JP2913880B2 - エレクトロクロミック表示素子およびその製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック表示素子およびその製造方法

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JP2913880B2 JP3077911A JP7791191A JP2913880B2 JP 2913880 B2 JP2913880 B2 JP 2913880B2 JP 3077911 A JP3077911 A JP 3077911A JP 7791191 A JP7791191 A JP 7791191A JP 2913880 B2 JP2913880 B2 JP 2913880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、描画性を有するエレク
トロクロミック表示素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック表示素子(以下E
CDと略す)は、電圧を印加することにより可視光の吸
収スペクトルが可逆的に変化し、着色または消色を起こ
すエレクトロクロミック(以下ECと略す)現象を利用
した非発光型の表示素子である。非発光型であるため
に、エレクトロルミネッセンス表示素子、プラズマディ
スプレイ、CRTといった発光型のものと比べて、目が
疲れないという特徴を持ち、また、他の非発光型表示素
子である液晶と比較しても、視野角依存性がない、素子
自身で多色化が可能である、大面積化が可能であるとい
う優れた性能を持つ表示素子である。
【0003】このようなEC物質としては、現在のとこ
ろ、電圧印加により、イオンと電子が流入することによ
る酸化還元反応に伴って、着消色反応を起こす、遷移金
属の酸化物が用いられることが多い。このため、ECD
は、一般に何れかが透明である第一電極と第二電極との
間に、1種または2種以上のEC物質層と、EC物質層
にイオンを供給する電解質層を挟んだ構成となってい
る。
【0004】例えば、特開昭60-238818 号公報において
は、EC物質として酸化タングステンを用い、その製造
方法としてアルゴンを導入ガスとして真空蒸着する方法
が開示されている。
【0005】ところで、このECDに、描画性をもたせ
ることにより、ECDを文字や図形などの書き込み可能
な表示素子として利用する試みが以前からなされてい
る。
【0006】ここで云う「描画」とは、ECDセルにお
いて、意図した部分にのみ着色反応を起こすことであ
る。さらに「描画可能」とは、描画電極をECDの表示
電極の表面に接触させて、通常の筆記速度、筆圧で書き
込みを行った場合、着色した部分が、拡がりすぎてぼや
けてしまったり、または、細すぎて視認できないことが
ないという状態であり、意図して書き込まれた任意の文
字や図形などが肉眼ではっきり判別できることをいう。
液晶表示素子やCRTなどの従来の表示素子では、静電
誘導方式による位置検出機能を合わせ持つことにより、
表面書き込み型で描画可能な素子として開発されてい
る。
【0007】描画性を持ったECDの試みとしては、以
下のいくつかが挙げられる。たとえば、特公昭52-46098
号公報では、EC層をむき出しにして、直接描画電極を
EC層と接触させることにより描画する方法がとられて
いる。また、特開昭62-255920 号公報,特開昭62-26772
7 号公報,特開昭62-267728 号公報,特開昭62-286024
号公報などでは、電極、EC物質層、電解質層の少なく
とも1つを、微少な画素に分割し、着色領域が拡がりす
ぎるのを防ぐことにより、描画性をもたせる方法がとら
れている。
【0008】また、特開昭62-156720 号公報では、着色
閾値未満の電圧を予め印加しておき、ペンで加圧するこ
とにより、閾値を越えた電圧を印加して着色させペン入
力による描画性をもたせた方法がとられている。
【0009】このように、描画着色させようとする部分
を、加圧により通電し、着色させる方法を利用したもの
として、上記のほかに、特開昭62-269123 号公報に開示
された、いわゆるタッチパネル型の描画方式を利用した
ものが挙げられる。この方法は、第一電極層を有する基
板上に、エレクトロクロミック物質層及び電解質層とか
らなる表示画素部と、第三電極層とが設けられ、該第三
電極層と所定の間隔をもって対向する如く、スペーサー
を配して設けられた第二電極層を有する弾力性フィルム
を具備し、該第一電極層と該第二電極層との間に予め電
圧が印加され、弾力性フィルム表面への加圧により、該
エレクトロクロミック物質層と該電解質層を介して、該
第二電極層と該第三電極層とが電気的に接触可能になる
ことを特徴とするエレクトロクロミック表示素子であ
る。つまり、第三電極層と、スペーサーを配して設けら
れた第二電極層を有する弾力性フィルムが、感圧入力タ
ブレットと称されるタッチパネルの装置形態をとるもの
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術には、それぞれに欠点があった。たとえば、特
公昭52-46098号公報の方法では、着色領域が拡がり過ぎ
て判読しにくく、そのうえEC層の劣化が激しく、多数
回の使用に耐えないなどといった問題点があった。また
特開昭62-255920号公報等の方法では、分割するための
パターニング処理が煩雑である。さらに、特開昭62-156
720 号公報の方法では、ECDセルの構成や回路が複雑
になるうえに、固体電解質で行うことが難しい。特開昭
62-269123号公報においては、やはり、描画性を発現す
るためには、一画素ごとの煩雑なパターニングが必要で
ある。
【0011】また、特開昭60-238818 号公報において
は、描画不可能である。
【0012】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、描画可能であり、かつ優れた耐
久性を有する、いわゆるタッチパネル形態の全固体型E
CDおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0014】「(1)第一電極層を有する基板上に、酸
化タングステンからなるエレクトロクロミック物質層
と、固体電解質層とを少なくとも含む複数の層が設けら
れ、該エレクトロクロミック物質層と、固体電解質層と
を少なくとも含む複数の層と、空間または誘電体物質層
を介して対向する如く設けられた、弾力性フィルムを具
備した第二電極層を有してなる全固体型エレクトロクロ
ミック表示素子であって、該酸化タングステンの、FT
−IRでの透過スペクトルが、1400cm-1の吸光度をA
1400、1800cm-1の吸光度をA1800、1600cm-1から1650cm
-1で最も吸光度の大きい値をA* 、2500cm-1の吸光度を
2500、4000cm-1の吸光度をA4000、3400cm-1の吸光度
をA3400とした場合に、下記(A)式かつ(B)式を満
たすことを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
【0015】
【数2】
【0016】(2)第一電極層を有する基板上に、酸化
タングステンからなるエレクトロクロミック物質層と、
固体電解質層とを少なくとも含む複数の層が設けられ、
該エレクトロクロミック物質層と、該固体電解質層とを
少なくとも含む複数の層上に、空間または誘電体物質層
を介して対向する如く設けられた、弾力性フィルムを具
備した第二電極層を有してなる全固体型エレクトロクロ
ミック表示素子の製造方法であって、該酸化タングステ
ンが、該第一電極層を有する基板の表面温度が室温以
上、180℃以下、かつ、導入ガスとして酸素を用い、
真空度が2×10-5torr以上、1×10-3torr以下、か
つ成膜速度が0.1nm/ 秒以上、0.4nm/秒以下の条
件下で、真空蒸着法により設けられることを特徴とする
エレクトロクロミック表示素子の製造方法。」すなわち
本発明は、酸化タングステンからなるEC物質層を、真
空蒸着法により設けてなる、タッチパネル型の描画方式
をとるECD の、EC製造方法において、基板温度、導入
ガス、真空度と成膜速度をある条件に限定することによ
り、前記FT−IRでの吸収スペクトルにおける式を満
たす、描画性に優れたタッチパネル型のECDおよびそ
の簡単な製造方法を提供するものである。
【0017】本発明において、FT−IR(フーリエ変
換赤外分光光度計)の測定は、市販の装置を用いて行う
ことができるものである。また、透過スペクトルは、酸
化タングステンを基板の上に直接設けて透過スペクトル
を測定し、基板の吸収を差し引くことによって、酸化タ
ングステンの透過スペクトルを得ることができる。
【0018】FT−IR測定において、酸化タングステ
ンを基板に設ける方法は、ECDを製造する際に酸化タ
ングステンを設ける方法と、同一方法、同一条件のもと
に、基板上に設けて、測定することが必要である。しか
しながら、基板は、ECD製造の際に酸化タングステン
を設ける基板と同一である必要はなく、FT−IR測定
に好適な基板を用いてもよい。このような基板として
は、シリコンウエハなどが好ましい。
【0019】ここで、本発明における、上記(A)式お
よび(B)式の意味を説明する。
【0020】FT−IRにおいて、1600cm-1から1650cm
-1吸収帯は、水酸基の変角振動に帰属できるものであ
り、3400cm-1付近の吸収帯は、水酸基の伸縮運動に帰属
できるものである。上記(A)式および(B)式は、こ
れら水酸基の吸収帯での吸光度がその周囲の吸光度に比
べて、特に大きいことを意味し、酸化タングステン中の
水酸基量が多いことを示している。なお、酸化タングス
テンの、FT−IRでの透過スペクトルにおいて、1400
cm-1、1800cm-1、2500cm-1、4000cm-1は、他の特性スペ
クトルの吸収帯とならないために、上記(A)式、
(B)式で基準として用いることができる。
【0021】本発明における特徴を有する酸化タングス
テンを製造する方法を以下に述べる。本発明の製造方法
に於て、酸化タングステンからなるエレクトロクロミッ
ク物質層を真空蒸着法によって設ける際には、基板上に
設けられた第一電極層、あるいは該電極上に設けられた
固体電解質層や他のEC物質層からなる被蒸着面のいず
れかの表面温度が、室温以上、180℃以下であること
が必要である。室温未満の場合には、冷却装置に多額の
設備投資を必要とし、そのために非常に高いコストとな
るため、現実的には真空蒸着は不可能である。また、表
面温度が180℃を越えると、EC層は、描画性をもた
ず、EC層の全面にわたる着色となったり、着色域が拡
がり描画した文字が判別困難となる。
【0022】また、酸化タングステンからなるエレクト
ロクロミック物質層を真空蒸着法によって設ける際に
は、酸素ガスを導入ガスとし、真空度が2×10-5torr
以上、1×10-3torr以下が必要であり、真空度が2×
10-5torr未満であるとEC層は描画性をもたず、EC
層の全面にわたる着色となったり、着色域が拡がり描画
した文字が判別困難となる。また、1×10-3torrを越
えると真空蒸着による成膜に要する時間がかかりすぎ
て、生産性を欠く。
【0023】本発明の特徴を有する酸化タングステンを
真空蒸着法によって設ける際の成膜速度としては、0.
1nm/ 秒以上、0.4nm/秒以下であることが必要であ
り、0.1nm/秒未満であると、真空蒸着による成膜に
要する時間がかかりすぎて、生産性を欠く。また0.4
nm/秒を越えると、EC層は、描画性をもたず、EC層
の全面にわたる着色となったり、着色域が拡がり描画し
た文字が判別困難となる。
【0024】本発明において用いられる、第一電極層、
第二電極層及び第三電極層は、通常のECDにおいて用
いられている電極を特に限定されることなく用いること
ができる。たとえば金、銀、銅、白金、イリジウム、ア
ルミニウムなどの金属や、酸化インジウム,酸化スズ,
酸化アンチモンなどの金属酸化物、及び上記金属や金属
酸化物の2種以上の混合物等が挙げられる。また、表示
を確認する上で、第一電極層、あるいは第二電極層と第
三電極層の両電極層の、少なくとも何れかは透明な電極
であることが好ましい。これは、このECD をどちらの側
から視認するかによって決められるべきものである。さ
らに、本発明のECD には、第三電極層は必須ではな
、EC物質層、固体電解質層を少なくとも含む複数の
層の表面が、第二電極層を有する弾力性フィルムとの接
触による摩耗から防ぐ上でも、EC物質層あるいは固体
電解質層の上に第三電極層を設けることは好ましいもの
である。これまでのECD においては、EC物質層あるい
は固体電解質層上にこのような電極層を設けると、着色
領域がEC物質層全体におよび、パターニングすること
なしには描画性を発現し得なかった。しかしながら、本
発明により開示された酸化タングステンからなるEC物
質層を用いることにより、第三電極層を設けることによ
っても、描画性に優れたECD を得ることが可能である。
【0025】さらに、本発明で用いられる固体電解質層
は、特に限定されるものではなく、通常のECDにおい
て用いられる電解質を用いることができる。たとえば、
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸
化チタン、酸化アンチモンなどの金属酸化物や、フッ化
マグネシウム、フッ化リチウムなどの金属フッ化物の誘
電体物質、リチウムやナトリウムなどの金属塩を添加し
たポリアルキレンオキシドからなる高分子固体電解質、
イオン交換樹脂など、いずれであっても構わない。特
に、透明性が良好である、真空蒸着が可能でありEC物
質層が真空蒸着法を用いる点から製造工程上好ましい
(勿論、固体電解質層においてはEC物質層における本
発明の製造条件を満たす必要はない)などの点から、金
属酸化物や金属フッ化物が好ましく、さらにはより拡が
りの小さい描画性を付与可能であるという意味から、酸
化タンタルがもっとも好ましい。
【0026】また、固体電解質の成膜方法としては、そ
の固体電解質の性質に合わせて選択すればよく、本発明
においては、特に限定されるものではない。とくに固体
電解質として酸化タンタルを用いる場合には、真空蒸着
法を用いることが好ましい。本発明におけるECDの構
成は、第一電極層を有する基板上に、少なくとも前記の
EC物質層と固体電解質層とが、設けられた構造をとる
が、これらEC物質層と固体電解質層との積層順序とし
ては、特に限定されるものではないが、第一電極層を有
する基板上に、固体電解質層、EC物質層の順序で設け
ることが、着消色性、描画性、耐久性などを向上させる
点で好ましい。
【0027】本発明における酸化タングステンよりなる
還元型EC物質層とともに、酸化反応により無色から着
色状態になる酸化型EC物質層をさらに設けてもよく、
その成分としては、例えば酸化イリジウムや酸化ニッケ
ルなどを単独、あるいは2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。この場合は、固体電解質の両側を酸化型E
C物質層と還元型EC物質層とで挟む構造をもった、い
わゆる相補型ECDとなる。また、このような相補型EC
D においても、第一電極層を有する基板上に酸化型EC
物質層、固体電解質層、酸化タングステンからなるEC
物質層の順で積層しても、第一電極層を有する基板上に
酸化タングステンからなるEC物質層、固体電解質層、
酸化型EC物質層の順で積層しても、どちらの積層順で
も構わない。
【0028】本発明における、弾力性フィルムとして
は、フィルム表面をペンや指などの加圧による圧力を加
えると変形し、圧力を取り除いた場合に元の形に復元す
るフィルムであれば、特に限定されるものではないが、
透明なものを用いる場合には、市販の、ポリエステルあ
るいはポリエーテルスルホン等のプラスチック製ITO フ
ィルムなどが好適である。本発明の弾力性フィルムを具
備した第2電極層は、弾力性フィルムが、表層側に面す
るように設けられる。すなわち、弾力性フィルムは、空
間または誘電体物質層上に、第二電極層を介して設けら
れる。
【0029】本発明における基板としては、板であれば
どのようなものでも良く、樹脂シート、プラスチック板
や無機ガラスなどが挙げられ、弾力性フィルムであって
も構わない。
【0030】本発明における第一電極層を有する基板上
に設けられたエレクトロクロミック物質層と固体電解質
層とを少なくとも含む複数の層と、対向する弾力性フィ
ルムを具備した第二電極層との間に介在する、空間また
は誘電体物質層とは、通常の状態では、該複数の層と該
第二電極層とが電気的に絶縁されているが、弾力性フィ
ルムを押圧などにより変形させることにより、該複数の
層と該第二電極層とを通電せしめる特徴を有する物質層
である。このような物質層としては、特に限定されるも
のではないが、空気や、アルコール類、ケトン類、エス
テル類などの極性溶媒などが挙げられる。
【0031】本発明において、EC物質層あるいは固体
電解質層と、弾力性フィルムを具備した第二電極層とを
特定の間隔をもって対向せしめるためには、電気絶縁性
を有する微粒子を用いることも好ましい実施態様であ
る。このような微粒子の好ましい例としては、特開平1-
295321号公報に記載の微粒子が挙げられる。この微粒子
は、無機化合物および/または有機化合物からなり、E
C物質層と、固体電解質層とを少なくとも含む複数の
層、あるいは第三電極層上に、分散塗布されるか、ある
いは、弾力性を有するフィルム上に設けられた第二電極
層上に分散塗布される。かかる微粒子は、無加圧時にお
いては絶縁体であるため、上下の電極層間の電気的接触
を防いでいるが、ペン先や指などで押圧するなどのごと
く強い圧力が加えられると、微粒子の間隙より電気的接
触が生じ、上下の導電膜と電気的に接続することができ
る。
【0032】なお、本発明において使用される微粒子
は、微粒子を前記弾力性フィルム上からペンや指などで
加圧された場合、変形することが可能な弾性を有するこ
とが好ましい。ここで微粒子の変形しやすさの要求特性
としては使用するフィルム、入力材料など、用途によっ
てその都度、最適化されるべきものであるが、通常は使
用するフィルムよりも変形しやすい微粒子が使用耐久性
の点から好ましく使用される。微粒子の変形しやすさを
定義する方法の具体例のひとつとしては、JIS K7208 の
試験方法にもとづいて微粒子形成材料を20kg/cm2
荷重下で変形させた時に、下式によって求められる変形
量(D(%))で表すことができる。
【0033】 D(%)={(L0 −L)/L0 }×100 ここでL0 は無加圧時の微粒子を形成する材料の厚み、
Lは20kg/cm2 の加圧下での微粒子を形成する材料の
厚みである。
【0034】本発明に好ましく使用される微粒子を形成
する材料としては変形量(D(%))が10%以上のものであ
り、とくに過酷な条件下で使用される場合には15%以
上の変形量を有するものが好ましい。かかる微粒子の変
形特性としては押圧によって破壊せず、何度でも回復可
能な特性を有するものが耐久性の点から好ましい。
【0035】さらに本発明の微粒子には変形可能なもの
以外に、耐久性を著るしく低下させない範囲で変形しな
い微粒子を使用することも可能である。なお、変形不可
能な微粒子の併用に際しては変形可能な微粒子が全微粒
子中に40重量%以上含まれていることが必要である。
かかる微粒子の成分としては、無機、有機を問わず、二
種以上を併用することも可能であることは言うまでもな
いが、とくに耐久性向上の観点からは有機物からなるも
のが好ましい。また、均一な塗布性、あるいは分散を容
易に可能とし、絶縁効果を最大限に発揮せしめる目的か
らは、微粒子の形状としては、実質的に球形であること
が好ましい。
【0036】かかる変形することが可能な弾性を有する
微粒子の好ましい成分としては、熱可塑性樹脂からなる
ものが挙げられ、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、
酢酸ビニル樹脂又はその誘導体、ポリスチレン又はその
コポリマー、ブチルメタクリル樹脂又はそのコポリマー
よりなるアクリルゴム、ポリイソブチレン、ポリプロピ
レン等があげられる。これらは単独でもよいし、混合物
あるいは熱硬化性樹脂に配合させてもよい。
【0037】かかる微粒子成分のなかでも、特に好まし
い例としては、熱硬化性樹脂成分とアクリルゴム成分よ
りなる微粒子が挙げられる。接着力の点で、熱硬化性樹
脂成分30〜95Wt%、ゴム成分5〜70Wt%の配合比
であることが好ましく、さらには熱硬化性樹脂成分40
〜90wt%、ゴム成分10〜60wt%の時にとくに好ま
しい。熱硬化性樹脂成分が30wt%未満であると微粒子
が一般に柔らかくなりすぎる、また接着力が低下すると
いう傾向があり、また95wt%を越えるとゴム成分によ
る改質効果が現われにくい。
【0038】また、特に熱硬化性樹脂としてエポキシ樹
脂を用いる場合は、エポキシ樹脂成分40〜90Wt%、
ゴム成分10〜60Wt%の配合比である時、さらにはエ
ポキシ樹脂成分50〜80Wt%、ゴム成分20〜50Wt
%の時が、とくに好ましい。エポキシ樹脂成分が40Wt
%未満になると粒子が一般に柔らかくなりすぎ、また接
着力が低下する傾向にある。またエポキシ樹脂成分が9
0Wt%を越えるとゴム成分による改質効果が現われにく
い。
【0039】上記のようなゴム成分のうち、エポキシ基
あるいはグリシジル基をもつものがエポキシ樹脂に対し
て熱硬化時に硬化挙動を同一にできるごとく、熱硬化性
樹脂とゴム成分とが同一の活性基を持っていることが好
ましい。また、熱硬化性樹脂と反応し得る活性基を持つ
ゴム成分も好ましく使用される。
【0040】熱硬化性樹脂とゴム成分は互いに相溶する
ものであってもよいし、相分離するものであってもよ
い。相分離する場合でも少なくとも粒子化以前の状態で
は相溶状態にある方が粒子間の組成の均一性から好まし
い。
【0041】前記の熱可塑性樹脂以外の、好ましい微粒
子成分としては、エポキシ樹脂や熱安定性フェノール樹
脂等があげられる。エポキシ樹脂の好ましい具体例とし
ては、接着剤機能も併せ持つ、以下の微粒子状接着剤を
その例としてあげることができる。すなわち、主成分が
少なくともエポキシ樹脂からなり該エポキシ樹脂が潜在
型硬化剤を粒子内部に含むエポキシ系球状粒子状接着剤
がもっとも好ましい。また、かかる接着剤の効果をより
一段と発揮させる目的から該微粒子を塗布後に加熱硬化
させることも有用な手段である。すなわち、かかる微粒
子状接着剤を使用することによって微粒子が導電フィル
ムおよび導電板と接着することが可能となる。このこと
は、微粒子を安定して均一に導電膜上に半永久的に固定
化せしめる効果があり、安定した入力が可能となるもの
である。
【0042】前記絶縁性微粒子は、EC物質層あるいは
固体電解質層あるいは第三電極層、または第二電極層上
面に、可能な限り均一に、かつ一次粒子状態で分散被覆
されていることが好ましい。さらに、EC物質層、固体
電解質層など、または第二電極層の、どちらか接触する
層に接着されていることが好ましい。
【0043】本発明における前記絶縁性微粒子の、粒径
や該微粒子が占める面積比は、弾力性フィルムの特性
や、弾力性フィルム表面を加圧するものの大きさや形
状、必要とする描画着色線の太さ等によって、適宜決め
られるべきものである。
【0044】また、本発明においては、第二電極層と絶
縁性微粒子との間に、あるいは第三電極層などと絶縁性
微粒子との間に、導電性微粒子とビヒクルとを主成分と
してなる導電性塗膜を設けることも耐久性を改良する目
的から好ましい。導電性微粒子としては、インジウム/
スズ酸化物や酸化スズ(酸化アンチモンドーピングを含
む)などが好ましく使用される。またビヒクルとして
は、エポキシ、アクリル、ブタジエン、ブチラール、共
重合ポリエステル、低融点ガラスなど有機、無機、熱硬
化性、熱可塑性を問わず、各種の組成のものが用いられ
るが、エポキシ系、なかでもある種のシリコーン変性エ
ポキシポリマーは特に優れている。これらの組成物は、
1種のみならず、2種以上添加して用いることも可能で
ある。とくに耐久性向上の目的には、下記一般式(C)
で示される有機ケイ素化合物および/またはその加水分
解物が好ましく、重合収縮の減少や実質的な無溶媒化の
ためにはあらかじめ部分縮合物として使用することもで
きる。塗布特性改良を目的に各種の添加剤を加えること
も可能であり、流動特性なかでも増粘性の目的には無水
珪酸からなるシリカ微粉末、チタニア微粉末、酸化アン
チモン微粉末、アルミナ微粉末などの無機酸化物微粉末
の添加が好ましい。とくに、透明性付与の目的には、コ
ロイド状に分散した無機酸化物微粒子の使用が好まし
い。
【0045】 RR1 a Si(OR2 3-a (C) ここでRは、炭素数1〜12のエポキシ基を有する炭化
水素基、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、R2 は、炭素数1〜8のアルキル基、
アルコキシアルキル基、アシル基、フェニル基であり、
aは、0または1である。
【0046】本発明における、弾力性フィルムあるいは
基板には、紫外線吸収剤を含有してなるものを用いて
も、紫外線吸収剤を含有した保護コートあるいは保護フ
ィルムを施してあっても何等問題ないばかりか、耐久性
向上の点から好ましいものである。
【0047】本発明における弾力性フィルムは、加圧に
より変形させて通電させるものであるが、耐久性向上の
点から、該弾力性フィルム表面をハードコートを施すこ
とも好ましい実施態様の一例である。
【0048】本発明において、ECDの駆動回路その他
について、特に限定されるものではない。これらの駆動
回路、あるいは用途などECDの概要については、「最
新プロセス技術」(広信社,1987年出版)等に詳し
く述べられており、本発明においても適用可能である。
【0049】本発明の特徴を有する酸化タングステンを
EC層とする、タッチパネル型描画方式をとる全固体型
ECDの用途としては、手書き入力表示素子のほかに、
位置検出素子と組み合わせた素子や、手書き表示機能を
付与したカード等にも適用できるものである。
【0050】
【実施例】本発明の実施例について、以下に詳述する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】実施例1 (1) 第一電極層を有する基板として、市販のインジウム
・スズ混合金属酸化物膜(以下、ITOと略す)を有す
るガラス基板を用い、基板表面温度を100℃に保った
状態で、第1層に、固体電解質層として酸化タンタルを
酸素ガス導入下、真空度2×10-4torrで、第2層にE
C物質層として酸化タングステンを酸素ガス導入下、酸
素圧5×10-5torrで0.2nm/ 秒の成膜速度条件のも
とに、真空蒸着法により成膜しEC基板を作製した。こ
のEC基板上に、弾力性フィルムを具備した第二電極層
として、市販のITO フィルム(商品名 スミライトFS
T・1343、住友ベーライト株式会社製)を両面テ
ープで接着固定した。本実施例のECDの断面図を図1
に示す。
【0052】このECDは、図1のように、第一電極層
を正極に、第二電極層を負極に接続し、弾力性フィルム
表面の描画したい部分を加圧することにより、描画着色
可能であり、さらに逆電圧の印加のもとで、加圧した部
分のみが消色した。
【0053】(2) シリコンウエハを基板として、基板表
面温度を100℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸
素圧5×10-5torrで、0.2nm/ 秒の速度のもとに、
前記(1) 項と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法
により成膜した。この酸化タングステンの、FT−IR
での透過スペクトルを図2に示した。図2は、基板のシ
リコンウエハの吸収を差し引いたものである。1630cm-1
付近に、水酸基の変角振動に帰属できるピークがあり、
3400cm-1付近に、水酸基の伸縮運動に帰属できるピーク
があることがわかる。このスペクトルより得られた各ピ
ークの吸光度を、前述の(A)、(B)式にそれぞれ当
てはめると、(A)式による値が2.86、(B)式に
よる値が2.02となり条件を満たしていた。
【0054】実施例2 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを用
い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層とし
て酸化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10
-5torrで0.2nm/ 秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸
着法により成膜しEC基板を作製した。一方、弾力性フ
ィルムを具備した第二電極層として、市販のITO フィル
ムを用い、第二電極層上に、エポキシ系球状粒子接着剤
を分散塗布し、130 ℃で一時間、加熱硬化した。このフ
ィルムを前記EC基板に両面テープを用いて接着固定し
た。このECDは、実施例1と同様に、描画可能であ
り、描画された文字を消去することもできた。
【0055】実施例3 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを用
い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層とし
て酸化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10
-5torrで0.2nm/ 秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸
着法により成膜し、さらに第3層に第三電極層としてIT
O(インジウム-スズ酸化物)を高周波イオンプレーティン
グ法により成膜し、EC基板を作製した。このEC基板
上に、弾力性フィルムを具備した第二電極層として、市
販のITO フィルムを、両面テープを用いて接着固定し
た。このECDは、実施例1と同様に、描画可能であ
り、描画された文字を消去することもできた。
【0056】実施例4 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを用
い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層とし
て酸化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10
-5torrで0.2nm/ 秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸
着法により成膜し、さらに第3層に第三電極層としてIT
O(インジウム-スズ酸化物)を高周波イオンプレーティン
グ法により成膜し、EC基板を作製した。このEC基板
上に、弾力性フィルムを具備した第二電極層として、市
販のITO フィルムを用い、第二電極層上に、エポキシ系
球状粒子接着剤を分散塗布し、130 ℃で一時間、加熱硬
化した。このフィルムを前記EC基板に、両面テープを
用いて接着固定した。このECDは、実施例1と同様
に、描画可能であり、描画された文字を消去することも
できた。
【0057】実施例5 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを用
い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、酸化EC物質層として、酸化ニッケルをアルゴンガ
ス導入ガス下、真空度1×10-4torrで、第2層に固体
電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入下、真空度
2×10-4torrで、第3層にEC物質層として酸化タン
グステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10-5torrで
0.2nm/ 秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜し、さらに第4層に第三電極層としてITO(インジ
ウム- スズ酸化物) を高周波イオンプレーティング法に
より成膜し、EC基板を作製した。このEC基板上に、
弾力性フィルムを具備した第二電極層として、市販のIT
O フィルムを用い、第二電極層上に、エポキシ系球状粒
子接着剤を分散塗布し、130 ℃で一時間、加熱硬化し
た。このフィルムを前記EC基板に、両面テープを用い
て接着固定した。このECDは、実施例1と同様に、描
画可能であり、描画された文字を消去することもでき
た。
【0058】比較例1 (1) 第一電極層を有する基板として、市販のITOを有
するガラス基板を用い、基板表面温度を280℃に保っ
た状態で、第1層に、固体電解質層として酸化タンタル
を酸素ガス導入下、真空度2×10-4torrで、第2層に
EC物質層として酸化タングステンを酸素ガス導入下、
酸素圧1×10-5torrで、0.2nm/ 秒の成膜速度条件
のもとに、真空蒸着法により成膜し、第3層に第三電極
層としてITO を酸素ガス導入下、酸素圧1×10-4torr
の条件のもとに、高周波イオンプレーティング法により
成膜し、EC基板を作製した。このEC基板上に、弾力
性フィルムを具備した第二電極層として、市販のITO フ
ィルムを両面テープで接着固定した。このECDは、実
施例1のように、第一電極層を正極に、第二電極層を負
極に接続し、弾力性フィルム表面の、描画したい部分を
加圧しても、着色域が広がり、判別不可能となった。
【0059】(2) シリコンウエハを基板として、基板表
面温度を280℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸
素圧1×10-5torrで、0.2nm/ 秒の速度のもとに、
前記(1) 項と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法
により成膜した。この酸化タングステンの、FT−IR
での透過スペクトルを図3に示した。1630cm-1付近の水
酸基の変角に帰属できるピークは小さく、3400cm-1付近
の水酸基の伸縮振動に帰属できるピークも僅かであっ
た。このスペクトルより得られた各ピークの吸光度を、
上述の(A)、(B)式に当てはめると、(A)式にお
ける値が1.67、(B)式における値が、1.30で
あり、条件を満たしていなかった。
【0060】比較例2 第一電極層を有する基板として市販のITO ガラスを用
い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、酸化EC物質層として、酸化ニッケルをアルゴンガ
ス導入ガス下、真空度1×10-4torrで、第2層に固体
電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入下、真空度
2×10-4torrで、第3層にEC物質層として酸化タン
グステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10-5torrで
0.2nm/ 秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜し、さらに第4層に第三電極層としてITO(インジ
ウム- スズ酸化物) を高周波イオンプレーティング法に
より成膜し、EC基板を作製した。このEC基板の、第
一電極層を正極に、直径0.5mm炭素棒を負極に接続
し、EC基板の表面に第二電極層を有する弾力性フィル
ムを設けることなく、炭素棒電極を直接第三電極層表面
に接触させることにより、着消色反応を行った。このE
CDは、実施例1と同様に、描画可能であり、描画され
た文字を消去することもできたが、着消色反応を多数回
繰り返すことにより、第三電極層表面に、炭素棒電極に
よる傷がみられた。
【0061】
【発明の効果】本発明により、煩雑なパターニング処理
なしに、描画可能であり、かつ優れた耐久性を有する全
固体型ECDを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1のECDの断面図である。
【図2】本発明実施例1の酸化タングステンのFT−I
Rでの透過スペクトルである。
【図3】本発明実施例2の酸化タングステンのFT−I
Rでの透過スペクトルである。
【符号の説明】
1:基板、 2:第一電極層、 3:固体電解質層、 4:酸化タングステン層、 5:第二電極層、 6:弾力性フィルム、 7:直流電源、 8:両面テープ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一電極層を有する基板上に、酸化タング
    ステンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電
    解質層とを少なくとも含む複数の層が設けられ、該エレ
    クトロクロミック物質層と、固体電解質層とを少なくと
    も含む複数の層と、空間または誘電体物質層を介して対
    向する如く設けられた、弾力性フィルムを具備した第二
    電極層を有してなる全固体型エレクトロクロミック表示
    素子であって、該酸化タングステンの、FT−IRでの
    透過スペクトルが、1400cm-1の吸光度をA1400、1800cm
    -1の吸光度をA1800、1600cm-1から1650cm-1で最も吸光
    度の大きい値をA* 、2500cm-1の吸光度をA2500、4000
    cm-1の吸光度をA4000、3400cm-1の吸光度をA3400とし
    た場合に、下記(A)式かつ(B)式を満たすことを特
    徴とするエレクトロクロミック表示素子。 【数1】
  2. 【請求項2】該エレクトロクロミック物質層と、固体電
    解質層とを少なくとも含む複数の層と、該第二電極層と
    の間に、絶縁性を有する微粒子を具備することを特徴と
    する請求項1記載のエレクトロクロミック表示素子。
  3. 【請求項3】該エレクトロクロミック物質層と、該固体
    電解質層とを少なくとも含む複数の層の上に、第三電極
    層を有することを特徴とする請求項1記載のエレクトロ
    クロミック表示素子。
  4. 【請求項4】該第三電極層と該第二電極層との間に、絶
    縁性を有する微粒子を具備することを特徴とする請求項
    3記載のエレクトロクロミック表示素子。
  5. 【請求項5】第一電極層を有する基板上に、酸化タング
    ステンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電
    解質層とを少なくとも含む複数の層が設けられ、該エレ
    クトロクロミック物質層と、該固体電解質層とを少なく
    とも含む複数の層上に、空間または誘電体物質層を介し
    て対向する如く設けられた、弾力性フィルムを具備した
    第二電極層を有してなる全固体型エレクトロクロミック
    表示素子の製造方法であって、該酸化タングステンが、
    該第一電極層を有する基板の表面温度が室温以上、18
    0℃以下、かつ、導入ガスとして酸素を用い、真空度が
    2×10-5torr以上、1×10-3torr以下、かつ成膜速
    度が0.1nm/ 秒以上、0.4nm/ 秒以下の条件下で、
    真空蒸着法により設けられることを特徴とするエレクト
    ロクロミック表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】該エレクトロクロミック物質層と、該固体
    電解質層とを少なくとも含む多数の層と、該第二電極層
    との間に、絶縁性を有する微粒子を具備することを特徴
    とする請求項5記載のエレクトロクロミック表示素子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】該エレクトロクロミック物質層と、該固体
    電解質層とを少なくとも含む多数の層上に、第三電極層
    を有することを特徴とする請求項5記載のエレクトロク
    ロミック表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】該第三電極層と該第二電極層との間に、絶
    縁性を有する微粒子を具備することを特徴とする、請求
    項7記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
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