JPH04360652A

JPH04360652A - 飼料効率改善添加剤

Info

Publication number: JPH04360652A
Application number: JP3162367A
Authority: JP
Inventors: Keisuke Matsumoto; 圭介松本; Masahiko Ito; 雅彦伊藤; Satoshi Kudo; 工藤　聰
Original assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Current assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Priority date: 1991-06-07
Filing date: 1991-06-07
Publication date: 1992-12-14
Anticipated expiration: 2014-08-30
Also published as: JP2942384B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般式Ｇａｌ−Ｇｌｃ
　または一般式Ｇａｌ−Ｇａｌ　（ただしＧａｌ　はガ
ラクトース残基、Ｇｌｃ　はグルコース残基を表し、Ｇ
ａｌ−Ｇｌｃ　におけるガラクトース残基とグルコース
残基との結合はβ１→６結合、β１→３結合またはβ１
→２結合である）で示されるガラクトシル二糖を含有す
る家畜用飼料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、安価な外国産畜肉の輸入量の増大
に伴い、国内の畜産農家にとっては家畜を効率良く生産
することによって畜産経営の安定化を図ることが必須と
なっている。そのため、飼料効率を改善し、家畜の成長
を早めて短期間に出荷したり、飼育密度を高めて飼養頭
数を増やすことによって効率の良い飼育を図るなどの努
力が続けられている。

【０００３】この高密度飼育は飼育環境を悪化させ、下
痢等の疾患の発生頻度が高まることが指摘されている。特に幼齢期の家畜の場合にはこれらの疾患がその後の成
育不良や脱落を引き起こすため、下痢等の疾患の防止は
家畜経営において解決すべき重要な問題となっている。

【０００４】これらの問題に対して、従来、ビフィズス
菌の増殖促進効果を有するフラクトオリゴ糖、ガラクト
オリゴ糖等のオリゴ糖類を配合した家畜用飼料が提案さ
れている（特公平２−５６０６２号および特公平２−５
７９０２号）。また、同じくビフィズス菌の増殖促進効
果を有するイソマルトオリゴ糖と生菌剤の併用（畜産の
研究，４３巻，１０７１〜１０７４（１９８９年））も
提案されている。

【０００５】一方、本発明者らによって、乳糖にβ−ガ
ラクトシダーゼを作用させた混合物中から得られる、一
般式Ｇａｌ−Ｇｌｃ　または一般式Ｇａｌ−Ｇａｌ　（
ただしＧａｌ　はガラクトース残基、Ｇｌｃ　はグルコ
ース残基を表し、Ｇａｌ−Ｇｌｃ　におけるガラクトー
ス残基とグルコース残基との結合はβ１→６結合、β１
→３結合またはβ１→２結合である）で示されるガラク
トシル二糖が、ビフィズス菌だけでなく、ラクトバチル
ス属等の乳酸菌に対しても強い増殖促進効果を有するこ
とが見いだされている（特開平２−２９９５８２）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ラクトバチルス属等の
乳酸菌に対して増殖促進効果を有するようなオリゴ糖類
を配合した家畜用飼料は、これまで検討されていなかっ
た。

【０００７】本発明者は、ビフィズス菌だけでなく、ラ
クトバチルス属等の乳酸菌に対しても増殖促進効果を有
するガラクトシル二糖の家畜用飼料添加物としての利用
可能性について検討を行ったところ、予想を上回る優れ
た特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至
った。

【０００８】すなわち本発明は、家畜の飼育において、
成長促進や飼料効率の改善に効果を有し、また各種疾病
の予防に有効なガラクトシル二糖を配合した家畜用飼料
を提供することを目的とするものである。以下、本発明
を詳細に説明する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の家畜用飼料は、
ガラクトシル二糖を配合したことを特徴とする。ここで
用いるガラクトシル二糖とは一般式Ｇａｌ−Ｇｌｃ　ま
たは一般式Ｇａｌ−Ｇａｌ　（ただしＧａｌ　はガラク
トース残基、Ｇｌｃ　はグルコース残基を表し、Ｇａｌ
−Ｇｌｃ　におけるガラクトース残基とグルコース残基
との結合はβ１→６結合、β１→３結合またはβ１→２
結合である）で示される。

【００１０】

【作用】本発明で使用するガラクトシル二糖は、天然よ
り単離されたものや化学合成された物などその由来につ
いてとくに限定されるものではないが、たとえば特開平
２−２９９５８２で開示されている、本発明者らの方法
によって製造したものを用いるのが有利である。すなわ
ち、乳糖を含む原料液に適当なβ−ガラクトシダーゼを
作用させて、ガラクトシル転移反応をおこない、得られ
た糖混合液から、二糖画分を分離生成することにより、
前述の一般式で示される二糖類の混合物として得られる
。

【００１１】本発明の家畜用飼料においては、前述のガ
ラクトシル二糖の混合物を更に精製し、単一構造のガラ
クトシル二糖として単離して用いてもよいけれども、何
れの構造のガラクトシル二糖も同程度の効果を有してい
ると考えられるので、混合物のまま使用すればよい。

【００１２】また、ガラクトシル二糖を配合する家畜用
飼料の基材としては、通常用いられる種々の一般家畜用
飼料でよく、また特定家畜用に特に設計されたものや、
各成長段階により設計されたものなど特殊用途のもので
もよく、とくに制限はない。また、飼料の形態（液体、
粉体等）にも限定されるものではない。

【００１３】ガラクトシル二糖の配合量は、基材となる
飼料に対して、重量当たり０．０５％〜５％程度が好適
である。しかし、家畜の種類、成長段階、健康状態等を
鑑み、この範囲外で処方することを除外するものではな
い。

【００１４】また、更に他の添加物、例えばアミノ酸類
、ビタミン類、ミネラル類などの栄養成分、着香料、着
色料、呈味料などの栄養成分有効利用促進剤、品質保持
成分としての抗酸化剤、乳化剤、増量剤等を、ガラクト
シル二糖の効果を阻害しない範囲で自由に配合すること
は差し支えない。

【００１５】本発明において、このようにして製造した
、ガラクトシル二糖を配合した家畜用飼料を用いて家畜
を飼育することにより、成長促進効果や幼齢期の家畜や
高密度飼育で頻発する下痢等の疾病の防止が図られ、飼
料あたりの体重増加（飼料効率）も有意に向上し、有利
な家畜飼育が行えるものである。以下、実施例により、
本発明を詳細に説明する。

【００１６】

【実施例】

ガラクトシル二糖の調製：乳糖１１５ｋｇを１１５ｋｇ
の水に加温溶解し、ついで６０℃まで冷却した後１Ｍリ
ン酸緩衝液（ｐＨ７．２）を１．９リットル、１０％硫
酸マグネシウム水溶液を１９０ミリリットル加える。次
に、ストレプトコッカス・サーモフィルスのβ−ガラク
トシダーゼを１５０万単位加えて１５時間反応した後、
２０％塩酸を用いてｐＨを４．５に調整して反応を停止
した。反応液の糖組成はガラクトシル二糖が２１．５％
、３〜６糖類のオリゴ糖が２０．１％、乳糖が６．５％
、グルコースとガラクトースを合わせて５１．９％であ
った。

【００１７】この反応液に活性炭とセライトを加えて攪
拌し、ついでフィルタープレス濾過を行って清澄な糖液
を得た。イオン交換樹脂で脱塩した後Ｎａ型の強酸性陽
イオン交換樹脂に通して、３〜６糖類のオリゴ糖、ガラ
クトシル二糖および単糖類の３画分に分画し、そのうち
ガラクトシル二糖画分を濃縮して、濃縮液（Ｂｘ７２）
９．６Ｋｇを得て以後の実験に用いた。ここで得られた
ガラクトシル二糖画分の糖組成はガラクトシル二糖８５
％、乳糖１０％、３〜６糖類のオリゴ糖４％、単糖類１
％であった。

【００１８】また、ガラクトシル二糖画分中の糖組成は
、　Ｇａｌβ１−６Ｇｌｃが３２．６％、　Ｇａｌβ１
−２Ｇｌｃが９．４％、　Ｇａｌβ１−３Ｇｌｃが７．
６％、　Ｇａｌβ１−６Ｇａｌが２７．２％、　Ｇａｌ
β１−３Ｇａｌが２．５％、その他のガラクトシル二糖
が６．７％であった。

【００１９】家畜飼料へのガラクトシル二糖の配合：得
られたガラクトシル二糖画分の濃縮糖液を凍結乾燥する
ことによってガラクトシル二糖粉末を調製し、これを抗
生物質無添加の人工乳後期の飼料（微粉コウモロコシ７
１％、脱脂粉乳１２％、魚粉１０％、粉末油脂２％、砂
糖３．５％、炭酸カルシウム０．３％、リン酸カルシウ
ム０．２％、ビタミン・ミネラル０．５％、アミノ酸混
合物０．５％）にガラクトシル二糖が０．１重量％と０
．５重量％になるよう添加した。なお、乳糖の影響を相
殺するために対照区とガラクトシル二糖０．１％添加区
には、ガラクトシル二糖０．５％添加区の飼料に含まれ
る乳糖量に等しくなるよう、乳糖を添加した。

【００２０】子豚を用いた飼育試験飼育試験は神奈川県にある養豚場で実施した。試験には
３腹から産まれた離乳直後のＬＷ・Ｄ種の子豚１８頭（
各腹６頭）を用い、どの区にも３腹から２頭づつの子豚
が入るように、また各群の体重の平均値と標準偏差が同
じ程度になるように３群（対照群、０．１％添加群およ
び０．５％添加群）に群分けした。飼料は不断給与とし
、一週間ごとに体重を測定し、また飼料の摂餌量、下痢
などの発生状況を観察記録した。

【００２１】結果は表１および表２に示すとおりである
。表１に示すようにガラクトシル二糖の添加によって下
痢の発生頻度が顕著に減少することがわかる。また表２
よりガラクトシル二糖０．５％添加区は対照区に対して
有意に体重の増加が認められ、飼料要求率も低い値を示
している。また、０．１％添加区においても同様の傾向
が認められる。

【００２２】

【表１】

【００２３】

【表２】

【００２４】

【発明の効果】本願のガラクトシル二糖を配合した家畜
用飼料は、既存のオリゴ糖を配合した家畜用飼料と比較
しても、家畜飼育時の下痢等の疾患の予防、成長促進、
体重増加に表わされる飼料効率の点で優れた特性を有し
ており、畜産産業等において家畜飼育の効率化が可能と
なり、ひいてはコスト削減、畜肉の品質向上につながる
ものである。

【表１】下痢発生数＝日数・頭数の積算値

【表２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　一般式Ｇａｌ−Ｇｌｃ　または一般式
Ｇａｌ−Ｇａｌ　（ただしＧａｌ　はガラクトース残基
、Ｇｌｃ　はグルコース残基を表し、Ｇａｌ−Ｇｌｃ　
におけるガラクトース残基とグルコース残基との結合は
β１→６結合、β１→３結合またはβ１→２結合である
）で示されるガラクトシル二糖の１種もしくは２種以上
の混合物を含有することを特徴とする家畜用飼料