JPS6240644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は製作が容易で、渦発生機構の取付精度
が良く比較的安価な製品を提供できる渦流量計に
関する。

一般に、カルマン渦を発生計数して被計測流体
の流速、流量を測定し得るようにした渦流量計が
広く知られているが、此の種の渦流量計は所望の
流管即ち流路と該流路中に配設される所望の渦発
生機構との二部材を基本的形態とする。而して、
流路を構成する管路の構成も流量測定に極めて重
要な役割を奏するが渦発生機構の取付構成も亦頗
る重要な役目を果すものである。

斯ゝる渦発生機構の取付構成に就いては、本出
願人は例えば実願昭53―100668号、（実開昭55―
18141号）、実願昭53―100669（実開55―18142号
公報）或は実願昭53―100670号（実開昭55―
18143号公報）として管路と一体的又は別体のも
のをビス等で固着する等の幾多の考案を完成した
が、本発明は構造が簡単で渦発生体の取付精度を
著るしく向上できるようにした渦流量計を提供す
ることをその目的とする。

即ち、本発明は渦発生機構を取り付ける流路に
流入する流体を安定化すると共に好みの構造を備
えた一個又は複数より成る渦発生体を所望の管路
に穿つた挿込孔又は凹処に挿通又は係止させ、接
着剤を始めビス止め、熔接、鑞付等の適宜の手段
により固着固定できるようにした渦流量計を得る
にある。

又、本発明は前記挿込孔は管路内壁では渦発生
体と同形であるが管路外壁では必要に応じて前記
固着手段を良好確実にするため渦発生体より僅か
に大きな所望の拡大部として構成するようにした
渦流量計を得るにある。

更に又、本発明は補強リブを縦横に突設したプ
ラスチツク、鋳造金属又は板金等によつて一体的
に形成できる型成形加工により本体を得るように
した渦流量計を得るにある。

以下に、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。

１は例えばプラスチツクモールドで一体成形し
た渦流量計本体を示し、流体の流れ方向と直角断
面で四角形状を備えた拡大開口部２、可及的絞部
３、直管部４並びに渦検知計測機構の検出端を取
付けるべき一対の装置孔５を順次と構成し、該本
体１の軸中心に管路ａを形成するものである。

６は直管部４の上下に配設される渦発生機構ｂ
の挿込孔又は凹処で、挿入孔６の場合は管路内壁
側では渦発生機構ｂの大きさとほぼ同大であるが
管路外壁側（外側）では渦発生機構ｂの大きさよ
り漸次と増大したテーパー状の拡大部６′を形成
してある。而して、該拡大部６′はテーパー状で
あれば渦発生機構の挿込挿入が円滑に行えるが必
ずしも斯ゝる構成である必要はなく他の好みの構
成としても差支えない。

又、第１図及び第２図に示す実施例は本出願人
が曩きに開発した特願昭49―139020号に於て開示
される渦発生機構と同一構成を備えた場合を示し
ており、断面三角形状で頂角部を流体流入方向に
向けた渦発生素子b₁とその後方に、該渦発生素子
b₁の後壁部７と同一幅を有する板状体である三個
の渦発生素子b₂，b₂，b₂とによつて構成される。
尚、この組合わせは一例であり安定な過発生を伴
なう他の渦発生素子の複合体でもよい。

第３図に示す実施例は、断面三角形状の単一部
材で構成される渦発生機構ｂを装着した場合を示
す。

而して、いずれの実施例も、渦発生機構ｂが挿
込孔６内に挿通された状態で、図示の如く、端部
b′がテーパー状の拡大部６′内に臨設できるよう
に配置することが好ましく斯ゝる状態で所望の接
着剤８等をテーパー状の拡大部６′内に充填して
渦発生機構ｂの端部b′を埋設固定できるものであ
る。

尚、図に於て、９は所望構造の整流装置で拡大
開口部２に装着されている。１０は例えば一対の
超音波送受信機構で装着孔５に固着されている
が、他の電気的又は光学的手段による渦検知計測
機構でも差支えない。１１は超音波渦検知計測機
構を用いた場合等に特に好適な本体１の管路内壁
に沿つて添接した超音波吸収用の吸音材で、多孔
質で面密度が大きな空洞（連続気泡）が数多く分
布する不織布等の材料が有効である。尚、吸音材
１１を添設するには通常の溶剤性の接着剤を用い
る方法でもよいが、溶剤が吸音材にしみこみ、吸
音材が硬化したりあるいは結果的に吸音材が厚く
なり、寸法精度が出にくい等の不工合点が生じか
ねない。従つて両面接着剤を用いると、それらの
点を改良できるので最も好ましい。１２は本体の
補強としての役目の他、プラスチツク成形の際の
変形及び引け等の防止の役目を為すリブであつて
本体１の外壁に縦横方向に所望間隔を置いて突設
するのが好ましい。

而して、前記超音波送受信機構１０は第４図
イ，ロに示すように、バイモルフ型の超音波素子
１３をゴム等の弾性材で構成された支持台１４で
支持させ、電極１５，１６を備えた基板１７で固
着し且つ開口部１８を穿つた筒状ケース１９で被
覆して形成されるもので、イに示す構成は開口状
態で構成されているがロに示す構成は超音波素子
１３に円錐状の共振体２０を固着し、且つ筒状ケ
ース１９の開口部１８に網状体２１を張設してあ
る。尚、円錐状の共振体２０は伝播してくる超音
波が乱反射するように凹凸状にしてよく、楔状で
も良い。而して前記網状体２１は一種の偏向反射
体としての効果を奏し得るものである。更に装着
孔５に挿込される超音波送受信器１０の固着のた
めの蓋２２は図示の如くワンタツチの圧入手段の
ほか、ビス止あるいは接着剤使用等任意の手段を
選択し得るのは勿論である。

又、超音波を利用した渦検出機構１０は管路ａ
内の超音波の反射および反射による定在波の発生
を防止するために管路ａ内に対向して取付られた
送信器と受信器との間に、前記送信器から伝播し
てくる超音波を直接、前記送信器に向けて反射し
ない偏向反射体を取付けることもある。尚、符号
２３はリード線を示す。

尚、本実施例に於ける渦流量計本体１の構造の
特徴に就いては例えば、本出願より先願の特願昭
53―86686号（特公昭58―19970号公報）に於て詳
細に開示してあるので、その説明を省略する。本
発明は渦発生機構を取り付ける流路を流入方向の
断面形状を一定形状の矩形とすると共に整流装置
を挿入し、整流装置の区間を過ぎると対称的に連
続曲面で絞り、絞りと連続した後流は再び一定形
状の矩形断面を有する本体としたので、開口部か
ら流入する流体を軸対称な安定した流れとして渦
発生体に流入させる効果がある。

本発明は叙上の構成より成るものであるから、
従来の如くビスなどで固着した際に伴なう撓み変
形が渦発生機構或いは渦発生体本体に生ずること
なくしかも渦発生機構は、渦流量計本体の定めら
れた個処に精度良く穿設される挿込孔又は挿込孔
と凹処内に単に係入させることによつて、正確に
位置決めでき、而かも之れが固定は必要に応じて
設けられる挿込孔に通ずる外壁側の拡大部に接着
剤等を充填することにより能率的に行われ、従つ
て作業性が優れると共に迅速性が向上するもので
あつて、管路内壁には渦発生機構の装着に伴う何
等の附属構成も必要としないので、吸音材の添接
にも支障なく極めて有効である。

又、流量計本体、渦発生機構はいづれも型成形
可能であるので、之れが材料は合成樹脂、鋳造金
属等好みの材料によつて製出できるものである。

尚、本実施例に於て渦発生機構を挿入する挿入
孔の一方は前述した如く之れを単なる凹処として
構成し、貫通させない状態で使用に供することも
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係る渦発生機構取
付装置を施した渦流量計の一実施例を示す一部切
欠平面図及び一部切欠側面図、第３図は他例を示
す一部切欠平面図、第４図イ，ロは超音波送受信
機構の二例を示す断面図である。 １……渦流量計本体、６……挿込孔又は凹処、
６′……拡大部、１０……超音波送受信機構、１
１……吸音材、ａ……管路、ｂ……渦発生機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被計測流体が流れる導管内に流れに対向して
   配設された渦発生機構から発生するカルマン渦を
   検出して流速流量を測定する渦流量計において、
   前記導管は流れ方向に開口する一定形状の矩形で
   整流装置を挿入し、該整流装置の後流を連続曲面
   で対称的に絞り、該絞りに連続した後流を一定形
   状の矩形断面とし、前記導管外部にはリブを配設
   して一体成形し、前記渦発生機構は前記導管に穿
   設された挿通孔と凹処とに挿通固定することを特
   徴とした渦流量計。 ２ 渦発生機構を挿通する挿通孔の導管内壁側は
   渦発生機構の大きさにほぼ等しく形成し、導管外
   壁側は渦発生機構よりも大きいテーパ状に拡大す
   ることを特徴とした特許請求の範囲第１項記載の
   渦流量計。 ３ 渦発生機構は単体の渦発生体で構成すること
   を特徴とした特許請求の範囲第１項または第２項
   いずれかに記載の渦流量計。 ４ 渦発生機構は渦発生素子を複合してなる渦発
   生体で構成することを特徴とした特許請求の範囲
   第１項または第２項いずれかに記載の渦流量計。