印刷する方法、スパッタリングなどが挙
げられる。また、このような低膨張部を双方の掬い面に
形成させる場合は、一方の掬い面に存在する凹部等につ
いて上述の工程を行った後、基材を回転させて、他の掬
い面の凹部等について同様の工程を繰返してもよい。
【0021】このようにして凹部等を埋めた後、焼結を
行う。焼結は大気中、真空中、加圧中のいずれで行って
もよく、雰囲気も空気のほか、窒素、アルゴンなどを用
いてもよい。また、通常の焼結方法のほか、熱間等静圧
焼結によってもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、高速切削、高送り切削
に耐え、亀裂を生じない切削工具用の高強度複合焼結体
を得ることができる。低膨張部の第2層に傾斜組成を用
いることにより、高温における使用や切削条件による応
力、及び/又は激しい温度履歴に起因する層間剥離、変
形が防止できる。
【0023】本発明の高強度複合焼結体は、とくに、た
とえば高速旋盤、高速フライス盤のような高速工作機械
で用いる施削工具、フライス工具、エンドミル、ドリル
等の切削工具として用いることができ、その高能率化、
長寿命切削に寄与する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって説
明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。実施例及び比較例において、部は重量部、
%は重量%を表わす。
【0025】以下の各実施例の切削工具における低膨張
部の形状を図4〜6に示す。各実施例とも、第1層(6
)が最高温度部分(5)を包含して存在し、その周囲に
、第2層を形成する傾斜組成の2a(71)、2b(7
2)及び2c(73)が順次存在して、基材(8)とは
異なる組成の低膨張部を形成する。各図において、x、
yはそれぞれ切刃から掬い面上の低膨張部の中心(9)
までの横切刃及び前切刃に垂直な距離;tは各層の深さ
(図4にあっては最大深さ)である。図5において、d
は各層の幅、zは切刃から低膨張の外周までの距離であ
る。図中のtとdは、便宜上、第2層の最外部について
のみ図示してあるが、第1層及び2a、2b、2cのす
べての層の寸法に適用する。また、実際の寸法は、表2
、表3及び表8に示すように、実施例によって異なる。 ここに図示していないが、表2及び表8には、掬い面上
における各層の大きさを示すe及びfを表示した。すな
わち、該掬い面上、低膨張部の中心(9)を通るx方向
の直線上で、第1層については中心から該層の端まで、
その他の層については、掬い面上に現われた該層の長さ
をeで表わし、同様に中心(9)を通るy方向の直線上
のそれぞれの長さをfで表わした。
【0026】実施例1〜3 掬い面上の形状が図4(a)、逃げ面に平行な断面A−
Aの形状が図4(b)になるように、回転楕円体を長軸
に平行な面で切断した半楕円体形の低膨張部、すなわち
その表面中心の熱発生部位に第1層、該第1層と基材と
の間に、第1層側から2a、2b、2cの3層からなる
第2層を有する直方体の切削工具を作製した。基材なら
びに低膨張部各層の組成及び素材粉末の粒径を表1、主
要寸法を表2に示す。また、各実施例の切削工具の作製
は、下記のような方法によって行った。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例1 表1に示す組成の、切削工具の低膨張部に相当する位置
に凹部を有する直方体の基材を、冷間圧縮成形によって
形成した。ついで、該凹部に、表2に示すように、第2
層を構成する2c、2b、2a及び第1層の、表1に示
すそれぞれの組成・粒径の素材粉末を含むスラリーを印
刷法によって順次塗布し、乾燥して、最終的には各層の
表面を基材表面と一致させて平滑にして、未焼成成形体
を得た。これを大気中、1,500℃で5時間焼結し、
ついで1,400 kgf/cm2 のアルゴン中、1
,550℃で30分間の熱間等静圧焼結(HIP処理)
を行って、切削工具を得た。
【0030】実施例2 表1に示す組成の、あらかじめプレスして作製した基材
の凹部に、表2に示すように、第2層を構成する2c、
2b、2a及び第1層からなる表1に示す組成・粒径の
ラミネート層を順次再プレスして、未焼成成形体を作製
した。これを窒素雰囲気中、1,650℃で2時間焼結
し、ついで、1,500kgf /cm2 のアルゴン
中、1,500℃で30分間HIP処理して、切削工具
を得た。
【0031】実施例3 表1に示す組成の基材の凹部に、実施例1と同様にして
、表1に示す組成・粒径と表2に示す寸法の、第2層を
構成する2c、2b、2a及び第1層を有する未焼成成
形体を作製し、これを1,500℃、6万気圧の超高圧
高温下で0.5時間焼結して、切削工具を得た。
【0032】実施例4、5 上下両掬い面上の形状が図5(a)、逃げ面に平行な断
面A−Aの形状が図5(b)になるように、両掬い面の
四周近くに四辺形状に配された溝状の低膨張部、すなわ
ちその表面中心の熱発生部位に第1層、該第1層と基材
との間に、第1層側から2a、2b、2cの3層からな
る第2層を有する直方体の切削工具を作製した。低膨張
部各層の組成、素材粉末の粒径及び主要寸法を表3に示
す。また、各実施例の基材の組成と切削工具の作製方法
は、下記のとおりであった。
【0033】
【表3】
【0034】実施例4 基材として、Ti(C0.8 ・N0.2)、TaC1
0%、WC10%、Mo2 C10%、Ni15%及び
Co5%からなるTi(C,N)−Ni系サーメットを
用いた。冷間圧縮成形によって、切削工具の低膨張部に
相当する位置に溝部を有する基材を成形した。基材の一
方の面に存在する溝部に、各層の素材粉末を順次振込ん
では表面を整えることを繰返し、最終的には各層の露出
表面を基材表面の面と一致させて平滑にし、冷間プレス
した。基材を上下回転させて、その他方の面の溝部につ
いて、まったく同様の充填を行って、未焼成成形体とし
た。これを真空中、1,400℃で1時間焼成して、切
削工具を得た。
【0035】実施例5 基材として、WC93.5%、Co6%及びCr3 C
2 0.5%からなるWC−Co系超硬合金を用いた。 これを1,380℃で30分間焼結することにより、実
施例5に用いた基材と同一形状の基材を得た。この一方
の面の空洞部に、10−3Torrのアルゴン中で、第
2層を構成する2c、2b、2a及び第1層の順に、ス
パッター法によって順次各層を形成して、切削工具を得
た。
【0036】比較例1 実施例1の基材と同様の組成により、実施例1のような
凹部を設けずに成形した基材に、第2層を設けることな
く、表面に実施例1と同じ印刷法で第1層を形成し、実
施例1と同一の条件で焼結して、切削工具を得た。すな
わち、得られた切削工具には、第2層に相当する傾斜組
成部分が設けられていない。
【0037】比較例2 実施例1の基材と同様の組成により、凹部を設けずに成
体を行い、これを実施例1と同一の条件で焼結して、切
削工具を得た。すなわち、得られた切削工具には、低膨
張部が設けられていない。
【0038】測定例1 実施例1〜5で焼結体の基材及び第1層として用いた組
成について、別途、焼結して作成した試料の熱膨張率を
測定したところ、表4のような値を得た。
【0039】
【表4】
【0040】測定例2 実施例1〜3及び比較例1で得られた切削工具試料(形
状:SNPN120304)を出力450Wの旋盤に装
着して、鋼の湿式高速旋削を行った。その条件は次のと
おりであった。 被削材      S48C(HB250)鋼切削速度
    800 m/min 切込量      2.0mm 送り        0.4mm/rev
【0041】
その結果、表5のように、比較例1で得られた試料は切
削開始後数分で欠損を生じたのに対して、本発明による
各実施例試料は良好な切削性を示した。
【0042】
【表5】
【0043】測定例3 実施例4、5及び比較例2で得られた切削工具試料を用
いて、乾式高速フライス盤による切削を行った。その条
件は次のとおりであった。 被削材      FC25 切削速度    1,000 m/rev切込量   
   1.5mm 送り        0.35mm/rev
【0044
】その結果、本発明による各実施例試料は良好な切削性
を示し、30分後の平均摩耗量は表5に示すとおりであ
った。比較例2で得られた試料は3.5分間の切削で異
常摩耗を生じ、テストを中止した。
【0045】
【表6】
【0046】実施例6〜11 掬い面上の形状が図6(a)、逃げ面に平行な断面A−
Aの形状が図6(b)になるように、溝状の低膨張部、
すなわちその表面中心の熱発生部位に第1層、該第1層
と基材との間に、第1層側から2a、2b、2cの3層
からなる第2層を有する直方体の切削工具を作成した。 基材ならびに低膨張部各層の組成及び素材粉末の粒径は
表7、主要寸法は表8に示すとおりである。また、各実
施例の切削工具の作製は、下記のような方法によって行
った。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】実施例6 切削工具の低膨張部に相当する位置に溝部を有する直方
体の基材を、冷間圧縮成形によって成形した。ついで、
該溝部に、表7に示す組成・粒径の、第2層を形成する
2c、2b、2a及び第1層のそれぞれ素材粉末を含む
スラリーを印刷法によって順次塗布し、乾燥して、最終
的には各層の表面を基材表面と一致させて平滑にして、
未焼成成形体を得た。これを大気中、1,500℃で5
時間焼結し、ついで1,400 kgf/cm2 のア
ルゴン中、1,550℃で30分間の熱間等静圧焼結を
行って、切削工具を得た。
【0050】実施例7 焼結を1,550℃で2時間、熱間等静圧焼結を1,5
00 kgf/cm2 のアルゴン中、1,500℃で
30分間という条件で行ったほかは、実施例6と同様の
方法で、切削工具を得た。
【0051】実施例8、9 低膨張部の形状がいずれも実施例6と同様である以外は
それぞれ実施例4及び5と同様にして、切削工具を得た
【0052】実施例10 基材として、cBN65%、TiN30%及びAl  
5%からなるBN系焼結体を用いた。印刷によって空洞
部を埋める工程まで実施例6と同様の方法で行い、焼結
は60,000 kgf/cm2 の高圧下に1,50
0℃で30分間焼結して、切削工具を得た。
【0053】実施例11 600 kgf/cm2 のアルゴン中、1,600℃
で30分間の高圧ホットプレスを行ったほかは実施例6
と同様の方法により、切削工具を得た。
【0054】比較例3 実施例6で用いたのと同じ組成で、溝部を形成しない未
焼成基材を作成した。この表面に、実施例6の第1層と
同一組成の低膨張部を、実施例6と同じ方法で形成し、
実施例6と同一の条件で焼成及びHIPを行って、切削
工具と得た。すなわち、得られた切削工具には、第2層
に相当する傾斜組成部分が設けられていない。
【0055】比較例4 第1層の形成を行わない以外は比較例3と同様にして、
切削工具を得た。すなわち、得られた切削工具には、低
膨張部が設けられていない。
【0056】測定例4 実施例6、8、10及び比較例3、4の切削工具(形状
:SNPN120304)を用いて、30kWのフライ
ス盤により、次の条件で15分間の切削実験を行った。 被削材        S45C(HB245)切削速
度      500m /min切込量      
  2.0mm 送り          0.4mm/刃テーブル速度
  10m /min 刃数          10枚 比較例3、4の切削工具は1分前後で欠損を生じ、試験
の続行が不可能であったのに対し、本発明による各実施
例試料は、15分間にわたって良好な切削性を示した。 切削実験後の工具刃先の磨耗料と損傷状態は、表9に示
すとおりであった。
【0057】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】切削工具の切削部及び最高温度部分を示す概略
図である。
【図2】第1層及び第2層の、掬い面上の植設部位の例
を示す図である。
【図3】第1層及び第2層の、逃げ面に平行な断面上の
植設部位の例を示す図である。
【図4】実施例1〜3の第1層及び第2層の植設部位を
示す図であり、(a)は掬い面上、(b)はA−A断面
上の部位を示す。
【図5】実施例4、5の第1層及び第2層の植設部位を
示す図であり、(a)は掬い面上、(b)はA−A断面
上の部位を示す。
【図6】実施例6〜11の第1層及び第2層の植設部位
を示す図であり、(a)は掬い面上、(b)はA−A断
面上の部位を示す。
【符号の説明】
1      掬い面 2      逃げ面 3      前切刃 4      横切刃 5      最高温度部分 6      第1層 7      第2層 71    第2層2a 72      〃  2b 73      〃  2c 8      基材 9      掬い面における低膨張部の中心x、y 
 切刃から9までの距離 t      深さ d      幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  セラミックス焼結体又は焼結合金から
    なる基材の少なくとも1面又はその一部に、該基材と異
    なる物質を含む低膨張部を植設してなる複合焼結体の切
    削工具であって、該低膨張部は該基材に比べて熱膨張率
    の小さい物質からなる第1層と、傾斜組成を形成してな
    る第2層とからなり、該第2層が該第1層と該基材との
    間に介在した構造になっていることを特徴とする切削工
    具。
  2. 【請求項2】  第2層のうち、第1層に隣接した部分
    (A)の化学組成が第1層の化学組成に近く、基材に隣
    接した部分(B)の化学組成が基材の主要化学組成に近
    く、上記(A)(B)間の化学組成が、(A)から(B
    )へと漸次変化している請求項1記載の切削工具。
  3. 【請求項3】  第2層のうち、第1層に隣接した部分
    (A)の熱膨張率が第1層の熱膨張率より僅かに大きく
    、基材に隣接した部分(B)の熱膨張率が基材の熱膨張
    率より僅かに小さく、上記(A)(B)間の熱膨張率が
    、(A)から(B)へと漸次増加している請求項1記載
    の切削工具。
  4. 【請求項4】  第2層のうち、第1層に隣接した部分
    (A)の化学組成が第1層の化学組成に近く、基材に隣
    接した部分(B)の化学組成が基材の主要化学組成に近
    く、上記(A)(B)間の化学組成が、(A)から(B
    )へと漸次変化しており、かつ第2層のうち、第1層に
    隣接した部分(A)の熱膨張率が第1層の熱膨張率より
    僅かに大きく、基材に隣接した部分(B)の熱膨張率が
    基材の熱膨張率より僅かに小さく、上記(A)(B)の
    熱膨張率が、(A)から(B)へと漸次増加している請
    求項2又は請求項3記載の切削工具。
  5. 【請求項5】  上記基材は、少なくとも掬い面と逃げ
    面を有し、該掬い面における上記低膨張部の構成は、第
    1層の外周に第2層が形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の切削工具。
  6. 【請求項6】  掬い面と逃げ面が形成する切刃から低
    膨張部の中心までの切刃に垂直な距離が0.25〜4m
    mであり、第1層の最大深さが少なくとも0.05mm
    、第2層の最大深さが少なくとも0.1mmである請求
    項5記載の切削工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009072790A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 摩擦撹拌接合装置および摩擦撹拌接合用ツール
WO2010010648A1 (ja) * 2008-07-22 2010-01-28 日本特殊陶業株式会社 切削インサート及び切削工具

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