JPH0211847B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、主として、上水道水、下水道水で代
表される液体、燃焼用ガス、空調用空気で代表さ
れる気体といつた各種流体の流量を算出する場合
等において必要となる流体流速を計測するための
検出端に関する。 流体流速計測用の検出端としては、 ○イ 流体が導電体の場合にはその流体の流速変化
によつて流体の電磁誘導が変化することを利用
して、流体輸送管内に挿入された棒状部材の挿
入部分に、流体の電磁誘導を検出するセンサー
を取付けて成る電磁式のもの、 ○ロ 物体輸送管内に挿入された棒状部材の挿入部
分に、流体により回転させられる翼車とこれの
回転数を検出するセンサーとを取付けて成るタ
ービン翼車式のもの、 ○ハ ビトー管式のもの、 が従来から存在する。 しかし乍ら、○イの電磁式のものによるときは、
非導電性の流体の流速を計測することができない
から使用範囲が狭く、しかも、センサー構造が複
雑であるのみならず、大型で、流体流れを阻害
し、その上、センサーが高価で、かつ、電力を消
費するものであることにより、製造コスト、ラン
ニングコスト（点検整備費）が非常に高いといつ
た欠点がある。○ロのタービン翼車式のものによる
ときは、翼車回転部の摩耗等が不可避であるた
め、耐久性に欠け、しかも、流体の流速変化のみ
ならず、流体の粘度や異物の混入具合等によつて
翼車の回転数が変化するから、測定精度が低く、
その上、翼車が流体流れ抵抗として作用して流体
流れを阻害するといつた欠点がある。○ハのビトー
管式のものによるときは、総圧、静圧を管外部に
導くための導圧管内の水垢等による詰り、導圧管
内への異物侵入、エアー付着等によつて、測定精
度が低く、しかも、総圧、静圧を管外部に導くた
め、計測にタイムラグが生じ、特に、流体が水の
場合には導圧管内の水が凍結するといつた欠点が
ある。 本発明は、以上詳述した従来欠点を一掃しよと
する点に目的を有する。 本発明による流体流速計測用棒型検出端は、流
体輸送管内に流線に対して垂直又はほぼ垂直な姿
勢に挿入される棒状部材の管内挿入部分に、総圧
を電気信号として検出する第１センサーと、静圧
を電気信号として検出する第２センサーとを、受
圧面が前記棒状部材の外周面に露出する状態で取
付けるとともに、これら両センサーの検出信号を
管内挿入部分から管外に棒状部材内を介して伝送
すべく構成してある事を特徴とする。 このような本発明の特徴構成によれば、 ビトー管式と同様に総圧と静圧とから流体の
流速を検出するから、非導電性の流体であつて
も、その流体の流速を計測でき、汎用性を向上
でき、 翼車等の可動部材がなく、かつ、棒状である
ことにより汚れにくいから、耐久性及びメンテ
ナンス性を向上でき、 総圧検出用の第１センサーと静圧検出用の第
２センサーとの受圧面を、流体輸送管内に挿入
される棒状部材の外周面に露出させているの
で、導管を通じて流体圧力を検出部に導く従来
のピトー管型の流速計のように、例えば上下水
道等の液体の流速を検出する場合にも導圧管内
の空気抜き作業が不用で、計測作業を簡単に実
施できる。しかも、受圧面が流体に直接に触れ
て流体による浄化作用を期待できるので、ピト
ー管型流速計のように導圧管内の詰まりがな
く、従来に比べて保守点検を簡略化できるとと
もに、計測タイムラグもなく、全体として高精
度の検出を安定的に行える効果がある。 両センサーとして、後述実施例で示すよう
に、小型、安価な圧力／電流トンスミツターを
用いることができるから、製造コスト及びラン
ニングコストを著しく低減できることはもちろ
ん、両センサーの検出信号を管内挿入部分から
管外に棒状部材内を介して伝送すべく構成して
管内に挿入させる部材をセンサー付の棒状部材
のみにしてあることの相乗によつて、流体の流
れ抵抗を小さくできる。 といつた利点がある。 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 総圧P₁と静圧P₂とから流速Ｖを求め、流速Ｖ
から流量を求める流量計用の検出端であつて、こ
れは、流体輸送管１内に流線に対して垂直な姿勢
で挿入される棒状部材２の管内挿入部分２Ａに、
総圧検出用の複数の第１圧力／電流トランスミツ
ターS₁…を棒状部材２長手方向に適宜間隔を隔て
て埋込み状態に取付けるとともに、前記管内挿入
部分２Ａに、静圧検出用の複数の第２圧力／電流
トランスミツターS₂…を棒状部材２長手方向に適
宜間隔を隔てて埋込み状態に取付けて、構成さ
れ、かつ、前記両種トランスミツターS₁，S₂…の
電流を管内挿入部分２Ａから管外に棒状部材２内
を介して伝送すべく構成されている。 前記トランスミツターS₁，S₂…の電流を棒状部
材２内を介して伝送する手段としては、棒状部材
２内に伝送用電線を埋込む手段を挙げることがで
きる。 前記両種トランスミツターS₁，S₂…の受圧面
は、夫々、棒状部材２の表面よりも突出しない状
態のダイヤフラム（ベローズでも可）a₁，a₂…か
ら構成されている。 前記棒状部材２は、ルーズフランジ３及びスト
ツプ弁Ｖを介して流体輸送管１に取付けられてい
る。 前記棒状部材２の外端には、第１トランスミツ
ターS₁…による検出総圧の平均値と第２トランス
ミツターS₂…による検出静圧の平均値とから流
速、流量を計算する演算回路を内装するととも
に、流量表示メータ４と積算流量表示メータ５及
び流量信号出力用のコネクター６を備えた流量計
７が付設されている。８は、流量計７に付された
矢視マークであり、これは第１センサーS₁…にお
けるダイヤフラムa₁…の向きを示すものである。
従つて、矢視マーク８を上流側に向けるように棒
状部材２を管１に取付けることにより、第１セン
サーS₁を総圧検出姿勢に位置させることができ
る。 前記流速Ｖ、流量Ｑは、次式によつて計算され
る。

【式】Ｑ＝Ａ・・Ｒ P₁＝総圧、P₂＝静圧、ρ＝流体の密度、Ａ＝
管内断面積、＝管内平均流速、Ｒ＝流量計の固
有誤差（実験で求められる係数） 上記実施例のように、両種センサーS₁，S₂を複
数個づつ設け、各センサーS₁，S₂…の検出値の平
均値をもつて流速を演算するようにして実施する
場合には、管１内での流速分布の乱れを補正で
き、検出精度を勝れたものにでき、又、ストツプ
弁Ｖ及びルーズフランジ３を介して管１に取付け
る場合には、管１内での流体流れを止めずに、か
つ、管１外に流体を噴出させることなく、メンテ
ナンス等に伴なう取付け、取外しを容易に行なえ
る。 又、棒状部材２の取付け姿勢は、流線に対する
垂直姿勢に対して前後夫々に３度程度傾いた姿勢
まで許容することができる。 加えて、両センサーS₁，S₂の各個数は、１個で
も良く、例えば、小口径（100〓〜200〓）の場合に
は、１つづつ、大口径（200〓以上）の場合には、
複数個といつたように、管１の口径や流体の種
類、或いは、必要とされる検出精度等に基づいて
決定され、棒状部材２の管内挿入部分２Ａ長さ
は、管１の口径に基づいて決定される。 尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態の概念図、第２図は斜視図で
ある。 １……流体輸送管、２……棒状部材、２Ａ……
管内挿入部分、a₁，a₂……受圧面、S₁，S₂……セ
ンサー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体輸送管１内に流線に対して垂直又はほぼ
   垂直な姿勢に挿入される棒状部材２の管内挿入部
   分２Ａに、総圧を電気信号として検出する第１セ
   ンサーS₁と、静圧を電気信号として検出する第２
   センサーS₂とを、受圧面a₁，a₂が前記棒状部材２
   の外周面に露出する状態で取付けるとともに、こ
   れら両センサーS₁，S₂の検出信号を管内挿入部分
   ２Ａから管外に棒状部材２内を介して伝送すべく
   構成してある事を特徴とする流体流速計測用棒型
   検出端。 ２ 前記両センサーS₁，S₂がともに複数個づつ設
   けられている特許請求の範囲第１項に記載の流体
   流速計測用棒型検出端。