JPH04365018A - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

エレクトロクロミック表示素子

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JPH04365018A
JPH04365018A JP14040391A JP14040391A JPH04365018A JP H04365018 A JPH04365018 A JP H04365018A JP 14040391 A JP14040391 A JP 14040391A JP 14040391 A JP14040391 A JP 14040391A JP H04365018 A JPH04365018 A JP H04365018A
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JP
Japan
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fine particles
fine grains
electrode layer
display element
layer
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Pending
Application number
JP14040391A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kidai
聖幸 希代
Shinichi Yamada
申一 山田
Takashi Taniguchi
孝 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、描画性を有するエレク
トロクロミック表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック表示素子(以下E
CDと略す)は、電圧を印加することにより可視光の吸
収スペクトルが可逆的に変化し、着色または消色を起こ
すエレクトロクロミック(以下ECと略す)現象を利用
した非発光型の表示素子である。非発光型であるために
、エレクトロルミネッセンス表示素子、プラズマディス
プレイ、CRTといった発光型のものと比べて、目が疲
れないという特徴を持ち、また、他の非発光型表示素子
である液晶と比較しても、視野角依存性がない、素子自
身で多色化が可能である、大面積化が可能であるという
優れた性能を持つ表示素子である。
【0003】このようなEC物質としては、現在のとこ
ろ、電圧印加により、イオンと電子が流入することによ
る酸化還元反応に伴って、着消色反応を起こす、遷移金
属の酸化物が用いられることが多い。このため、ECD
は、一般に何れかが透明である第一電極と第二電極との
間に、1種または2種以上のEC物質層と、EC物質層
にイオンを供給する電解質層を挟んだ構成となっている
【0004】ところで、このECDに、描画性をもたせ
ることにより、ECDを文字や図形などの書き込み可能
な表示素子として利用する試みが以前からなされている
【0005】ここで云う「描画」とは、ECDセルにお
いて、意図した部分にのみ着色反応を起こすことである
。さらに「描画可能」とは、通常の筆記速度、筆圧で書
き込みを行った場合、着色した部分が、拡がりすぎてぼ
やけてしまったり、または、細すぎて視認できないこと
がないという状態であり、意図して書き込まれた任意の
文字や図形などが肉眼ではっきり判別できることをいう
。液晶表示素子やCRTなどの従来の表示素子では、静
電誘導方式による位置検出機能を合わせ持つことにより
、表面書き込み型で描画可能な素子として開発されてい
る。
【0006】描画性を持ったECDの試みとしては、以
下のいくつかが挙げられる。たとえば、特公昭52−4
6098号公報では、EC層をむき出しにして、直接描
画電極をEC層と接触させることにより描画する方法が
とられている。また、特開昭62−255920 号公
報,特開昭62−267727 号公報,特開昭62−
267728 号公報,特開昭62−286024 号
公報などでは、電極、EC物質層、電解質層の少なくと
も1つを、微少な画素に分割し、着色領域が拡がりすぎ
るのを防ぐことにより、描画性をもたせる方法がとられ
ている。
【0007】また、特開昭62−156720 号公報
では、着色閾値未満の電圧を予め印加しておき、ペンで
加圧することにより、閾値を越えた電圧を印加して着色
させペン入力による描画性をもたせた方法がとられてい
る。
【0008】このように、描画着色させようとする部分
を、加圧により通電し、着色させる方法を利用したもの
として、第一電極層を有する基板上に、エレクトロクロ
ミック物質層及び電解質層とからなる表示画素部と、第
三電極層とが設けられ、該第三電極層と、対向する如く
、スペーサーを配して設けられた第二電極層を有する弾
力性フィルムを具備し、該第一電極層と該第二電極層と
の間に予め電圧が印加され、弾性フィルム表面への加圧
により、該エレクトロクロミック物質層と該電解質層を
介して、該第二電極層と該第三電極層とが電気的に接触
可能になることを特徴とするエレクトロクロミック表示
素子が、特開昭62−269123 号公報に開示され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術には、それぞれに欠点があった。たとえば、特
公昭52−46098号公報の方法では、着色領域が拡
がり過ぎて判読しにくく、そのうえEC層の劣化が激し
く、多数回の使用に耐えないなどといった問題点があっ
た。また特開昭62−255920号公報等の方法では
、分割するためのパターニング処理が煩雑である。さら
に、特開昭62−156720 号公報の方法では、E
CDセルの構成や回路が複雑になるうえに、電解質が液
体に限定され、固体電解質で行うことが難しい。特開昭
62−269123 号公報においては、着色領域が広
がらずに描画性を発現させるためには、一画素ごとの煩
雑なパターニングが必要である。
【0010】このようにこれまでよく行われていた、E
C物質層あるいは電極層などを微小画素に分割するパタ
ーニング処理は、非常に煩雑な工程を経るばかりでなく
、表示面上に、着色が起きない絶縁層が必ず存在するこ
とになり、これらが肉眼で視認できることから、表示体
としての解像度低下の原因になっていた。さらに、特開
昭62ー 269123号公報では、絶縁層ばかりかス
ペーサーまでも、肉眼で視認されたり、着色の邪魔にな
り、解像度低下を引き起こしていた。
【0011】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、優れた描画性を有する全固体型
ECDを、煩雑なパターニング処理工程を経ることなく
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0013】「第一電極層を有する基板上に、エレクト
ロクロミック物質層と固体電解質層とを少なくとも含む
複数層が設けられ、該複数層と対向する如く設けられた
弾力性フィルムを具備した第二電極層との間に、絶縁性
を有する微粒子が設けられてなることを特徴とするエレ
クトロクロミック表示素子。」すなわち本発明は、全固
体型エレクトロクロミック表示素子において、煩雑なパ
ターニング処理をすることなく、絶縁性の微粒子を用い
ることによって、優れた描画性を発現させることを特徴
とするエレクトロクロミック表示素子を提供するもので
ある。
【0014】本発明に用いられる絶縁性の微粒子は、肉
眼では視認されず、電気的には絶縁体であることを特徴
とするものである。この微粒子は、EC物質層および固
体電解質層とを少なくとも含む複数層と、第二電極層と
の間に位置していればよく、該複数層、第二電極層のい
ずれか、あるいは両方と接触していてもよい。一般に該
複数層上、または第二電極層上に分散塗布することによ
り設けられる。この微粒子は、無加圧時においては絶縁
体であり、上下の導電膜間の電気的接触を防いでいるが
、ペン先や指などで押圧するなどのごとく強い圧力が加
えられると、微粒子の間隙より導電膜間に電気的接触が
生じ、上下の導電膜と電気的に接続することができる。
【0015】なお、本発明において使用される微粒子は
微粒子を弾力性フィルム上からペンや指などで加圧され
た場合、変形することが可能な弾性を有することが好ま
しい。ここで微粒子の変形しやすさの要求特性としては
使用するフィルム、入力材料など、用途によってその都
度、最適化されるべきものであるが、通常は使用するフ
ィルムよりも変形しやすい微粒子が使用耐久性の点から
好ましく使用される。微粒子の変形しやすさを定義する
方法の具体例のひとつとしては、JIS K7208 
の試験方法にもとづいて微粒子形成材料を20kg/c
m2 の荷重下で変形させた時に、下式によって求めら
れる変形量(D(%))で表すことができる。
【0016】 D(%)={(L0 −L)/L0 }×100ここで
L0 は無加圧時の微粒子を形成する材料の厚み、Lは
20kg/cm2 の加圧下での微粒子を形成する材料
の厚みである。
【0017】本発明に好ましく使用される微粒子を形成
する材料としては変形量(D(%))が10%以上のも
のであり、とくに過酷な条件下で使用される場合には1
5%以上の変形量を有するものが好ましい。かかる微粒
子の変形特性としては押圧によって破壊せず、何度でも
回復可能な特性を有するものが耐久性の点から好ましい
【0018】さらに本発明の微粒子には変形可能なもの
以外に、耐久性を著るしく低下させない範囲で変形しな
い微粒子を使用することも可能である。変形不可能な微
粒子の併用に際しては変形可能な微粒子が全微粒子中に
40重量%以上含まれていることが好ましい。
【0019】かかる微粒子の成分としては、無機、有機
を問わず、二種以上を併用することも可能であることは
言うまでもないが、とくに耐久性向上の観点からは有機
物からなるものが好ましい。また、均一な塗布性、ある
いは分散を容易に可能とし、絶縁効果を最大限に発揮せ
しめる目的からは、微粒子の形状としては、実質的に球
形であることが好ましい。
【0020】かかる変形することが可能な弾性を有する
微粒子の好ましい成分としては、熱可塑性樹脂からなる
ものが挙げられ、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、
酢酸ビニル樹脂又はその誘導体、ポリスチレン又はその
コポリマー、ブチルメタクリル樹脂又はそのコポリマ―
よりなるアクリルゴム、ポリイソブチレン、ポリプロピ
レン等があげられる。これらは単独でもよいし、混合物
あるいは熱硬化性樹脂に配合させてもよい。
【0021】かかる微粒子成分のなかでも、特に好まし
い例としては、熱硬化性樹脂成分とアクリルゴム成分よ
りなる微粒子が挙げられる。接着力の点で、熱硬化性樹
脂成分30〜95Wt%、ゴム成分5〜70Wt%の配
合比であることが好ましく、さらには熱硬化性樹脂成分
40〜90Wt%、ゴム成分10〜60wt%の時にと
くに好ましい。熱硬化性樹脂成分が30Wt%未満であ
ると微粒子が一般に柔らかくなりすぎる、また接着力が
低下するという傾向があり、また95Wt%を越えると
ゴム成分による改質効果が現われにくい。
【0022】また、特に熱硬化性樹脂としてエポキシ樹
脂を用いる場合は、エポキシ樹脂成分40〜90Wt%
、ゴム成分10〜60Wt%の配合比である時、さらに
はエポキシ樹脂成分50〜80Wt%、ゴム成分20〜
50Wt%の時が、とくに好ましい。エポキシ樹脂成分
が40Wt%未満になると粒子が一般に柔らかくなりす
ぎ、また接着力が低下する傾向にある。またエポキシ樹
脂成分が90Wt%を越えるとゴム成分による改質効果
が現われにくい。
【0023】上記のようなゴム成分のうち、エポキシ基
あるいはグリシジル基をもつものがエポキシ樹脂に対し
て熱硬化時に硬化挙動を同一にできるごとく、熱硬化性
樹脂とゴム成分とが同一の活性基を持っていることが好
ましい。また、熱硬化性樹脂と反応し得る活性基を持つ
ゴム成分も好ましく使用される。
【0024】熱硬化性樹脂とゴム成分は互いに相溶する
ものであってもよいし、相分離するものであってもよい
。相分離する場合でも少なくとも粒子化以前の状態では
相溶状態にある方が粒子間の組成の均一性から好ましい
【0025】前記の熱可塑性樹脂以外の、好ましい微粒
子成分としては、エポキシ樹脂や熱安定性フェノール樹
脂等があげられる。エポキシ樹脂の好ましい具体例とし
ては、接着剤機能も併せ持つ、以下の微粒子状接着剤を
その例としてあげることができる。すなわち、主成分が
少なくともエポキシ樹脂からなり該エポキシ樹脂が潜在
型硬化剤を粒子内部に含むエポキシ系球状粒子状接着剤
がもっとも好ましい。また、かかる接着剤の効果をより
一段と発揮させる目的から該微粒子を塗布後に加熱硬化
させることも有用な手段である。すなわち、かかる微粒
子状接着剤を使用することによって微粒子がEC物質層
および固体電解質層を少なくとも含む複数層または第2
電極層と接着することが可能となる。このことは,微粒
子を安定して均一にこれらの層上に半永久的に固定化せ
しめる効果があり、安定した入力が可能となるものであ
る。
【0026】前記絶縁性微粒子は、複数層および第二電
極層の間に可能な限り均一に、かつ1次粒子状態で分散
被覆されていることが好ましい。さらに複数層および第
2電極層のいずれかに接着されていることが好ましい。
【0027】本発明における、絶縁性微粒子の分散塗布
方法としては、ECD各部位の使用材料および大きさ、
形状などにより、適宜選択されるものであるが、フレオ
ンのような低沸点溶媒に分散し、スピンコートやスプレ
ーコートなどのコーティング方法が好ましく適用される
【0028】本発明における前記絶縁性微粒子の、平均
粒径や該微粒子が占める面積比は、弾力性フィルムの特
性や、弾力性フィルム表面を加圧するものの大きさや形
状、さらには、ECD の用途により必要とする描画着
色線の太さ等によって、適宜決められるべきものである
。平均粒径として、好ましくは、0.1 〜100 μ
mの範囲であると、粒子が、無加圧時に肉眼で視認され
ることなく電気的に絶縁性を有し、かつ、加圧により着
色した場合でも、着色の邪魔になり解像度が低下すると
いうことはなく、良好な描画性が発現される。さらに好
ましくは、微粒子の占める面積比が、表示面積に対して
、1×10−4以上、15×10−3以下で存在し、か
つ単位面積(cm2 )当り2〜50,000個存在す
ることにより、いっそう描画性に優れたECD を得る
ことが出来る。
【0029】なお本発明における、粒子数は一般に顕微
鏡で観察して測定できる。また単位面積当りの個数は、
ミクロゲージによりカウントできる。粒子の存在状態と
しては凝集粒子もあるが、絶縁機能の観点から1次粒子
単位でカウントする。また粒子が占める面積比は、複数
層あるいは第二電極層の単位面積中に存在する粒子の見
かけ面積(粒子数×1個当りの最大断面積)の割合で求
められる。断面積は粒子の最大直径をRとした場合、(
πR2 /4)で計算できる。粒子直径や分布状態は、
イメージアナライザーを用いて簡単に測定できる。
【0030】本発明において用いられるEC物質として
は、通常のECD において用いられているものであれ
ば使用可能であり、構成物質や成膜方法は特に限定され
るものではない。例えば、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、イオンビーム法、スパッタリング法、CVD
法、電解析出法、電解重合法、バインダー等を用いた液
状コーティング法などにより成膜された、酸化タングス
テン、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化イリジウム、酸
化モリブデン、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化バナジウ
ム、酸化ジルコニア、酸化マンガン、酸化コバルト、酸
化ロジウム、酸化ルテニウム、酸化オスミニウム、酸化
レニウム、窒化スズ、窒化インジウム、プルシアンブル
ー等の遷移金属の酸化物、窒化物あるいは錯化合物など
を用いることが多いが、ビオロゲン、金属フタロシアニ
ン、スチリル化合物、アントラキノン、ピラゾリン、テ
トラチアフルバレン、ポリチオフェン、ポリピロールテ
トラシアノキノジメタン等の有機物質及びこれらの誘導
体や高分子を用いることも可能である。特にEC物質と
して優れた着消色性、耐久性を有するという点で、真空
薄膜形成による遷移金属酸化物が好ましく用いられ、酸
化タングステンが特に好ましく用いられる。
【0031】上記、EC物質は、一種または二種以上を
組み合わせて用いることも可能であるが、特に、着消色
性、耐久性が良好である等という点から、好ましく用い
られるEC物質層としては、真空蒸着法により成膜され
た遷移金属化合物が挙げられる。このような遷移金属化
合物は、酸化反応に着色する酸化型EC物質と、還元反
応により着色する還元型EC物質があり、両者を組み合
わせるた着消色性に優れる、いわゆる相補型のECD 
とすることは、好ましい実施態様の一つである。例えば
、酸化型EC物質として、酸化ニッケル、酸化イリジウ
ム、還元型EC物質として酸化タングステンなどが挙げ
られる。
【0032】本発明において用いられる固体電解質とし
ては、通常のECD において用いられているものであ
れば、構成物質や成膜方法など特に限定されるものでは
ない。本発明に用いられる固体電解質としては、例えば
、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム
法、スパッタリング法、CVD法、電解析出法、電解重
合法、バインダー等を用いた液状コーティング法などに
より成膜された、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ケ
イ素、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン
、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化バリウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化鉛等の金属化合物誘電体
、β−アルミナ、ヨウ化銀ルビジウム、塩化ヨウ化銅ル
ビジウム、窒化リチウム、ケイ酸リン酸リチウム、ジル
コニアリンケイ素酸ナトリウム等のイオン伝導性金属化
合物、金属塩を添加したポリアルキレンオキシドを主鎖
または側鎖に持つ高分子固体電解質、Nafionなど
のイオン交換樹脂等が挙げられる。
【0033】特に透明性が良好である、真空蒸着が可能
であるなどの点から、金属酸化物や金属フッ化物が好ま
しく用いられる。
【0034】本発明において用いられる第一電極層、お
よび第二電極層は、通常のECDにおいて用いられてい
る電極を特に限定されることなく用いることができる。 たとえば金、銀、銅、白金、イリジウム、クロム、ニッ
ケル、アルミニウムなどの金属や、酸化インジウム,酸
化スズ,酸化アンチモンなどの金属酸化物、及び上記金
属や金属酸化物の2種以上の混合物等が挙げられる。ま
た、表示を確認する上で、第一電極層、あるいは第二電
極層の、少なくとも何れかは透明な電極であることが好
ましい。これは、このECD をどちらの側から視認す
るかによって決められるべきものである。
【0035】また、本発明においては、第二電極層と絶
縁性微粒子との間に、導電性微粒子とビヒクルとを主成
分としてなる導電性塗膜を設けることも耐久性を改良す
る目的から好ましい。導電性微粒子としては、インジウ
ム/スズ酸化物や酸化スズ(酸化アンチモンドーピング
を含む)などが好ましく使用される。またビヒクルとし
ては、エポキシ、アクリル、ブタジエン、ブチラール、
共重合ポリエステル、低融点ガラスなど有機、無機、熱
硬化性、熱可塑性を問わず、各種の組成のものが用いら
れるが、エポキシ系、なかでもある種のシリコーン変性
エポキシポリマーは特に優れている。これらの組成物は
、1種のみならず、2種以上添加して用いることも可能
である。とくに耐久性向上の目的には、下記一般式(B
)で示される有機ケイ素化合物および/またはその加水
分解物が好ましく、重合収縮の減少や実質的な無溶媒化
のためにはあらかじめ部分縮合物として使用することも
できる。塗布特性改良を目的に各種の添加剤を加えるこ
とも可能であり、流動特性なかでも増粘性の目的には無
水珪酸からなるシリカ微粉末、チタニア微粉末、酸化ア
ンチモン微粉末、アルミナ微粉末などの無機酸化物微粉
末の添加が好ましい。とくに、透明性付与の目的には、
コロイド状に分散した無機酸化物微粒子の使用が好まし
い。
【0036】RR1 a Si(OR2 )3−a  
         [B] ここでRは、炭素数1〜12のエポキシ基を有する炭化
水素基、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、R2 は、炭素数1〜8のアルキル
基、アルコキシアルキル基、アシル基、フェニル基であ
り、aは、0または1である。
【0037】本発明における、第二電極層を有する弾力
性フィルムとしては、フィルム表面をペンや指などの加
圧による圧力を加えると変形し、圧力を取り除いた場合
に元の形に復元するフィルムであれば、特に限定される
ものではないが、透明なものを用いる場合には、市販の
、ポリエステルあるいはポリエーテルスルホン等のプラ
スチック製ITO フィルムなどが好適である。
【0038】本発明における基板としては、板状であれ
ば限定されず、樹脂シート、プラスチック板や無機ガラ
スなどが挙げられ、弾力性フィルムであっても構わない
【0039】本発明における、弾力性フィルムあるいは
基板には、紫外線吸収剤を含有してなるものを用いても
、紫外線吸収剤を含有した保護コートあるいは保護フィ
ルムを施してあっても何等問題ないばかりか、耐久性向
上の点から好ましいものである。
【0040】本発明における弾力性フィルムは、加圧に
より変形させて通電させるものであるが、耐久性向上の
点から、該弾力性フィルム表面にハードコートを施すこ
とも実施態様の一例である。
【0041】本発明において、ECDの駆動回路その他
について、特に限定されるものではない。これらの個々
の物質あるいは駆動回路、あるいは用途などECDの概
要については、「最新プロセス技術」(広信社,198
7年出版)等に詳しく述べられており、本発明において
も適用可能である。
【0042】本発明の特徴を有する全固体ECDの用途
としては、手書き入力表示素子のほかに、位置検出素子
と組み合わせた素子や、手書き表示機能を付与したカー
ド等にも適用できるものである。
【0043】
【実施例】本発明の実施例について、以下に詳述するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】実施例1 第一電極層を有する基板として、市販のITOを有する
ガラス基板を用い、基板表面温度を280℃に保った状
態で、第1層に、固体電解質層として酸化タンタルを酸
素ガス導入下、真空度2×10−4torrで、第2層
にEC物質層として酸化タングステンを酸素ガス導入下
、真空度1×10−5torrで、真空蒸着法により成
膜しEC基板を作製した。
【0045】一方、弾力性フィルムを具備した第二電極
層として、市販のITO フィルムを用い、第二電極層
上に、平均粒径7μmのエポキシ系球状粒子接着剤(2
0kg/ cm2 押圧時おける変形量25% の微粒
子)を0.2重量%のフレオン分散液にしたものをスピ
ンコーターを用いて分散塗布し、130 ℃で一時間、
加熱硬化した。
【0046】顕微鏡を用いて、粒子接着剤の分散状態を
観察したところ、粒子数は22000 個/cm2 で
あり、該微粒子の占める面積比は8.5 ×10−3で
あった。
【0047】このフィルムを前記EC基板に、両面テー
プを用いて接着固定した。
【0048】このECD を、第一電極層を正極に、第
二電極層を負極に接続し、弾力性フィルム表面の、描画
したい部分をペン先で加圧すると、色の拡がりのない描
画性に優れた着消色が得られた。
【0049】図1に、実施例1で得られたECDの断面
図を示す。1は基板、2は第一電極層、3は固体電解質
層、4はEC物質層、5は絶縁性微粒子、6は第二電極
層、7は弾力性フィルム、8は両面テープ、9は直流電
源を示す。
【0050】実施例2 実施例1に於て、微粒子として、平均粒径25μmのエ
ポキシ系球状微粒子接着剤(20kg/ cm2 押圧
時おける変形量30% の微粒子)を0.1重量%のフ
レオン分散液にしたものを用いた以外は、同様にしてE
CD を作製した。
【0051】顕微鏡を用いて粒子接着剤の分散状態を観
察したところ、粒子数は300 個/cm2 であり、
該粒子の占める面積比は2.0×10−3であった。
【0052】このECD を実施例1と同様に電源に接
続し、弾力性フィルム表面の、描画したい部分を指で加
圧すると、抑えた部分のみが着色を起こし、描画性に優
れたECDが得られた。
【0053】実施例3 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを
用い、基板表面温度を200℃に保った状態で、第1層
に、酸化EC物質層として、酸化ニッケルをアルゴンガ
スを導入ガス下、真空度1×10−4torrで、第2
層に固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入下
、真空度2×10−4torrで、第3層にEC物質層
として酸化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧1×
10−5torrで、真空蒸着法により成膜し、EC基
板を作製した。
【0054】一方、弾力性フィルムを具備した第二電極
層には、実施例2と同様に微粒子を分散塗布した。
【0055】このECD を実施例1と同様に電源に接
続し、弾力性フィルム表面の、描画したい部分を指で加
圧すると、抑えた部分のみが着色を起こし、描画性に優
れたECDが得られた。
【0056】
【発明の効果】本発明により、絶縁性の微粒子を用いる
ことによって、煩雑なパターニング処理を経ることなく
、優れた描画性を有することを特徴とする全固体エレク
トロクロミック表示素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1のECDの断面図である。
【符号の説明】
1:基板 2:第一電極層 3:固体電解質層 4:EC物質層 5:絶縁性微粒子 6:第二電極層 7:弾力性フィルム 8:両面テープ 9:直流電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一電極層を有する基板上に、エレクトロ
    クロミック物質層と固体電解質層とを少なくとも含む複
    数層が設けられ、該複数層と対向する如く設けられた弾
    力性フィルムを具備した第二電極層との間に、絶縁性を
    有する微粒子が設けられてなることを特徴とするエレク
    トロクロミック表示素子。
  2. 【請求項2】該微粒子の平均粒径が0.1〜100μm
    であり、かつ変形可能であることを特徴とする請求項1
    記載のエレクトロクロミック表示素子。
  3. 【請求項3】該微粒子が、20kg/ cm2 の荷重
    下で変形したときの変形量を、下式[A]の変形量D(
    %)で示した場合に、D(%)が10%以上の材料から
    なることを特徴とする請求項2記載のエレクトロクロミ
    ック表示素子。         D(%)={(L0 −L)/L0 
    }×100        [A](式中、L0 は無
    加圧時の微粒子を形成する材料の厚み、Lは20kg/
     cm2 の加圧下での微粒子を形成する材料の厚みで
    ある。)
  4. 【請求項4】該微粒子の占める面積比が、該複数層の面
    積に対して、1×10−4以上、15×10−3以下で
    存在し、かつ単位面積(cm2 ) 当り2 〜50,
    000個存在してなることを特徴とする請求項2記載の
    エレクトロクロミック表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282359A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Bridgestone Corp パネル内の粒子付着力測定方法

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