JPH04360688A - セクレチンレセプターをコードするdna、および該dnaにコードされているポリペプチド - Google Patents

セクレチンレセプターをコードするdna、および該dnaにコードされているポリペプチド

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JPH04360688A
JPH04360688A JP3163946A JP16394691A JPH04360688A JP H04360688 A JPH04360688 A JP H04360688A JP 3163946 A JP3163946 A JP 3163946A JP 16394691 A JP16394691 A JP 16394691A JP H04360688 A JPH04360688 A JP H04360688A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラットセクレチンレセ
プターをコードするDNAおよび該DNAにコードされ
ているポリペプチドに関する。
【0002】
【従来技術】セクレチンは十二指腸粘膜から分泌される
代表的な消化管ホルモンの1つであり、膵臓からの炭酸
水素イオンの分泌刺激作用、カリウムイオンおよび酵素
を含んだすい液の分泌促進作用等を有することが知られ
ている(1)。セクレチンはまた、上記炭酸水素イオン
分泌刺激作用に基づいて、胃酸分泌抑制効果を有し、ま
た、肝機能検査や十二指腸潰瘍の治療剤に用いられてい
る。
【0003】セクレチンは消化管ホルモンの1群である
セクレチン群[バソアクティブ・インテスティナル・ペ
プチド(VIP)、グルカゴン等]に属する。同群のホ
ルモンは様々な組織、例えばすい臓、肝臓、心臓、腸、
腎臓、脳等に対して広範な薬理作用を有することが報告
されている(3、4、5)。上記セクレチン群のホルモ
ンの内、セクレチン、VIPおよびグルカゴンは、G−
プロティンと結合したレセプターとの相互作用を介して
アデニレートシクラーゼを活性化することが知られてい
た(2、3、6、7)。また、β−アドレナリン作働性
システムでは、レセプターとGs(シクラーゼ刺激Gタ
ンパク質)とが結合することでレセプターのリガンドに
対する親和性が増大すると言われている(9)。
【0004】
【発明が解決すべき課題】これらホルモンの作用機構を
理解し、種々の分野で有効に利用するためにはレセプタ
ーの生化学的特性の同定、ホルモン−レセプター相互作
用の解明は不可欠である。しかしながら、レセプターの
量が少ないために、単離、精製が困難であることから、
上記の研究は十分になされていない状況である。近年、
生理学的に活性な物質の調製方法として、DNA組換え
技術が利用されるようになったが、セクレチンレセプタ
ーをこの方法で調製するには、該ペプチドをコードする
DNAを単離し、その構造を決定する必要がある。本発
明者らは、発現クローニング法(8)により、セクレチ
ン受容体cDNAのクローニングに成功した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはセクレチン
レセプターを比較的多量に発現するラット−マウスハイ
ブリッドNG108−15細胞(6)からセクレチンレ
セプターのtotalRNAを単離し、poly(A)
RNAを選択して2本鎖cDNAを得、Gタンパク質(
Gs)のαサブユニットGs−αを過剰に発現するCO
S細胞(COSGs1)を用いる発現クローニング法で
セクレチンレセプターをコードするcDNAクローンを
同定した。125Iラベルセクレチンによる選択で陽性
のpQ17クローンを単離した。上記cDNAライブラ
リーの調製に用いたハイブリッド細胞はマウス神経芽細
胞腫細胞N18TG2とラット神経膠腫細胞C6Bu−
1細胞とのハイブリッド細胞であるが、ポリメラーゼ鎖
反応法(PCR法)で調べた結果、このクローンはラッ
ト細胞に由来することが分かった。
【0006】pQ17cDNAを哺乳類発現ベクターp
EF−BOS(12)と一緒にトランスフェクション(
形質転換)したCOS細胞から調製した膜製品は125
Iセクレチンと結合した。さらに、pQ17cDNAを
pEF−BOS−Gsと一緒に形質転換したCOS細胞
は、セクレチンに対する親和性がさらに高められる(約
10倍)ことが分かった。
【0007】これらの事実は、本発明により、セクレチ
ンレセプターをコードするcDNAがクローニングされ
たこと、並びに該セクレチンレセプターのセクレチンと
の結合にはGsαタンパク質が関与していることを示す
ものである。本発明のcDNAクローンpQ17のヌク
レオチド配列および推定のアミノ酸配列は図1および図
2に示されている。
【0008】ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の分
析の結果、成熟セクレチンレセプターは427アミノ酸
からなる分子量計算値48,696のポリペプチドであ
ることが明らかになった。本発明のセクレチンレセプタ
ーをコードするDNAのヌクレオチド配列およびアミノ
酸配列には以下の特徴がある。 1)他のGs結合型レセプター(例、光レセプターロド
プシン)と同様、7個の膜貫通セグメントを有する(1
8)。 2)しかし、他のGs−結合レセプターとのアミノ酸配
列の類似性は殆ど無く、新規なレセプターである。 3)膜貫通セグメントIに先行する大きい細胞外領域(
121アミノ酸)があり、これらの領域はシステイン残
基に富み、セクレチンの結合に関与していると考えられ
る(22)。 4)VIPとの弱い交差反応性がある。 これはセクレチンレセプターをコードするDNAを用い
てセクレチン群の他のホルモン類のレセプターの研究を
も行うことができることを示唆している。また、セクレ
チンレセプター群のホルモンの分子レベルでの機能およ
び制御機構の解明に役立つことが予想される。
【0009】本発明により、セクレチンレセプターをコ
ードするcDNAがクローニングされ、そのヌクレオチ
ド配列が明らかになったので、適当な宿主系内で組換え
セクレチンレセプターを発現する発現ベクターを構築す
ることは当業者にとって通常の技術範囲である。次いで
、構築した発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、得ら
れた形質転換体をセクレチンレセプターをコードするD
NAの発現に適した条件下で培養することにより、組換
えセクレチンレセプターを製造することができる。この
ようにして得られた組換えセクレチンレセプターは、セ
クレチン群のホルモンの作用機構の研究および臨床面で
有用である。
【0010】当業者ならば、図1に記載のセクレチンレ
セプターをコードするcDNAのヌクレオチド配列に、
ヌクレオチドの挿入、置換または欠失を行うことにより
、天然のセクレチンレセプターと同様の機能を有する誘
導体を導くことができるということを理解するであろう
。従って、そのようにして導かれるDNAも本発明の範
囲に包含されるものである。
【0011】本発明のセクレチンレセプターをコードす
るDNAを含有する発現ベクターは当業者既知の方法で
構築することができる。セクレチンレセプターDNAの
発現に適したベクターは、該DNAの挿入部位の直ぐ上
流に転写開始のためのプロモーターを有するものであろ
う。適当なプロモーターも当該技術分野で既知であり、
宿主細胞内での機能特性に応じて選択することができる
。例えば、T7ポリメラーゼのプロモーター、β−ガラ
クトシダーゼなどの細菌プロモーターを用いて、細菌内
でセクレチンレセプターを発現させることができる。
【0012】培養動物細胞でセクレチンレセプターを発
現させるには、その発現ベクター中に薬物耐性マーカー
のような選択可能マーカーが存在することが望ましい。 特に望ましいマーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子を
挙げることができる。あるいは、セクレチンレセプター
をコードするDNAを含有する発現ベクターと別個の抗
生物質等の薬物耐性をコードするプラスミドを用いて同
時に形質転換してもよい。
【0013】発現ベクターを構築するには本発明のセク
レチンレセプターをコードするDNAを適当なベクター
に挿入する。適当なベクターは、プロモーター、pol
yAシグナル、選択マーカーその他の条件を考慮し、当
該技術分野で既知のものから選択する。本発明のcDN
Aを挿入し、培養細胞に導入してこのcDNAを発現す
る目的に用いることができるDNAベクターとして、例
えばCMVのプロモーターを用いたCDM8、ヒトピプ
チド鎖延長因子1のプロモーターを用いたpEF−BO
S、SV40のプロモーターを用いたpKCR、ウシパ
ピローマウィルス・ベクター等を挙げることができる。
【0014】本発明のラットセクレチンレセプターの発
現に用い得る培養細胞は複製可能で第2図記載のDNA
を発現し得るものであればよい。例えば、大腸菌のよう
な原核性微生物、S.セレビシエのような真核性微生物
、さらには哺乳類細胞が用いられる。組織培養細胞には
トリ、または哺乳類細胞、例えばネズミ、ラットおよび
サル細胞が含まれる。適当な宿主細胞−ベクターシステ
ムの選択および使用方法等は、当業者に既知であり、そ
れらの内から本発明のセクレチンレセプターをコードす
るcDNAの発現に適した系を任意に選択することがで
きる。
【0015】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳し
く説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもの
ではない。
【実施例】実施例1  ラットセレクチンレセプターc
DNAのクローニング (A)cDNAライブラリーの構築 ラット−マウスハイブリッド細胞NG108−15から
サムブルックらの方法(24)でtotalRNAを調
製し、oligo(dT)−セルロースカラムクロマト
グラフィーを用いてpoly(A)RNAを選択した。 ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド(pdN6)ま
たはoligo(dT)でプライムされた2本鎖cDN
Aを、AMV逆転写酵素ではなくM−MLVRNase
H−逆転写酵素(BRL)を用いる外は文献記載の方法
と同様にして合成した(8)。BstXIアダプターを
加えた後、1.0kb以上のcDNAをアガロースゲル
から回収しBstXI消化CDM8ベクター(10)に
結合させ、Echerichia coli(大腸菌)
MC1061/p3細胞に電気穿孔法で導入した。75
0〜1,000個の形質転換体からなる400プールを
得、アルカリ溶解法(24)で各プールからプラスミド
DNAを調製した。
【0016】(B)  Gsタンパク質のαサブユニッ
トを過剰に発現するCOSGs1細胞の樹立ラットGs
αのcDNA(11)をpEF−BOSのSV40レプ
リコン起源をコードする0.25kbHindIII断
片を欠失させたpDEF−BOSのXbaI部位に挿入
して発現プラスミドpEFGs1を構築した。このプラ
スミドをネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子
をヒトEF−1αプロモーターの制御下に含有するpE
Fneoと一緒に、りん酸カルシウム共沈法でCOS細
胞に導入した。1mg/mlのG−418を含有する培
地で14日間選択した後、1個の形質転換体(COSG
s1)が合理的な量のGsαを発現していることを、ウ
サギ抗ラットGsα抗体を用いるウエスタンブロッティ
ング法で同定した。
【0017】(C)直接発現法によるセクレチンレセプ
ターcDNAのクローニング DEAEデキストラン法により1.5x105COSG
s1細胞を1.5μgのプラスミドDNAで形質転換し
た。60時間後、細胞を10mg/mlBSA、2mg
/mlバシトラシン、および20mM  Hepes(
pH7.4)含有DMEM1ml中、3.0x105c
pmの125I−セクレチンと一緒に37℃で90分間
インキュベーションした。 細胞を0.5mgMgCl2および0.7mM  Ca
Cl2を含有するりん酸緩衝化食塩水(PBS+)で4
回洗浄し、2%PBS+中2%グルタルアルデヒドと一
緒に室温で15分間、固定化した。PBS+で1回洗浄
したのち細胞を風乾しプレートの垂直な壁を除いてIP
プレート(Fuji BAS 2000システム;フジ
フィルム株式会社)に18時間暴露した。結合した12
5I−セクレチンをフジBAS2000Bio−イメー
ジアナライザー(フジフィルム株式会社)を用いるオー
トラジオグラフィーで観察した。陽性クローンをSib
選択に付して単一クローンpQ17を得た。
【0018】実施例2  クローン化セクレチンレセプ
ターの特性 (A)プラスミドpQ17により形質転換された細胞か
ら調製した細胞膜へのセクレチンの結合1)形質転換細
胞からの細胞膜の調製 15cmのプレートで培養したCOS細胞をりん酸カル
シウム共沈法により、pQ17各10μgを、哺乳類発
現ベクターpEF−BOS(12)またはpEF−BO
S−Gs(ラットGsαのcDNAを担持するpEF−
BOS)と一緒にトランスフェクション(形質転換)し
た。
【0019】COS細胞またはNG108−15細胞か
ら、カタダら(25)の方法(ただし全バッファーから
DTTを除去)に従って細胞膜を調製した。膜タンパク
質12μgを125Iセクレチンと一緒に25mM  
Hepes(pH7.4)、5mMMgCl2、1mM
  EGTA,50mM  NaCl、10mg/ml
BSA,2mg/mlバシトラシン、0.1mM(p−
アミノフェニル)メタンスルホニル・フルオリド塩酸塩
および100μg/mlのロイペプチンを含有する溶液
100μl中で37℃において90分間インキュベーシ
ョンした。14,000xgで3分間遠心して反応を停
止した。ペレットを氷冷BSA1mlに懸濁し、懸濁液
をあらかじめ0.3%ポリエチレンアミンに室温で25
時間浸漬しておいたWhatman GF/Cフィルタ
ーでろ過した。ろ紙上の放射能をガンマ−カウンターで
測定した。
【0020】2)親和性の測定 ペプチド合成機(ABI431)でブタセクレチン(2
7)を合成し、クロラミンT法でN−末端ヒスチジン残
基を標識し基本的にはChangおよびCheyの方法
(28)に従って精製した。125I−セクレチンの特
異的な放射活性は500ー1000Ci/mmolの範
囲であった。他のセクレチン群ホルモンは以下の通りで
ある。合成ブタセクレチン5−27断片はBachem
 Fine Chemicals, Inc.,から購
入した。VIPおよびグルカゴンはPeptide I
nstitute Inc.から得た。
【0021】125I−セクレチンの膜タンパク質への
非特異的結合を求めるため、大過剰の非標識セクレチン
(10μM)をアッセイ混合物に加え全結合から差し引
いて特異的結合を求めた。結合データの解析はMacL
igand Program(26)を用いて行った。 結果を図4−7に示す。
【0022】図4:組換えセクレチンレセプターを発現
しているCOS細胞の細胞膜と125Iセクレチンの結
合活性。図中、pQ17およびpEF−BOSで形質転
換された細胞(○)、pQ17およびpEF−BOS−
Gsで形質転換された細胞(□)を示すグラフである。 図5:NG108−15細胞の膜と125Iセクレチン
の結合活性を示すグラフである。
【0023】図6:組換えセクレチンレセプターを発現
しているCOS細胞の細胞膜と125Iセクレチンの結
合活性であって、COS細胞の細胞膜への125Iセク
レチンの結合が、非標識セクレチン(○)、VIP(□
)、セクレチン5−27(●)およびグルカゴン(△)
により競合されることを示すグラフである。 図7:NG108−15細胞の細胞膜への125Iセク
レチンの結合が、非標識セクレチン(○)、VIP(□
)、セクレチン5−27(●)およびグルカゴン(△)
により競合されることを示すグラフである。図4から見
掛けの解離定数0.57および20.1nMの2個の結
合部位の存在が認められる。これらの結合部位はNG1
08細胞の解離定数(0.44および14.5nM)と
同様である(図5)。
【0024】COS細胞の膜における高親和性および低
親和性結合部位の濃度はタンパク質1mgあたり0.0
22および1.22pmolであった。一方、pQ17
cDNAをpEF−BOS−Gsと一緒に用いて形質転
換したCOS細胞は、セクレチンに対する高親和性の結
合部位の濃度がさらに高められた(約10倍)(0.2
1pmol/mg)が、低い親和性結合部位は変化しな
かった(図4)。これらの結果はセクレチンレセプター
がGsαタンパク質と会合してセクレチンに対する親和
性の結合部位を形成することを示すものである。
【0025】また、図6は種々の非標識ペプチドの内、
セクレチンが125Iセクレチンの形質転換されたCO
S細胞の細胞膜への結合において最も強い競合作用を有
することを示している。VIPおよびセクレチン5−2
7の結合阻害作用はセクレチンの約1000/1である
。グルカゴンの阻害作用は極めて弱い。見掛けの50%
最大阻害濃度(IC50)はセクレチン4.5nM、V
IP4.5μM、セクレチン5−279.5μMであっ
た。これらの値はNG108細胞の膜から得た値(図7
)とよく一致する。
【0026】(B)COS細胞によって発現されたクロ
ーン化セクレチンレセプターのアデニレートシクラーゼ
活性の刺激 Zhouら(29)の方法に従って細胞内cAMP濃度
を測定した。COSGs1細胞を75cm2のフラスコ
で培養しDEAEデキストラン法で6μgのpQ17ま
たはCDM8で形質転換した。グリセリンショックの2
4時間後、細胞を6ウエルのマイクロタイタープレート
に分配し10%FCS補充DMEM培地で40時間培養
した。細胞をインキュベーションバッファー(1mg/
mlBSAおよび0.5mM  1ーメチルー3ーイソ
ブチルキサンチン(IBMX)含有DMEM)で2回洗
浄した後、様々な濃度のペプチドホルモン(セクレチン
、VIP、またはグルカゴン)を含有するインキュベー
ションバッファー中で37℃において45時間インキュ
ベーションした。バッファーを吸引除去した後エタノー
ル1mlを加えて反応を停止し、1.5mlのエッペン
ドルフ管に入れた。14,000xgで3分間遠心した
のち上清を乾燥しcAMP濃度をAmersham社の
cAMPアッセイシステムを用いて測定した。結果を図
8に示す。図はラットセクレチンレセプターを発現する
COSGs1細胞のcAMP蓄積に対するセクレチン(
○)、VIP(□)、グルカゴン(△)の刺激作用に対
する用量−応答曲線である。対照実験ではCDM8で形
質転換されたCOSGs1細胞を10μMのセクレチン
(●)、VIP(■)、グルカゴン(▲)で処理した。
【0027】セクレチンはpQ17で形質転換されたC
OSGs1細胞内でのcAMP蓄積を刺激したが、形質
転換されないCOSGs1細胞はセクレチンの細胞内c
AMP蓄積刺激に応答しなかった。応答は用量依存性で
あり1/2最大応答 はセクレチン1nMで得られ、N
G108細胞で得られた値と近似している。VIPはp
Q17形質転換細胞でのアデニレートシクラーゼ刺激作
用にアゴニストとして作用すると思われる。しかしVI
Pの1/2最大応答はセクレチンの約60倍の濃度が必
要であった。以上の結果は、pQ17cDNAが機能的
なセクレチンレセプターをコードしていることを証明し
ている。
【0028】(C)クローン化セクレチンレセプターc
DNAのヌクレオチド配列 セクレチンレセプターcDNAのヌクレオチド配列およ
び推定のアミノ酸配列は図1および2に示されている。 また、推定のアミノ酸配列のヒドロパシープロットをカ
イトらの方法(30)で得た(図3参照)。これらの図
からセクレチンレセプターペプチドは1,796ヌクレ
オチド長さのDNAにコードされており449アミノ酸
からなることが分かる。ヌクレオチド配列の分析により
、開始コドンはヌクレオチド213−215位にあり、
ヒドロパシー分析の結果、N末端にシグナル配列を有し
、かつそれぞれ20〜24アミノ酸からなる7個の膜貫
通領域を有することが明らかになった。成熟セクレチン
は23位のアラニンをN末端とする427アミノ酸ペプ
チドであって分子量は48,696と計算された。 ラット消化腺や膵腺房から125I−セクレチンとの化
学的架橋法(16、17)で算定された値より2〜13
KDa少ないが、これはグリコシル化の相違によるもの
であろう。7個の膜貫通領域は光レセプターロドプシン
などのG−タンパク質結合型レセプターと同様である。 しかし、セクレチンレセプターのアミノ酸配列は他のい
ずれのG−タンパク質結合レセプターとも類似しないこ
とから、本発明のセクレチンレセプターは7ー膜貫通領
域を有する新規なレセプターと考えられる。
【0029】膜貫通領域1に隣接してシステインに富む
長い細胞外領域(121アミノ酸)があり、これはセク
レチンの結合部位と考えられる。ところで、NG108
−15細胞はマウス神経芽細胞腫N18TG2とラット
C6Bu1神経膠腫細胞のハイブリド細胞である。上記
のヌクレオチド配列に基づいて合成したオリゴヌクレオ
チド(順プライマーとしてヌクレオチド番号1,476
−1,495、逆プライマーとしてヌクレオチド番号1
,705−1,724)をプライマーとして用い、ラッ
トおよびマウスのゲノムDNAをPCR法で解析した。 ラットおよびマウスゲノムDNAの増幅でそれぞれ約2
50ヌクレオチドの単一バンドが認められた。そこで、
これらDNAフラグメントの部分ヌクレオチド配列をp
UC119にサブクローニングした後、決定した。 ラットゲノムDNAから増幅したDNA断片はpQ17
と完全に一致するヌクレオチド配列を有したがマウスゲ
ノムDNAからのDNA断片はpQ17と17%の不一
致を示した。
【0030】これらの結果は、pQ17cDNAに対応
するセクレチンレセプターmRNAはNG108ハイブ
リッド細胞のラットゲノム由来の遺伝子から転写された
ものであることを示し、本発明のセクレチンレセプター
cDNAがラット由来であることが明らかになった。プ
ラスミドpQ17で形質転換された形質転換体Esch
erichia coli. pQ17は受託番号、微
工研菌寄第12286号の下、通商産業省工業技術院微
生物工業技術研究所に寄託されている(受託日:平成3
年6月3日)。
【0031】(D)  組換えラットセクレチンレセプ
ターペプチドの作用 セクレチンはすい臓、心臓、腸、腎臓、脳等に対して広
範な薬理作用を有することが報告されている。pQ17
cDNAをプローブとして用いるノーザンハイブリダイ
ゼーションで様々なラット組織のtotalRNAを分
析した。その結果、約2.5kbにハイブリダイゼーシ
ョンバンドが認められた。セクレチンレセプターmRN
Aは心臓に最も多量に発現されており、胃やすい臓には
少なく肺、肝臓および腎臓には検出されなかった。セク
レチンレセプターmRNAはハイブリッドNG108−
15およびその親マウスN18TG2細胞に検出された
が親ラットC6神経膠腫細胞からは検出されなかった。 この結果は125Iセクレチン結合に関する研究と一致
する(6)。しかるに、本発明のセクレチンレセプター
cDNAはハイブリッドNG108−15細胞のラット
mRNA由来のcDNAであるという実験結果が得られ
ている(上記(C)参照)。従ってC6細胞からのセク
レチンレセプター遺伝子は、ラット−マウスハイブリッ
ドNG108−15細胞内で転写活性化を受けていると
考えられる。
【0032】
【効果】本発明によりラットセクレチンレセプターをコ
ードするDNAのクローニングがなされたので、該DN
Aを用いて例えばDNA組換え法により十分な量のセク
レチンレセプターを得ることができ、セクレチンおよび
セクレチン類似のホルモンの作用機構の解明に向けての
研究が容易になる。本発明の効果をさらに詳しく述べる
と以下の通りである。
【0033】(1)  セクレチンを種々の治療剤とし
て臨床応用するには、体内におけるセクレチンの定量法
を確立することが必須である。しかし、現在までのとこ
ろセクレチンを特異的に簡便に定量する方法は知られて
いない。本発明で単離され、構造の決定されたセクレチ
ン受容体はセクレチンと特異的に結合し、アデニルシク
ラーゼを活性化する。このことは、セクレチン受容体c
DNAを発現する培養細胞や、精製した組み換えセクレ
チン受容体を用いて、セクレチンの簡便な定量法を確立
できることを示している。
【0034】(2)  また、セクレチンには炭酸水素
イオン分泌刺激作用、胃酸分泌抑制効果があり、臨床面
でもその有効性が検討されている。本発明で、このよう
なセクレチンの作用を媒介するセクレチン受容体cDN
Aが単離され、その構造が明らかとなった。この受容体
cDNAを用いて、セクレチンの結合部位が明らかにな
り、セクレチンとその受容体の相互作用が解析されれば
、より強い活性をもつセクレチン誘導体の開発、セクレ
チンとの拮抗的に作用し、セクレチンの作用を抑制する
ペプチドの開発などが容易となろう。
【0035】(3)  さらに、本発明で単離したセク
レチン受容体には弱いながらもVIPが結合し、アデニ
ルシクラーゼを活性化した。このことは、セクレチン受
容体とVIP受容体の構造が類似していることを示唆し
ており、セクレチンレセプターcDNAを用いてVIP
など他のセクレチン群のレセプターcDNAを単離でき
ることを示している。そして、これらのレセプターはV
IP、グルカゴンなどのセクレチンレセプター群のホル
モンの分子レベルでの機能および制御機構の解明に役立
つであろう。
【0036】以下に本明細書中で引用した文献を示す。 (1)バイリスら(Bayliss,W.M.) J.
Physiol. 28: 253−353 (190
2) (2)ロッセリン(Rosselin, G.) Pe
ptides 7, Suppl 1, 89−100
 (1986) (3)クリストフェ(Christophe, J.)
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84) (4)クリストフェ(Christophe,J.)ら
、  J.Arc.Int.Pharmacodyn.
 303, 51−66(1990)(5)ピンカス(
Pincus,D.W.)ら、 Nature 343
, 563−1152 (1990) (6)ロス(Roth,B.L.)ら、  J.Neu
rochem. 42, 1145−1152 (19
84) (7)ゲスパッハ(Gespach,C.)ら、 Pe
ptides7、 Suppl. 1, 155−16
3(1986) (8)フクナガら(Fukunaga, R.)、 C
ell 61, 341−350 (1990) (9)セリオネら(Cerione,R.)、 Bio
chemistry 23, 4519−4525 (
1984) (10)シード(Seed,B.)、 Nature 
329、 840ー842 (1987)
【0037】(11)イトウら(Itoh,H.), 
Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 83, 3776−3780 (1986)(12
)ミズシマら(Mizushima,S)、 Nucl
.Acids.Res. 18, 5322 (199
0) (16)ベワブら(Bewab,W.)、 Life 
Sci. 42, 791−798 (1988) (17)ゴッセンら(Gossenn,D.), FE
BES Lett. 243, 205−208 (1
989) (18)オドワドら(O’Dowd,B.F.)、 A
nn.Rev.Neurosci. 12, 67−8
3 (1989) (22)ロベレヒトら(Roberecht,J.)、
 J.Biochim.Biophys.Acta. 
773, 271−278 (1984)(23)フレ
ミューら(Fremeau Jr.,R.T.)、 J
.Neurochem. 46, 1947−1955
 (1986)(24)サムブルックら(Sambro
ok,J.)、 MolecularCloning:
 A Laboratory Mannual, 2n
d eddition (Cold Spring H
abor, New York: Cold Spri
ng Harbor Laboratory)(198
9)
【0038】(25)カタダら(Katafa,T.)
、 J.Bio.Chem. 257, 3739−3
746 (1982)(26)ムンソンら(Munso
n,P.J.)、  Anal.Biochem. 1
07, 220−239 (1980) (27)ムットら(Mutt,V.)、 Eur.J.
Biochem. 15, 513−519 (197
0) (28)チャンら(Chang,T.−M.)、 Di
g.Dis.Sci.25, 529−532 (19
80) (29)ゾウら(Zhou,Q.−Y.)、 Natu
re 347, 76−80 (1990) (30)カイトら(Kyte,T.)、 J.Mol.
Biol. 157,105−132 (1982)
【図面の簡単な説明】
【図1】  セクレチンレセプターcDNAのヌクレオ
チド配列のN−末端側および推定のアミノ酸配列。
【図2】  セクレチンレセプターcDNAのヌクレオ
チド配列のC−末端側および推定のアミノ酸配列。
【図3】  ラットセクレチンレセプターの推定のアミ
ノ酸配列のヒドロパシープロットを示すグラフ。
【図4】  プラスミドpQ17により形質転換された
COS細胞から調製した膜とセクレチンとの親和性
【図
5】  NG108−15細胞膜と125Iセクレチン
の結合活性を示すグラフ。
【図6】  pQ17で形質転換されたCOS細胞の膜
と125Iセクレチンとの結合に対する他のホルモンの
拮抗作用を示すグラフ。
【図7】  NG108−15細胞の膜と125Iセク
レチンとの結合に対する他のホルモンの拮抗作用を示す
グラフ。
【図8】  ラットセクレチンレセプターを発現するC
OSGs1細胞のcAMP蓄積刺激作用へのセクレチン
、VIP、グルカゴンの影響を示すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ラットセクレチンレセプターをコード
    するDNA。
  2. 【請求項2】  ラットセクレチンレセプターが図1お
    よび図2のアミノ酸配列によって示されるものである請
    求項1のDNA。
  3. 【請求項3】  図1および図2のアミノ酸配列によっ
    て示されるラットセクレチンレセプターペプチド。
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