JPH0435771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は超音波検出式渦流量計における超音
波センサの取付装置の改良に関する。

一般に超音波センサは、種々の検知素子として
広く利用されており、流量計ことに渦流量計にお
いてもカルマン渦の検出素子として検出感度の優
れることと相俟つて盛んに利用されるようになつ
て来た。

この超音波センサは、超音波発信素子と超音波
受信素子より成り、従来の渦流量計では、管路内
の渦発生体の後方において管路の両側に間隔を置
いて対峙させた構成を備えている。したがつて、
渦流量計本体に取付けられた信号変換表示部と前
記両素子とを連結するリード線の全部または一部
は管路外に露出されるので、管路のに設置する作
業の邪摩となり、切損の原因ともなり、その上体
裁感を損なうという欠点があつた。

この考案は叙上の点に着目して成されたもの
で、リード線を管路外に露出させることなく全部
を管路の一部に埋装配設するようにした流量計を
提供するにある。

またこの考案は上記リード線の完全埋装に伴な
い信号変換表示部を超音波センサの取付位置の真
上に設置し、かつ計数表示部を簡単なビスなどの
係脱機構によつて容易に表示向きを変更できるよ
うにした流量計を提供するにある。

以下に、この考案の一実施例を渦流量計に施こ
した場合について図面と共に説明する。

１は管路２を有する流量計本体、３は渦発生
体、４は整流部で管路２の流入口近くに設置され
る。

５は管路２の内壁に張設された不織布などの超
音波を吸収、減衰する吸音材をそれぞれ示す。

６は渦発生体３の後方において管路２の両側に
沿つて配設される超音波センサで、一方を超音波
発信素子として使用し、他方を超音波受信素子と
して使用する。

この超音波センサ６は、円筒筐体７の前端に超
音波を発信または受信する開口部８が形成され、
後端にはプリント基板９が取付けられて、該基板
９の周縁が鍔部１０を形成して円筒筐体７の周面
より僅かに外方に突出している。円筒筐体７の外
周にはたとえばシリコンゴムの如き熱収縮チユー
ブ１１などの絶縁材を被覆固着させてあり管路２
の開口孔１２の内側小孔部１３ａ内に緊密に嵌着
されて超音波センサ６が確実に挿通される。また
超音波センサ６は支持筒体１４の先端支持部１５
で支持されプリント基板９の背部に突出した二本
の端子１６、１６を仕切壁１７の孔１８を挿通さ
せて支持筒体１４の内部に突出させると共にプリ
ント基板９の鍔部１０は先端支持部１５の係止部
１５ａで係止される。さらに支持筒体１４の先端
支持部１５にはチユーブ１１の外周に嵌挿される
Ｏリング１９を取付け開口孔１２の外側大孔部１
３ｂの内側小孔部１３ａに至る段部２０と当接さ
せて装着できる。なお、開口孔１２の外側大孔部
１３ｂは、管路２の外方に突出する筒壁２１によ
つて形成されると共に該筒壁２１の上側一部を開
口２２として管路２の外周に沿設される管状部２
３と連通できるように構成してある。

前記先端支持部１５の内部に臨ませた二本の端
子１６，１６にはリード線２４，２４を連結する
と共に、前記管路２内の流体が外部に漏洩するの
を防止するため、仕切壁１７に沿つてエポキシ樹
脂のような耐圧性の強い合成樹脂材料２５を被着
させ、さらにその上部に防水のためにシリコンゴ
ムのような材料２６を、開口２２に対して該開口
２２に近づくに従つて漸次と拡がつて行く傾斜２
７を保つて被着する。この傾斜２７のためにリー
ド線２４，２４は、開口２２に向けての曲折が無
理なく行えるので開口２２を通り管状部２３のリ
ード線挿通孔２８を挿通させて、本体１の上方の
開口部２９より導出させることができる。

また、開口孔１２の外側大孔部１３ｂの開口端
には、蓋板３０が当接され支持筒体１４の上端を
前記Ｏリング１９との弾性効果の下に押圧してビ
ス３１により確固に固着する。

３２は信号変換表示部で、前記リード線挿通部
２８の開口部２９を跨いで流量計本体１の上部に
載置固定される。３３は前記信号変換表示部３２
の角筒形のケーシング、３４は流量計本体１の信
号変換表示部取付座、３５はケーシング３３の頂
部に形成される円形の計数表示覗見部で透明ガラ
スを嵌合させて構成される。３６は該覗見部３５
に対応してケーシング３３内の支持枠３７により
支持される計数表示部、３８は四個処に設けた着
脱自在の止めビス、３９は支持枠３７に固着され
る信号増幅器、４０はトランス、４１は流量計本
体１の下部一側に設けた導線挿通部で所望の電線
コード４２を挿通できるようになつている。４３
はリード線取付用のターミナル端子、４４は計数
表示部３６のコネクターを示す。

叙上の構成において所望の配管に流量計本体１
を接続して被計測流体を管路２内に流通させて超
音波センサ６を働かせれば、被計測流体は整流管
４で整流され後方の渦発生体３を通過する。

この渦発生体３の後方にカルマン渦を発生す
る。

このカルマン渦は、管路２の両側に配設した超
音波センサ６すなわち超音波発信素子および超音
波受信素子によるカルマン渦検出機能を働かせ、
電気信号の変化として確実に検知することができ
る。

ことに、管路２の内壁には超音波吸音材５を張
設させてあるので、超音波発信素子から発信され
る超音波信号が管路２の内壁で反射する不都合を
回避できるのでカルマン渦の計測精度を著るしく
向上できる。

ところで本実施例では超音波センサ６は、管路
２の開口孔１２において支持筒体１４に固着した
状態で挿着され、該センサ６のリード２４，２４
は、開口孔１２の外側大孔部１３ｂを構成する筒
壁２１の開口２２を通つてリード線挿通孔２８内
より開口部２９に導びき、本体１の信号変換表示
部取付座３４より該座３４に固着されている信号
変換表示部３２内に導入させているのでリード線
２４，２４は完全に流量計本体１の内部に埋装さ
れた構成を保持できる。

またこの超音波センサ６は、これを支持する支
持筒体１４を、開口孔１２の開口端に当接される
蓋板３０によつて押圧し、超音波センサ６を開口
孔１２の内側小孔部１３ａ内に挿通すると共に段
部２０には支持筒体１４の先端支持部１５に嵌挿
したＯリング１９を当接させて弾性的に緩衝させ
ることにより緊密に管路２の開口孔１２に挿通固
着できる。

なお、計数表示部３６はケーシング３３を取外
し、止めビス３８を外して、好みの向きに変更し
て再び止めビス３８を螺着し計数表示部３６の表
示方向を流量計本体１の使用態様に応じて自由に
変更できる。

また超音波センサ６は、支持筒体１４において
合成樹脂材料２５および防水材料２６でそのプリ
ント基板９に突設した二本の端子１６，１６を一
体的に固定しているので仕切壁１７の構成と相俟
つて確実に支持できしかも気密性が確保できる。

超音波センサ６の端子１６，１６のリード線２
４，２４は開口孔１２を構成する筒壁２１の開口
２２に折曲げて挿通する際リード線２４，２４の
基部を被着させた防水材料２６が傾斜２７させて
被着してあるので、信号変換表示部３２への導線
の引出しを無理なく行える利点がある。

以上、この考案について一実施例を説明したが
超音波センサ６の支持筒体１４、開口孔１２の形
状、構造は実施例の構成に特定されるものでなく
管路２に添設されるリード線挿通孔２８の構造、
開口２２の大きさなどこれ亦同様に実施例の構成
に特定されるものではない。

この考案は叙上のように成るから、各種流体、
気体、液体などの単一または混合流体として被計
測流体を管路内に流がせば渦発生体によるカルマ
ン渦の検出または流体の流れの速度の検出などの
素子として配設されるカルマン渦流量計または超
音波流量計などの超音波センサにより流量、流速
が検数されるものである。

また、この考案によれば超音波センサの二本の
端子に連結されたリード線は、管路に穿つた開口
孔の側部に穿つた開口を通して管路の外周に沿つ
て形成される管状部のリード線挿通孔を挿通して
信号変換表示部の下部に接続させているので完全
に埋装された状態となり、体裁感を向上できると
共に配管内への取付作業でもリード線が外部に露
出していないので誤まつて切損するおそれを防ぐ
ことができる。

また、リード線の挿通路を構成する開口孔と管
状部のリード線挿通孔は、管路の外周位置で比較
的短かい距離で構成されるのでリード線の挿通作
業も簡単に行うことができる利点がある。

さらに、信号変換表示部は超音波センサのリー
ド線の端部が突出する取付座にその下部をビスな
どで固着すれば良いので管路の一部に簡単に取付
けられる特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る流量計の一実施例を示
す一部切欠側面図、第２図は同上の−線断面
図、第３図は同上上面図、第４図は第２図の要部
拡大断面図である。 １……流量計本体、２……管路、３……渦発生
体、６……超音波センサ、１２……内側小孔部１
３ａと外側小孔部１３ｂより成る管路２の開口
孔、１４……支持筒体、１６，１６……端子、２
２……管状部２３と連通できる開口、２８……リ
ード線挿通孔、３０……蓋板、３２……信号変換
表示部、３３……ケーシング、３４……信号変換
表示部取付座、３６……計数表示部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管路に渦発生体を配設し、該渦発生体による渦
   を超音波センサで検出する渦流量計において、前
   記管路の渦発生体後方の管壁に超音波センサを取
   付けるための開口孔を対向して穿設し、前記開口
   孔の外方に筒壁を突出し、前記開口孔内に前記超
   音波センサを挿入し、該超音波センサに隣接して
   前記開口孔内に支持筒体をＯリングを介して挿入
   し、前記超音波センサのリード線を前記支持筒体
   の側壁に穿孔された開口から前記管路と該管路の
   外周に沿つて設けた管状部とで形成されたリード
   線挿通孔に挿通し、前記超音波センサのリード線
   を前記管路の上部に設けた計装機器体のターミナ
   ル端子に導き、前記支持筒体を蓋板を介して前記
   筒壁に固着するようにしたことを特徴とする渦流
   量計。